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2017年6月定例会 一般質問 高宮光敏議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年9月13日更新

高宮光敏議員

議員高宮光敏
所属会派
(質問日現在)
自由民主党
定例会平成29年6月
質問等一般質問
質問日6月28日(水曜日)

3番(高宮光敏君)自由民主党の高宮であります。質問に入る前に少しお話をさせていただきたいと思います。


 私の友人にお茶屋を経営する人間がいます。彼の会社はことしで創業227年になりました。お茶の販売を通して日本の文化を全世界に発信するという壮大な目標を掲げて頑張っています。ちなみに彼の会社は伊右衛門というお茶で有名な福寿園という会社であります。
 4年前、彼はお茶とフランス料理を融合させた新たなレストランを東京駅の中に出店し、そしてさらに先日国際的な観光拠点となる銀座にオープンした銀座シックスという商業ビルの地下2階に「くろぎ茶々」という店を出店しました。先日私もその店に伺ってまいりましたが、たくさんの人間でにぎわっておりました。
 「継続は力なり」、この言葉があります。私は、企業の価値は継続し続けることにあると思っています。以前、彼に継続し続ける秘訣とは何かを尋ねたときに彼はこう言っておりました。「継続は革新の追求である。変化することを恐れず、進取の精神を持って果敢に挑戦し続けることが継続する一番の秘訣である。」、こう言っておりました。私はその言葉を聞いたときに深く感銘を受けた次第であります。
 昨今、我々が住む福島県においては、あの震災から7年目を迎え、復興への取り組みは確実に進んでいるものの、さまざまな課題が山積しているのも周知の事実であります。
 そんな中で、私も県議にさせていただいて1年と7カ月が過ぎました。その間、さまざまないろんな方々とお会いし、いろんな話を聞いてきましたが、物事を後ろ向きに考え、それらの責任を全て他人に押しつけ、みずから立ち上がろうとしない人間も少なからず存在しているということに気づきました。それじゃだめだと、心の底からそう思いました。
 あの未曽有の震災から立ち上がり、復興・創生を何が何でも実現しなければいけない福島県において、今我々にとって必要なのは、彼の掲げている変化を恐れず果敢に挑戦するという意識であるというふうに思っております。私も一県会議員として、これからも一人でも多くの県民の皆様方にその思いを共有していただくよう訴えていきながら、福島復興・創生に向けて全力を尽くしてまいることをお誓い申し上げて質問に入らせていただきたいと思います。
 本県の産業は、原子力災害による風評被害の問題など依然として厳しい状況が続いている中で、生産年齢人口の減少は避難地域で顕著にあらわれていますが、このことは県全体でも同じであり、若者の県内定着が喫緊の課題となっております。
 県においては、避難地域の復興はもとより、県内全域で産業のさらなる成長を図るため、医療関連産業、再生可能エネルギー関連産業、ロボット関連産業、そして航空宇宙産業の育成・集積に取り組んでいます。
 一方、これら産業は真に地域の産業として地域に根差すことも大変重要であると考えております。新たに集積する産業が地域住民にきちんと浸透することが、地域を支える方々、特に若者にとって魅力になり、その結果地元での雇用と人材確保につながり、そのことが新規産業集積の役割であると考えております。
 そこで、知事は若者に魅力ある新産業の育成・集積にどのように取り組むのかお尋ねいたします。
 次に、自動運転技術の実用化についてであります。
 近年、国内外において自動車の自動運転技術の研究開発が進展しており、さらに今月には警察庁から遠隔型自動運転システムの公道実証実験に係る道路使用許可の申請に対する取扱いの基準が公表され、運転席が無人の自動車を使った公道での実証実験が今後可能になるなど、国の規制緩和も進んできております。
 自動運転技術は、高齢者の交通事故防止、過疎・中山間地域における住民の移動手段など、我が国経済の活性化のみならず、さまざまな分野で大きな期待がされております。私は、自動運転技術の実用化に向けて積極的に取り組み、国内外に発信していくことが本県の産業振興を進めていく上で重要であると考えております。
 そこで、県は自動運転技術の実用化に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、若年層の薬物乱用防止対策についてであります。
 昨年、元プロ野球選手や元女優など有名人が薬物事犯で相次いで検挙されるなど、薬物乱用は他人事ではなく、身近な社会問題となっております。また、県内においても、知識の乏しい青少年にあたかも違法薬物ではないとして薬物使用に誘い込もうとする者もいると聞いています。
 さらに、現在は薬物をインターネットや個人輸入など比較的容易に入手できる環境にあります。このような現状から、若年層に対して薬物の正確な知識や薬物使用に誘われた際の断り方などを啓発する必要性はさらに高まっていると感じています。
 そこで、県は若年層の薬物乱用防止にどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。
 次に、再生可能エネルギーの推進についてであります。
 福島県は、再生可能エネルギー先駆けの地の実現を目指し、これまで再生可能エネルギーの導入拡大や関連産業の育成・集積に取り組んできたところであります。
 再生可能エネルギーの推進を本県の復興・再生につなげていくためには、県内の企業や農家など県民主導の再生可能エネルギー事業を推進し、その経済効果が県内に還元できるような仕組みを構築していくことが重要だと考えております。そのためには、資金面の支援や事業ノウハウの提供などサポートをしていくことが重要であると考えております。
 そこで、再生可能エネルギー事業に多くの県民が参画できるような支援を県としてどのように考えているのかお尋ねいたします。
 県では、2040年ごろまでに県内で必要なエネルギー量の相当分を再生可能エネルギーで生み出すという意欲的な目標を掲げておりますが、その目標を達成するためには県の全庁が一丸となって取り組んでいかなくてはならないと思います。
 そんな中、再生可能エネルギーの事業化にとって、約3年前に表面化した系統接続保留問題などが重い課題となっており、県内の豊富な再生可能エネルギーのポテンシャルを活用していくためには、送電網の増強など円滑な系統接続が重要であると考えております。
 そこで、県は再生可能エネルギーの導入拡大に向け系統接続対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 再生可能エネルギー発電設備の整備を進めるには、効率的な発電に適した条件を持つ施設用地が必要であります。例えば農地の多くは日照条件にすぐれており、太陽光発電設備の設置に適していると言えますが、農地を太陽光発電のために転用することは農地法により規制されているところがあります。
 一方、県内には多くの耕作されていない農地があります。このような農地へ再生可能エネルギー発電設備の設置が可能となれば、再生可能エネルギーの推進につながるものと思っています。
 そこで、農地への再生可能エネルギー発電設備の設置に対する県の考えをお尋ねいたします。
 次に、医療、介護環境の充実であります。
 まず、介護職員の確保についてでありますが、高齢化が進行していますが、平成37年、2025年には団塊の世代が75歳を迎えるなど、これから介護サービスを受ける方がますます増加すると予測されています。
 介護の現場の方々にお話を伺いますと、介護の職場は賃金が低く、身体的にもきつく、離職者も大変多いということであります。介護人材の確保と定着は喫緊の課題であり、そのためにこれらの介護の職場を魅力あるものとして、多くの方々が働きたいと思うような処遇改善や職場環境づくりが最も必要であると考えております。
 そこで、介護職員の確保、定着のため、処遇や職場環境の改善が必要だと考えておりますが、県の考えをお尋ねいたします。
 次に、安定的な医師の確保についてであります。
 平成26年に実施した医師・歯科医師・薬剤師調査によれば、全国的に60代の医師の割合が前回調査よりもふえるなど、医師の高齢化が進展している状況にあります。
 また、本県の医師の平均年齢は、全国と比較してみると、病院に勤務する医者については、全国平均が44.2歳に対し、我が県では平均年齢が47.3歳と、全国で43番目であります。診療所に勤務する医者については、全国平均が59.2歳のところ、我が県では平均年齢が60.5歳と、37位であります。
 県内医師の高齢化が顕著になっているこの現状を踏まえ、先日地域の住民の方々のお話を聞かせていただいた際、自分の地域の医師が高齢となり、今まで受診してきた診療所で診察できなくなることは非常に不安である、そんな声を聞きました。
 このような状況は、その地域の人口流出や過疎化につながってしまうのではないかと不安を抱いております。地域医療を維持できるだけの医師数をしっかりと確保していくことが重要であります。
 そこで、地域医療の維持確保を図るため、安定的な医師の確保が必要と思いますが、県の考え方をお尋ねいたします。
 次に、助産師の確保についてであります。
 お産を取り扱う医療機関数は減少傾向にあり、平成20年時点と比較して約四割も減少しております。たびたび申し上げますが、私の地元である二本松市においては、お産を取り扱う医療機関がゼロであり、お産を取り巻く環境は極めて厳しい状況にあります。
 地域で安心して出産できる環境の整備は私の公約であります。全国的に産科医が不足している中で周産期医療提供体制の充実を図っていくためには、産科医だけでなく、一体となってチームで治療等に従事している助産師についても十分に確保することが重要と考えております。
 本県の人口10万人当たりの助産師就業数は全国平均を大きく下回っており、新たな命にかかわるという助産師の仕事の魅力を特に若い世代に伝えていくとともに、夜勤等が続くという厳しい勤務環境についても、助産師の使命感に頼るだけでなく、改善を進めていくべきというふうに思っております。
 そこで、県は助産師の確保についてどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、観光の推進についてであります。
 グリーンツーリズムについては、震災前から県内各地で子供たちの教育旅行などを中心に受け入れが盛んに行われていました。震災と原発事故による風評被害は根強いものがあり、特に教育旅行については厳しい状況にあります。それに伴い、子供たちの農業体験などの受け入れも減少していると聞いております。
 そのような状況の中で、先進的に取り組んでいる地域もあれば、グリーンツーリズムの可能性を実感できないところもまだまだ多いと感じられます。
 県外の人が地域に足を運び、みずから収穫などの作業を直接体験することで、風評払拭にもつながり、交流人口が拡大することで、農家にやりがいも生まれ、地域づくりにもつながるものと考えております。
 そこで、県は地域づくりにもつながるグリーンツーリズムの推進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、外国人観光客の誘客についてであります。
 先日エアレースにおいて室屋義秀選手が見事2連覇の快挙をなし遂げました。まさに福島県の誇りであります。
 エアレースを初め南相馬で全国大会が開かれているサーフィン、スケートボード、スノーボード、ボルダリングなど華麗なわざを披露するスポーツ、若者に人気のいわゆるエクストリームスポーツが国内外で注目を浴びています。観戦だけではなく、自分で体験してみたいという人がどんどんふえてきています。
 二本松市では、今年度中に「スカイピアあだたら」にスケートボードとボルダリングの体験施設の整備を進めようとしているところであり、近くには多くの外国人が訪れる車サーキットの体験型レース場もあります。福島県には、エクストリームスポーツを楽しめる場所がたくさんあり、まさに福島県はこれらの聖地と言っても過言ではありません。
 私は、こうした他の地域と差別化できる、世界に誇れる福島ならではの素材は外国人観光客の誘客に力を発揮するものと考えており、外国人でにぎわうことは日本人観光客の増加にもつながるものというふうに考えております。
 そこで、県は若者に人気のスポーツを活用した外国人観光客の誘客にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 以上をもちまして質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。


副議長(満山喜一君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)高宮議員の御質問にお答えいたします。


 新産業の育成・集積についてであります。
 東日本大震災や原子力災害により甚大な被害を受けた本県の産業を復興させ、住民の帰還や若者の定着を進めるためには、既存のものづくり産業の活性化とあわせて、再生可能エネルギー、ロボット、航空宇宙、医療など新たな時代をリードする成長産業の育成・集積を通じ、活力に満ちた新生ふくしまを築いていくことが極めて重要であります。
 このため、各産業分野において、産学官で構成した協議会による企業間のネットワーク構築やビジネスマッチング、メードイン福島のさまざまな新技術の研究開発支援、国内、海外への販路開拓支援など、県内企業の新産業への新規参入を促すとともに、企業立地補助金等による企業誘致に取り組んでまいりました。
 また、県内中小企業による創造的で魅力ある開発型企業への転換や創業など新たな事業へのチャレンジを支援することで、若者が生き生きと活躍できる環境の整備にも取り組んでいるところであります。
 今後とも人材育成カリキュラムの実施など次世代を担う人材育成に取り組みながら、福島県の将来を支え、若者が夢を持てる、希望を持てる、魅力ある産業の育成・集積を図ってまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。


企画調整部長(櫻井泰典君)お答えいたします。


 再生可能エネルギー事業への支援につきましては、これまで再生可能エネルギー事業を担う人材の育成や県内事業者を対象とした事業可能性調査及び設備導入への補助等を行ってまいりました。
 今後は、これまでの取り組みに加え、ことし2月に法人化した再生可能エネルギー推進センター等と連携し、県内の事業希望者を対象とした相談や事業化支援等の拡充を図りながら、地域主導型の再生可能エネルギー事業を積極的に推進してまいります。
 次に、系統接続対策につきましては、設備増強による接続容量の拡大が重要であり、これまで国に対して要望を行ってきた結果、原発用に使われていた送電線等の活用と阿武隈地域等における送電線の整備に対して本県向けの補助制度が設けられたところです。
 また、既存系統を最大限活用するため、引き続き系統の利用ルールの柔軟な見直しを国に対して求めていくとともに、事業者が接続費用を共同で負担する仕組みなども活用しながら、円滑な系統接続に取り組んでまいります。


保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。


 若年層の薬物乱用防止につきましては、中学、高校等が実施する薬物乱用防止教室に各保健福祉事務所職員や県が養成した高校生ボランティアを派遣して薬物の危険性を訴えているほか、薬物乱用防止指導員に保護司などを委嘱し、祭礼等の地域行事の際に街頭キャンペーンを実施するなど、さまざまな啓発を行っております。
 今後は、薬物乱用経験者の後悔の思いを伝える機会を設けるなど、若年層に向けたより効果的な啓発にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、介護職員の処遇や職場環境の改善につきましては、今年度月額平均1万円相当の処遇改善加算の拡充が行われたことから、県といたしましては、事業者への周知に努めるとともに、処遇改善につながる人材育成制度を導入する事業者に対して専門家による助言等を行っております。
 さらに、職員の負担軽減を図るため、今年度は介護支援ロボットを導入する施設等に対して助成をするなど、引き続き介護職員の処遇や職場環境の改善に努めてまいります。
 次に、安定的な医師の確保につきましては、これまで県立医科大学医学部の段階的な入学定員増に伴い、修学資金の貸与人数をふやしたほか、診療所等への医師の就業をあっせんするドクターバンクの運営や研究資金の貸与等により、県外からの医師の招聘を行ってきたところであります。
 今後は、これらの施策をホームページ等を通じてよりわかりやすく周知するなど効果的な情報発信に努めながら、引き続き安定的な医師の確保にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、助産師の確保につきましては、高校生を対象とした一日看護体験を実施し、助産師等との交流を通じて若い世代の関心を高めるとともに、医療機関の管理者等を対象としたワーク・ライフ・バランス研修会を開催し、看護補助者の活用等による超過勤務の縮減や交代制勤務の見直しなど、勤務環境の改善にもつなげているところであります。
 また、今後総合衛生学院の養成課程を県立医科大学に引き継ぎ、養成、定着の一層の強化を図るなど、安心して産み育てることができる環境づくりに向け、助産師の確保にしっかりと取り組んでまいります。


商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。


 自動運転技術の実用化につきましては、車両の制御システムの研究開発を行う県内企業への支援のほか、研究開発や実証実験を安全かつ効果的に行うことができる福島ロボットテストフィールドの整備を進めているところであります。
 今後は、公道における実証実験も必要となることから、関係市町村等との緊密な連携のもと、国のガイドライン等を踏まえ、企業のニーズにきめ細かく対応するなど、自動運転技術の実用化に向けた取り組みを支援してまいる考えであります。


農林水産部長(佐竹 浩君)お答えいたします。


 農地への再生可能エネルギー発電設備の設置につきましては、農山漁村再生可能エネルギー法に基づき、生産条件が不利で、将来的に耕作の見込みがない農地の転用が可能となる取り扱いや、復興特区法に基づく農地法、都市計画法、森林法等の許可手続のワンストップ化が図られております。
 引き続き、食料供給、水源涵養、景観形成など、農山漁村が有する機能との調和を図りながら、的確な運用に努める考えであります。


観光交流局長(橋本明良君)お答えいたします。


 グリーンツーリズムにつきましては、これまで教育旅行を中心に受け入れ、児童生徒との交流を通じ、農家のやりがいや地域の魅力の再発見につながってまいりました。
 今後は、外国人への働きかけも強化することとし、農村での生活や文化の体験をSNSや商談会等により発信するとともに、海外の百貨店の食品担当者など食に興味のある人々を招請し、農と食の魅力を直接伝え、交流人口の拡大につなげるなど、本県のグリーンツーリズムの多様な可能性を生かした取り組みを進めてまいります。
 次に、若者に人気のスポーツにつきましては、本県ではエアレースやドリフト競技など世界トップクラスのわざに触れることができ、またサーフィンとスノーボードを同じ時期に楽しめるなど、外国人観光客の誘客につながる豊富な素材や新たな可能性を有しています。
 このため、外国人目線に基づく本県ならではの魅力を見出すため、外国人の関係者を招請するとともに、既に本県の素材をSNSやユーチューブで頻繁に発信している外国人の協力を得て、拡散力の高いホームページを作成するなど、本県のファンである外国人との連携を深め、外国人観光客の誘客に取り組んでまいります。


副議長(満山喜一君)これをもって、高宮光敏君の質問を終わります。

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