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2017年2月定例会 一般質問 今井久敏議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年6月14日更新

今井久敏議員

議員

今井久敏

所属会派
(質問日現在)

公明党

定例会平成29年2月
質問等一般質問
質問日

3月2日(木曜日)

33番(今井久敏君)公明党県議団を代表して、県政一般にわたり質問をいたします。


 初めに、所信の一端を申し述べさせていただきます。
 あの大震災、そして原発事故からはや7年目の春を迎えようとしております。県内外には8万人の方々がいまだ避難生活を余儀なくされている現実を改めて直視し、一刻も早い復興加速を実感していただける環境をつくり出していくことこそが政治の果たすべき最大の使命であると自身に問いかけております。福島の復興が世界の希望であるとの激励を胸に、果敢な挑戦をし続けていかなければならないと強く決意するものであります。
 世界は今、分断か結合かの大きな潮流がせめぎ合っていると感じております。一国の指導者の発言が社会の分断を深刻化し、世界に多くの難題をつくり出している事態ともなっており、こうした現状に対して、ある識者はこのように論じておりました。「分断をもたらす排他主義や犠牲を顧みない経済的合理性の追求に抗する社会のくさびとなるものは何か。私は、一人一人の顔といった具体的な像をもって心に立ちあらわれる「友情」のような確固たる結びつきではないかと考えます。」と。
 自分と異なる人々への排斥は、相手への無知や偏見から起こる場合が多く、相手を集団として一くくりにする抽象化によって正当化される現実があります。このことは、県民、国民、そして私自身も乗り越えるべき課題として取り組む必要がある大切なテーマでもあります。一人一人が顔を持った存在として結びついていくことの重要性を再認識し、震災の復興は心の復興からとの思いを込めて、以下質問に入らせていただきます。
 初めに、医療産業の育成・集積についてであります。
 過日、私たち公明党は昨年オープンしました郡山市のサイバーダイン社を訪問、視察いたしました。工場としてはまだ十分に稼働しておりませんでしたが、未来性の高い医療機器の説明に改めて感動いたしました。
 とりわけ開発したHALが身体機能の回復に大きく貢献している事例は、日本ベンチャー大賞を贈った首相のコメントのとおり、病気やけがで歩けなくなった人が、自分の足で歩くことを助ける世界初の夢のロボットスーツだとの言葉のとおり、多くの患者さんへの光明となるものと思われます。
 現在は難病にのみ保険適用でありますが、治験進行中の脳血管障害による機能麻痺への対応が可能となるなどさらなる適用拡大が見込まれ、期待に夢膨らむ思いであります。
 また、知事は訪問したドイツ拠点にある訓練施設での利用者の声を紹介、メードイン福島をアピールしたエピソードを話されておりましたが、世界を見据えた本県産業の広がりをより確実に推進していくことがますます重要となってくると思われます。
 そこで御提案でありますが、日本国内のみならず、世界中の福島を応援する方々との交流を一段と深めていくことを目指すべきだと思います。
 一つには、BNCT活用などメディカルツーリズムへの支援強化、二つには答弁のありました(仮称)ふくしまロボット産業推進協議会の確実な推進、三つにはメディカルシティー構想の検討などが考えられます。
 そこで、世界を見据えた医療関連産業の育成・集積にどのように取り組むのか、知事の考えをお尋ねいたします。
 次に、避難情報の名称変更について伺います。
 昨年8月の台風10号による水害では、死者、行方不明者27人が発生するなど、東北、北海道の各地で甚大な被害が発生し、とりわけ岩手県岩泉町ではグループホームが被災、入居者の九人が逃げおくれて亡くなるなど多大な被害に見舞われました。同町は、高齢者や障がい者に対し避難行動を始めるように促す避難準備情報を発令していたものの、施設側には情報の持つ意味が十分に浸透しておらず、被害の拡大につながったとも指摘されております。
 この教訓を踏まえ、内閣府は昨年12月26日に市町村が発令する避難準備情報の名称を避難準備・高齢者等避難開始に改めるなど避難情報の名称を変更しましたが、県民にその意味が正しく理解されなければ、本県でも同様の被害が発生するおそれがあるのではないかと考えます。
 そこで、県は避難情報の名称変更についてどのように周知し、浸透を図っていくのかお尋ねをいたします。
 次に、防災体制の強化について伺います。
 昨年9月、北庁舎内に開所した福島県危機管理センターは、災害発生時に迅速に災害対策本部を立ち上げ、初動対応に万全を期すための危機管理拠点として整備され、昨年11月22日に発生した地震では、東日本大震災以来初めてとなる津波警報が発令されましたが、県の災害対応の拠点として迅速に機能し、災害対応に当たったと聞いております。幸いなことに大きな災害となることはありませんでしたが、大規模な災害はいつ発生するかわかりません。
 県全体の防災力を強化するためには、県災害対策本部が迅速に立ち上がり、災害対応に当たるのと同時に、災害対応の最前線にある災害対策地方本部がその機能を十分に発揮できるように防災体制を強化する必要があります。
 そこで、県は災害対策地方本部の機能強化にどのように取り組んでいるのかお尋ねをいたします。
 続いて、児童虐待防止対策の強化について伺います。
 昨年12月は児童虐待防止推進月間であり、我が党としてもオレンジリボン街頭として、全国各地で街頭演説を通し、啓発活動を展開いたしました。
 平成16年の栃木県小山市で、二人の幼い兄弟の虐待死から、市民団体カンガルーOYAMAが中心となり、平成17年より虐待防止の運動としてオレンジリボン運動がスタートし、現在全国的に波動が広がっております。
 平成27年、全国の児童相談所が対応した虐待相談件数は10万件を超え、平成2年以降25年間で過去最多を更新。県内におきましても一昨年は529件、前年比135件増で、過去10年間で最も多い現状にあります。
 これは、平成12年成立の児童虐待防止法による通告義務を明確化したことによる影響や、現に虐待が増加しているとの報告もなされているところであります。
 昨年5月に成立した改正児童福祉法の施行により、同10月から児童相談所に児童心理司、医師または保健師、弁護士を配置する体制が強化されております。
 そこで、本県における児童虐待防止に向けた改正児童福祉法による児童相談所の体制強化について、弁護士等の配置状況をお尋ねいたします。
 また、県は児童相談所全国共通ダイヤル189、いちはやくの普及促進にどのように取り組んでいるのかお尋ねをいたします。
 次に、昨年4月1日には警察庁より各都道府県警察に対し、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した場合は、児童相談所等への確実な通告、情報共有等を行うよう指示されたところであります。
 そこで、虐待が疑われる児童を把握した際の県警察の対応についてお尋ねをいたします。
 次に、人権への理解促進について伺います。
 私は、過日報道のあった記事に愕然といたしました。それは、金沢市教委が今年度市立小中高の全児童生徒約3万5千人を対象としたいじめに関するアンケート結果にであります。
 とりわけ小中学生の約3割が、いじめられる人も悪いところがあると答えており、対して、思わないと答えた小学生は34.1%、中学生は18%と、学年が上がるにつれ、いじめられる側にも問題ありとする内容であったからであります。
 もちろんいじめはどんなことがあっても絶対にいけないと回答した子供は、小学生90.8%、中学生89.2%であり、いじめには厳しい見方をしております。
 さらにまた、いじめを受けたときの相談先は、誰にも相談しないが小学生22.2%、中学生28.7%であり、その理由として、小学生の43%が迷惑をかけたくないからとし、中学生の47.9%はどうせ解決しないからと回答していたからであります。
 このアンケートから痛感することは、いじめ問題に取り組む第一歩は、いじめる側が100%悪いことを明確にすることであり、県内全児童生徒及び教職員のみならず、社会全体として改めて確認するとともに、繰り返し確認する環境の構築は急務であると思います。
 ある識者は「現代社会の元凶は、人間生命が尊厳なる存在であるという本源的な考えが欠如していることだ。」と指摘しております。私はこのような生命は尊厳なものであること、そして皆が互いを思いやり、一人一人が大切にされるという人権尊重の意識を持つことが最も重要であり、そのためには人権への理解が不可欠であると考えます。
 そこで、人権への理解を深めるため、県はどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。
 次に、若年性認知症対策の推進について伺います。
 若年性認知症は65歳未満で発症する認知症の総称で、国の推計によると若年性認知症の方の数は全国で約4万人、本県においては約500人とされております。
 発症年齢の平均は51歳と就労中に発症することも多く、認知度も低いため、仕事を休めず診断がおくれるなど、高齢者に比べると支援への取り組みがおくれている状況にあります。
 国の若年性認知症コールセンターに寄せられた平成27年の相談件数は過去最多の2,240件となり、5年前に比べ約2倍に増加していることが明らかになっております。
 若年性認知症は働き盛りの人に発症することが多いため、就労継続支援の充実や介護の方法、介護者の心身疲労の相談支援などが求められております。
 また、厚生労働省は本人や家族の支援を強化するため、各都道府県に若年性認知症支援コーディネーターの配置を進めております。若年性認知症支援コーディネーターには、精神保健福祉士などが想定されており、相談支援はもとより、認知症疾患医療センターの紹介や就労継続支援等の役割が期待されております。
 そこで、県は若年性認知症対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。
 次に、遠隔医療の推進についてお伺いをいたします。
 情報通信機器を用いて離れた医師と患者をつなぐ遠隔医療。従来離島や僻地の診療所の医師が中核病院の専門医にレントゲン画像などを送って診療相談を行ったり、テレビ電話を通じて医師が在宅患者を診察したりするケースが多くありましたが、これに加え、自覚症状を周辺に伝えることができない高齢者や認知症患者などへの活用も近年注目されております。
 政府が平成27年6月に決定しました経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針に、「医療資源を効果的・効率的に活用するための遠隔医療の推進」が初めて盛り込まれ、規制改革実施計画にも遠隔診療の取り扱いの明確化や推進のための仕組みの構築などが明記されたところであります。
 これを受け、今年度の診療報酬改定では、患者の利便性向上や医療従事者の負担軽減などの観点から、睡眠時無呼吸症候群などを対象に遠隔医療が可能となってきています。
 本県における原発事故に伴う避難地域の現状を鑑みるに、帰還者の生活環境を向上させる上でも、また慢性的医師不足対策としても、さらには介護施設入居者の寝たきり状態の防止のためにも、本県は先駆的な取り組みを研究推進する必要性があると判断するものであります。
 避難地域に限らず、本県の高齢化の進行は郡部、都市部を問わず顕著になっており、3・11以降医療不安の声はさらに高まっていると認識しております。地域にある医療資源を効果的、効率的に活用するためにも遠隔医療の推進が求められており、そのためまずは医療機関同士の連携や医療機器の整備などが必要と考えております。
 そこで、県は遠隔医療を進めるための基盤整備にどのように取り組んでいるのかお尋ねをいたします。
 ここで、在宅医療の体制整備について伺います。
 住みなれた自宅で逝きたい、こう願っている人は55歳以上の男女半数に上ると内閣府調査は示しています。しかし、在宅死の割合は死亡者全体の12%にすぎず、しかも年々低下している現状です。願望と現実に大きな差が生じている理由に、自宅で医療を受ける在宅医療の体制が不十分なことが挙げられます。
 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年には、在宅医療で療養する高齢者が現在よりも30万人以上ふえると予想され、超高齢化社会に続き、多死社会が到来すると言われる中、医療機関だけでは高齢者の受け入れに限界があるだけに、在宅医療の体制の整備は喫緊の課題と言えます。
 厚生労働省は昨年7月、全国在宅医療会議を設置、今後の普及策について検討を開始いたしました。本年3月にかけて詳細議論を行うと報じており、具体的解決策に期待をしたいところであります。
 3・11以降大きく環境が変わった本県においても、これから申し述べる検討課題に積極的に取り組む必要があると考えます。
 一つには、訪問診療医の増加を目指し、在宅医療のおくれが在宅死の少なさに反映している現状を打開するため、自治体が地域の医師会などと幅広く連携できる体制整備の支援、充実、二つには、訪問看護サービスの充実強化として、潜在看護師の発掘と処遇改善、三つには、在宅医療を利用する家族への心情配慮として、自宅でのみとりに対する家族の不安解消策の検討と支援等であります。
 特に本県の実情を踏まえ、在宅医療の推進に向けた体制整備を進める必要があると考えますが、県は在宅医療の推進にどのように取り組んでいるのかお尋ねをいたします。
 続いて、ビッグデータの活用について伺います。
 全国の幹線道路、国道、都道府県道については、各種データをもとに各区間の死傷事故率を算出した結果、死傷事故の69%が幹線道路全体の20%の区間に集中して発生していることがわかっております。
 このような事故発生の特徴を踏まえ、幹線道路において集中的な交通事故対策を実施することを目的に、警察庁と国土交通省が合同で死傷事故率が高く、または死傷事故が多発している事故危険箇所を平成29年1月に指定、平成32年度までに都道府県公安委員会と道路管理者が連携した対策を実施することとし、全国3,125カ所、うち県内24カ所、うち県管理道路は6カ所を選定いたしました。
 一方、歩行中、自転車乗車中の死者数については、全交通事故死者数の約半数を占めており、そのうち約半数は自宅から500メートル以内の身近な道路で発生しております。このため、歩行者、自転車乗車中の事故防止については、特に生活道路の交通安全対策が有効と考えます。
 国土交通省は生活道路の交通安全対策について、従来の対症療法型から科学的防止型への転換を図るため、ETC2・0を搭載した自動車の走行履歴などの詳細なデータ、いわゆるビッグデータを蓄積し、関係者へ提供する取り組みを初めたところであります。
 そこで、生活道路の交通安全対策にビッグデータの活用を促進すべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。
 次に、工事現場の就労環境の改善について伺います。
 本県の建設現場は高齢化が進んでおり、50歳以上の建設就業者が50%以上を占めていると言われており、中高年が建設現場を支えている状況で、若年層の担い手不足が深刻な課題となっております。
 これは休日が少なく、きつい、汚い、危険、いわゆる三Kというイメージが根強く残っていることが若い人や女性などの新規入職者が少ない原因と考えられます。このような課題を解決するためには、若い人や女性などの入職や定着を促進する工事現場の就労環境の改善が重要であると考えます。
 そこで、県は公共土木工事の現場における就労環境の改善にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。
 最後に、公共施設等の管理について伺います。
 米国で生まれた社会基盤の維持管理の手法に、社会基盤を構成する施設を国民のアセット、いわゆる資産として位置づけ、維持、補修を計画的かつ着実に実施するアセットマネジメントというものがあります。
 施設データの整備や維持、補修の結果を活用し、中長期の更新需要や財政収支の見通しを把握、その上で施設の重要度や健全性を考慮して管理計画を定める手法とされておりますが、米国では1980から90年代に落橋事故が相次ぎ、社会基盤の急速な老朽化が表面化。米国の30年後を走るとされる日本も、高度成長期に建設した膨大な公共施設の老朽化が着実に進んでおり、本県もその例外ではありません。
 平成24年、中央自動車道笹子トンネル天井崩落事故が発生したことは記憶に新しく、本県においても昨年9月22日、二本松萩坂地内での国道459号ののり面崩落が発生しております。
 一方、経済成長率の低迷や人口減少などにより厳しい財政状況が予想され、公共施設の管理は重大な課題となっております。
 このような中、国は国民の安全・安心を確保し、中長期的な維持管理、更新等に係るトータルコストの縮減や予算の平準化を図るため、国や地方公共団体、その他民間企業等が管理するあらゆるインフラを対象に、インフラ長寿命化基本計画を策定しました。地方公共団体に対しては、本基本計画に基づき、インフラの状態、人口動態、財政状況等を勘案した計画を策定するよう求めております。
 そこで、県は保有する公共施設等の老朽化に対応するため、どのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。
 また、アスファルト主流の道路舗装材料としてコンクリートが見直しをされております。環境負荷が少ないことやますます厳しくなる財政事情等から、社会的要請も高まってきているのが現状であります。コンクリート舗装は耐久性が高く、長持ちするのが最大の特徴であり、例えば八王子市内の国道20号、いわゆる甲州街道は交通量の多さにもかかわらず50年も大規模な修繕なしに利用されております。初期費用はアスファルトに比べると高いですが、時間がたってもひび割れにくく、メンテナンス費用を抑えられ、トータルではむしろ安く済むとの報告もあり、維持管理費が大幅に伸びない中、コンクリート舗装は非常に有効と認識をしております。
 さらに、舗装の路面状況を調査する手法として、スマートフォンに内蔵の加速度センサーとGPSを用いたシステムが現在開発され、運用コストも安く、千葉県柏市を初め10の自治体が導入をしていると聞いております。
 また、マイクロ波による道路、橋等の舗装下の地中空洞、劣化箇所、埋設物等の調査では、手法の改良によって工期短縮ばかりでなく、コストダウンが大幅に可能となったことから広く利用されており、信頼性の高い技術となっていることから、道路舗装等の状況を把握する上で有効と考えております。
 そこで、県管理道路の舗装の長寿命化対策について、県の考えをお尋ねいたします。
 以上で質問とさせていただきますが、最後に、東日本大震災から丸6年、公共インフラの復興、災害公営住宅の整備など着実に進む一方、生活再建、産業、なりわいの再生、観光復興はさらなる支援が必要であります。とりわけ本県避難地域である飯舘、川俣、富岡、浪江と解除方針が示されたものの、やっとスタートラインに立ったばかりであり、国、県のさらに強力な支援が求められます。私たちは、心の復興、人間の復興をなし遂げるまで、徹して被災者に寄り添う支援を継続してまいる決意であります。
 福島の今後として、最新鋭の農林水産業の促進、安全・安心な福島ブランドの普及など風評被害払拭への取り組み強化、廃炉、汚染水対策の着実な推進を進める中、イノベーション・コースト構想のより具体化、そして2020年東京オリンピック・パラリンピックが復興五輪として、県内での競技開催など、県民に大きな希望の光となると考えております。
 国内のみならず、世界中が刮目するような輝かしい福島復興の姿を県民と心を合わせ挑戦してまいることを改めて決意し、一般質問とさせていただきます。御清聴大変にありがとうございました。

副議長(満山喜一君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)今井議員の御質問にお答えいたします。


 世界を見据えた医療関連産業の育成・集積についてであります。
 医療関連産業は世界的に市場拡大が見込まれることから、これまでドイツでのセミナーの開催や世界最大規模の医療機器展示会への出展などを通じて、海外企業との連携を深めてまいりました。その結果、ドイツ企業との合弁企業の設立や販売契約締結などのほか、台湾やイタリアの企業が福島県にオフィスを構えるなど、着実に世界との取引が拡大してきております。
 私は、ことし1月のドイツ訪問時に、福島で製造した医療用ロボットスーツを着用し懸命にリハビリに励むオランダ人夫婦から、この技術をドイツだけでなく他地域にも広め、私たちのような笑顔をふやしてほしいとの話を聞き、メードイン福島の医療機器を世界中に発信していく必要があるとの思いを強くいたしました。
 このため、新年度は欧米市場での販路をさらに拡大するため、ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州との覚書を更新し、また今後多くの需要が見込まれる東南アジアも視野に入れ、タイで開催する同地域最大規模の医療機器展示会への出展や企業の招聘を通じて、県内企業のグローバル展開を一層推進してまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。


総務部長(長谷川哲也君)お答えいたします。


 公共施設等の老朽化への対応につきましては、県が保有する全ての公共施設等について、今後予想される利用需要の変化を踏まえ、長期的な視点のもとに、長寿命化、統廃合、更新等を図るため、今年度内に公共施設等の管理に関する基本的な方針を定める公共施設等総合管理計画を策定し、総合的、計画的な管理に全庁的に取り組んでまいる考えであります。


危機管理部長(樵 隆男君)お答えいたします。


 避難情報の名称につきましては、昨年末に避難準備情報が避難準備・高齢者等避難開始に、避難指示が避難指示(緊急)に変更されましたが、今後は県民の理解促進を図っていくことが重要となります。
 このため、県のホームページ等を通した広報に加え、市町村に対して地域防災計画の見直しと県民への周知を依頼したほか、新年度作成するふくしま防災ガイドに避難情報の解説を掲載し、県民への浸透を図ってまいります。
 次に、災害対策地方本部の機能強化につきましては、新たな庁舎の整備計画を進めている県中地域を除く6つの地方本部が入る庁舎の耐震化を昨年10月までに完了したところであり、地方本部の運営に必要となる自家発電装置についても、平成29年度までに設置する予定としております。
 また、各地方本部には衛星携帯電話を配備したほか、地方本部員用の飲料水や食料等の備蓄を行っており、非常時における地方本部の機能が十分発揮されるよう今後とも強化に努めてまいります。


生活環境部長(尾形淳一君)お答えいたします。


 人権への理解を深めるための取り組みにつきましては、身近にある人権を脅かすさまざまな事柄に気づき、人権尊重の意識を高めていくことが大切であると考えております。
 このため、思いやりや助け合いの大切さを考える機会を通じて、幅広く人権に関心を持ち、理解を深めていただく契機となるよう、これまでも講演会などの啓発活動を行ってきたところであり、新年度においては新たに障がい者スポーツの体験教室を開催するなど、国、市町村、関係機関等と連携しながら人権への理解促進に取り組んでまいります。


保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。


 若年性認知症対策につきましては、今年度支援機関相互の連携体制を構築するとともに、パンフレットの作成や研修会の開催を通じて、若年性認知症の理解促進や支援者のスキルアップ等に取り組んでおります。
 新年度は、若年性認知症の実態や必要な支援ニーズを把握するための調査を実施するとともに、新たに若年性認知症支援コーディネーターを設置し、電話や訪問等による相談活動、認知症疾患医療センター等の専門医療機関の紹介や就労継続の支援を行うなど、若年性認知症対策を強化してまいります。
 次に、遠隔医療につきましては、医師の地域偏在、診療科偏在への対応や地域包括ケアシステムの構築を見据え、二次医療圏内、ひいては県内全域において保健医療福祉関係者間での診療情報等が共有され、必要に応じて画像や病理の遠隔診断等も可能となる医療情報ネットワークの構築を推進してきたところであります。
 今後とも遠隔医療の実施に必要な機器等の整備を行う医療機関を支援し、ICTを活用した基盤づくりを着実に進めてまいる考えであります。
 次に、在宅医療につきましては、各保健福祉事務所に市町村や医療関係団体を構成員とする在宅医療推進のための協議の場を設け、地域で求められる医療提供のあり方について検討を行うとともに、在宅医療に取り組む医療機関に対し、訪問診療車や医療機器の整備を支援しているところであります。
 今後は訪問看護体制の強化、みとりに関する情報提供、普及啓発などを行い、地域医療構想において大きな柱の一つと位置づけている在宅医療の推進にしっかりと取り組んでまいります。


土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。

 生活道路の交通安全対策におけるビッグデータの活用につきましては、潜在的な事故危険箇所の把握に有効であると認識しており、県内では7市町10地区において国からビッグデータの提供を受け、関係機関から成る協議会により対策を検討することとしております。
 県といたしましては対象地区拡大のため、市町村へ取り組みの周知を図るなど積極的な活用を促進し、生活道路の安全・安心の確保に努めてまいる考えであります。
 次に、公共土木工事の現場における就労環境の改善につきましては、これまで受注者が施工時期を選択できる工事、いわゆるフレックス工事の採用や、現場休憩所への冷暖房設備の設置に対する支援などに取り組んできたところであります。
 新年度からはこれらの取り組みに加え、担い手の確保や福利厚生の充実を目的とした週休2日確保モデル工事の実施、更衣室つきの水洗化仮設トイレ設置への支援など、若者や女性にも配慮した就労環境の改善に取り組んでまいります。
 次に、県管理道路の舗装の長寿命化対策につきましては、日常のパトロールや路面性状調査により舗装の損傷ぐあいを把握、評価し、予防保全の考え方を取り入れて策定する長寿命化計画に基づき実施しております。
 今後とも安全で円滑な道路交通の確保に向け、限られた予算の中で舗装を適切に維持するため、新技術、新工法についても有効性や費用対効果などを踏まえ、導入について検討を進めながら舗装の長寿命化対策にしっかりと取り組んでまいる考えであります。


こども未来局長(須藤浩光君)お答えいたします。


 児童相談所の体制強化につきましては、昨年の児童福祉法の改正に伴い、医師や弁護士等の専門職配置による機能強化策が盛り込まれたところであります。
 本県では、これまでも各児童相談所に児童心理司を配置し、子供の心理診断や心理療法を行うとともに、医師や弁護士等を嘱託職員として配置し、必要に応じて医学的診断や虐待事案等への法律的な対応を行うなど複雑困難な事案に対応してまいりました。
 今後とも専門職の積極的な活用を図り、児童相談所の体制強化に努めてまいります。
 次に、児童相談所全国共通ダイヤルにつきましては、児童虐待の通報や電話相談をしやすくするため、平成27年7月に運用が開始されております。この共通ダイヤルについては、これまでテレビやラジオを活用して広く県民に周知をするとともに、パンフレットや啓発用資材の配布を通じてその普及促進に努めてまいりました。
 今年度からは、児童虐待を発見しやすい立場にある教職員や保育士等を対象とした研修の中でもその周知を図っており、引き続き共通ダイヤルの普及促進に努めてまいります。


警察本部長(松本裕之君)お答えいたします。


 虐待を疑われる児童を把握した際の対応につきましては、児童の状況を直接確認するよう徹底するとともに、児童相談所その他の関係機関と緊密に連携を図り、当該児童に係る情報の共有及び必要な場合の確実な通告に努めております。その結果、昨年は児童相談所へ通告した児童数が573人と、前年より大幅に増加したところであります。
 今後とも関係機関との連携、情報共有を徹底することで、児童の安全確保を最優先とした対応を徹底してまいります。


副議長(満山喜一君)これをもって、今井久敏君の質問を終わります。

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