ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 2017年6月定例会 代表質問 神山悦子議員

2017年6月定例会 代表質問 神山悦子議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年9月13日更新
神山悦子議員 
議員神山悦子
所属会派(質問日現在)日本共産党
定例会平成29年6月
質問等代表質問
質問日6月22日(木曜日)

49番(神山悦子君)日本共産党の神山悦子です。共産党県議団を代表し、代表質問を行います。


 原発事故から6年3カ月が経過しました。ことし3月末、いわゆる自主避難者への住宅無償提供が打ち切られ、また帰還困難区域を除く避難指示が解除となり、避難者をめぐる情勢は大きく変化しています。
 国連では、核兵器禁止条約交渉会議が7月7日まで開催されていますが、被爆者団体は296万人分の「ヒバクシャ国際署名」を手渡しました。ところが、被爆国の日本政府の代表がいまだに出席せず、被爆者や世界の人々を失望させています。
 また、今月18日に閉会した今国会では、安倍政権は中間報告という禁じ手を使ってまで共謀罪法を強行成立させました。また、安倍首相らによる国政の私物化とも言える加計、森友学園問題での疑惑隠し、大臣らの相次ぐ暴言など、数の力で強行する暴走政治が際立った国会でした。
 特に閉会直前の15日、自民、公明、日本維新の会が数を力に強行成立させた共謀罪法は、思想、良心の自由を保障した憲法19条に反します。罪を犯していない段階から一般人も含めて行動や通信が警察の捜査、処罰の対象となり、監視、密告が横行する社会になります。国連人権理事会の特別報告者から「プライバシーや表現の自由を制約する」との書簡が政府に送付されても、政府はまともに答えず、抗議すらしたのです。
 2013年12月の特定秘密保護法、2015年9月の安保法制、戦争法、そして今回の共謀罪法、これら3つ全てが憲法を踏みにじった違憲立法です。私たち日本共産党は、立憲主義、民主主義、平和主義を取り戻すため、安倍政権下での海外で戦争する国づくりを許さず、共謀罪法廃止、憲法9条改憲を許さない新たな戦いを野党や国民の皆さんと共同して進める決意です。
 一方、安倍政権は社会保障費を大幅に削減し、総医療費抑制のかけ声のもと、医療、介護の大改悪と国民健康保険の都道府県化を来年2018年度からスタートさせます。あらゆる分野で暴走政治を続ける安倍政権に対し、国や東京電力にはっきり物が言える県政、市町村と県民を応援し、広域自治体としての役割をしっかり果たす県政を求めまして、以下質問に入ります。
 安倍首相は、事もあろうに憲法施行70周年に当たることし5月3日の憲法記念日に「オリンピックがある2020年までに憲法9条に自衛隊を明記する。」と表明しました。首相が期限を区切って発言すること自体、憲法99条の憲法尊重擁護義務違反です。
 憲法9条は、1項で戦争放棄、2項で戦力の不保持をうたっていますが、新たに3項を加え、自衛隊を明記すれば、その途端に2項は死文化し、海外での武力行使が無制限に可能となります。自民党の憲法草案にもなかったこのシナリオを書いたのは、改憲右翼団体「日本会議」の安倍首相のブレーンでした。自民党内からも異論が出ているようですが、最近の世論調査でも「9条改定は必要ない」が多数です。現憲法は、戦前の国民の悲惨な犠牲の上に立って制定されたものです。憲法9条の改定に対する知事の認識を伺います。
 学習指導要領の一部改訂により、来年度から道徳が正式教科となります。さらに、安倍内閣は教育勅語を教材に用いることを否定しないとする閣議決定をしましたが、教育勅語は戦後制定された現憲法と教育基本法に反するとして、1948年の衆議院で排除決議、参議院で失効確認の決議が採択されています。今月16日、日本教育学会を初め教育学研究会17学会の会長が反対の声明を出しています。県内の公立学校において教育勅語を教材として使用すべきではないと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。
 ことし3月17日、前橋地裁は国に原発事故に対する法的責任はあったとし、東京電力も安全性より経済的合理性を優先させ、津波対策を怠ってきたと厳しく指摘し、国、東京電力の双方に責任があったとする初めての判決を下しました。
 2012年12月の県議会で、我が党の長谷部県議の質問に佐藤雄平知事は「少なくとも津波に対する備えが不十分であったことにより、原子炉を冷却する機能が失われたことは人災と受けとめるべきもの」と答弁しています。私たち共産党県議団は、東電に対し、原発事故前から津波対策をとるよう何度も申し入れていました。福島第一原発事故は、国及び東京電力の津波対策が不十分だったことによるものですが、改めて県の考えを伺います。
 福島原発は、事故から6年経過しても収束するどころか、今も汚染水漏れなどトラブルが相次いでいますが、本県の原発事故の教訓が他県で生かされていると言えるでしょうか。今月6日、東海村の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで放射性物質の保管容器の点検中に作業員5人がプルトニウムを浴びて被曝する事故が発生しましたが、ここでも安全神話に浸っていたのではないでしょうか。
 一方、原子力規制庁は川内原発、伊方原発に続き高浜原発を合格させ、再稼動は3原発5基となりました。今後も大飯原発、玄海原発、そして柏崎刈羽原発も狙われています。さらに、海外に原発を輸出しようと、安倍政権はインドと協定を結ぶ方針です。しかし、核保有国のインドに輸出すれば、原発や核物質が核兵器開発に使われない保証はありません。
 県は、他県の原発に言及しないとの従来の立場に固執せず、福島第一原発の事故の教訓を生かし、原発の再稼動及び輸出の中止を国に求めるべきです。県の考えをお尋ねいたします。
 国を挙げて進める水素社会の実現に貢献し得る先進的技術の実証事業を本県で推進するため、福島新エネ社会構想を策定し、今年度は水素ステーションの導入、FCV燃料電池自動車の導入等を図るとしています。
 しかし、化学物質としての水素利用はあっても、エネルギー源として利用可能な水素は自然条件化では存在せず、水素を含む化合物からエネルギーを使って生成しなければならない二次エネルギーです。再エネ電力を使って水素をつくり、その水素を使って電気分解し、電力を生産するといいますが、初めから再生エネで電気を起こし、そのまま使うか電池にためて使ったほうが効率がよいのは明らかです。エコでクリーンどころか、これらの過程を経るごとにエネルギーロスが生じ、発電費用もかさみます。
 貯蔵、運搬の点でも、水素は最も軽い原子のため、超低温と超高圧を必要とし、輸送の安全確保にも技術的課題があります。水素エネルギーは、環境面、安全性、経済性など導入には課題があると思いますが、県の考えをお尋ねします。
 また、浪江町に世界最大規模の水素製造拠点を建設する計画を県が候補地として決定しましたが、この事業はNEDOの採択を受けた東芝、東北電力、岩谷産業の3社が事業主体です。福島新エネ社会構想における水素プロジェクトの実証候補地である浪江町に新たな負担を求めるべきではないと思いますが、県の考えを伺います。
 今月8日、私たち共産党県議団は福島第一原発と第二原発を視察しました。特に第二原発では、3・11の東日本大震災時、4つの外部電源の1回線だけが生き残っていたこと、中央制御室の停電を免れたこと、そして作業員の懸命の対応で奇跡的に重大事故に至らなかったとの説明を受けました。4号機建屋内では、燃料プールと原子炉圧力容器の真下を視察いたしました。
 昨年末、東電事故対応費用が約22兆円と試算されたことを受け、東京電力と原子力損害賠償・廃炉等支援機構は5月11日に新々・総合特別事業計画、東電再建計画を国に提出しましたが、原発の再稼動を前提にしています。
 先日、東電の次期社長、小早川智明氏は、第二原発について、地元の意見や国のエネルギー政策、福島第一原発の廃炉のバックアップ機能などを総合的に勘案して判断するとしながら、廃炉の時期を明言していません。再建計画との関係からでしょうか。第二原発の廃炉について、東京電力任せにせず、国が早期に決断すべきと思いますが、県の考えをお示しください。
 商工業や農林業への賠償渋り、賠償の打ち切りは依然として続いていますが、商工業者に対する2倍相当分の賠償はこの夏で終了となります。農業の賠償について、来年1月以降の方針が示されていません。商工業等及び避難指示区域外における農林業に係る営業損害について、新たな賠償方針を示すよう国、東電に求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。
 また、自治体の財物賠償基準がない中で、このほど浪江町が東電に対して賠償請求した公共財物への賠償金が一部支払われました。県は、県有財産の財物賠償にどのように取り組んでいくのか伺います。
 5月17日、政府は原子力損害賠償・廃炉等支援機構法を改正し、帰還困難区域の除染は国が肩がわり除染するとしましたが、これも東電救済の一環です。その一方で、なかなか進まないでいる帰還困難区域以外の除染特別地域を含め、フォローアップ除染及び里山除染の実施状況についてお伺いいたします。
 ところで、除染事業をめぐる不正や不適正事件が相次ぎ、除染事業に対する信頼は大きく揺らいでいます。福島環境再生事務所の職員による贈収賄容疑事件、さらに浪江町では、実際には約10分の1の除染で終わったのに、別の下請会社に他地域から持ってきた土を入れさせ、114袋の数量合わせをしていた不適正事件、福島市では、単価が高い竹林の除染を実施したように見せかけていた偽装事件、さらに準大手ゼネコンの安藤ハザマが作業員の宿泊費の領収書改ざんをし、詐欺容疑で家宅捜索を受ける事件に発展しています。業者の指名停止も視野に対応すべきではないでしょうか。巨額の除染事業をめぐる不正事件は氷山の一角にすぎないとの指摘も出ています。除染事業における不適正事案について、県として厳正に対応すべきと思いますが、県の考えを伺います。
 また、浪江町の除染労働者から県労連の労働センターに対しこの間2件の相談がありました。1件は、除染のフレコン運搬の運転手をしていた除染労働者が積載中のけがで労災申請したことへの嫌がらせです。もう1件は、除染中、住宅の屋根から転落し、救急車で搬送されたのに、会社が虚偽報告を勝手につくり、労災扱いにせず、医療費は自分の保険証で支払いをさせられたというものです。除染等の業務において労働災害が発生した際に適切に対応するよう事業者への指導を徹底させるべきと思いますが、県の考えを伺います。
 ところで、除染労働者の健康について調査した南相馬市立病院の澤野医師らによれば、独身者が多い除染作業員は生活習慣病にかかった後の死亡リスクが高い可能性があると指摘しています。放射線管理と同じように除染作業員の健康管理が適切になされるべきと思いますが、県の考えを伺います。
 ところで、8千ベクレル以上10万ベクレル以下の放射性廃棄物を受け入れる富岡町の旧エコテックについてです。最終処分場となることや搬入中の安全面など周辺自治体から反対の声が上がっている中、環境省は強引に進めようとしています。特定廃棄物埋立処分施設への搬入について、周辺住民の意向を無視して強行しないよう国に求めるべきですが、県の考えを伺います。
 先月、福島復興再生特別措置法が改正され、イノベーション・コースト構想が法的に位置づけられ、国家プロジェクトとなりました。復興の名のもとに莫大な国費を投じ、ロボット産業や廃炉事業など新産業の集積や拠点づくりが進められますが、その事業の中心は大手企業が担い、地元の業者、企業はせいぜい下請で入るしかない構想ではないでしょうか。一体誰のための何のための復興でしょうか。地元からも疑問視する声が上がっています。地元の業者、企業が担い手となり、地域循環型、なりわいと人間の復興が中心に据わってこそ真の復興と考えます。福島イノベーション・コースト構想について、真の地域の復興につながるようにすべきと思いますが、県の考えを伺います。
 そもそも原発事故を受けた本県の復興は、福島特措法の理念に掲げているように、「安心して暮らし、子どもを生み、育てる環境の実現」です。子ども・被災者支援法は、ほとんど機能していません。
 ことし3月末、川内村や広野町の避難者を含む自主避難者への住宅無償提供が打ち切られ、また帰還困難区域を除くほとんどの区域が解除されましたが、帰還者が1割にも満たない町村もあります。
 ことし4月1日に解除した富岡町は、帰還する、しないの二者択一ではなく、今は判断できない第3の道を含めたあらゆる町民の意向を尊重しますとしています。県も帰還をあおるだけでなく、現時点で帰還を判断できない避難者にも支援をすべきと思いますが、県の考えを伺います。
 これまで他県から支援継続を求める国への意見書は80自治体を超えました。今も避難者支援を継続している他県の自治体があるのに、避難元の福島県が支援を打ち切ったことはどう見ても逆立ちしています。
 住まいが未確定の自主避難者は、5月19日現在で県内59世帯、県外78世帯、計137世帯となっています。県は、応急仮設住宅の供与終了後も住まいを確保できない避難指示区域外からの避難者への支援にどのように取り組んでいるのか伺います。
 また、楢葉町からの避難者への応急仮設住宅の供与を延長するよう求めますが、県の考えをお示しください。
 ところで、生活費等の精神的賠償が打ち切られ、住民税の減免、軽減策が終了する来年4月以降は、住民負担が一気に増大することが予想されます。避難者への負担軽減や市町村維持等への財政支援、医療や介護施設の開設、上下水道の整備など、避難地域の市町村において共通する課題の解決に向け、広域自治体としての役割をどのように果たしていくのか、知事の考えをお尋ねいたします。
 また、復興公営住宅の家賃について、特に収入の低い世帯に対し独自に軽減すべきと思いますが、県の考えをお示しください。
 避難解除された浪江町でことし4月末に仮設住宅の集約化の方針が示され、住民の不安が広がっています。仮設住宅については、入居者の合意のもと、強制的な集約、解体とならないように進めるべきと思いますが、県の考えを伺います。
 また、避難地域の医療、介護施設の医師や看護師スタッフ不足は深刻です。今回、国の避難地域の医療再生交付金236億円はハード面の整備にとどめず、深刻な医療・看護職員不足にも対応すべきです。避難地域の看護職員を確保するため、給与等の処遇改善が必要と思いますが、県の考えをお示しください。
 甲状腺検査と放射能検査について、甲状腺検査に関してですが、二次検査で経過観察とされた原発事故当時四歳児がその後甲状腺がんの摘出手術を受けたものの、公表されている症例数から外されたままになっています。甲状腺検査の受診後に保険診療に移行し、甲状腺がんと診断された症例を把握すべきと思いますが、県の考えを伺います。
 ところで、福島原発事故でしか見られないセシウムボールと呼ばれる水に溶けない不溶性放射性粒子が発見されていることが6月6日、NHKの「クローズアップ現代+」で報道されました。学者、研究者は、原子炉建屋の断熱材に放射性物質が付着し、爆発によって飛散したのが原因ではないか、今のところ健康への影響は小さいとしながらも、球体や変形球体が体内に付着すれば、健康へのリスクは否定できないとしています。したがって、今後も長期にわたり環境放射能のモニタリングを継続すべきと思いますが、県の考えを伺います。
 あわせて、農林水産物のモニタリング検査も継続すべきですが、県の考えを伺います。
 次に、医療、介護、国保についてです。
 社会保障予算の自然増削減を掲げる安倍政権のもとで、公的医療、介護制度を土台から変質させる改悪が続いています。それが具体化されるのが来年4月、2018年度です。今年度はその計画を県が策定する年となっています。
 厚労省が15日に発表した全国の死因別死亡率で、本県は急性心筋梗塞が男女ともワースト1位でした。東日本大震災と原発事故、長引く避難生活等が影響していると思います。
 昨年12月に策定した県の地域医療構想によれば、県内2万の入院ベッド数を2025年には全国平均の約2倍、23%削減する構想です。一方、県内の医療機関が提出した見込みベッド数は、急性期病床はほぼ現状のままとしているように、病院が望む機能と乖離しています。第7次医療計画の策定に当たっては、東日本大震災及び原子力災害の影響を受けた本県の特別な事情を考慮するよう求めますが、県の考えを伺います。
 浜通り、相双地域の透析医療は一層深刻で、受け入れていた宮城県の病院も新規受け入れができなくなっています。透析患者の交通手段やスタッフの確保など、浜通り地方の透析医療体制の整備を急ぐべきと思いますが、県の考えを伺います。
 介護をめぐる状況も深刻です。今国会で介護保険関連法の改悪を強行可決し、一昨年に導入した2割負担がさらに3割負担に引き上げられます。原発被災地の介護職員の人材不足も深刻で、避難者が帰還できない要因にもなっています。介護職員確保のため、避難地域を含め、県独自に賃金引き上げ等の処遇改善を行うべきですが、県の考えを伺います。
 さて、国保事業の都道府県化が来年度からスタートします。そもそも国保事業は国や県が言う相互扶助という助け合いの制度ではなく、国民健康保険法第一条にあるように、社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする社会保障制度です。
 非正規雇用者や年金者などの加入者がふえている中で、国保税が高過ぎて払えない滞納世帯がふえており、保険証取り上げや差し押さえなどの苛酷な取り立ても行われています。
 まず、各市町村の国保事業費納付金の試算結果を早期に公表するよう求めますが、県の考えを伺います。
 また、試算はあくまでも参考とし、被保険者の保険料軽減のための一般会計からの繰り入れは市町村独自の判断を尊重すべきと思いますが、県の見解をお示しください。
 低所得の加入者がふえている国保の現状を踏まえ、国庫負担割合の引き上げを要望しても認められない場合、県として独自の繰り入れを行うべきと思いますが、県の考えを伺います。
 さらに、国の国保の普通調整交付金について、市町村の医療費適正化への取り組みの結果により交付金が削減されることがないようにすべきです。県の考えをお尋ねいたします。
 県は今月5日、福島大学に委託して昨年実施した子供の貧困対策の実態調査結果をようやく公表しました。798世帯と少ない回答数でしたが、一定の実態が見えます。一方、新日本婦人の会福島県本部が県内334の放課後児童クラブに依頼して、ことし1月から2月にかけて実施した子育てアンケートには、1,717人から回答があり、自由記述欄には多数の意見や要望が寄せられています。
 子供の貧困の連鎖を断ち切るためには、教育の機会均等、教育費の負担軽減、貧困世帯への直接経済支援など、社会全体で支援していく必要があります。
 まず、県で把握している直近の保育所等の待機児童数についてお示しください。同様に、直近の放課後児童クラブの待機児童数をお示しください。
 認可保育所と放課後児童クラブの増設とあわせ、他産業に比べて低い保育士と放課後児童クラブ支援員の人件費補助を実施すべきですが、県の考えを伺います。
 いわゆる就学援助制度が改善され、来年度の入学生から入学準備金が2倍になり、入学前の支給も可能となりました。要保護児童生徒援助費補助制度の改正内容を市町村や保護者に十分に周知すべきですが、県教育委員会の考えを伺います。
 算数セットや鍵盤ハーモニカ、図工セットなど、公立小中学校において児童生徒が使用する教材を公費で備えつけるべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。
 県中児童相談所についてです。
 県は、郡山合同庁舎の移転を10年以内に進めるとしましたが、同敷地内にある県中児童相談所は一時保護所が別の場所にある不正常な状態に置かれています。県中児童相談所の整備を急ぐべきと思いますが、県の考えを伺います。
 さらに、人口比では不足している児童相談所の児童福祉司を増員すべきと思いますが、県の考えを伺います。
 最後に、県立高校の今後のあり方について伺います。
 県教育委員会は、湖南、西会津、川口の3校を1学級規模でも分校化せず本校として維持するとしました。一方、県学校教育審議会は3クラス以下の小規模校は統合対象と答申しました。県内の3分1強の高校が統合対象となってしまいますが、高校は地域との密接な結びつきを持ち、地域の文化センターとしての性格を持っています。県立高校の統合は、地域や保護者の意見を尊重し、画一的に実施しないよう求めますが、県教育委員会の考えをお伺いいたします。
 以上で私の代表質問といたします。


議長(杉山純一君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)神山議員の御質問にお答えいたします。


 憲法9条の改定に対する認識についてであります。
 我が国における今日の平和と繁栄は、平和主義を基本原則に掲げた日本国憲法のもと、国民のたゆまぬ努力と平和を希求する国家として国際社会から信任を得たことにより築かれてきたものと認識しております。
 憲法9条の改定につきましては、我が国の防衛、安全保障政策に大きなかかわりがあることから、国会において慎重かつ十分な議論がなされるべきであると考えております。
 次に、広域自治体としての役割についてであります。
 原子力災害という未曽有の災害によって、暮らしやなりわい、コミュニティーが失われた避難地域においては、県が市町村の枠を越えた広域的な観点から避難地域全体の復興に導くことが極めて重要であると考えております。
 私は、知事に就任して以来、避難市町村への訪問や避難者との交流会等においてさまざまな声に耳を傾けながら、市町村への人的支援や避難者の生活再建を初め、インフラ、医療提供体制、地域公共交通の整備など避難地域に共通する課題解決に向け、広域自治体の長として主導的に取り組んでまいりました。
 今後とも、さまざまな機会を捉え、現場の実態と状況の変化の把握に努めながら、市町村と一体となって課題解決に取り組み、避難地域の復興の実現に向け、しっかりと取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。


総務部長(伊藤泰夫君)お答えいたします。


 県有財産の財物賠償につきましては、地方公共団体の財物に係る賠償の枠組みが示されていないことから、県はこれまで賠償基準を早急に明示し、速やかに賠償を行うよう国及び東京電力に対し求めてまいりました。
 今後も賠償基準の早期明示及び速やかな賠償を引き続き求めるとともに、これまで避難指示区域に指定された区域内の県有財産の範囲や賠償額算定のもととなる価格等について整理するなど、賠償請求に向けた準備を進めてまいります。


危機管理部長(小野和彦君)お答えいたします。


 福島第一原発の事故につきましては、国会や政府の事故調査委員会報告書において、津波のリスクを認識していたにもかかわらず対策を怠ったなどと指摘されていること、また東京電力自身の報告書においても、津波への備えが不十分であったとしていることなどを踏まえると、津波対策が十分ではなかったものと認識しております。
 次に、環境放射能モニタリングにつきましては、県内全域を取り巻く根強い風評に対する正確な情報の発信はもとより、避難指示解除に伴う居住区域の拡大など、県民の安全・安心を確保する上で引き続きしっかりと取り組んでいく必要があります。
 このため、さきに実施した国への要望活動においても、県内全域のモニタリングの継続や長期にわたる必要な予算措置などについて強く訴えてきたところであります。


企画調整部長(櫻井泰典君)お答えいたします。


 原発の再稼働及び輸出につきましては、東京電力福島第一原発事故の影響による深刻かつ甚大な被害の現実を踏まえ、何よりも住民の安全・安心の確保を最優先に、国の責任において検討されるべきものと考えております。
 県といたしましては、引き続き本県復興の基本理念である「原子力に依存しない社会づくり」の実現とその情報発信に取り組んでまいる考えであります。
 次に、水素エネルギーの導入につきましては、省エネルギーや環境負荷の軽減、産業振興、地域活性化につながり、本県の復興を推進する上で重要であると考えております。
 このため、商用水素ステーションや燃料電池自動車の普及拡大に当たり、県民が安心して利用できるよう関係法令に基づき安全対策を徹底していくとともに、国や市町村等と連携して、再生可能エネルギー由来の水素について、製造、貯蔵、輸送、利用の各段階の課題の解決に向けた実証など、水素社会のモデル実現に向けた取り組みを進めてまいります。
 次に、東京電力福島第二原発の廃炉につきましては、国及び東京電力に対し、これまでも繰り返し求めてきており、今月8日に実施した要望活動においても、国の責任において廃炉を決定するよう、知事から官房長官等に対し直接要請を行ったところであります。引き続き、県民の強い思いである県内原発の全基廃炉の実現に向け、あらゆる機会を捉えて求めてまいる考えであります。
 次に、福島イノベーション・コースト構想につきましては、東日本大震災と原子力災害により失われた産業基盤の再構築を通じて浜通りを復興する原動力となるものと考えております。
 地元企業がロボットテストフィールド等の拠点を活用しながら県内外の企業との連携を進め、新分野への参入や事業拡大等へと結びつけられるようしっかりと支援し、地域経済の再生につなげてまいります。


生活環境部長(尾形淳一君)お答えいたします。


 フォローアップ除染の実施状況につきましては、国が除染を行う除染特別地域では、5月末現在、富岡町や川俣町など9市町村で実施されております。
 市町村が除染を行う汚染状況重点調査地域においては、実施済みの相馬市、実施中の南相馬市に加え、白河市など4市村でも実施に向けた詳細事後モニタリングを実施中であります。
 また、里山除染の実施状況につきましては、今月20日現在、里山再生モデル事業の実施地区に選定された10市町村のうち8市町村で事業に着手しており、残る2市町が着手に向けて細部を調整中であります。
 次に、除染事業における不適正事案につきましては、県民の理解と信頼のもとに進められるべき除染事業において、不適正な事案が発生していることは極めて遺憾であります。
 県といたしましては、これまでも除染事業の適正な執行と不適正事案への厳格な対応について市町村への注意喚起や環境省に対する申し入れを行ってきたところであり、今般の水増し請求の疑いがある事案に対しては、国やいわき市、田村市とともに事実確認のための調査を実施し、その結果に基づき、厳正に対処してまいります。
 次に、除染等業務における労働災害発生時の対応につきましては、これまでも発注者を通じて労働安全衛生法等関係法令遵守の徹底を図ってきたところであり、今後とも文書による注意喚起や労働局等と連携した安全パトロールの実施、業務従事者を対象とした講習会の開催などにより、法令遵守の徹底に取り組んでまいります。
 次に、除染作業員の健康管理につきましては、これまでも労働安全衛生法等関係法令に基づき、放射線被曝歴の管理や健康診断などが確実に実施されるよう、発注者である市町村や業務従事者等を対象とした研修会等を通じて周知徹底を図ってきたところであり、今後とも国や市町村及び業界団体と連携しながら、除染作業員の適切な健康管理に取り組んでまいります。
 次に、特定廃棄物埋立処分施設につきましては、地元に重い負担をかける一方で、双葉郡、そして福島県の復興を進めていく上で重要な役割を果たすものであることから、国に対して、引き続き地元に丁寧な説明を行いながら、安全・安心の確保を最優先として事業の円滑な推進に努めるよう求めてまいる考えであります。


保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。


 避難地域の看護職員の給与等の改善につきましては、人材確保が特に困難な双葉郡等の病院を対象として、住宅確保や一時金支給などに要する経費を支援しているところであり、引き続き看護職員の処遇の改善に努めてまいる考えであります。
 次に、甲状腺検査の受診後に保険診療に移行し、甲状腺がんと診断された症例の把握につきましては、県民健康調査検討委員会及び甲状腺検査評価部会において継続して議論することとされたところであり、その結果を踏まえて対応してまいります。
 次に、第7次医療計画の策定につきましては、東日本大震災及び原子力災害からの復興・創生への取り組みを初め不足する医療人材の確保や避難地域における医療提供体制のあり方など、本県の現状と課題を踏まえた計画として策定してまいります。
 次に、透析医療につきましては、これまでも人工透析機器整備への支援のほか、特に深刻な状況にある浜通り地方においては、医師や看護師の人件費を支援してまいりました。
 今後は、これらの支援を継続するとともに、福島相双復興官民合同チームと連携して、双葉地域の通院患者を送迎する医療機関に対し支援を検討するなど、浜通り地方の体制整備を進めてまいります。
 次に、介護職員の処遇改善につきましては、今年度から月額平均1万円相当の加算の拡充が行われたほか、避難地域については、本県独自に返還免除つきの就職準備金の貸与等を行うとともに、国に対して、賃金手当制度の新設など、避難地域の介護サービス提供体制の再構築を強く求めているところであります。
 次に、国保事業費納付金につきましては、平成29年度に制度が導入されたと仮定して試算を行いましたが、前期高齢者交付金が従来の各市町村の加入率に応じた算定から市町村一律の金額での算定に変わることから、現行制度と比較して各市町村の1人当たりの保険料が大きく増減するという課題があり、現在国に改善を求めているところであります。
 今後、国からの回答を踏まえて試算を進め、結果を公表してまいりたいと考えております。
 次に、一般会計からの繰り入れにつきましては、国保広域化後も保険料の減免や保健事業などに充てるための法定外繰り入れは市町村独自の判断で可能となります。
 しかし、保険料の軽減などに充てるための決算補塡等を目的とした法定外繰り入れは、各市町村の実情に応じて計画的、段階的に解消し、市町村の国保財政の健全化を図っていく必要があると考えております。
 次に、県独自の繰り入れにつきましては、国保の財政基盤を強化するため、従来の国庫負担に加え、低所得者対策の強化や保険者努力支援制度など、全国で約3,400億円の財政支援を平成30年度以降毎年着実に実行するよう国に要望しているところであります。
 今後も全国知事会と連携し、さまざまな機会を通して強く要望してまいります。
 次に、普通調整交付金につきましては、国の議論の中で、地域差を考慮しない標準的な医療費水準に基づく配分方法に見直し、医療費適正化が進まない市町村の交付金を減額するという方向性が示されております。
 県といたしましては、交付金が担う自治体間の所得調整機能が今後とも維持されるよう、全国知事会と連携し、現行制度の継続を強く要望してまいります。


商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。


 福島新工ネ社会構想における水素プロジェクトにつきましては、水素社会実現に向けた国家プロジェクトであり、今般実証候補地として浪江町を推薦したところであります。
 今後、国における正式決定の後に新エネルギー・産業技術総合開発機構からの委託を受け、実証事業者が水素製造実証施設を整備することとなる一方、敷地については、浪江町が国費を財源に整備することから、新たな負担は発生しないものと考えており、引き続き国や実証事業者と連携しながら本プロジェクトを推進してまいります。


農林水産部長(佐竹 浩君)お答えいたします。


 農産物のモニタリング検査につきましては、必要な予算の確保について今月8日に行った国への提案・要望活動の中で求めてきたところであり、引き続き継続的な検査が実施できるよう取り組んでまいる考えであります。


土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。


 復興公営住宅の家賃につきましては、収入が著しく低額である場合、県営住宅等条例の規定に基づき、申請に応じて家賃を減額できることから、入居時の説明会や毎年の家賃決定通知において制度の周知に努めてまいります。
 次に、仮設住宅につきましては、入退去の管理や集約を行っている市町村の要請に応じ、入居者の意向や退去の状況を確認の上、解体を進めております。
 今後とも、集約や解体に当たっては、市町村とともに入居者に対して丁寧な説明を行い、理解を得ながら対応してまいります。


原子力損害対策担当理事(大島幸一君)お答えいたします。


 営業損害に係る賠償につきましては、先月31日、原子力損害対策協議会の要望・要求活動を実施し、一括賠償が行われている商工業等について、損害が賠償額を超過した場合には、個別具体的な事情をしっかりと伺いながら、被害の実態に見合った賠償を的確に行うことや、来年以降の賠償の方針が定まっていない避難指示区域外の農林業について、農林業者や関係団体の意見を十分に踏まえ、賠償基準を早期に取りまとめることなどを国、東京電力に強く求めたところであります。
 引き続き、事業者の立場に立った賠償がなされるよう取り組んでまいります。


避難地域復興局長(成田良洋君)お答えいたします。


 現時点で帰還を判断できない避難者への支援につきましては、避難生活の長期化に伴う環境の変化などから、それぞれの世帯が抱える課題は個別化、複雑化しており、すぐには帰還を判断できない避難者も少なくないものと認識しております。
 これらの方々につきましても、一日も早い帰還や生活再建につながるよう、全国各地の生活再建支援拠点での相談対応や福島の今を伝える情報提供など、きめ細かな支援を継続してまいります。
 次に、住まいを確保できない避難者への支援につきましては、関係自治体と連携し、継続した訪問活動等を行うことにより、避難者の事情を丁寧に伺いながら住まい探しをサポートするほか、経済的困窮や健康上の課題など専門的な支援が必要な避難者に対しては、関係機関の協力を得ながら、その解決に向けて取り組んでおります。引き続き、避難者が速やかに住まいを確保できるよう支援をしてまいります。
 次に、楢葉町からの避難者への応急仮設住宅の供与につきましては、災害公営住宅や分譲団地、生活関連サービスの整備が進むなど、新たな住まいへ移行する環境がおおむね整うことから、来年3月末までとしております。
 供与終了に当たっては、住まいの確保が円滑に進むよう、戸別訪問などを通して、国や楢葉町等と連携を図りながら、しっかりと取り組んでまいります。


こども未来局長(須藤浩光君)お答えいたします。


 保育所等の待機児童数につきましては、厚生労働省が実施している調査をもとに県が速報値を取りまとめた結果、本年4月1日現在、県内の15市町村で待機児童が生じており、その合計は618人となっております。
 次に、放課後児童クラブの待機児童数につきましては、厚生労働省が実施している調査において、昨年5月1日現在、県内の九市町で待機児童が生じており、その合計は384人となっております。
 次に、保育士と放課後児童クラブ支援員の人件費につきましては、子ども・子育て支援新制度のもと、国と県が補助を行っております。
 さらに今年度、研修を通じたキャリアアップの仕組みとこれに伴う新たな賃金加算が実施されたことから、県といたしましては、適切な研修を実施するなど、処遇改善が具体化されるよう取り組んでまいります。
 次に、県中児童相談所につきましては、児童相談所の本所が郡山合同庁舎にあり、一時保護所は郡山光風学園に併設されていることから、その整備につきましては、相談者の利便性や児童への支援のあり方など、総合的な観点から検討してまいります。
 次に、児童相談所の児童福祉司につきましては、国の新たな配置基準により、平成31年度までに50名を配置する必要がありますが、経過措置により、平成30年度までは40名を配置することとされております。
 本県では、平成29年4月1日現在、児童福祉司を46名配置しており、引き続き職員の適正な配置に努めてまいります。


教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。


 教育勅語につきましては、中学校の社会科や高等学校の地理歴史科などの授業において、教員が教科書等を用いて、歴史上の事実として適切に指導しているところであります。
 次に、要保護児童生徒援助費補助金制度につきましては、今般の改正が新入学児童生徒の学用品費における予算単価の倍増や入学前の交付など重要な内容であったことから、市町村に対し、本年2月には国の検討状況に関する情報提供を行い、4月には改正を踏まえた適切な対応について依頼したところであります。
 また、県教育委員会といたしましても、県のホームページに掲載するとともに、研修等において教職員に制度への理解を深めさせるなど、丁寧な周知に努めてまいる考えであります。
 次に、公立小中学校において児童生徒が使用する教材につきましては、経済的な支援を必要とする保護者に対し、就学援助制度により通常必要とする学用品費を補助しているところであり、公費による学校への備えつけについては、学校を設置する市町村教育委員会がその実情に応じて適切に判断すべきものと考えております。
 次に、県立高等学校のあり方につきましては、学校教育審議会の答申では、望ましい学校の規模を1学年4学級以上とし、1学年3学級以下の学校は、都市部も含め、魅力化を図りながら統合を推進するべきとされる一方で、過疎・中山間地域においては、学習機会を確保するため、都市部とは異なる対応が必要であり、例外的に1学年1学級規模の本校化も検討するべきとされております。
 今後は、答申の趣旨を十分に尊重するとともに、教育公聴会やパブリックコメントを行うなど、県民の皆様の御意見を丁寧に伺いながら、新たな県立高等学校改革計画を策定してまいります。


49番(神山悦子君)再質問をさせていただきます。


 最初に、知事にお伺いいたします。
 私が2つ質問させていただいて、2つお答えいただきましたが、憲法9条との関係でお答えいただきました。憲法9条の第3項に自衛隊を明記するという、今安倍政権のもとでそんな話が実はあるんですけれども、南スーダンに去年配置された自衛隊が帰ってまいりましたけれども、実は4月に戻ってきた岩手の自衛隊員が自殺をされています。そして、県内にも自衛隊員はもちろんいらっしゃいます。
 もともと自衛隊員については、専守防衛ということで、海外に出ることはありませんでしたけれども、安保法制が制定されて全く変わってしまったと思います。私たちは災害で非常にお世話になったし、自衛隊員の命も守るという立場が必要だと思いますし、まして憲法を変えることで再び戦争をするということがないよう、地方自治体の長としても、県民の命を守る、平和を守る、憲法を守るという、この立場を今後とも貫いていただきたいし、こういう改正はしないように求めていただきたいと思いますが、もう一度お考えをお聞かせください。
 そしてもう一つ、12市町村の避難地域のことです。首長さんたちといろんな相談をされていることは私も報道で伺っておりますけれども、これまでと全く違う状況になっておりまして、もっと避難者それぞれの地域の住民の皆さんの思いというのはいろいろ違うと思うんです。でも、共通する課題もあると。そこを県がもう少しまとめて、市町村合併ではなくて、広域的な連携をもともとやっていたところですから、このあたりを一緒にどの点で共通にやっていくか、そして避難者が安心して暮らせるようになるか、また避難している方が戻れない状況もあるから、そのあたりの支援をどうするか。税収は足りないけれども、どうするか。帰還促進だけではなくて、もっと丁寧な、そして自治体の機能も維持できる方法は何かというところをぜひ知事からそういうまとめ役としてやっていただきたいと思いますが、もう一度お答えください。
 それから、企画調整部長にお伺いいたしますが、イノベーション・コースト構想も水素の問題でも私たちは課題があると思っておりますが、イノベーションそのものというよりは水素についてお伺いいたします。
 県も水素自動車を購入した人に支援するとか言っておりますけれども、一台700万円もする、そしてそれを国や県が補助をして400万円で買えますよという、そういうことはやるようですけれども、水素そのものの問題、課題というか、安全性の問題も含めてまだ始まっていくばかりなのですけれども、どうもその水素ステーションが国がやったからといってそのまま推進していいのかと私は非常に疑問です。
 先ほど私が全体の演説で言いましたけれども、福島県はまだ復興の途上にあり、医療体制でもいろんな問題でも、子供の貧困問題も、もともとこれだけ大変な避難による被害を受けていて、予算の使い方というのはもっと真剣に考えて、この水素は国が進めるからといって、こういうお金をどんどん使っていいのかと私は本当に思うわけです。ですから、そのあたりもよく検証しながらやるべきと思いますが、もう一度お聞かせください。
 生活環境部長にお尋ねいたします。
 除染をめぐる不適正、不正事件が相次いでいます。私も演説で申し上げましたが、安藤ハザマの問題というのは元請なのですけれども、私が紹介した労働者の相談以外にも直接私たちに相談があった方が、二次下請に入ったりいろんな形で除染事業もやったけれども、県内の業者が入りたくてもなかなか入れない仕組みになっているとか、除染事業が本当に復興に役に立つならまだしも、こんな事件を起こして、本当に除染に信頼を失うようなことが起きてはいけないと思いますので、私はその結果によっては指名停止も含めてやるべきだと思いますが、もう一度お聞かせいただきたいと思います。


知事(内堀雅雄君)神山議員の再質問にお答えいたします。


 憲法9条の改定につきましては、我が国の防衛、安全保障政策に大きなかかわりがございます。国会の場において十分な議論が尽くされるべきものと考えております。
 また、避難地域の市町村においては、避難者の生活再建を初め、暮らし、なりわい、コミュニティーの再興など、さまざまな難しい課題を抱えております。
 今後とも、私自身市町村長との意見交換を密にしながら、市町村と一体となり、また国、関係機関の力もかりながら課題解決に取り組み、避難地域の復興の実現に向け、全力で取り組んでまいります。


企画調整部長(櫻井泰典君)再質問にお答えいたします。


 水素エネルギーにつきましては、本県の再生可能エネルギー推進に当たっての電力系統の負担軽減や非常時の電源確保等のほか、温室効果ガスの削減の観点からもますます重要になるものと考えており、本県の産業振興や復興に資する水素社会のモデル実現に向けて、自動車の利用を初めとした先駆的な役割を担ってまいりたいと考えております。


生活環境部長(尾形淳一君)再質問にお答えいたします。


 今般の水増し請求の疑いのある事案が発生したことにつきましては、まことに遺憾であると考えているところであります。
 現在、環境省が設置しました調査チーム、これといわき市、田村市と一緒になりまして調査、確認作業を進めているところでございます。この調査結果に基づきまして、厳正に対処してまいりたいと考えております。


49番(神山悦子君)再々質問させていただきます。


 保健福祉部長にお尋ねいたします。
 幾つかお尋ねしたのですが、国保事業についてです。御答弁をお聞きしておりますと、まだまだいろんな面で課題があるということで、知事会を通じても求めるということですけれども、そもそもこの国保の広域化、都道府県化というのは、一律の保険料にされて、実際には引き上がってしまうのではないかという心配が私たちにはあるのです。そういうことにならないようにするためのさまざまな手だてが少しはあるのかもしれませんが、やはりそこはきちんと国に言うべきところは言うし、それは市町村の独自性も生かしていかないと、最後の保険と言われている国保税が今大変なことになっておりますので、例えば滞納世帯のことを申し上げましたが、県内でも55,814世帯が滞納世帯になっています。差し押さえされたのは1万件を超えているのです。これは、払いたくても払えないとか、加入の層が変わっているとか事情があるわけですから、国保事業について引き上げにならないように求めますが、もう一度お答えください。
 それから、こども未来局長にお尋ねいたします。
 放課後児童クラブとか保育士の処遇改善はされているというのですけれども、しかし他産業に比べて10万円程度安いわけです。保育所を開所したい、待機児童を減らしたい、または学童保育所もふやしたい、貧困対策としても、その施設がなければ働けないわけですから、ところがその人たちが集まらない。保育士も学童保育園も本当に不安定な身分で働いているわけなんですけれども、これはやはり本当に真剣に考えて、そこにこそ人件費の上乗せが必要かと私は思いましたので、もう一度お考えをお示しください。
 教育長にお尋ねしたいと思います。
 県立高校の統合の答申にかかわってですけれども、その前に湖南と西会津、川口高校の3校、これは本校扱いにするということなのです。でも、私がちょっと不思議だったのは、中山間地域の高校が、2月県議会でいわきの遠野高校が存続してほしいという請願が出されて、県議会で全会一致で採択されているのですけれども、そういうことは全然考えなかったのでしょうか。中山間地域にもいっぱいあるのです。3学級以下のところは3分の1強ですから、そういう意味でもこの答申をどうこれからこなして県民と相談しながらやっていくか、ここは非常に求められていると思うのですけれども、いつごろまでにそうしたことも含めて示すのか、どうやって進めるのか、もしわかりましたら、この県立高校の改革の今後のところはなかなか見えませんでしたので、私は答申が出されたというだけでいつごろどうするのかというところが見えませんので、ぜひ示していただきたいなと思います。
 それから、要保護、準要保護の問題ですけれども、市町村がやっているのは準要保護だと。県がやっているのは生活保護基準だと。それが適用されるからといいますけれども、私のテーマは子供の貧困対策なのです。だから、生活保護はもちろんですけれども、それと同じくらいの貧困世帯をちゃんと救い上げるようにしなければということで、改めて保護者も含めて早くに先ほどの改正の内容も含めて対応していくことが一つの貧困対策になるかと思いましたので、もう一度お聞かせください。
 それから、避難地域復興局長にお尋ねいたしますが、避難者の問題です。
 第3の道ということを私も申し上げたりしましたけれども、今の段階で5万人を超える方々がまだ避難生活を送っています。他県との連絡ももちろん必要ですし、丁寧にやっていくということですけれども、本当にこの避難者を抱える問題というのは他県とよく連携して、そして複雑、多様化しているという問題にもちゃんと合致するように、そのあたりをもう少し見えるようにしていただきたいなと思いましたので、もう一度お聞かせいただきたいと思います。
 最後に、企画調整部長に第二原発のことなんですけれども、東電再建計画との関係で次期社長は何も示しませんでしたけれども、やはり国が判断しなければいけないと思いましたので、もう一度お答えください。


企画調整部長(櫻井泰典君)再質問にお答えいたします。


 東京電力第二原発の廃炉につきましては、これまで国及び東京電力に対し繰り返し求めてきたところであります。
 本県復興の基本理念である県内原発の全基廃炉を前提とした「原子力に依存しない社会づくり」を目指し、引き続きあらゆる機会を捉えて強く求めてまいる考えであります。


保健福祉部長(井出孝利君)再質問にお答えいたします。


 国保財政の主体が県のほうに移管されるということに伴うさまざまな課題があるという御指摘に対してであります。国保の財政基盤の強化のために国と地方が約束した来年からの3,400億円、これを使って各市町村が独自に取り組む低所得者対策であるとか、保険者として努力すべきことの財源に使う非常に貴重な3,400億円であります。これがしっかりと約束を果たしていただけるよう、国に対しまして全国知事会とともに強く要望してまいります。


避難地域復興局長(成田良洋君)再質問にお答えいたします。


 避難生活の長期化に伴いまして、すぐには戻れない避難者の方々も大勢いるものというふうに認識しております。そうした方々に引き続き生活再建支援拠点での相談ですとか、あるいは必要に応じた戸別訪問を通じまして、各都道府県とも連携を図りながら、しっかりと支援をしてまいりたいと考えております。


こども未来局長(須藤浩光君)再質問にお答えいたします。


 保健師等の処遇改善につきましては、今年度から全職員を対象とした処遇改善のほかに研修の受講を要件とした処遇改善、加算の制度が始まりましたことから、県としましては、加算の要件となる研修をしっかりと実施することによりまして、職員に確実に処遇改善がなされるよう取り組んでまいりたいと考えております。


教育長(鈴木淳一君)再質問にお答えいたします。


 要保護支援制度の関係につきましては、答弁いたしましたとおり、県としてもしっかり周知に努めてまいります。
 また、高等学校の改革につきましては、今般の3つの高等学校につきましては、地理的条件としても明確である上、生徒数の状況からも該当するという判断のもとに進めさせていただいております。
 残りの中山間地域のさまざまな高等学校につきましては、今後策定を進める新たな県立高等学校改革計画の中で検討し、お示ししてまいりたいと考えております。


議長(杉山純一君)これをもって、神山悦子君の質問を終わります。

ご意見お聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?

※1 いただいたご意見は、より分かりやすく役に立つホームページとするために参考にさせていただきますので、ご協力をお願いします。
※2 ブラウザでCookie(クッキー)が使用できる設定になっていない、または、ブラウザがCookie(クッキー)に対応していない場合はご利用頂けません。