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2017年2月定例会 追加代表質問 阿部裕美子議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年6月14日更新

阿部裕美子議員

議員

阿部裕美子

所属会派
(質問日現在)
日本共産党
定例会平成29年2月
質問等追加代表質問
質問日2月27日(月曜日)

38番(阿部裕美子君)日本共産党の阿部裕美子です。


 初めに、原発の汚染水問題について伺います。
 原発事故から6年が経過します。原発事故の収束、廃炉にとって、汚染水問題の解決が一番の入り口の問題であり、緊急課題です。
 しかし、これまで行われてきた地下水の流入量を減らすための海側遮水壁の工事や地下水バイパス対策、最後の切り札と言われた凍土壁についても、規制庁もほとんど効いていないのではないかと指摘しています。
 350億円という多額の費用をかけた凍土壁です。原子炉建屋へ流入する地下水の量は、凍土遮水壁の設置前と比較してどの程度減少したのか伺います。
 汚染水のタンク漏れを防ぐために、フランジ型のタンクを溶接型のタンクに切りかえるとされていますが、福島第一原発におけるフランジ型タンクの溶接型タンクへの切りかえの見通しについて伺います。
 汚染水を入れるタンクをつくり続けなければならず、15メートル以上の背が高いタンクにするとしても、地盤の問題や地震のときに大丈夫かなどの課題があります。
 汚染水対策は後手後手に回って、悪循環に陥っていると言わざるを得ません。長引くほど深刻になる問題として、早急に適切な対応をすることが求められています。県の廃炉安全監視協議会の専門委員からも、地下の地質状況や地層の性質などの基本的な調査や評価の見直しを行い、必要なメスを入れて、効果ある汚染水対策を組み立て直すことが指摘されています。
 汚染水対策のため、地質調査等の資料を公表するよう東京電力に求めるべきと思いますが、見解を伺います。
 福島第一原発2号機、3号機、5号機、6号機の建設を手がけた東芝が債務超過に転落し、志賀会長辞任が報じられています。ここで問題になるのは、福島原発事故の収束、廃炉、技術者の確保です。
 これまでも指摘してきたように、原発事故収束、廃炉は国家プロジェクトとして取り組み、労働者が誇りを持って廃炉作業に当たることができるように安定した体制のもとに取り組むべきです。廃炉作業に当たる労働者を国家公務員または国家公務員に準ずる者とするよう国に求めるべきと思いますが、見解を伺います。
 次に、再生可能エネルギーの推進についてです。
 福島県は、東日本大震災、原発事故の深刻な被害から復興を目指す復興計画のエネルギー分野では、それまでの原子力との共存路線を転換して、福島第一、第二原発全基を廃炉にし、再生可能エネルギーの先駆けの地を目指すことを明確に掲げています。
 地球温暖化と原発の危険に対して、社会を安全な再生可能エネルギーに転換していくことは世界の流れでもあります。
 福島県再生可能エネルギー推進ビジョンでは、2040年ころを目途に県内エネルギー需要の100%相当以上の再生可能エネルギーを生み出すとした目標を掲げたことは評価できるものですが、この目標を本気で達成する取り組みになっているかどうかが問われます。
 まず、再生可能エネルギーの導入状況と今後の見通しについて伺います。
 知事もドイツを視察されました。再生可能エネルギーはドイツやデンマークで急速に拡大され、発展途上国でも飛躍的に伸びています。その要因は、発電施設所有者が事業として成り立つように、買い取り価格と買い取り期間を法律で決め、さらに再生可能エネルギーの担い手が住民や自治体、中小企業など、地域の人たちが主体となっていることです。外からの企業の呼び込み型ではなく、自治体や地域企業の共同など市民や地域が主体となって取り組むことで地域が豊かになり、新たな収入で過疎化や高齢化を克服し、農村が元気になっています。
 本県は太陽光に加え、風力、水力、地熱と豊富なエネルギー資源に恵まれています。これらの豊富な資源を地域活性化につないでいくためにも、企業主導の大規模太陽光発電や大規模風力発電推進から地域活性化につながる住民参加型の取り組みを増加させることに力を入れるべきと思います。再生可能エネルギーの飛躍的推進のため、地域住民の参加が重要であると思いますが、知事の考えを伺います。
 再生可能エネルギー推進がここに来て伸び悩んでいる要因に、原発回帰の動きに合わせた国の固定価格の買取制度の引き下げがあります。電力会社が太陽光発電や風力発電からの買い取りに制限を設け、より厳しい出力抑制が求められることになりました。この影響で新規設置に大きくブレーキがかかり、人員削減など事業縮小を余儀なくされた企業も出ています。県内の太陽光発電の製造業者が撤退することが報じられています。
 国はエネルギー基本計画で、2030年まで原発の占める割合を20から22%にするとしていますが、このような原発依存は大転換して、再生可能エネルギー推進にかじを切ることこそ求められています。
 県は再生可能エネルギーを爆発的に推進し、先駆けの地にするためにも再生可能エネルギーの固定買取価格を引き下げないよう国に強く求めるべきと思いますが、見解を伺います。
 企業主導の大規模太陽光発電や大規模風力発電など利潤拡大重視の取り組みは、乱開発による環境破壊が心配されます。いわき市遠野地区の風力発電建設に当たっては、住民の皆さんから低周波、超低周波による騒音、健康被害や土地造成の影響による土砂崩れ、河川の水質汚濁、水源の枯渇、さらに野鳥が風車の羽に当たって死ぬバードストライクの問題等が心配され、そのために転居を余儀なくされたり、地価が下がるなど過疎化をさらに進めるおそれがあることが指摘されています。これらの不安や疑問に答え、住民の納得と合意で進める必要があると思います。
 県は風力発電による低周波音の問題など、環境への影響に対する住民の不安の解消にどのように対応しているのか伺います。
 次に、農業の振興についてです。
 原発事故によって本県農林水産業は大打撃を受け、産出額の減少が続いており、風評被害も長引くことが予想されます。福島県の農業を再生し、活力ある展望を開いていくための支援策をどう進めるのかが問われています。
 日本の食料自給率はカロリーベースで39%と、主要国の中で最低水準になっています。歴代の政権が、「自国の食料は自国で賄う」という食料自給政策から離れて、大企業とアメリカの要求で農産物の輸入自由化を進めてきたことに起因するものです。この10年間で、本県における基幹的農業従事者は約3割減少し、そのうち65歳以上の農業従事者は67.8%と、高齢化が顕著です。
 日本農業をさらに衰退させる最悪の農業破壊協定として反対の声が強いTPPは、アメリカのトランプ大統領の離脱表明で、TPPにかわるアメリカの利益となる強力な二国間貿易協定に持ち込むことが必至です。
 また、農協の信用・共済事業を分離し、農協を解体して、アグリビジネスが農業をもうけの対象にすることが進められています。この道に国民の安全な食料確保と本県の農業を委ねることができるでしょうか。
 国は規模拡大と輸出拡大など国際競争力強化を推進していますが、本県農業の復興は持続可能な地域の復興を進めるための農産物の価格保障、所得補償など、農業者が安心して再生産できる土台をつくり、食料自給率向上を重要な柱にすることが必要であると思います。
 農業総産出額も農業所得も10年前から約3割の大幅減少です。米価は1俵1万8,500円の水準だったものが、2015年には1万円程度に、45%も大暴落です。米は余っているといっても、70万トンのミニマムアクセス米を輸入しています。基幹作物である米について、10アール当たり1万5,000円の直接支払交付金の復活を国に求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。
 原発事故から6年を経過し、畜産農家の自給飼料をふやしていくとされていますが、原発事故後、除染やカリ散布を行い、それまで与えていた購入飼料を自給飼料などに変更したことによって死亡牛が多数発生したなど、さまざまなケースがあります。
 今後このようなことを繰り返すことがないように、畜産農家が安心して自給飼料を活用できるように丁寧な営農指導が必要であると思いますが、見解を伺います。
 酪農に係る飼料の購入費用について、自給が可能となった地域においても農家の個々の事情に応じて適切に賠償するよう東京電力に求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。
 自己所有農地での利用が困難になっている牛ふん堆肥の処理に困っています。県は、自己所有農地での利用が困難な牛ふん堆肥の処理について畜産農家をどのように支援していくのか伺います。
 本県農業振興にとっても期待が大きい福島大学に設置される(仮称)食農学類の専門人材育成課程において積極的に支援すべきと思いますが、見解を伺います。
 次に、福祉型の県づくりについて、高齢者支援についてです。
 日本の高齢化率は平成27年統計で26.7%と世界一になりました。日本の高齢化は、世界の中でも際立つスピードで進んでいます。同時に、高齢者のひとり暮らし世帯がふえ、孤独死、孤立死がふえ、「下流老人」の著書にあるように、働かざるを得ない高齢者がふえています。お年寄りは「月3万円や6万円の年金ではとても暮らせない」、「医療費や介護の負担が大変」と悲鳴を上げています。
 高齢者の貧困が深刻になっている中で、安倍内閣が進める高齢者の医療や介護の保険料等については、さらなる負担増とならないよう国に強く求めるべきと思いますが、見解を伺います。
 東京都港区では、ひとり暮らしの高齢者と75歳以上の諸制度を利用していない全ての高齢者世帯を訪問するというふれあい相談員制度をつくり、高齢者の状況を把握し、相談に乗る活動に取り組んでいます。
 本県においても、ふれあい相談員制度を新設し、市町村がアウトリーチの活動に取り組むことを支援すべきと思います。県は高齢者の見守りや生活支援にどのように取り組んでいくのか伺います。
 特別養護老人ホームの待機者数は、平成28年1万1,412人で、現在の入所者数1万1,189人を超えています。特別養護老人ホームの入所希望者の待機解消に向け施設整備を促進すべきと思いますが、見解を伺います。
 高齢化とともにふえてきたのが認知症で、高齢者の3人から4人に1人は認知症か軽度の認知症があると言われています。認知症も早期発見、早期治療が大切です。県は、認知症の早期発見の体制づくりにどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、障がい者支援についてです。
 昨年9月の県議会でも取り上げましたが、昨年7月に起きた相模原市の津久井やまゆり園で障がい者ら46人が殺傷された衝撃的な事件は、社会のあり方を改めて根本から問いかけるものでした。
 「重度障がい者は安楽死させた方がいい。障がい者は役に立たない。」などと言い犯行に及んだ植松容疑者の言動は絶対に許されないものです。その背景にある優生思想についても考えなければならない警告であると思います。
 しかし、政府の検証報告は、事件の社会的背景を検証することなく、精神科医療の措置入院制度や社会福祉施設の防犯対策など対症療法にとどまっています。
 私たち人間は、人権や尊厳を学びながら優生思想を克服する努力を重ねてきました。障がいを持つ人々のこれまでの苛酷な歴史を経て、日本政府は2014年に国連障害者権利条約を批准し、17条には「全ての障害者は、他の者との平等を基礎として、その心身がそのままの状態で尊重される権利を有する。」と述べています。障がいのあるなしにかかわらず社会の一員として地域で暮らし、学び、働き、スポーツや余暇を楽しむ権利保障を広げ、ともに生きる社会を具体的につくり上げていくことが私たちに求められている課題だと思います。
 県は障がいのある人もない人もともに生きる社会の大切さについて、県民の理解の促進にどのように取り組んでいくのか伺います。
 県では身体障がい者を対象とした県職員採用選考試験を実施していますが、県職員の障がい者の雇用については、知的障がい者、精神障がい者にも門戸を開き、差別解消を図るべきと思います。
 県は、知事部局における知的及び精神障がい者の採用にどのように取り組んでいくのか伺います。
 「どこでも、誰でも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方に基づき、高齢者や障害者等の移動などの円滑化の促進に関する法律、バリアフリー新法が平成18年に公布され、公共交通にもノンステップバスの導入などが進められてきました。リフトバスは、肢体が不自由な障がい者や高齢者が安心して外出や野外活動を行い、旅行をするのに不可欠です。障がいのある方々のためのリフトつき観光バスの導入を支援すべきと思いますが、見解を伺います。
 中途失明者緊急生活訓練事業については、現在は仙台市の公益財団法人日本盲導犬協会仙台訓練センターに委託をして実施していますが、中途失明者を絶望から希望へ導き、生活を営む上で必要とする訓練を行うことができるように、県に視覚障害リハビリテーションワーカー、いわゆる歩行訓練士を配置し、中途失明者緊急生活訓練事業の充実を図るべきと思いますが、見解を伺います。
 次に、災害に強い県づくりについてです。
 阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震と多くの地震災害が発生し、日本列島は地震や火山活動の活動期に入ったと指摘されています。
 また、温暖化による気象変動で、異常な豪雨や台風などかつてない動きとなっています。昨年の台風では、岩手県や北海道、茨城県常総市などとうとい生命が奪われ、甚大な被害を受けました。本県でも11月22日に福島県沖大地震が起きました。あらゆる事態を想定し、災害の新たな様相や変化にも応じた対策を講じ、防災・避難体制の総点検と拡充を進めることは待ったなしです。
 阪神・淡路大震災では6,434人の犠牲者を出しましたが、その多くが密集市街地の老朽木造住宅の倒壊による圧死とされています。熊本地震でも建物の耐震性を高めることが被害を少なくすることにつながることが立証されました。
 防災拠点となる公共施設の耐震化が急がれますが、避難所となる県立高校の耐震化はほぼ完了の見通しということです。東日本大震災のときも県内の県立高校の体育館が避難所として活用されましたが、自家発電機の設置など、避難所としての整備が必要であると思います。県立高等学校の避難所機能を充実させるため施設の整備を進めるべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。
 本県における木造住宅の耐震化は重要課題であり、改修工事への補助や制度の普及に取り組んでいますが、不十分です。
 南海トラフ地震発生が今後30年以内に70%と言われている高知県では、愛知建築地震災害軽減システム研究協議会が作成した低コスト工法に学んで耐震補強を進めているように、本県でも耐震工事の低コスト工法を取り入れ、木造住宅の耐震化を促進すべきではないでしょうか。県は木造住宅の耐震改修を促進するためどのように取り組んでいくのか伺います。
 県内の高齢者施設の耐震化率を100%にするために県はどのように取り組んでいくのか伺います。
 本県の昨年1年間の火災による犠牲者29人のうち、約7割の20人が高齢者でした。高齢者住宅は建築年数が経過した木造住宅が多い傾向にあって、火の回りが早く、逃げおくれる可能性が高いとされ、高齢者を火災から守る対策の強化が求められています。
 一つの有効な手段とされる煙や熱を感知して音や光で火災の発生を知らせる住宅用火災警報器設置が義務づけられましたが、本県の設置率は74.2%です。住宅用火災警報器の高齢者世帯への設置を促進すべきと思いますが、見解を伺います。
 阪神・淡路大震災のときには、火災の発生で亡くなられた方が少なくありません。地震発生と同時に電源を切る感震ブレーカーの設置に対する補助制度を創設すべきと思いますが、見解を伺います。
 笹子トンネル事故を契機に深刻な社会問題として浮き彫りになった道路やトンネルなどのインフラの老朽化問題があります。国土交通省が公表した道路メンテナンスでも深刻な老朽化の実態が明らかになっていますが、対策が必要とされながら財源が追いつかない状況です。
 平成27年度の本県のトンネル239カ所のうち点検実施状況は72カ所、30%です。県は老朽化が進む橋梁とトンネルの点検をどのように進めていくのか、見解を伺います。
 災害のときに高齢者や障がい者に被害が大きいことから、災害時における高齢者や障がい者の支援策が重視され、福祉避難所の設置も進んできました。問題は、災害の発生時に実際に活用できるものになっているかどうかです。地域住民の皆さんへの福祉避難所の場所の周知徹底や、災害発生時の避難の誘導や地域住民の協力者の確保など具体的に進める必要があると思います。市町村が指定する福祉避難所が災害時に機能するよう、県としてどのように支援していくのか伺います。
 この間の大震災は、都市部や地方部のどこの地域であっても、大災害と無縁ではなくなっていることを現実のものとしました。従来の応急・復旧対策重視の防災から、災害発生を予防・抑制する事前対策へと転換し、安全で安心して社会生活を営めるような地域社会を築いていく必要性が指摘されています。このような視点に立って、災害に強い都市づくりに取り組む市町村を支援すべきと思いますが、見解を伺います。
 JR只見線の復旧支援についてです。
 2011年7月末の新潟・福島豪雨による災害で鉄橋が流されるなど甚大な被害を受けたJR只見線は、復興推進会議検討会において鉄路での復旧が決まりました。通勤や通学、通院など地域に欠かせない生活路線であり、四季折々の奥会津の雄大な景観を資源として、人口減少、過疎化の進行を食いとめようとの地域の願いが込められたものです。
 しかし、問題なのは上下分離方式という市町村の負担です。線路と駅設備等は、福島県と会津地域17市町村で管理し、列車の運行と整備費用はJRというものです。只見線沿線自治体だけでなく、会津全体の市町村の負担となりますが、年間運営・管理費負担分2億1千万円を県が7割、市町村が3割の負担割合で担うとしています。県内でも最も過疎と高齢化が進行している地域で、将来的にわたって負担を求められる厳しい選択が迫られています。
 今、全国でJRの赤字ローカル線の廃止が地域の交通手段を奪うものとして大きな問題になっています。国鉄が民営化され、JRになってから30年になりますが、地域の住民の足を確保する公共交通機関としての社会的責任は大きなものがあります。
 ましてJR東日本は、会社全体としては黒字企業です。上下分離方式によってJR東日本の負担を軽くし、地域住民と自治体に負担を押しつけるやり方を認めることは、将来に向けて禍根を残すことになります。
 JR只見線の復旧について、公共交通機関としての責任を果たすとともに、地域住民と自治体の負担を軽減するようJR東日本に強く求めるべきと考えますが、見解を伺います。
 只見川の洪水時の被害軽減についてです。
 2011年の豪雨災害を受け、2015年に只見川流域の河川整備計画が変更されましたが、建設から60年以上たつ現在のダム構造では、洪水時に思うような流量通過が見込めません。只見川に設置されたダム本体の改築を発電事業者に求めるべきと思いますが、見解を伺います。
 只見川に設置されたダムの貯水池内の堆砂除去を発電事業者に求めるべきと思いますが、見解を伺います。
 流域の住民の安全・安心を確保することは、国、県、ダム設置者の責務であります。今回の大洪水被害についても、人災をめぐって係争中です。自然災害だからやむを得ないということではなく、安心して暮らせる只見川流域を求める声にきちんと応えるべきです。
 発電専用ダムの設置運営を行っている東北電力と電源開発は、それぞれの領域にしか責任を果たしておらず、河川の一元的な管理がなされていないことが災害防止などでも機敏に対応できない原因になっていると思われます。只見川を県が一元的に管理すべきと思いますが、見解を伺います。
 以上で質問を終わります。


副議長(満山喜一君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)阿部議員の御質問にお答えいたします。


 再生可能エネルギーの推進につきましては、本県復興の大きな柱であり、県民や地域と一体となって進めていくことで地域の活性化を図っていくことが重要であります。
 これまで県民や県内事業者を対象として、太陽光、小水力などの設備導入の補助制度による参入支援、産学官が連携した人材育成や普及啓発などに取り組んできたところであり、本県の住宅用太陽光補助制度による設置件数が延べ2万件を超えるなど、住民参加の取り組みは着実に進展しているものと考えております。
 今後とも、新たに法人化する再生可能エネルギー推進センターや県内事業者で組織する研究会、大学や産業総合技術研究所等と連携しながら、県民や県内事業者を支援し、再生可能エネルギーの推進に積極的に取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させます。


総務部長(長谷川哲也君)お答えいたします。


 知事部局における知的及び精神障がい者の採用につきましては、従事する業務の内容や業務遂行上の支援体制などについて検討し、今年度は知的障がい者2名を採用したところであり、今後とも国や他県の状況を参考にしながら、障がい者の雇用に向け検討を進めてまいります。


危機管理部長(樵 隆男君)お答えいたします。

 原子炉建屋に流入する地下水の量につきましては、昨年11月からことし1月までの3カ月間の平均が1日当たり約156立方メートルとなっており、凍土遮水壁の凍結開始前の同時期と比較して約25立方メートル減少しております。
 次に、福島第一原発におけるフランジ型タンクから溶接型タンクへの切りかえにつきましては、東京電力から最短で来年11月ごろまでに完了する見込みであると聞いております。
 次に、資料の公表につきましては、これまでも廃炉安全監視協議会等により必要な資料の提出を求め、その内容を確認してきたところであり、今後も東京電力に対して必要な資料の提出を求めてまいります。
 次に、廃炉作業に当たる労働者につきましては、これまでも労働条件の明示等による雇用の適正化の取り組みや賃金の適切な支給などが確実に行われ、労働者が安定的に安心して働くことのできる環境の整備がなされるよう国に対し求めてきたところであります。
 次に、住宅用火災警報器の設置につきましては、春と秋の火災予防運動期間においてラジオやホームページ等で広報するとともに、消防本部や消防団による高齢者世帯などへの防火訪問を通して、住宅用火災警報器の設置や定期点検等の指導を行っているところであります。
 次に、感震ブレーカーの補助制度の創設につきましては、現在、消防防災に関する都道府県の協議組織である消防防災・危機管理部局長会において、国への要望について検討しております。


企画調整部長(伊藤泰夫君)お答えいたします。


 再生可能エネルギーの導入状況と今後の見通しにつきましては、昨年度末までの導入実績は27.3%となっており、第2期アクションプランで見込んだ2018年度の導入割合は30%としております。
 次に、再生可能エネルギーの固定買取価格につきましては、発電コストの低減に比例して低下しております。
 本県では、困難な事業環境にあることから、買取価格の据え置きを含めた財政的な対応を国に求めてきており、これまで本県向けの特別な補助制度が措置されてまいりました。
 県といたしましては、これらの制度を活用しながら、県内での事業化に向けた取り組みを支援し、地域主導による再生可能エネルギーの推進に取り組んでまいる考えであります。


生活環境部長(尾形淳一君)お答えいたします。


 風力発電に対する住民の不安解消につきましては、環境影響評価法及び県環境影響評価条例に基づき、専門家や地域住民等の意見を伺った上で、事業者に対して必要な環境保全対策を確実に実施し、環境への影響を最大限低減するとともに、地域住民への丁寧な説明に加え、低周波音等検証が必要な項目の事後調査を行い、公表するよう求めております。
 次に、JR只見線の復旧に当たり、負担の軽減等をJR東日本に求めることにつきましては、JR東日本は被災直後から現在不通となっている区間の橋脚の撤去なども含め、災害復旧に取り組んできたところであり、先般取りまとめた復旧方針案では、これに加えて上下分離方式による鉄道復旧に要する工事費の3分の一を負担するとともに、運営費のうち車両運行経費についても負担した上で只見線全線の運行をこれまでと同様に行うとの意向を示しております。


保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。


 高齢者の医療や介護の保険料等につきましては、県民にとって過度な負担とならず、安心して医療や介護サービスが受けられるよう、これまで国に対して持続可能な保険制度の確立を求めてきたところであり、今後とも全国知事会等と連携し、国へ要望してまいります。
 次に、高齢者の見守りや生活支援につきましては、民生委員による見守りや多様な主体による生活支援サービスを提供する必要があることから、関係者の連携体制づくりとサービス創出のかなめとなる生活支援コーディネーターを養成するなど、高齢者を地域で支える体制が構築できるよう市町村と連携して取り組んでまいります。
 次に、特別養護老人ホームの整備につきましては、要介護認定者数の推移の見込みや入所希望者の状況などを踏まえて、市町村が必要とする整備量を積み上げた介護保険事業支援計画に基づき、施設整備の支援を行っているところであり、今後とも計画的な施設整備を促進してまいる考えであります。
 次に、認知症の早期発見につきましては、地域や職域において認知症に気づき、対応できる認知症サポーターの養成を進めるとともに、市町村が設置する認知症初期集中支援チームに必要な認知症サポート医や専門職の研修を支援しております。
 今後とも関係機関と連携しながら、認知症の早期発見の体制整備に取り組んでまいります。
 次に、障がいのある人もない人もともに生きる社会の大切さにつきましては、福島県障がい者計画の基本理念に掲げるとともに、障害者差別解消法の施行も踏まえて、障がいや障がい者への正しい理解の促進を図ってきたところであり、今後とも一層の普及啓発に取り組んでまいります。
 次に、中途失明者緊急生活訓練事業につきましては、これまで県内の歩行訓練士や県外の専門機関の協力を得ながら、家庭訪問による訓練の回数をふやすなど、中途失明者のニーズを踏まえ充実を図ってきたところであり、引き続き専門機関等の協力を得ることにより、中途失明者への支援に努めてまいります。
 次に、高齢者施設の耐震化につきましては、平成28年3月31日現在、耐震化率は94.6%であり、今後とも施設の耐震化の状況を定期的に把握するとともに、補助事業を活用した施設改修を促すなど耐震化を促進してまいります。
 次に、福祉避難所につきましては、災害時の円滑な開設に向けた日ごろからの準備が重要であることから、市町村が行う開設訓練への参加、助言により、発災時の情報伝達や避難誘導が円滑に実施されるよう取り組んでおります。
 また、福祉避難所の指定促進とあわせて、利用対象者や指定施設等の住民への周知を促すなど、引き続き市町村における福祉避難所の設置運営に関する取り組みを支援してまいります。


農林水産部長(小野和彦君)お答えいたします。


 米の直接支払交付金につきましては、国において平成30年以降の米政策の見直しを踏まえ、平成29年産を限りに廃止することとしております。
 県といたしましては、激変緩和のためにナラシ対策の活用や農業共済制度の利用を促進するほか、今後平成31年から導入予定の収入保険制度の利用を働きかけてまいる考えであります。
 次に、自給飼料の活用につきましては、畜産農家ごとの牧草の成分分析に基づき、購入飼料との組み合わせや給与量の調整等、きめ細かな指導に努めております。
 今後とも農家ごとのさまざまな課題に迅速に対応できるよう、農業団体の営農指導員と農林事務所及び家畜保健衛生所の職員との間で情報を共有しながら、丁寧な営農指導に努めてまいります。
 次に、牛ふん堆肥の処理につきましては、畜産農家の自家利用に向けて、良質な堆肥の生産と土壌診断に基づく適正な利用を進めてきたほか、福島県広域堆肥供給者リストへの掲載の働きかけや農林事務所職員等の巡回指導の中で、耕種農家への情報提供に努めているところであります。
 今後とも耕畜連携による循環利用を促進してまいります。
 次に、福島大学の(仮称)食農学類につきましては、試験研究施設や技術系職員の活用など、現場で柔軟かつ的確に対応できる人材の育成に向けた支援のあり方について大学と協議しているところであります。

土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。


 木造住宅の耐震改修につきましては、補助制度により費用負担の軽減を図るとともに、工事費抑制等のニーズにも対応できるよう、簡易な改修や部分的な改修も補助対象としております。
 また、市町村や関係団体と連携し、耐震化の重要性の啓発に取り組むとともに、補助制度の広報や相談対応を行うなど、今後とも木造住宅の耐震改修の促進に一層努めてまいる考えであります。
 次に、老朽化が進む橋梁とトンネルの点検につきましては、施設の損傷度合いを的確に把握し、予防保全の考え方を取り入れた対策を進めるため、平成26年度から5年で一巡する近接目視等により実施しているところであります。
 今後とも必要な予算確保に努め、他の道路管理者と連携を図りながら、平成30年度までに点検が一巡できるよう計画的に取り組んでまいる考えであります。
 次に、災害に強い都市づくりにつきましては、ゲリラ豪雨や地震、火災などの災害リスクへの対応が求められており、これまでも、市町村は都市の将来像を示す都市計画マスタープランに都市防災の方針を位置づけてきたところであります。
 引き続き、防災や減災の視点から、東日本大震災からの教訓も踏まえたマスタープランとなるよう、助言、支援してまいる考えであります。
 次に、只見川に設置されたダム本体の改築につきましては、現在のダムが既に国から河川法の許可を受けて運用されており、その後に河川整備目標流量等が変更された場合でも従前の許可は有効であることから、発電事業者がみずからの判断により検討すべきと考えております。
 次に、只見川に設置されたダムの貯水池内の堆砂除去につきましては、洪水時における安全の確保のため、管理者である発電事業者に対し強く求めているところであり、河川法の許可権者である国に対しても発電事業者を適切に指導するよう求めております。
 次に、只見川の管理につきましては、河川法に基づく一級河川の指定区間であることから、河川の工事や維持等は県が実施し、発電などの水利使用に関する許可は国が実施しております。
 今後とも国との連携を密に図り、適正な管理に努めてまいる考えであります。


原子力損害対策担当理事(大島幸一君)お答えいたします。


 酪農に係る飼料の購入費用につきましては、原子力損害賠償の指針において、追加的費用として必要かつ合理的な範囲で賠償すべきとの考えが示されております。
 引き続き東京電力に対し、損害の範囲を幅広く捉え、被害者の立場に立った賠償を行うよう求めてまいります。


観光交流局長(橋本明良君)お答えいたします。


 リフトつき観光バスにつきましては、障がいのある方々や高齢者の皆さんが安心して旅行を楽しむことのできるバリアフリー観光のための交通手段の一つであると考えております。
 今後は、国等の動向を注視しながら情報収集に努めてまいります。


教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。


 県立高等学校の避難所機能につきましては、災害時には学校施設が多くの県民の避難所としての役割も担うことから、その充実を図ることが重要であると考えております。
 県教育委員会といたしましては、これまで学校施設の耐震化はもとより、校舎の改築事業などにあわせて太陽光発電や蓄電池等の設置を進めてきたところであり、今後とも避難所機能の充実に努めてまいります。


38番(阿部裕美子君)生活環境部長に再質問をいたします。


 JRの只見線の復旧支援についてですけれども、御答弁ではJRはよくやっているということで擁護をする発言に聞こえました。これは、只見線沿線の市町村の負担は、そのことによって軽減の方向についてはどう、構わないという、そういうことになるのではないでしょうか。
 JRの只見線の復旧に当たっての沿線自治体の負担は大変なものだと思います。例えば金山町は人口2,100人ちょっと、年間総予算が36億円の町で、運営費負担が1,303万3,000円ですが、この負担は1年間だけでなく、鉄道の運営が続く限り発生していくものです。公共交通過疎化の町の国民の足として設置された鉄路です。分割民営になっても、こうした災害による交通弱者の国民の足を守るべき役割を果たさなければならないJRに対して、黒字会社になっていますけれども、市町村負担を軽くするよう強く求めるべきと思いますが、再度答弁をお願いします。
 次に、保健福祉部長に、中途失明者生活訓練事業について伺います。
 これまで専門的な人たちの協力を得て充実を図ってきたという答弁でありますけれども、この件については、当事者の方はもとより、福島県眼科医会、ロービジョンネットワークの皆さんなど関係者からも切実な要望になっています。
 福島県は、昨年1年間の生活訓練実施状況は28回、28人です。1人1回の訓練だけでは全く不十分です。若い女性の方は、せめて我が家の近所を歩けるように指導を受けたいと涙ながらに訴えています。
 人間は、生活に必要な外界の情報の8割以上を視力から得ていると言われています。人生の半ばで見えない、見えにくくなることは、生きていく上で大変な打撃になることは想像にかたくないと思います。その困難は訓練を受けることによって改善できます。風呂の点火を覚えたら、今度は外に出たいと、一歩ずつ前向きに生きる元気が出てきます。
 毎年新たに視覚障がいで身体障がい者の手帳を取得する方は200人を超えて、1級、2級、重度の方が100人を超えております。問題なのは、仙台の盲導犬訓練センターへの委託という形ではなく、本県が視覚障害リハビリテーションワーカー、専門員をきちんと配置して、そして訓練に当たる。切実な要望にしっかり応えていくには、かつてこういうようにやっていたように県独自の体制をつくっていく、これが切実に求められていることであります。
 この切実な思いに福島県は応えることができないのでしょうか。これに応えるために一歩、専門員を配置する、県独自でこの中途失明者の生活訓練事業に応えていく、一歩を踏み出していただきたい、そのことを強く要望いたします。再度答弁を求めます。


生活環境部長(尾形淳一君)再質問にお答えいたします。


 今般の鉄道による復旧方針案につきましては、県と沿線市町村がJR東日本も交えまして協議を重ねた上で取りまとめたものであり、県といたしましてはこの方針に基づき、沿線市町村とともに一日も早い復旧を目指して取り組んでまいります。


保健福祉部長(井出孝利君)再質問にお答えいたします。


 中途失明者の歩行訓練につきましては、国立障害者リハビリテーションセンターなど全国の四施設において、国としての本格的な訓練の提供が行われております。
 一方、県といたしましては、白杖を初めて使う方や本格的な訓練を受ける前に体験するというニーズに応えるために、中途失明者の緊急生活訓練事業を行っているものであります。
 今後とも中途失明者のニーズを踏まえまして、専門機関の協力を得ながら支援に努めてまいります。


38番(阿部裕美子君)保健福祉部長に、今の中途失明者の生活訓練事業について伺います。


 今の福島県の取り組みの状況では、非常に現場の実態にとって不十分な状況だからこそ、関係各位の皆さんが福島県として専門の視覚障害リハビリテーションワーカーを配置して、かつて福島県でもやっていたようにやってほしいという切実な要望を上げているわけです。
 現状では本当に不十分です。1回しか訓練を受けられない。そしてまた寝たきりになってしまう。そういうような状況を繰り返してはならないと思います。
 福島県のリハビリの2016年の方向についても、そのことは明確に述べているわけですから、実際に実施に具体的に踏み出す対応をしていただきたいと思います。実施していただくよう、もう一度答弁を求めます。
 次に、生活環境部長に再生可能エネルギーの環境影響について伺います。
 これまで丁寧な説明を行ってきたということですけれども、実際に遠野の方たちの中からは、2回住民説明会が行われたけれども、合意できる、納得できる中身ではなかった。自分たちの切実ないろんな思いや意見はどうすれば反映させてもらえるのかという、こういう声を、要望を出されています。
 答弁では、住民の皆さんの不安に応えるものにはなっていません。低周波の問題などさまざまな地域の皆さんが出している環境破壊の問題についてしっかり応えることができるように対応を求めます。再度答弁ください。


生活環境部長(尾形淳一君)再質問にお答えいたします。


 風力発電事業につきましては、個別の案件ごとに環境への影響が異なることから、環境影響評価法に基づいて、引き続き専門家等の意見も伺った上で、適切な対策の実施を事業者に求めてまいります。


保健福祉部長(井出孝利君)再質問にお答えいたします。


 中途失明者に対する支援につきましては、障がい者総合福祉センターあるいは視覚障がい者生活支援センター等において相談支援も行っております。
 今後とも途中失明者のニーズを踏まえまして、専門機関の協力を得ながら支援に努めてまいります。


副議長(満山喜一君)これをもって、阿部裕美子君の質問を終わります。

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