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2016年12月定例会 一般質問 小林昭一議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年2月14日更新

小林昭一 議員

議員小林昭一
所属会派
(質問日現在)
自由民主党
定例会平成28年12月
質問等一般質問
質問日12月13日(火曜日)

28番(小林昭一君)28番、自民党議員会の小林昭一であります。機会をいただき、通告に従い質問をいたします。


 質問の前に、若干所感を述べさせていただきます。
 福島県は一昨日で大震災、津波、原発事故から5年9カ月が経過いたしました。この間、さまざまな災害の中で、避難、復旧、復興、再生へと、2百万県民がそれぞれの立場で、一歩一歩少しずつではありますが前を向き、取り組んでまいりました。
 福島県総合計画「ふくしま新生プラン」を掲げ、年次目標を一つ一つ達成してきました。原発の廃炉に向かって、除染はもとより、仮設住宅から復興住宅へ、そして一方では幾つもの新事業に挑戦し、新たな産業創造に向かって産業技術総合研究所を開設し、原発事故を教訓に再生可能エネルギーの先駆けの地を目指しています。
 また、「環境回復」と「未来の創造」をキーワードに、県環境創造センターを開所するなど、着実な歩みを続けています。さらに、福島復興を健康の面から支えるシンボルとなるふくしま国際医療科学センターが県立医大に隣接して開所いたしました。
 これら力強く、華々しく前進を見ている県の勢いに、まさしく冷や水を浴びせるがごとく不祥事が続いていることに憤りを強くしています。まことに残念です。県民に申しわけが立ちません。
 今年度において、知事部局の県職員の懲戒処分は7件、教職員の懲戒処分は21件に上っており、去る11月29日には福島警察署の交通一課長が酒気帯び、当て逃げの疑いで逮捕されるなど、極めて異常な状態と言えます。
 東日本大震災から5年9カ月が経過したにもかかわわらず、いまだに多数の県民が県内外に避難を余儀なくされていることを踏まえ、県民のため、未来の子供たちのために、そして常に被災者のことを念頭に置きながら、24時間、公務員としての自覚を持って行動することが求められております。
 しかしながら、最近の不祥事を見るにつけ、私は公務員としての倫理観の欠如とともに、人間としての理性が欠けていると感じざるを得ません。私は、多くの職員の方々が本県の復興に向けて熱心に取り組んでいることは重々承知をしておりますが、一部の職員の不祥事が原因で県民の信頼が失われてしまうことを大変残念に思っているところでございます。
 今後も不祥事が続くようなことがあれば、県民への信頼はさらに失われ、さまざまな施策も砂上の楼閣のごとく県民の理解や協力を得られず、円滑に進まなくなるおそれもあると憂いています。従来の防止策では防げないということが明らかになっている現状においては、抜本的な思い切った対策が必要ではないでしょうか。
 知事を初め各部局のトップにおかれましては、職員の不祥事防止に関する早急な対策の検討と実施をお願いいたします。
 以上所感を述べさせていただきました。
 質問に入ります。
 初めに、教職員の不祥事についてであります。
 冒頭で述べましたとおり、本年度教職員の不祥事が相次いでおり、県民の教育への信頼を大きく損なう事態となっています。
 私は、教育とは人づくり、社会づくりの原点であると考えます。みずからの仕事がこれからの社会、未来を担うものであるという意識が不祥事を起こした教職員に欠けていることが、不祥事がなくならない大きな原因であると考えます。
 7月には我が党として教育長に対し、教職員の綱紀粛正を申し入れたところであり、教育委員会は管理職による職員面談などを実施したとのことですが、その後も異常な事態は続いております。取り組みがいまだ十分に浸透しておらず、危機意識が欠如しているものと考えざるを得ません。
 そこで、県教育委員会は教職員の不祥事根絶にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、ドイツとの連携強化についてであります。
 東日本大震災から5年9カ月が経過いたしました。私は福島県が震災からの復興をなし遂げるには産業の復興が不可欠であると考えており、県においても再生可能エネルギーの飛躍的推進や医療関連産業の集積を復興の大きな柱に掲げ、県民と一丸となってさまざまな取り組みを進めているところです。
 産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所では、一昨年の開所以来、県内企業の技術高度化に向けた支援や世界最先端の研究が行われているほか、先月には医療機器の開発から事業化までを一体的に支援する国内初の医療機器開発支援拠点となるふくしま医療機器開発支援センターが開所するなど、これまでの取り組みが形となってあらわれており、復興に向けた明るい光がふえていると感じております。
 こうした光をより大きな輝きとし、さらに力強い産業復興を進めていくためには、海外先進地のすぐれた知見を取り入れていくとともに、県内企業のグローバルな事業展開を拡大させていくことが重要であると思います。
 特に、再生可能エネルギーと医療の二つの分野における先進地であるドイツとの交流は、県内企業へ新たな技術、販路、発想をもたらし、関連産業の活性化が期待されることから、連携のより一層の深化を図っていくべきであると考えます。
 そこで、県はドイツとの連携のもと、再生可能エネルギーや医療関連産業の育成・集積にどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねいたします。
 次に、JR只見線についてであります。
 只見線沿線及び只見川流域は、その厳しい自然条件や過疎化、高齢化といった共通の課題を抱える一方、歴史や伝統文化が息づく魅力あふれる地域であります。また、水力発電による国内有数の電力供給地帯であると同時に、広大な森林面積を有する資源豊かな地域でもあります。
 平成23年7月、東日本大震災、原発事故に追い打ちをかけるように豪雨災害が発生しました。家も道路も、そして只見線も大きな被害を受け、会津地域全体の活力が激しく衰退し、我々は大きな喪失感を抱きました。
 只見線の復旧については、JRとの協議がことしに入ってようやく具体的な動きを見せ、現在、上下分離方式による鉄道復旧案とバス転換案の両案について比較検討が重ねられております。先ごろは住民懇談会も行われ、さまざまな意見が出されたところです。
 奥会津地域の将来像を描き、活性化を目指す上で、只見線は欠くことができません。只見線の全線開通により、日本一のローカル線として以前の姿を取り戻し、生活に、観光に、教育旅行に、多くの方々に利用される新たな只見線が再生できる、私はそのように強く決意しております。
 生活面でのバスの利便性の高さや将来の財政負担は確かに乗り越えなくてはならない課題です。しかし、今こそ県や沿線自治体、そして地域住民が力を合わせ、知恵を振り絞り、行動を起こせば、必ず課題は克服できるはずです。
 鉄道を復旧させ、只見線を名実ともに日本一の鉄道にすることは不可能ではありません。魅力ある只見線をつくり上げていくため、県はJRとの協議を継続しながら、並行して、全線開通を見据えたJR只見線の利活用を促進していくことが強く求められています。
 そこで、県は全線開通を見据えたJR只見線の利活用の促進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、中山間地域における県立病院の充実についてであります。
 会津西部の只見川沿いの町村は、国内有数の豪雪地帯であり、その厳しい自然条件や過疎化、少子高齢化の課題を抱える一方、自然、伝統、文化などが昔と変わらず人々の暮らしの中に息づいており、大きな魅力を持つ地域であります。
 これらの地域を含め、過疎・中山間地域においては今後人口減少、高齢化の進行がさらに加速することが想定され、住民が健康で安心して暮らしていくための基盤となる地域医療の確保が不可欠となっております。
 会津地方には県立の宮下病院、南会津病院があり、これまでも地域医療に貢献してきたところではございますが、このような状況を踏まえると、今後両病院の果たす役割はますます大きなものとなると考えます。
 本年10月に開催された県立病院事業評価委員会では、新たな県立病院改革プランの骨子案が示され、宮下病院や南会津病院を想定したものと思われますが、県立病院のあり方の一つとして「中山間地域で安心して暮らせる医療の確保」が挙げられております。
 安心して暮らせる医療を確保するためには、県立病院の充実を図っていく必要があると思われますが、県は中山間地域における県立病院の充実にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、会津地方の医療人材の確保についてであります。
 会津地方にある県立医大会津医療センター、県立宮下病院、県立南会津病院は、ともにそれぞれが地域の中核的医療機関として、住民の生命と健康を守る重要な役割を担っております。
 しかし、当地方の自治体病院だけでなく、全国の病院等において、医師、看護師、介護福祉士等の不足が顕著となっており、地域ごと、診療科ごとの医師、看護師等確保が喫緊の課題となっております。
 特に産科医、小児科医の確保は、暮らしと命をつなぐ上で大変重要な要件であり、少子化対策の一義としての里帰り実家お産を進める上では、まさに逆行している状況です。広大な面積を有し、過疎化、高齢化が急速に進行している会津地方において、地域医療の充実は住民の切なる願いです。
 そこで、県は会津地方の産科医を確保するためどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。
 次に、野生キノコの出荷制限解除についてであります。
 野生キノコについては、1品目でも基準値を超過した場合、市町村ごとに全品目が出荷制限の対象となるため、現在も会津地方の一部を除く県内55の市町村において全ての野生キノコの出荷制限が続いているところです。
 会津地方を初めとして、県内の中山間地域では、観光や産業振興を図る上で山菜や野生キノコに寄せる県民の思いは強く、一刻も早い解除を実現し、出荷の再開が期待されているところです。
 そこで、県は野生キノコの出荷制限の解除に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、主要幹線道路の整備についてであります。
 国道252号は、戦後の国土復興を支える電源供給地帯である只見川流域の開発に必要な道路として改良された歴史があります。現在では、只見町から会津若松市を連結する地域連携道路として、地域住民の方々にとって生命線とも言える重要な道路であります。
 平成23年の新潟・福島豪雨の際には、冠水や橋が流失するなど道路網が寸断し、住民生活に多大な影響を与え、改めて防災機能を強化する必要性を強く認識させられました。
 一方、沿線では世界遺産級のブナの山々を初め豊かな奥会津の自然を生かした観光交流が行われており、只見町から磐越自動車道会津坂下インターチェンジへのアクセス道路としても利便性の向上が強く望まれております。
 しかしながら、只見川と急峻な山に挟まれ、地形的な条件から支障となっている箇所が残されており、沿線住民の方々が安心できる生活の確保を初め、観光で来訪される方々が安全に通行できる道路の整備が喫緊の課題であります。特に、金山町本名地内の本名ダムにおいて著しく屈曲している箇所があることから、早急な整備が望まれております。
 そこで、国道252号本名バイパスについて、整備状況と今後の見通しをお尋ねいたします。
 次に、県立高等学校のあり方についてであります。
 少子高齢化の進行はとどまることなく、平成40年における本県の中学校卒業見込み者数は約1万4千人で、平成28年度に比べて約3割減少することが見込まれています。
 しかしながら、今後も本県が持続可能な発展を遂げていくためには、各地域における若い力の育成が何よりも必要であり、そのためには県立高等学校が果たすべき役割は非常に大きいと考えております。
 また、本県の面積の約8割、人口の約3割を占める過疎・中山間地域においては、地域の核としての高等学校のあり方も求められています。
 現在、学校教育審議会において、今後の県立学校のあり方について審議がなされていると聞いております。
 そこで、県立高等学校のあり方について、学校教育審議会の審議状況と今後の見通しをお尋ねいたします。
 これで通告による質問は終わりましたが、時間まで持論を述べさせていただきます。
 数日前、福島第1原発廃炉や賠償などの対応費用が、これまでの想定の11兆円から21兆5千億円に倍増するとの試算が経済産業省所管の委員会報告の形で発表となりました。このこととJR只見線復旧を重ね合わせて考えてみました。
 只見川電源開発事業は、戦後の復興を発電、電力供給のかなめとして貢献し、そのダム開発の資材運搬の路線として延伸し、旧国鉄時代に県境を越えて新潟県とつながりました。
 一方、原発は高度経済成長の礎となり、震災前までその大きな役割を担ってきました。原発は震災、津波で被害をこうむり、只見川流域は同じ年の夏、豪雨被害で地域も河川も只見線も甚大な被害をこうむり、現在に至っています。
 2カ所ともに類似した共通の事柄がございます。それは、一つに国策として進められ、国の関与が大きかったこと。その二つは、電気事業者と鉄道会社という公共性の高い団体であること。その三つとして、過疎が進行、もしくは著しく進んでしまった地域であること。
 以上のことを鑑みて、二つの地域を今後どのようにしていくのか、どのような未来の計画図を描くのか、さまざまな意見、提言、示唆を誰がまとめ上げ、どう具現化していくのか、大きな決断と実行が差し迫っています。
 国、広域自治体としての県、地元の個々の自治体、それぞれの役割と責任は当然のこととして、何といってもその地域に居住している人々、居住していた人々の考え、思い、声が最重要であり、尊重されるべきであると思っています。
 最後に、ある高僧の言葉を紹介して私の質問を終わります。「政治の役割、手当てとは、弱者の立場に立って初めて平等である。」
 終わります。御清聴ありがとうございました。


議長(杉山純一君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)小林議員の御質問にお答えいたします。


 ドイツとの連携による再生可能エネルギーや医療関連産業の育成・集積についてであります。
 本県の産業復興の核となる両分野において、県内企業が世界展開を図るには欧米との連携が重要であり、これまでドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州と覚書を締結し、再生可能エネルギー産業フェアやメディカルクリエーションふくしまに多くのドイツ企業から出展を得るとともに、ドイツから経済交流員を招聘するなど企業間のビジネスマッチングを支援してまいりました。
 この結果、ことしに入り、両地域の企業間での合弁企業の設立や販売契約の締結、大学と連携した共同研究の着手など具体的な動きがあらわれてきております。
 そこで、来月私がドイツを訪問し、州政府要人との会談や、さらなる連携強化のための覚書締結、ビジネスセミナーの開催などを通じ、これまでの信頼関係をより確固たるものに発展させてまいる考えであります。
 これを機に、両地域の交流を加速させ、より親密なネットワークを構築することで、県内企業のグローバルな事業展開を図り、福島県をこれらの産業の一大集積地として成長させてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。


生活環境部長(尾形淳一君)お答えいたします。


 JR只見線の利活用の促進につきましては、これまでも只見線応援団を対象としたモニターツアーや商品券事業などに取り組んできたところであり、上下分離方式による鉄道復旧案とバス転換案の両案について比較検討を行う上でも大切な視点であると考えております。
 そのため、年内に開催を予定している検討会においても、JR東日本や学識経験者等の参画を得た上で、地域振興の道しるべとなる計画を策定することについてさらに議論を深めてまいります。


保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。


 産科医の確保につきましては、産科医を志望する学生への修学資金貸与制度の義務要件の緩和や貸与額の加算、研究資金の貸与等による県外産科医の招聘などにより養成や定着を図っているところであります。
 また、会津地方の拠点病院に対しては、県立医科大学の産科医や修学資金被貸与医師を派遣するとともに、ふくしま子ども・女性医療支援センターの指導医による若手産科医の養成等を行っており、引き続き会津地方を含む全県の産科医確保に全力で取り組んでまいります。


農林水産部長(小野和彦君)お答えいたします。


 野生キノコの出荷制限の解除につきましては、地元からの強い要望を受け、検査の効率化に向けた国との協議を行ってきた結果、昨年11月から、検体数の縮小や簡易検査データの活用も可能となるなど一部改善が図られたところです。現在10市町村で15品目のデータの蓄積に取り組んでおり、このうち有意なデータが整った2地域について、先行して具体的な調整に着手しております。
 引き続き、野生キノコの特性を踏まえたより負担の少ない検査手法となるよう、しっかりと国に求めてまいります。


土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。


 国道252号本名バイパスにつきましては、交通の支障となっている急カーブや道幅の狭い箇所の解消を図るため、平成22年度から全長2.7キロメートル区間の整備に着手し、現在、只見川にかかる橋梁工事を施工しているところであります。
 今後は、来年3月までにトンネル工事に着手し、平成30年代前半の完成に向け重点的に整備を進めてまいります。


病院事業管理者(阿部正文君)お答えいたします。


 中山間地域における県立病院につきましては、救急医療や診療応援など、地域に求められる医療を提供してきたところであります。
 人口減少と高齢化が本格化する中、中山間地域における安心な暮らしを確保するため、県立医大、自治医大からの医師確保による診療体制の維持・充実、地域の保健、医療、福祉との連携による訪問診療、訪問看護の拡充など、県立病院の機能強化にしっかり取り組んでまいります。


教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。


 教職員の不祥事につきましては、県民の信頼を損ない、児童生徒の人格形成にも影響を与えかねないことから、不祥事が相次ぐ現状を重く受けとめ、先月臨時の県立学校長会議を開催し、信頼のないところに教育は成り立たない旨の訓示をし、危機感の共有を図ったところです。
 今後は、各学校において服務倫理委員会の取り組みを徹底させるほか、懲戒処分の基準及び処分の公表基準について、その妥当性を検証するなどして、不祥事の根絶と県民の教育に対する信頼回復に取り組んでまいります。
 次に、学校教育審議会につきましては、県立高等学校の望ましい学校規模を1学年4学級以上とし、1学年3学級以下の学校については、その魅力化を図りながら統合を進めることや、通学可能な学校がほかにないなどの条件を考慮して、学習機会を確保するため例外的に1学年1学級でも本校とすることなどを論点に、現在御議論をいただいているところであります。
 今後は、審議会において今週中にも審議の中間まとめを行うとともに、年明けには県内7カ所で公聴会を開催し、県民の皆様の御意見をお聞きした上で、来年の夏までに答申をまとめる予定としております。


議長(杉山純一君)これをもって、小林昭一君の質問を終わります。

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