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2016年2月定例会 討論 高橋秀樹議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年6月27日更新

 高橋秀樹議員

議員

高橋秀樹

所属会派
(質問日現在)
民主・県民連合
定例会平成28年2月
質問等討論
質問日3月22日(火曜日)

37番(高橋秀樹君)民主・県民連合の高橋秀樹であります。民主・県民連合を代表いたしまして、今議会に提出されました知事提出議案第1号「平成28年度福島県一般会計予算」につきまして、賛成の立場で意見を述べさせていただきます。


 今回の当初予算は、東日本大震災、原発事故から五年経過し、新たな復興・創生期間の大事な予算でもあり、本県が歩んできたこの5年間、復興再生をさらに加速度的に推し進める重要な予算と認識し、それを踏まえ、私たち会派も今議会に臨ませていただきました。

 県は、復興・創生期間の初年度となる平成28年度当初予算について、本県の未来を形づくり、復興を確実になし遂げていくための新たな一歩を踏み出し、復興再生と地方創生を実現していくための「復興・創生元年予算」と位置づけ、1兆8,819億円という今年度に次ぐ大規模な予算を計上しました。

 また、このうち震災・原子力災害対応分の予算は今年度を上回る1兆384億円となっており、復興加速化に向けた意気込みが十分あらわれた積極的な予算になっているものと認識しております。

 今回の予算の内容を詳しく見てみますと、まず歳入について、県税収入は復興需要に伴う公共事業が高水準で推移することや税制改正の影響などにより増収が見込まれることから、今年度比5.8%増となる2,284億円が計上されておりますが、一方で、震災復興特別交付税を除く実質的な地方交付税は今年度を下回るなど、一般財源の確保は予断を許さない状況と言わざるを得ません。

 また、復興再生に向けた事業の本格化に伴い、多額の財政需要が生じる中、必要な財源の確保は非常に厳しいものであったと思われます。こうした状況の中、原子力災害復興基金を初めとする各種基金の有効活用や徹底した事務事業の見直しに加え、知事が先頭に立って国に対して要望活動等を行い財源獲得に努めるなど、あらゆる方策を講じて歳入の確保に取り組まれており、並々ならぬ努力、そして工夫の跡がうかがえるものであります。

 また、震災、原子力災害からの復興に向けては中長期的に安定した復興財源の確保が極めて重要であります。復興・創生期間における財源については、国との粘り強い交渉等により地方負担の極小化が図られ、大枠は確保されたところですが、引き続きしっかりと財源の確保に取り組むよう強く希望するものであります。

 続いて、歳出についてであります。

 知事の所信にもありましたが、本県の復興は復興・創生期間の今後5年間がまさに正念場であり、その初年度となる新年度予算は本県の進む未来を方向づける重要な予算であることから、第3次復興計画とふくしま創生総合戦略に基づく11の重点プロジェクトを中心に重点的、優先的に予算配分がなされております。これらの施策が戦略的かつ効果的に展開されることで復興に向けた動きがさらに進展するものと期待するところであります。

 具体的な施策について、重点プロジェクトの区分については、まず「避難地域等復興加速化プロジェクト」、「生活再建支援プロジェクト」に関する施策であります。

 避難地域の復興再生は最重点で取り組まなければいけない課題であります。被災された方々の帰還の促進や自立的な生活再建に向けた取り組みが何よりも重要でありますが、新年度においては、2次救急医療確保のための体制整備など安心して暮らすことのできる環境づくりのほか、事業者、農業者の事業や営農の再開支援、避難されている方々に対する引っ越しや家賃への補助を初めとする総合的な支援などに取り組むこととされております。

 また、復興公営住宅については1日も早い入居に向けて整備を進めるとともに、入居された方々に対して支援するための予算が計上されたところであります。

 さらに、イノベーション・コースト構想やJヴィレッジの再整備など世界のモデルとなる取り組みを確実に推進することにより、先進的で魅力的な地域づくりが避難地域等の復興の加速化につながるものと考えております。

 次に、「環境回復プロジェクト」に関する施策であります。

 除染については、市町村に対する除染対策支援、県管理施設等の除染を迅速かつ着実に推進するための予算が確保されております。

 また、7月に全面開所となる環境創造センターについては、新たに開所する交流棟において環境、放射線の学習支援に取り組むなど、環境回復、創造の拠点施設としての運営が期待されるところであります。

 次に、「心身の健康を守るプロジェクト」に関する施策であります。

 将来にわたる県民の健康の維持増進を図るため、県民健康調査を継続して実施するほか、新年度から始まる新たな県民運動のテーマを「健康」とし、健康に対する関心を高め、実践につなげる取り組みが全県的に展開されます。

 また、県立医科大学において整備を進めているふくしま国際医療科学センターについては、平成28年度にいよいよ全面稼働を迎えるとのことであります。

 さらに、保健医療従事者の新たな養成施設について、平成33年度の開設に向けて整備に着手されることとなっており、課題である医療人材の確保に大きく寄与するものと考えております。全国に誇れる健康長寿県の実現に向け、これらの施策にしっかりと取り組んでいただきたいと考えております。

 次に、「子ども・若者育成プロジェクト」に関する施策であります。

 本県の未来を担っていくのは子供、若者であり、主体性や創造力、地域への誇りを育むことが重要であります。医療の仕事を通じて復興に貢献したいという中高生に専門家による講話や体験の場を提供する事業や子供たちがボランティア活動など社会体験活動を行うための事業に関係部局が連携して取り組むよう配慮されており、子供たちが成長するためのさまざまな機会の充実が期待されるところであります。

 次に、「農林水産業再生プロジェクト」、「中小企業等復興プロジェクト」に関する施策であります。

 本県の基幹産業である農林水産業の再生に向けては、米の全量全袋検査や営農再開支援などに引き続き取り組むほか、新規参入者の受け入れ態勢の整備や地域産業6次化の推進、地域の特色を生かした酒造好適米や健康機能性を持った工芸農産物の生産拡大、さらに水産試験研究拠点について平成31年度の開所に向けて所要の予算が措置されるなど、各分野について取り組みの充実が図られております。

 中小企業等の振興については、被災中小企業や中小企業グループに対する施設復旧への支援や県制度資金による支援など、厳しい状況にある中小企業等の復旧復興に向けて引き続き配慮がなされたほか、伝統工芸産業の担い手と著名なデザイナーとのマッチング支援による新たなブランド創出などの取り組みも進められております。

 「新産業創造プロジェクト」に関する施策につきましては、再生可能エネルギーの導入拡大や省エネルギーを促進するための総合的な取り組みのほか、ロボット関連産業の創出や関連拠点施設の整備についても着実に推進されるものと認識しております。

 また、医療機器関連産業については、本年秋に開所するふくしま医療機器開発支援センターを中心とした医療関連産業の集積に期待を寄せるところであります。

 さらに、新年度は新たな分野として、航空宇宙関連産業への県内企業の参入を促進するための予算が盛り込まれたところであります。これら本県の基幹産業の再生復興、新産業の創出に向けた取り組みの推進により、本県復興の推進力となるよう強く希望するものであります。

 次に、「風評・風化対策プロジェクト」に関する施策であります。

 風評と風化という二つの逆風を克服するため、昨年のデスティネーションキャンペーンの成果を観光誘客につなげる取り組みを初め教育旅行の回復や外国人の観光誘客のほか、復興の歩みを進める本県の姿、食や観光の魅力を国内外に戦略的に情報発信するための予算もしっかりと確保されております。

 また、東京オリンピック・パラリンピックを契機とした情報発信や交流促進に向け、担当課長を新設し、オールふくしまで取り組む体制を整備することは評価できるものであります。こうした対策を積極的に進め、風評と風化の克服にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 次に、「復興まちづくり・交流ネットワーク基盤強化プロジェクト」に関する施策であります。

 海岸堤防のかさ上げ、防災緑地やふくしま復興再生道路などの基盤整備の予算が確保されているほか、JR常磐線や只見線の早期全線復旧に向けた取り組みも継続して推進することとされております。

 また、被災者生活再建支援法が適用されない被災者に対する県独自の支援策が盛り込まれたところであり、引き続き県民の安全・安心の確保にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 最後に、地域創生・人口減少対策に関する施策であります。

 地域創生・人口減少対策は、本県にとって喫緊かつ最も重要な課題の一つでありますが、新年度は成長産業分野における人材確保に向けた取り組みのほか、県内の待機児童の解消や多世代の同居・近居への支援など安心して子供を生み育てられる環境づくり、日本版DMOの導入促進などによる観光の再生、そのほかふくしま創生総合戦略に掲げる七つのプロジェクトを積極的に展開することとされております。これらの取り組みにより人口減少に歯どめをかけ、地域の活力を取り戻すことができるよう期待するものであります。

 以上のとおり、知事提出議案第1号「平成28年度福島県一般会計予算」につきましては、復興再生と地方創生を実現するための実効性のある予算として大いに評価できる内容であり、賛成すべきものであると思っております。改めて内堀知事を先頭にオールふくしまの立場で県民に寄り添った施策の実現に期待を込めまして、私の討論とさせていただきます。議員各位の皆様の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

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