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2017年2月定例会 代表質問 亀岡義尚議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年6月14日更新
亀岡義尚 
議員亀岡義尚
所属会派(質問日現在)民進党・県民連合
定例会

平成29年2月

質問等代表質問
質問日2月22日(水曜日)

47番(亀岡義尚君)民進党・県民連合の亀岡義尚であります。通告に従い、会派を代表して質問させていただきます。


 内堀知事におかれましては、今回で3回目の予算編成となりました。この間、佐藤雄平県政からのバトンを引き継ぎ、ふくしま国際医療科学センター、ふくしま医療機器開発支援センターの開所など、復興の種が次々と開花しているところであります。
 知事は就任以来、先人の事業を受け継ぎ、発展させながら未来を切り開く「継往開来」、積極的に失敗を恐れずに取り組む「進取果敢」、そして丁寧な「現場主義」を貫かれ、過般の報道によれば、県民の78%の支持率のもと、先頭に立って復興に邁進しているその行政手腕には、心から敬意を表するものであります。
 以下質問に移ります。
 間もなく東日本大震災から6年を迎えようとしておりますが、今もなお約8万人の方々が避難生活を続けておられることを初め、避難地域の再生や廃炉・汚染水対策、風評と風化の問題、人口減少への対応など、依然としてさまざまな課題が山積しております。
 このような中、これまで以上に県民の力を結集し、オール福島でこの難局を乗り切っていくためには、知事のリーダーとしての力がより一層求められてくるものと考えます。
 そこで、知事は福島県のリーダーとして今後の県政をどのような思いで運営していくのかお尋ねいたします。
 次に、平成29年度当初予算についてであります。
 県は、新年度当初予算について、復興と地方創生をさらに前に進めるため、1兆7千億円を超える大型予算を編成いたしました。新年度は、復興・創生期間の2年目となりますが、風評・風化対策や産業の振興など課題は山積しており、加えて、本県が抱える人口減少、少子高齢化への対応も喫緊の課題であります。
 このため、新年度予算においては、これまでのさまざまな取り組みの成果を土台としながら、復興と地方創生をしっかりと形にしていくための取り組みが重要であり、めり張りのある効果的な事業構築が求められるところであります。
 そこで、知事は何に重点を置いて平成29年度当初予算を編成したのかお尋ねいたします。
 次に、地方創生の加速化についてであります。
 昨年11月1日現在の推計人口が戦後初めて190万人を割るなど、地方創生・人口減少対策は待ったなしの課題であります。
 知事は、当初予算の発表の記者会見において、「平成29年度は本県の大きな二つの課題である復興と地方創生をさらに前に進め、しっかりと形にしていくための大切な一年。」と述べられました。
 人口減少・高齢化対策プロジェクトに前年度の5.5倍、421億円の予算を計上したことに、地方創生・人口減少対策への知事の強い意気込みを感じているところであります。
 そこで、地方創生の加速化にどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねいたします。
 次に、執行体制についてであります。
 県はこれまでも執行体制の強化を図ってきたところでありますが、さきに触れたとおり、県の新年度当初予算は1兆7千億円を超える大型予算となっております。平成29年度は、その予算を積極的かつ着実に執行し、これまで着実に積み重ねてきた復興の加速化と本県ならではの地方創生について、攻めの姿勢で一層推進していく重要な一年となります。
 そのためには、引き続き民間企業など外部からの人材の活用を図るとともに、限られた人的資源を効果的かつ効率的に配置していくなど、県の執行体制を充実させていく必要があると考えます。
 そこで、復興や地方創生を推進するための執行体制について、県の考えをお尋ねいたします。
 東日本大震災復興構想会議の委員であった河田惠昭氏は「東日本大震災復興5年目の検証」という著書の中で「発災当時の復興事業案は金太郎あめのような同じような事業が目立った。被災県の独自の構想はほとんど認められなかった。」と指摘しております。
 復興・創生加速化予算と銘打った新年度の予算案には、イノベーション・コースト構想を初めとする本県独自の数多くの施策を盛り込んでおりますが、復興・創生期間、さらには将来の本県発展のためには、本県特有の課題を解決する能力や県内各地域の特性を生かす政策立案能力を持つ職員の育成が不可欠であります。
 そこで、地方創生など新たな課題に対応できる職員の育成に向け、ふくしま自治研修センターをどのように活用していくのか、県の考えをお尋ねいたします。
 次に、イノベーション・コースト構想についてであります。
 楢葉遠隔技術開発センターの本格運用を初め、ロボットテストフィールド等の拠点整備が本格化する中、構想推進を法的に位置づける福島復興再生特別措置法の改正法案が今国会に提出され、また、国、県の双方において推進体制を抜本的に強化する方針が示されるなど、構想の具体化が見え始めていると認識しております。
 本構想は原子力災害で傷ついた浜通り再生の原動力となるものであり、まさに知事が掲げるキーワードである「希望」と「挑戦」の取り組みであると受けとめております。
 そこで、イノベーション・コースト構想のさらなる推進に向けた知事の考えをお尋ねいたします。
 また、これらの大規模プロジェクトを支える専門的知識や技術を身につけた復興を担う人材がますます必要になってきます。そのためには、科学技術に対する興味、関心の高い人材の育成が大切であると考えます。
 そこで、新たな産業を創出できる人材の育成に小中学校段階から取り組むべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。
 県は、平成24年3月に改定した再生可能エネルギー推進ビジョンにおいて、2040年ごろを目途に、県内エネルギー需要量の100%以上に相当する量のエネルギーを再生可能エネルギーで生み出すという意欲的な目標を掲げ、積極的に導入を推進してきました。
 原発災害により甚大な被害を受けた本県が再生可能エネルギー先駆けの地を目指し復興を推進していくことは大変意義深く、復興を加速化させるためにもメガソーラーなどの大規模事業に加えて、住宅用太陽光発電などの県民に身近な再生可能エネルギーの導入をさらに推進する必要があると考えます。
 そこで、県は再生可能エネルギーの導入推進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 避難地域の復興はもとより、本県復興のためには、既存産業の再生のほか、今後さらなる導入拡大を目指す再生可能エネルギー、国内有数の販売額を誇る医療機器、さまざまな分野での活用が見込まれるロボットなど、時代をリードする成長産業の育成・集積による産業の振興と雇用の拡大が重要であり、そのためにはICT人材の育成が重要と考えております。
 また、近年、ビッグデータへの関心が高まっており、今後県の政策形成はもとより、あらゆる活動を裏打ちするものとして非常に重要度を増すことから、ビッグデータを解析し、それを活用できる人材の育成も必要と考えます。こうした分野において、県立で、しかもICTの専門大学である会津大学は大いにかかわりがあると考えております。
 そこで、会津大学が本県の復興に果たす役割について、県の考えをお尋ねいたします。
 次に、世界への情報発信についてであります。
 海外においては、偏った情報等により、いまだに本県の現状について正しい理解が進んでいない国や地域があり、農産物や水産物に対する輸入規制なども続いております。
 その一方で、近年では震災に関する情報も減少し、福島県の震災に関する記憶の風化が進むことが懸念されているところであります。
 こうした中、知事は就任以来、みずから先頭に立ち、海外において復興セミナーの開催、トップセールスの実施などの機会を通し、世界に向けて本県の現状や新たな取り組みなどについて精力的に発信してこられました。風評の払拭と風化の防止、ひいては本県農産物や観光の魅力、新産業分野における取り組みを理解してもらうためには、今後も世界に向けて本県の正確な情報を発信し続けていくことが重要であると考えます。
 そこで、知事はこれまでの取り組みを踏まえ、世界に向けてどのように情報を発信していくのか、考えをお尋ねいたします。
 次に、外国人観光客の受け入れ態勢についてであります。
 外国人観光客の伸びは目覚ましいものがあり、先ごろ平成28年の訪日外国人客数が2,400万人を超えたことが発表されました。外国人の誘客が今後観光振興を左右すると言っても過言でない状況にあります。
 マスコミでも連日のように外国人でにぎわう観光地を伝えておりますが、旅行の形態が予想以上のスピードで変化していることにも驚きを感じます。「モノ」から「コト」へ、買い物などから体験に興味が移っているということでございます。
 これは、インバウンドの勢いが食や文化、自然、温泉等、豊富な観光資源を有している東北・福島にも広がっていく兆しと言えるのではないでしょうか。このチャンスを逃さないためには、福島復興再生特別措置法に基づく福島特例通訳案内士の活用など、福島に来てよかったと心から思ってもらえるような受け入れ態勢を整えることが大切であると考えます。
 そこで、県は外国人観光客の受け入れ態勢の充実にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、ホープツーリズムについてであります。
 県内でも政府の避難指示解除や帰還困難区域での復興拠点の整備が進むなど、明るい兆しが出てきております。着実に避難地域にも人の流れが生まれる環境が整いつつあります。
 知事は新年度において、福島の今や復興に向けチャレンジしている人々の姿を知ってもらうホープツーリズムを進めていく方針を示されましたが、国内外を問わず幅広い方々、とりわけ若い世代に本県の現状を学び、理解を深めていただくことは、風評払拭、風化の防止につながる非常に重要な取り組みであると考えます。
 そこで、国内外の方々が本県を訪れ、復興に向かう本県のありのままの姿を学ぶツアー、いわゆるホープツーリズムをどのように推進していくのか、知事の考えをお尋ねいたします。
 次に、全国植樹祭についてであります。
 私はかねてより、東日本大震災からの復興のシンボルとして全国植樹祭を本県に招致するよう県に求めてまいりました。津波で大きな被害を受けた本県南相馬市原町区雫地内の海岸防災林を会場として、全国植樹祭が平成30年春に開催されますことは大変意義深く感じております。
 また、先日、海岸防災林の再生を初めとした津波被災地の復興・再生事業の工事がおおむね順調に進んでいるとの発表がありました。千年に一度とも言われる大災害を乗り越え、幅200メートル、総延長40キロメートルにわたる海岸防災林を将来世代に引き継いでいくということを思うと、万感胸に迫るものがあります。
 残すところあと1年余りとなった全国植樹祭の会場整備を着実に進めなければなりません。私は、全国植樹祭の開催を通じて、本県の復興の姿やこれまでの国内外からの支援に対する感謝の気持ちを発信するとともに、この大会を契機として、県民参加の森林づくり活動をより一層拡大し、本県の豊かな森林を次の世代に引き継ぐことが何よりも重要であると考えております。
 そこで、県は全国植樹祭の成功に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、被災者支援についてであります。
 官民合同チームの訪問活動により明らかになった12市町村の被災者の事業再開済みの割合は昨年12月現在49%となり、このうち地元再開の割合は22%でありました。飯舘村、川俣町山木屋地区においては、3月の避難指示の解除が決定され、富岡町、浪江町においても解除に向けた協議が行われており、さらなる地元の再開の数をふやすために、官民合同チームの果たす役割に大いに期待するところであります。
 今後国は官民合同チームの中核をなす公益社団法人福島相双復興推進機構に直接国の職員を派遣し、支援を行っていく体制を整えると聞いております。
 そこで、福島相双復興官民合同チームを通じて12市町村の被災者の事業再開支援等にどのように取り組んでいくのか、県の考えをお尋ねいたします。
 次に、自主避難者等に対する住宅支援についてであります。
 県民一丸となった取り組みにより、県内の復旧・復興が着実に進み、多くの県民がもとの暮らしを取り戻しつつあり、避難指示の解除も進んできております。
 こうした中、県はことし3月末で避難指示区域外からの避難者に係る応急仮設住宅の供与を終了するとしておりますが、終了期限が迫る中、今後の住居の確保は大変重要であります。
 特に高齢者や障がいを持つ方などは、帰還する住宅の修繕や新たに借家を求めることなどはふなれな手続の連続であり、不安を抱え、住宅の確保が円滑に進まないのではないかと懸念しております。住まいの確保は生活再建の基本でありますので、しっかりとした支援が必要であります。
 そこで、県は住宅確保が困難な避難者の支援にどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。
 次に、原子力損害賠償についてであります。
 農林業の営業損害については、昨年12月、県の原子力損害対策協議会の全体会議が開催され、ことし1月以降の賠償の取り扱いが議論されたところであります。その結果、避難指示区域内はことし1月以降の損害として年間逸失利益の3倍相当額を一括して賠償し、区域外は平成29年の1年間を目途として現行賠償を継続し、その間に平成30年以降の風評被害に係る賠償の取り扱いを協議することになりました。
 しかしながら、福島県産の農作物等については、風評が根強く、それを払拭するためには一定期間かかると推測されます。
 そこで、農林業の風評被害について、事業者の立場に立ち、損害がある限り賠償を適切に行うよう東京電力に求めるべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。
 次に、小名浜港の整備についてであります。
 重要港湾小名浜港は、東日本大震災からの復旧がおおむね完了し、取扱貨物量は震災前の水準まで回復しており、本県の復興を支える物流拠点として重要な役割を果たしております。
 本県の震災からの復興のためには、本年1月に県が策定した小名浜港の港湾計画に基づき整備を進めることが重要であると考えております。
 そこで、小名浜港の整備にどのように取り組んでいくのか、県の考えをお尋ねいたします。
 次に、健康で働きやすい社会の実現についてであります。
 震災以降、県民の健康課題が一層顕在化、顕著化している中で、県では今年度から健康をテーマとしたチャレンジふくしま県民運動をスタートしております。
 まさに本県の復興には県民の皆さんの心身の健康が不可欠であり、そのためには県民の皆さんが自身の健康状態を把握し、楽しく継続して健康づくりに取り組むことが必要であります。特に健康づくりを実践する時間がとれない働き盛りの世代やまだ健康に対して不安が少ない若い世代の取り組みが重要と考えます。
 そこで、県はチャレンジふくしま県民運動を今後どのように展開していくのかお尋ねいたします。
 次に、高齢者の健康づくりについてであります。
 私は10年前、中国を訪問した際、中国の高齢者の方々がお住まい近くの公園で仲間と楽しそうに語り合いながら運動している姿を見て、日本でも高齢者がふだんの生活の中に運動を取り入れて、気の合う仲間と健康づくりができるようにならないかと当時思ったところであります。健康づくりの取り組みにより健康寿命を延ばすことが高齢者の社会参加の促進と医療費の抑制につながると考えられます。
 そこで、県は健康寿命の延伸に向け、高齢者の健康づくりにどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 本県人口の減少と少子高齢化が進み、労働力人口の減少が懸念されている中、社会活力の維持と県経済の活性化のためには、元気で意欲が高い高年齢者に対して就業の場を拡大していくことが重要であります。
 国においては、65歳までの高年齢者の安定的な雇用を確保するため、平成25年4月より高齢者雇用安定法によって、定年年齢を65歳未満に定めている事業種については、定年制の廃止や定年の引き上げ、継続雇用制度の高年齢者雇用確保措置のいずれかを導入することとされているところであります。
 そこで、県内の民間企業における高年齢者雇用確保措置の実施状況についてお尋ねいたします。
 また、女性の活躍を進めることは本県の復興と新生ふくしまの実現につながると言っても過言ではなく、女性が活躍できる環境づくりが重要であります。夫の家事・育児時間が長いほど妻の継続就業割合が高く、第一子が生まれた際に夫の家事・育児にかかわる時間が長いほど第二子以降の出生割合が高くなるという国の調査結果もあります。
 現在、国においても働き方改革の議論が進められておりますが、制度面の見直しとあわせて、男女の固定的な役割分担意識を改め、男性の家事・育児参画をより一層促進していくことが重要であります。
 県においては、現在ふくしま男女共同参画プランの見直しを行っていると聞いておりますが、県は男女共同参画のさらなる推進に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、国民健康保険の制度改革についてであります。
 平成30年度から県が国民健康保険の財政運営の責任主体となり、国保運営の中心的役割になるという制度上の大改革が行われることとなりました。国保は、自営業者、あるいは企業等を退職された多くの方々が加入され、医療保険制度の最後のとりでとして県民約47万人が加入する県内最大の公的医療保険であります。
 しかしながら、国保は被保険者の年齢が高いことにより、医療費が高いこと、国保税の負担感が重いなどの課題を抱えており、国保運営の中心的役割となる県には難しいかじ取りが求められております。
 また、今回の制度改革においては、国保税の賦課徴収や特定健診等の保健事業などは引き続き市町村が担うことになることから、市町村とは十分な連携が求められており、県の責務は大きいと私は認識しているところでございます。
 そこで、県は新年度、国保改革にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、都市計画行政についてであります。
 本県の人口は減少しておりますが、世帯数は増加の傾向を示しております。特に高齢者の単独世帯や老老世帯の増加は顕著であり、世帯総数が増加する中、一方では空き家の軒数も増加していると聞いております。また、震災からの復旧・復興に向け、道路を初めとしたインフラ整備が進み、地域の環境が変化するなど、社会情勢が大きく変化してきております。
 現在、県内の主要な都市計画区域では、無秩序な市街化を防止することを目的に、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域の二つに区分する制度、いわゆる区域区分を定めておりますが、さきに述べたような社会情勢の変化に伴い、一部では区域区分が地域の実情に合わなくなってきているのではないかとの声も多く聞こえております。
 そこで、社会情勢の変化に対応した都市計画区域の区域区分の見直しについて、県の考えをお尋ねいたします。
 次に、農林水産業の振興についてであります。
 本県を支える重要な産業である農業は、原子力発電所の事故による風評に苦しんでいるだけではなく、農林業センサスの結果によれば、平成27年の農業就業人口は前回調査の平成22年よりも約3割減少しており、特に新規就農者については、県が行った平成28年度青年農業者等育成実態調査によれば、中山間地域等では前年に比べ16人減少している状況にあり、担い手の確保はもとより、集落の維持すら難しくなってきております。
 このような中、南会津町舘岩地区においては、町などが出資した農業法人が農作業の受託や地域特産品の生産販売に取り組み、地域農業と集落を支えていると聞いており、中山間地域等における担い手対策として有効な取り組みと感じたところであります。
 そこで、県は中山間地域等における農業担い手の確保にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 平成30年には、国による米の生産数量目標の配分が廃止され、これまで以上に地域がみずからの判断で作付の方針を決定することが求められてまいります。
 申すまでもなく、本県農業においては米が大きな比重を占めており、水田の効率的な活用が主流になると思いますが、一方で、全国的な米の消費量の減少傾向を踏まえれば、いかにして園芸作物などの収益性の高い作物をふやしていくかが農業者の所得向上に極めて重要であります。
 そこで、県は平成30年の米政策の見直しを踏まえ、本県農業をどのように振興していくのかお尋ねいたします。
 次に、農林水産物の地産地消についてであります。
 本県では、震災前は農林水産物の地産地消の取り組みが進められていましたが、原発事故の影響で落ち込んだ県産農林水産物の消費は回復傾向にあるものの、まだ震災前の状況には戻っておりません。
 現在、県は安全対策の情報発信や県外における販売対策など風評払拭に向け取り組んでいますが、風評対策とあわせて県内における地産地消も推進していくことが必要であります。
 そこで、県は農林水産物の地産地消の推進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 近年、全国ではさまざまな水稲の新品種が開発されています。本県においては、オリジナル品種「天のつぶ」がありますが、各県が競い合って販売している中で産地間競争を勝ち抜くためには、さらなる販路の拡大が重要であると認識しております。
 そこで、県は「天のつぶ」の販売促進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、栽培キノコの生産振興についてであります。
 本県のシイタケを初めとする栽培キノコは、日本一のキノコ原木移出量を誇った阿武隈地域を中心とした豊富な原木資源を背景に全国有数の生産県でありましたが、原発事故後の放射性物質の影響により、依然としてキノコや山菜などの出荷制限が続いており、キノコ生産者の減少が危惧されております。
 県はキノコ生産技術の継承に向けてさまざまな生産支援に取り組んでおり、今般栽培キノコの生産の振興に向けて県のオリジナル品種の活用も計画されていると聞いております。
 そこで、県は栽培キノコの生産振興にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、野生鳥獣の被害防止対策についてであります。
 野生鳥獣のうちイノシシは、平成27年度から県による直接捕獲が開始され、今年度は年間捕獲目標の1万8千頭を捕獲できる見込みであり、またツキノワグマについても今年度から新たに市街地への移動ルートとされる河川敷の刈り払いによる被害防除に取り組んでいると聞いております。
 しかし一方で、人里近くで熊が多数目撃され、また、イノシシによる被害も依然として多いなど、県民から不安の声が寄せられているのも事実であります。このため、出没が常態化しているイノシシやツキノワグマについて今後さらに鳥獣被害防止対策の効果を高めていくためには、これまでの捕獲に加え、さまざまな対策を地域の実情に応じて効果的に組み合わせて進める必要があると考えております。
 そこで、県は鳥獣被害防止のための総合的な対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、防災対策についてであります。
 昨年11月22日の福島県沖を震源とする地震で津波警報が出された際、いわき市内では内陸部に避難しようとする住民による交通渋滞が各所で確認され、津波警報が発令された際の住民の避難のあり方について大きな課題となったところであります。
 地震、津波による災害が原子力災害に発展した場合、県の広域避難計画においては車による避難を原則としていることから、多くの住民が一斉に車で避難することによる渋滞について、関係機関との連携を図りながら対策を検討していく必要があると考えます。
 そこで、県は昨年11月22日に発生した地震と津波を踏まえ、広域避難における交通渋滞対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、放射線モニタリングについてであります。
 県内に3,700台設置しているモニタリングポストについては、昨年原子力規制委員会から、放射線が低減した地域を中心にして設置数を大きく減らす考えが示されたところですが、放射線に対する県民の不安を解消し、風評被害を払拭する観点から、県内全域のモニタリングを引き続きしっかりと行っていくことは重要であると認識しております。
 そこで、県は県内全域での放射線モニタリングにどのように取り組んでいくのか、考えをお尋ねいたします。
 次に、洪水氾濫への対策についてであります。
 近年、地球温暖化の影響からか雨の降り方が変化してきており、各地で観測史上1位の降雨量を記録するなど、想定を超える降雨が頻発してきております。
 平成27年の関東・東北豪雨では、南会津町の舘岩川や檜沢川で甚大な洪水被害が発生したところであり、国管理の鬼怒川においては、破堤による大規模な洪水氾濫により数多くの家屋等が流失、浸水し、2名のとうとい命が失われたほか、避難のおくれにより多くの住民が孤立し、約4,300人が救助を余儀なくされるなどの被害を受けました。
 国では、鬼怒川の大規模洪水氾濫を受け、社会の意識を、「河川管理施設には限界があり、施設では防ぎ切れない大洪水は必ず発生するもの」へと意識の変革を促し、社会全体で常に洪水氾濫に備える水防災意識社会を再構築するため、防災意識の向上、被害の最小化を実現するための取り組みを推進していると聞いております。
 昨年には、観測史上初めて太平洋から台風が上陸した岩手県において、高齢者利用施設で多くの命が失われるなどの甚大が被害が発生している状況を鑑みると、福島県が管理する中小河川においても国と同様に水防災意識社会を再構築するための取り組みが早急に必要であると考えます。
 そこで、県は洪水氾濫に備えるソフト対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、子供の貧困対策についてであります。
 これからの福島県を支えていくのは今の子供たちであります。子供たちが成長していく上で必要なのは、将来に向かって希望を持てることであり、生まれ育った環境によって自分の将来を諦めることのないよう環境を整備することが重要だと考えます。
 平成26年1月に子どもの貧困対策推進法が施行されてから3年が経過しました。国では、無利子奨学金の拡充や返済の必要のない給付型奨学金の創設などの施策を進めており、民間では地域の子供に食事や居場所などを提供するこども食堂に取り組む団体があらわれるなど、子供の貧困への関心は高まっております。
 一方で、子供の貧困対策については、経済的な側面だけではなく、子供やその家庭が地域から孤立してしまうといったことも問題とされており、地域でどのようにかかわっていくかも大変重要な課題であります。
 県では、新生こども夢プランにおいて、教育の支援、生活の支援、就労の支援、経済的支援に取り組むこととしているところでありますが、子供の貧困対策をどのように進めていくのか、県の考えをお尋ねいたします。
 次に、児童養護施設等を退所する児童の自立支援についてであります。
 子供の貧困について考えたときには、児童養護施設の入所児童や里親に養育されている児童等は、保護者がいなかったり、いたとしても保護者が養育を拒否しているなどにより保護者の経済的援助が見込まれず、その生活基盤は極めて脆弱な状況にあることから、施設等を退所した後に生活が不安定になる児童も多いと聞いております。
 また、こうした児童の中には、高校卒業後に大学や専門学校等への進学を希望しても、経済的理由から断念し、就職せざるを得ない児童もいると聞いており、児童養護施設等を退所する児童の進学率は生活保護世帯やひとり親世帯の子供と比較しても低くなっているのが現状であります。
 言うまでもなく、高等教育の就学の差はその後の就労条件や賃金の差にもつながり、貧困の連鎖を生むリスクを含んでおり、私はこうした児童に対する支援の充実を図っていくことが必要であると考えます。
 そこで、県は貧困の連鎖を防ぐため、児童養護施設等を退所する児童の自立支援にどのように取り組むのかお尋ねいたします。
 次に、児童生徒の育成についてであります。
 県教育委員会では、第6次福島県総合教育計画の後半4年間の取り組みを加速させるために、教育施策の方向性と必要な主要施策を頑張る学校応援プランとして打ち出しました。5つの主要施策全てに特筆すべきものがありますが、その中でも特に私が注目するのは「地域と共にある学校」であります。
 本県においても、核家族の増加や地域コミュニティーの希薄化などの家庭や地域の課題に加え、学校においては、業務の多忙化により、教員が子供に向き合う時間を確保することが課題となっております。
 教育は単に学校だけで行われるものではなく、家庭を含め地域社会が子供たちを教え育てるという役割を十分果たすことが子供たちの健やかな成長に結びつくものと考えております。
 そこで、県教育委員会は「地域と共にある学校」の実現に向けてどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、児童生徒のスマートフォン等の適切な使用についてであります。
 本県は、ロボット技術やエネルギー産業の集積、最先端技術による農業再開等を推し進めるイノベーション・コースト構想の早期実現を目指していることから、本県の復興と未来を担う人材を育成するため、子供たちのICTを使いこなす能力の育成は重要視されるべき課題の一つであります。
 また、学校教育においてもアクティブ・ラーニングの導入が叫ばれ、その重要なツールとしてタブレットなどの携帯型情報端末の活用が期待されているとともに、日常生活においてもスマートフォンが普及し、我々の生活にさまざまな恩恵をもたらしているところであります。
 その一方で、平成28年度全国学力・学習状況調査によりますと、本県の児童生徒におけるスマートフォンの普及率は小学6年生で53.5%、中学3年生で57.1%に上っており、スマートフォン等の急速な普及と利用の低年齢化は、子供の生活習慣の乱れや家庭学習への影響、ネットいじめ、コミュニティーサイトによる犯罪被害発生など、多方面にわたる問題の原因となっているところであります。
 そこで、県教育委員会は児童生徒のスマートフォン等の適正な使用を推進するためどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、高等学校における学力向上についてであります。
 現在文部科学省では、中央教育審議会の答申を受け、新しい学習指導要領について検討が重ねられております。その答申では、予測が困難で変化の激しいこれからの社会を生きる子供たちには、それに対応した学力を育むことが重要であるとされております。
 例えば、よりよい人生や社会のあり方を主体的に考えたり、試行錯誤しながら問題を発見、解決し、新たな価値を創造する力などが挙げられているようでありますが、これらの学力は正解のない問いにみずから立ち向かう本県の復興を担う人材を育成する上でも極めて重要であると考えます。
 そこで、県教育委員会は県立高等学校において本県の復興を担う生徒に求められる学力を育むためどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、児童生徒の肥満の解消に向けた取り組みについてであります。
 本県の児童生徒の肥満傾向児の出現率については、原発事故により屋外活動が制限されたことや長引く避難生活に伴う運動不足等の影響により、調査対象の全ての年齢層で全国平均より高い傾向が続いておりましたが、県教育委員会や各市町村教育委員会、各学校では、児童生徒の肥満解消に向け、保健指導や屋外での運動機会等をふやすなど改善に向け努力していることもあり、震災直後の3年間と比べると改善傾向が見られ、一定の成果を上げていると思います。
 しかし、平成28年度学校保健統計調査速報の結果を見ても、依然として全国平均より高い傾向が続いております。子供の肥満は、将来の生活習慣病発症の温床になるだけではなく、児童生徒自身の身体活動や健康状態にも大きく影響を与えることから、肥満の解消に向けて、家庭での取り組みはもとより、学校においてもさらに取り組んでいくことが重要であると考えます。
 そこで、県教育委員会は児童生徒の肥満解消にどのように取り組んでいくのか、考えをお尋ねいたします。
 次に、交通事故防止についてであります。
 昨年の県内における交通事故発生件数は5,802件と、前年から大幅に減少しました。交通事故件数が6,000件を下回ったのは昭和40年以来、実に51年ぶりのことであり、大変大きな成果であると考えております。
 しかしながら、一方で交通事故による死者数は前年より13名多い90名と大きく……。こうした悲惨な交通事故による犠牲者を一人でも減らしていくため、県警察を初め関係機関に対してこれまで以上に効果的な交通事故抑止対策を推進していくことが求められており、県警察では本年も「総合的な対策による交通事故の抑止」を重点目標の一つに掲げており、さまざまな対策を講じて交通事故の抑止を図っていくものと思いますが、とりわけ増加した交通死亡事故を抑止することは喫緊の課題であり、多くの県民が強く期待しているところであります。
 そこで、県警察における交通死亡事故抑止対策についてお尋ねいたします。
 次に、凶悪犯罪の検挙に向けた取り組みについてであります。
 昨年の県内における刑法犯認知件数については1万1,575件と、前年から約1,200件減少し、戦後最少を更新しましたが、一方で、県内では殺人事件や強盗事件など凶悪事件が相次いで発生しております。
 本年も県警察では「県民が不安を感じる犯罪の徹底検挙」を重点目標の一つに掲げ、重要犯罪等の検挙活動を推進すると伺っております。凶悪犯罪については、何より発生しないのが望ましいのですが、万一発生した際は迅速に解決することが県民の安心につながるものであります。
 そこで、凶悪犯罪の検挙に向けた取り組みについてお尋ねいたします。
 産業の集積・振興についてであります。
 震災から間もなく6年が経過しますが、復旧・復興はまだ道半ばであります。復興をさらに進め、将来にわたって活力ある福島を築いていくためには、経済や産業の再生が不可欠であります。
 また、東日本大震災、原子力災害等による人口減少が進行していく中、若者の定着を図り、地域の活性化を推進して地方創生を推し進めなければなりませんが、そのためには新たな産業集積を図り、雇用の場を確保していく必要があり、新たな視点での企業誘致を積極的に進めていく必要があると考えます。
 そこで、県は新たな産業集積を図るため企業誘致にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 最後に、私の所信を述べさせていただきます。
 知事は、さきの所信表明において「福島の奇跡という新しい歴史をつくり上げていくのは、福島県民はもとより、現在あるいは将来、復興の取り組みにかかわる国内外の全ての人々である。」と述べられました。
 顧みれば、近現代の福島県の歴史は、戊辰戦争の戦禍から立ち上がり、磐梯山の噴火などの災害から立ち上がり、そして戦後の復興に向けてまた立ち上がり、県民自身の手により今日の繁栄を迎えました。
 県民は、海に生き、山に生き、土とともに育み、あるいは油にまみれながら悩み、試行錯誤を繰り返しながら、互いに責任を分け合って脈々となりわいを紡いできたのであります。そして、今回もまた未曽有の大震災と原子力災害から立ち上がろうとして6年を迎えようとしております。この試練をどう受けとめるべきか。
 キャリアコンサルタントの田口久人氏は、「できない人は過去にこだわり、できる人は未来にこだわる。できない人は不可能と思い、できる人は可能と思う。できない人は他人のせいにして、できる人は自分のせいにする。できない人は一人で頑張り、できる人はみんなで頑張る。できる人もできない人も能力にほとんど差はない。ほんの少しの意識の違いによって結果に差が生まれる。」と述べております。私たちの目指す福島の奇跡は、ほかの誰かの手によって達成されるものではありません。
 制定5周年となる県民の歌では、「明るいふるさと福島をつくろう。豊かなふるさと福島をつくろう。楽しいふるさと福島をつくろう。」と高らかに歌われております。私はこの精神がある限り、福島の未来に夢がつながると確信しております。さあ、県民の皆さん、ともに一緒に歌い、前へ進みましょう。タクトは知事です。
 質問を終わります。


議長(杉山純一君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)亀岡議員の御質問にお答えいたします。


 県政への思いについてであります。
 未曽有の複合災害から間もなく6年、本県は今もなお有事の状態が続いています。このような中、私は常に3つの力を頭に置いて県政を運営してまいりました。
 1つ目は、「聴く力」であります。
 現場主義の理念のもと、県内各地に足を運び、市町村や地域が抱える苦しみや悩み、そして期待や希望など、さまざまな思いを直接受けとめながら県政を運営してまいりました。
 2つ目は、「伝える力」であります。
 福島の復興には、多くの皆さんの御理解と共感が必要であることから、県民の皆さんの思いや福島県の現状を広く正しく伝えることに力を入れてまいりました。あわせて、国や東京電力に対して言うべきことは言う、求めるべきことは厳しく求める姿勢で常に臨んでまいりました。
 そして、3つ目は、「挑む力」であります。
 避難地域の再生、風評・風化対策、新産業の創出、福島ならではの地方創生など、本県は前例のない課題が山積しております。こうした厳しい状況だからこそ、失敗を恐れずに挑戦をし、県民に明るい希望を指し示すのがリーダーとしての知事の使命であると考えております。
 私は、今後も県民の皆さんの思いをしっかり受けとめながら国内外に強く発信をし、福島に心を寄せる全ての方々と力を合わせ、世界に誇れる復興と誰もが希望を持てるふるさと、新生ふくしまの実現を目指し、果敢に挑戦を続けてまいります。
 次に、当初予算についてであります。
 私は、復興・創生期間の2年目となる新年度においては、これまでの取り組みをさらに推し進め、成果を出していくことが重要であると考えております。このため、新年度予算を復興・創生加速化予算と位置づけ、復興と地方創生の二つを大きな柱としながら、総合計画の11の重点プロジェクトを中心に実効性のある事業構築に努めました。
 まず、復興を前に進める取り組みにつきましては、避難されている方々の帰還や生活再建支援を最優先に、被災12市町村の事業者や農業者の方々の事業再開支援や双葉郡の二次救急医療の確保、イノベーション・コースト構想の推進やJヴィレッジの再生など、避難地域の復興を力強く進めてまいります。
 また、地方創生に向けては、定住・二地域居住を推進するため、相談窓口の強化や市町村と連携した住宅取得支援に取り組むほか、インターンシップや成長産業分野における雇用型訓練等を通じた若者の定着や還流の促進、さらにホープツーリズムの実施等を通じた交流人口の拡大など、福島ならではの地方創生をしっかりと推進してまいります。
 このほか、航空宇宙関連産業の集積など産業の振興や風評・風化対策、安心して住み、暮らすための環境づくり、結婚・出産・子育て支援の充実、健康長寿に向けた取り組みなどを着実に推し進めながら、福島県全体の復興と地方創生に力を尽くしてまいります。
 次に、地方創生の加速化についてであります。
 本県の人口は、震災後に起きた急激な減少傾向は収束したものの、少子高齢化等の構造的な問題から、現在もなお年間1万人を超える減少が続き、極めて厳しい状況にあると認識しております。
 しかしながら、本県は震災前、移住希望地域として高い評価を受け、出生率も全国の中で常に高い水準であるなど、暮らしやすい地域としての潜在的な力があることに加え、震災を経て復興の取り組みを通じた福島ならではのチャレンジの場としての魅力も有しており、地方創生の先進地になり得ると考えております。
 このため、新年度定住・二地域居住の推進への再挑戦や結婚・出産・子育て支援の充実に取り組み、福島のよさをさらに伸ばすとともに、医療機器やロボットなどの新産業の育成・集積、中小企業の開発型・提案型企業への転換促進、ICT技術を活用した大規模稲作経営体の育成や地域産業の6次化等を通じて安定した雇用の場づくりを進めてまいります。
 さらに、ふくしまふるさとワーキングホリデーや南東北インターハイの開催を契機とした県外の若者との交流拡大、ホープツーリズムの推進や海外出版社と連携した地域資源の発掘、磨き上げなど、本県の強み、魅力の発信強化等を通じて新しい人の流れをつくり出してまいります。
 ふくしま創生総合戦略に基づく取り組みを次の段階へと進め、新年度を地方創生加速化の一年とする決意のもと、全庁一丸となって取り組んでまいります。
 次に、イノベーション・コースト構想については、原子力災害により産業基盤を喪失した浜通りの再生のため、構想の策定段階から参画し、これまで国、市町村等と真剣な議論を重ねてきた結果、今般の福島復興再生特別措置法の改正法案において、重点推進計画への位置づけや法定分科会の創設などが盛り込まれ、名実ともにこの構想が国家プロジェクトとして位置づけられました。
 今後、構想はいよいよ拠点の整備からそれらを活用した交流拡大、新たなビジネスや雇用の創出への展開が求められております。こうした状況に対応するため、新年度から県としても国際研究産業都市推進監の新設等、庁内の推進体制を強化するとともに、情報発信や交流、拠点運営等の中核的機能を担う推進法人の設立、地元産学官による連携協議体の創設など、構想の推進体制強化に取り組んでまいります。
 法定化による枠組みを活用しながら、我が国随一のロボットテストフィールド等の着実な整備を進めるとともに、地元企業の幅広い参画を得ながら、ロボットやエネルギー、農林水産分野等における研究開発・実証や実用化を推進してまいります。
 さらに、大学や高校等での構想推進を担う人材育成、拠点利用者の交通手段の確保や交流人口の拡大など、産学官一体となって構想を加速させるとともに、こうした動きを国内外へ積極的に情報発信し、世界が注目する浜通りの再生を通した福島の新しい未来づくりを進めてまいります。
 次に、世界への情報発信についてであります。
 今なお根強い風評と急速に進む風化という二つの逆風を乗り越えるため、私はこれまでもさまざまな機会を通して、世界各国からいただいた数多くの御支援に対する感謝の思いを伝えるとともに、本県の現状、課題、復興・再生に向けた新たな取り組みなどについて発信を継続してまいりました。
 今年度は、タイにおいて県産農産物の安全性や魅力をPRした結果、タイなど東南アジア3カ国への桃の輸出量が増大しました。また、アメリカ訪問では、国際連合本部において講演を行うなど、光と影が混在する「ふくしまの今」について直接お伝えをし、理解と共感の輪を広げてまいりました。
 さらに、ドイツ訪問では、ノルトライン・ヴェストファーレン州の首相を初め州政府の要人の方々にお会いし、再生可能エネルギー分野などに関して同州との信頼関係と緊密なネットワークを築いてまいりました。
 今後もこれまでに築いたつながりやきずなを土台に、あらゆる機会を捉えて復興に向けて着実に歩みを進める福島の姿、メードイン福島の技術や製品のすばらしさ、県内の食や観光の魅力などを私自身の言葉で直接お伝えするとともに、駐日外交団等を招いた県内視察の機会やことし秋を目途に3年ぶりに県内で開催する在外県人会サミットなどを通して、県民一人一人が復興に向けて懸命に挑戦を続ける「ふくしまの今」の姿を世界に向けて発信してまいります。
 次に、ホープツーリズムについてであります。
 未曽有の複合災害は依然として各方面に影響を及ぼしており、福島県の復興はいまだ途上にあります。その一方で、しっかり前を見て、新しい福島を創造するため日々汗を流し、努力している人々がいます。
 昨年末、県外の高校生30人を招き、復興に向け挑戦する人々と対話するツアーを実施しました。福島の状況を自分のこと、我がこととして真剣に考えている生徒たちのまなざしを感じ、そして彼らが地元に戻って地域の小学生に彼らの目で見た福島を直接伝えていることを知りました。
 また、先日熊本県の高校を訪問した際に、修学旅行で福島を訪れた生徒から「前に進むことは希望が見えることであるということを学び、福島が大好きになった。」と力強い感想を聞かせてもらいました。
 私はこうした生徒たちの姿に大きな感動を覚えました。福島のありのままの姿を実際に見て、学んで、そして希望を感じてもらうホープツーリズムが福島の復興を推し進める原動力になることを確信しました。
 このため、国内外の人々に福島から未来を学びたいと思っていただけるよう、教育旅行、行政や企業の人材養成研修など、さまざまな対象に応じた独自のコンテンツを地域の皆さんとともにつくり出し、福島に思いを寄せ、福島の復興を応援する人々の輪を広げるため、福島だからこそ可能なホープツーリズムを積極的に推進してまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。


総務部長(長谷川哲也君)お答えいたします。


 執行体制につきましては、これまでも既存事業の見直しや事務の簡素効率化、業務量の変動に応じた職員の再配置などに取り組むとともに、正規職員や任期付職員の採用を初め、即戦力となる他県等応援職員の受け入れ、さらには専門性を有する国の独立行政法人や民間企業等の職員の受け入れなど、多様な方策により必要な人員の確保に努めてきたところであります。
 今後とも復興や地方創生の進捗状況、中長期的な行政需要等を踏まえながら業務執行体制の効率化等に取り組むとともに、適正な人員配置に努めてまいる考えであります。
 次に、ふくしま自治研修センターの活用につきましては、共同設置者である県、市町村合同の研修の中で、地域資源を生かした交流人口の拡大や風評払拭に向けた施策の検討など政策形成能力等の向上を図り、みずから考え行動できる職員の育成に努めているところであります。
 今後、復興や地方創生などさまざまな課題の解決に向けた取り組みを進めていくためには、政策の立案や民間との協働・連携など職員のさらなる能力向上が求められることから、県、市町村及びセンターが連携をより密にし、新たな課題にも対応できるよう随時研修内容の見直しや充実を図りながら、センターでの職員の育成に努めてまいります。
 次に、会津大学の本県の復興に果たす役割につきましては、ICT技術があらゆる産業の基盤となる中、極めて大きいものと考えております。
 会津大学においては、先端ICTラボを核に、災害対応ロボットの技術開発や再生可能エネルギー利活用のための情報基盤の研究、売り上げデータ等の解析ツールを活用した浜通りの商業支援など産業振興に向けた取り組みを進めるとともに、ベンチャー企業を初めさまざまな企業で活躍する人材の育成を行っており、今後さらなる産学官連携の充実を図るほか、県内IT企業で活躍する女性プログラマーの育成などにも取り組むこととしております。
 県といたしましては、本県の復興に向けた会津大学のさらなる貢献に期待するとともに、支援の充実に努めてまいります。


危機管理部長(樵 隆男君)お答えいたします。


 広域避難における交通渋滞対策につきましては、昨年11月22日の地震、津波に伴う避難についての地元市町からの聞き取りなどにより、自動車による円滑な広域避難を実現するためには、避難経路や緊急時における情報提供等のあり方について改めて検討する必要があると考えております。
 このため、新たに検討組織を設置し、防災関係機関や道路管理者等とも課題を共有しながら、避難経路の追加や県民への周知方法、提供する情報の内容や通信機器の活用方法等について検討を進めてまいります。
 次に、放射線モニタリングにつきましては、県全体の空間線量率が低下する中にあっても、身近なモニタリングを継続していくことは県民の安全・安心と風評被害の払拭にとって重要であると考えております。
 このため、政府予算対策等においてモニタリングの維持を求め、新年度においても必要な予算が確保される見込みとなったところであります。
 県といたしましては、県内全域でのモニタリングを継続するとともに、避難指示が解除される区域においては調査地点数をふやすなど、よりきめ細かなモニタリングを実施してまいる考えであります。


企画調整部長(伊藤泰夫君)お答えいたします。


 再生可能エネルギーの推進につきましては、これまで避難地域の復興を推進する発電事業への補助や福島再生可能エネルギー研究所と連携した研究開発事業への支援など、本県ならではの先駆的な施策に取り組んできたところであります。
 今後は、福島新エネ社会構想に沿って大規模風力発電や水素利用の拡大等に取り組むとともに、再生可能エネルギー推進センターを法人化し、相談窓口や事業化支援の機能充実、県民に身近な住宅用太陽光発電の普及、次世代を担う人材の育成の強化等を図り、県内事業者や県民の参加を拡大しながら、再生可能エネルギー先駆けの地の実現に向け全力で取り組んでまいります。


生活環境部長(尾形淳一君)お答えいたします。


 男女共同参画の推進につきましては、現在改定作業を進めているふくしま男女共同参画プランにおいて、新たに女性の活躍促進を基本目標に掲げるとともに、仕事と生活の調和を図るため、働き方改革や家庭や地域における男性の参画の促進等に取り組むほか、性同一性障がいなどの性的少数者への配慮も盛り込み、施策を総合的に推進してまいります。
 新年度は、ふくしま女性活躍応援会議等と連携し、男女共同参画の理念の普及をさらに進めるほか、地域独自の取り組みを支援するため、市町村等からの求めに応じ、有識者の派遣や地域で活躍している女性人材に関する情報を提供することなどにより、取り組みの一層の充実を図ってまいります。
 次に、鳥獣被害防止のための総合的な対策につきましては、野生鳥獣の生息域と人の生活圏とのすみ分けを図ることが重要であることから、これまでの有害捕獲や農地での電気柵設置等の対策に加え、本年度は地理情報を活用した行動圏調査を実施し、効率的な捕獲や移動ルートとされる河川敷の刈り払い等に取り組んでまいりました。
 新年度においては、これまでの取り組みに加え、さまざまな対策手法をより効果的に組み合わせ、成果を上げることができるよう関係部局や市町村等と連携し、地域住民、専門家等が一体となって集落ごとに農地や人の生活圏の状況を診断し、その地域に最も適した総合的な対策を講じること等により鳥獣被害の防止に取り組んでまいります。


保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。


 高齢者の健康づくりにつきましては、これまでスポーツや文化活動を通じた健康の保持・増進を図るため、すこやか福島ねんりんピックを開催するとともに、身近な地域で気軽に参加できる体操や趣味活動を行う住民主体の集いの場づくりを支援しております。
 新年度は、新たに高齢者が体力に応じて親しむことができるミニボウリングやボッチャなどのニュースポーツの普及を進める老人クラブの活動を支援することとしております。
 今後とも健康寿命の延伸に向け、高齢者の健康づくりにしっかりと取り組んでまいります。
 次に、国保改革につきましては、これまで県全体の医療費推計等をもとに算出する市町村ごとの国保事業費納付金の算定方法を初め、被保険者証様式の統一などの事務の標準化や保険給付及び医療費の適正化等の取り組みについて市町村との間で協議を行ってきております。
 新年度は、これら協議内容を取りまとめ、新たに県の附属機関として設置する国保運営協議会の意見も踏まえた上で、県と市町村との共通の指針となる国保運営方針を策定するとともに、財政安定化基金の積み増しなど財政運営の基盤づくりにも努め、平成30年度以降の効率的で安定した国保事業の運営に向けてしっかりと取り組んでまいる考えであります。


商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。


 企業誘致につきましては、これまで高速交通網等のすぐれた立地環境や企業立地補助金等の優遇制度をアピールし、立地の促進に取り組んでまいりました。
 今後はこれらに加え、ふくしま医療機器開発支援センターやロボットテストフィールド、会津大学先端ICTラボ等、新たな研究開発拠点を核として、各分野の産業協議会における企業等のネットワークを有効に活用しながら、再生可能エネルギー、医療、ロボット、航空宇宙やICT関連産業などの成長産業を初め、裾野の広い自動車関連産業など本県の産業復興を牽引する産業分野の企業誘致を戦略的に進めてまいります。
 次に、福島相双復興官民合同チームにつきましては、被災により厳しい状況に置かれている被災者への訪問やコンサルティングなどを通じ、きめ細かな支援を行っており、被災者の事業・なりわいの再建が進展しつつあるところであります。
 今後は、地域ごとに異なる住民帰還や復興の状況に応じた活動を展開するため、官民合同チームの体制強化が図られることから、県といたしましても、被災者への継続的な支援はもとより、創業や被災12市町村外からの事業展開を促進するなど、市町村のまち機能の回復に対してもしっかりと支援してまいる考えであります。
 次に、県内の民間企業における高年齢者雇用確保措置の実施状況につきましては、高年齢者が年齢にかかわりなく働き続けられるよう、事業主は65歳までの雇用機会の確保を図ることとされており、福島労働局の平成28年6月1日現在の集計によりますと、実施している企業は、従業員数が301人以上の大企業では100%、31人から300人までの中小企業では98.9%となっております。


農林水産部長(小野和彦君)お答えいたします。


 全国植樹祭につきましては、壊滅的な津波被害を受けた海岸防災林を会場に、被災地で初めて開催する大会となることから、現在、600ヘクタールに及ぶ防災林の整備を加速するとともに、県内外の方々が参加する植樹活動の中で災害から生命や財産を守る森林の重要性についての理解促進に努めております。
 今後は、プレイベントや各種広報媒体を通じて県民意識を盛り上げながら、さきに決定した基本計画を踏まえ、これまでの支援に対する県民の感謝の気持ちを表現できる式典構成を初め、参加者の宿泊・輸送計画や県民一丸となった心からのおもてなしなど具体的な手順を定める実施計画の策定を進め、全国から集まる多くの皆さんに復興の現状をしっかりと発信してまいる考えです。
 次に、中山間地域等における農業担い手の確保につきましては、過疎化、高齢化が進行し、農業者個々の努力や地域内の農業者のみによる集落営農などの従来の対策だけでは、農業はもとより、地域社会を維持していくことが困難な地域がふえてきております。
 このため、新たにモデル市町村において、行政等が関与する農業法人の設立に向け、具体的な営農計画の策定支援から事務手続をサポートするアドバイザーの派遣や法人設立に要する初期経費等の支援、さらに運営に当たっての経営や技術面でのアドバイスなど総合的な支援に努めてまいります。
 次に、国の米政策の見直しを踏まえた本県農業の振興につきましては、需要に応じた米づくりと水田農業における所得向上を目指すための基本的な考え方として、昨年12月に策定した30年以降の福島県水田農業の推進方針を踏まえて、現在、地域ごとに市町村やJAなどとともに魅力ある産地づくりに向けて具体的な検討に着手したところであります。
 今後は毎年、米の流通実態や地域農業者の意向等を踏まえた作付面積の協議にあわせて、飼料用米や園芸作物の導入拡大に向けた支援策も検討することにより、水田のフル活用を基本として本県農業の振興を図ってまいる考えであります。
 次に、農林水産物の地産地消の推進につきましては、県消費者団体連絡協議会の調査では、「県内産の食材を最も多く買う」との回答が8割を超えたほか、直売所の売上額が震災前の1.5倍に増加したこと、さらに、学校給食における県産食材の活用率も震災前の9割の水準まで戻っていることなどを踏まえれば、県民の農林水産物への信頼が回復しつつあるものと認識しております。
 今後は、引き続き農産物の旬の時期に合わせて、県内各地の直売所や道の駅、量販店等を活用したイベントを開催するほか、新たに県産食材の利用を希望する病院への支援や栄養士等を対象とした研修会の開催等を通じ、さらなる利用拡大に努めてまいります。
 次に、天のつぶにつきましては、粒が大きくしっかりとした食感や、冷めてもおいしいというすぐれた食味特性と市場における値ごろ感などの理由で消費者や流通事業者等の評価が高いことから、中食、外食等でのさらなる需要拡大に取り組むほか、市町村等における地域の特性を生かしたブランド化の取り組みに対しては、商談会への出展や個別セールス活動への支援など、さまざまな販売促進に取り組んでまいります。
 あわせて、多収でつくりやすい栽培特性のため、飼料用米に流れる傾向があることから、専用肥料の利用促進や適切な生産管理の指導を通じて、本来の食味特性を引き出せるよう一層の生産拡大に努めてまいる考えであります。
 次に、栽培キノコの生産振興につきましては、生産資材の購入支援や栽培マニュアルに基づく栽培指導、非破壊検査機器等を活用した県内産原木の利用促進などに努めた結果、平成24年には震災前の約五割にまで落ち込んだ生産量を平成27年には約7割にまで回復させることができました。
 今後はこれらの取り組みに加え、県オリジナル品種ホンシメジの生産拡大と産地化を目指し、菌床培地の導入と施設整備への支援や栽培技術指導に努めるとともに、県内旅館などと生産者のマッチング機会の創設や首都圏の百貨店等における販売促進フェアを実施するなど、栽培キノコの生産回復に向けてしっかりと取り組んでまいります。


土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。


 小名浜港につきましては、本県の産業や東日本地域のエネルギー供給を支える物流拠点として、国と連携を図りながら東港地区国際物流ターミナル整備事業を推進してまいる考えであります。
 また、今回の港湾計画の改訂に基づき、石炭やコンテナ等の取扱貨物量の増加に対応した新たな岸壁の整備や用地の拡張、魅力ある親水空間の創出に向けた緑地の整備、耐震強化岸壁や緊急物資輸送ルートの拡充など港湾機能の強化に向けて計画的に取り組んでまいる考えであります。
 次に、都市計画区域の区域区分につきましては、健全かつ秩序ある都市の形成を目的に昭和45年に定めて以来、人口や産業規模などの動向を踏まえ、6回の定期的な見直しを行ってきたところであります。
 今後とも良好な市街地の整備、優良農地や自然環境等の保全が図られるよう、住民の方々の意見や地域の実情等を踏まえ、広域的な観点から市町村や関係機関などと調整を行い、適切に見直してまいりたいと考えております。
 次に、洪水氾濫に備えるソフト対策につきましては、これまで浸水想定区域図や河川水位等の公表を初め、各種防災訓練や出前講座等を実施しており、今月には洪水時の避難に関する説明会を県内全ての要配慮者利用施設の管理者を対象に開催したところであります。
 今後はこれまでの取り組みに加え、市町村長と関係機関で構成する水災害対策協議会において、想定最大規模降雨での浸水想定区域図の追加や立ち退き避難が必要な区域等の明示、水害対応タイムラインや市町村長との電話によるホットラインの構築など、住民の早期避難を促すソフト対策を推進し、人的被害の未然防止に取り組んでまいります。


原子力損害対策担当理事(大島幸一君)お答えいたします。


 農林業の風評被害につきましては、昨年12月に開催した原子力損害対策協議会の全体会議において、風評の影響が根強く残っている現状を踏まえ、知事が直接東京電力に対し、損害がある場合については賠償が継続されることを確認するとともに、平成30年以降の賠償の制度設計に当たっては、原発事故との相当因果関係の確認を簡易な手法で柔軟に行うなど、農林業関係者の立場に立って協議を行うよう求めたところであります。
 引き続き、被害の実態に見合った賠償が的確になされるよう取り組んでまいります。


避難地域復興局長(成田良洋君)お答えいたします。


 住宅確保が困難な避難者につきましては、戸別訪問などにより今後の生活再建の見通しを丁寧に伺っているところであります。
 これまでの戸別訪問等の結果から、9割を超える世帯は既に4月以降の住まいの確定が見込まれておりますが、まだ確定していない世帯に対しては、今後も訪問等により相談をお受けするとともに、住宅事情に詳しいNPO法人を活用した新たな住まい探しのサポートや転居等に関する手続の補助を行うなど、応急仮設住宅の供与終了に向けて、避難元市町村等と連携してしっかりと支援してまいります。


文化スポーツ局長(安齋睦男君)お答えいたします。


 チャレンジふくしま県民運動につきましては、関係団体から成る推進協議会を中心に、健康測定やスポーツ、文化、食の体験イベントの開催や情報発信等を通じて、健康への気づきと実践機会の提供などを行ってまいりました。
 今後はこれらの取り組みに加え、新たに地域創生総合支援事業に健康枠を創設し、民間団体や市町村等が行う地域での健康づくり活動を支援するとともに、職場等での健康に向けた日常的な取り組みの推進や吉本興業株式会社の協力による笑いを通じた運動の楽しさの発信など、関係団体と連携しながら、笑顔で元気になる県民運動として幅広く展開してまいります。


こども未来局長(須藤浩光君)お答えいたします。


 子供の貧困対策につきましては、今年度、貧困の実態について理解を深めるための講演会やフォーラムを開催するとともに、関係機関、団体の参加により子供の貧困の現状や対策について情報の共有などを行ってまいりました。
 新年度は、子供たち自身が活用できる支援の内容や相談窓口についてわかりやすく伝える冊子を新たに作成することで将来の夢を描くきっかけづくりを応援するとともに、県内各方部において関係機関や団体のネットワークを構築し、連携の強化を図ることにより必要な支援がきめ細かく届けられる環境づくりを進めてまいります。
 次に、児童養護施設等を退所する児童の自立支援につきましては、これまで就職に必要な自動車運転免許の取得に要する費用の一部を助成するとともに、家賃や生活費等について一定の条件下で返済を免除する貸し付けを行うなどの経済的支援に取り組んでまいりました。
 新年度からは、自動車運転免許取得費用への助成額を増額するとともに、児童が生活への不安から大学等への進学を断念することがないよう、新たに進学や生活に要する費用の一部を給付金として支給することとしております。
 今後ともこれらの取り組みにより、児童養護施設等を退所する児童の自立を積極的に支援してまいります。


観光交流局長(橋本明良君)お答えいたします。


 外国人観光客の受け入れ態勢につきましては、外国人が、訪れた地域にさらに興味を持つ情報やストレスなく二次交通を利用できる環境等を外国人目線に基づき整えることが大切であると認識しております。
 このため、新年度新たに外国人誘客を積極的に進めようとする地域が行う観光資源の磨き上げや、対象とする国の嗜好を把握し、受け入れのヒントを得る現地プロモーションの実施、外国語による観光案内やホームページ等の充実、宿泊施設等のWi-Fi環境の整備など、受け入れに関する一連の取り組みをパッケージで支援するなど、外国人が何度も訪れたくなるよう、地域と連携した受け入れ態勢の充実を図ってまいります。


教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。


 新たな産業を創出できる人材の育成につきましては、科学の甲子園ジュニア福島県大会や算数・数学ジュニアオリンピック等のコンテストを実施し、科学的思考力等の向上に取り組んできたところであります。
 新年度は、新たに産業界との連携のもと、コンテストの成績優秀者を対象に県内の大学、企業等において先端技術を体験する見学会や研究者による講演会を開催するほか、意見交換の場や成果発信の機会を設けることにより、医療やロボット、再生可能エネルギーを初めとする新たな産業の創出への興味、関心を醸成するなど、イノベーション・コースト構想に寄与できる人材の育成に小中学校の段階から取り組んでまいる考えであります。
 次に、地域とともにある学校につきましては、地域社会と学校が一体となって子供を育てる体制を整備することが重要であると考えております。
 このため、新年度新たに地域学校協働活動事業をモデル地域で実施し、地域の人材や情報を学校につなぐコーディネーターを公民館等に配置するとともに、学校に地域連携担当教職員を置き、地域と連携した学校目標を設定することで児童生徒の積極的な地域行事への参加や放課後の学習等を効果的に進めてまいります。
 また、その成果を分析した上で、コミュニティースクールの促進も含めた家庭、地域と学校とのパートナーシップの強化を図るための構想を策定してまいります。
 次に、スマートフォン等の適正な使用につきましては、児童生徒みずからがそのルールづくりに主体的に取り組むとともに、家庭においてもルールが守られるよう保護者への働きかけを積極的に行うことが大切であると考えております。
 このため、新年度新たに関係部局と連携し、全ての高等学校の生徒代表が一堂に会するふくしま高校生スマホサミットを開催し、高校生みずからがスマートフォン等の使用に関する提言をまとめるとともに、その成果に基づき、啓発用のパンフレットや動画を作成し、小中学生や家族を初め社会全体に発信するなど、児童生徒を主体とした取り組みによりスマートフォン等の適正な使用を推進してまいります。
 次に、本県の復興を担う生徒に求められる学力につきましては、社会体験を踏まえた討論などを通して深く学び合う課題探求型の授業の推進により育まれるものと考えております。
 このため、全ての県立高等学校の研修担当教員をふたば未来学園高校や県外の先進校に派遣し、新たにアクティブ・ラーニングに関する研修を行い、指導力の向上を図ってまいります。
 また、生徒の主体的な学習を促すため、地域課題をテーマとする探求活動を行い、その成果を発表する地域貢献サミットを新たに開催するなど、復興を担う生徒に求められる確かな学力をしっかりと育んでまいります。
 次に、児童生徒の肥満の解消につきましては、望ましい運動習慣や食習慣を確立する取り組みを一体的に進めることが重要であることから、各学校において体育の授業の充実や自分手帳の活用を図るとともに、保健指導や講話を行う医師や栄養教諭等の専門家を各学校に派遣し、児童生徒や保護者等の理解促進に努めてきたところです。
 今後は、肥満解消に向けた取り組みの手順や学校医との連携による児童生徒への支援の方法などをわかりやすく明示した学校における肥満対応ガイドラインを作成し、学校が家庭や関係機関と一体となって肥満対策を効果的に進められるよう取り組んでまいります。


警察本部長(松本裕之君)お答えいたします。


 交通死亡事故抑止対策につきましては、昨年の交通死亡事故を分析しますと、全死者の約半数を高齢者が占めるとともに、増加した四輪車乗車中の死者38人のうち、シートベルトを着用していれば12人の方の命が救われたものと思われます。
 また、交差点における事故が大幅に増加したほか、速度の出し過ぎや飲酒運転による事故もいまだに発生しています。
 この現状を踏まえ、本年は高齢者対策、シートベルト非着用者対策、交差点対策、速度抑制対策、飲酒運転対策の5つを重点として交通指導取り締まりを強化するとともに、関係機関、団体と連携した広報活動を行うなど、交通死亡事故抑止に取り組んでまいります。
 次に、凶悪犯罪の検挙に向けた取り組みにつきましては、昨年、県内ではいわゆる凶悪事件として殺人、強盗、放火及び強姦事件を52件認知しました。このうち殺人事件など40件につきましては、捜査本部を設置するなどして捜査し、事件を解決したところであります。
 県民の体感治安に大きな影響を与えるこれらの凶悪事件に対しては、今後も事件認知時に大量の捜査員を投入し、犯人の早期確保に努めるとともに、聞き込みや検問、指紋や足跡の現場鑑識活動、DNA型鑑定、防犯カメラ映像からの情報収集などを組織的に推進し、凶悪犯罪の検挙を徹底してまいります。


議長(杉山純一君)これをもって、亀岡義尚君の質問を終わります。

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