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2018年2月定例会 代表質問 太田光秋議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年6月18日更新

太田光秋 議員

議員太田光秋
所属会派
(質問日現在)
自由民主党
定例会平成30年2月
質問等代表質問
質問日2月22日(木曜日)

44番(太田光秋君)自由民主党議員会の太田光秋であります。


 去る2月9日に第23回オリンピック冬季競技大会、平昌オリンピックが開幕いたしました。私も連日大興奮であります。
 世界のトップアスリートがひたすらに練習を積み、それぞれの国を背負い、その一瞬一瞬に魂を込めプレーする姿、ともに称え合う姿は実に力強く、そして美しいと感じます。並みいる強豪のいる中で日本人選手がすばらしい活躍をする姿、実力が発揮できなくても全力で最後まで挑む姿に国民は感激し、感動しております。
 オリンピックはすばらしい世界の祭典であると改めて感じております。今後行われる競技と3月開催のパラリンピックにおいて日本人選手の活躍を期待しております。
 2020年東京オリンピック・パラリンピックでは、野球・ソフトボール競技が本県にて開催されます。世界の方々へこれまでの感謝の気持ち、福島のすばらしさを発信させるとともに、福島の大会はすばらしかったと思っていただけるように、大会の成功へ向けて万全の準備をしていかなくてはなりません。
 また、2020年は復興・創生期最終年となります。これからの3年間は福島にとって勝負の時期です。将来次の世代が、福島は苦しい時代があったけれど、先人たちはすばらしい復興の基盤をつくってくれたと思われるように、さまざまな事業を実現していかなくてはなりません。
 我々自民党議員会は、将来を見据えながら政策を立案し、国との連携のもと、福島の復興・創生に取り組んでまいることをお誓いし、会派を代表して質問をいたします。
 初めに、県政運営についてであります。
 東日本大震災と原発事故から7度目の春を迎えようとしております。この間、県民の皆様方はふるさとの復興への思いを強く持ちながら、励まし合い、助け合い、努力を続けてこられております。
 内堀知事は、県民の皆様との触れ合いを大切にしてこられ、皆の思いを胸に、復興や地方創生など難しい課題に対して、先頭に立ち、着実に成果を上げてこられたことに心より敬意を表する次第であります。
 復興・創生期間の折り返しとなる来年度は、本県にとって重要な年となります。復興・創生期間終了後を見据えた福島県の真の復興には、刻々と変化するさまざまな課題を克服する施策とこれまでつくり上げてきたさまざまな復興施策の充実強化、さらには将来に向けた新たな施策の実現が必要であります。
 知事は本定例会の説明の中で、新しい年度が次のステージの基礎固めの1年となるよう挑戦するとの決意を表明されました。震災より丸7年になろうとしており、県民の方々はこれまでのさまざまな事業の成果と今後の将来像が実感でき、夢と希望の持てる平成30年度を期待していると感じております。
 そこで、知事は震災後7年の成果を踏まえ、今後の県政をどのような思いで運営していくのかお尋ねいたします。
 次に、平成30年度当初予算編成についてであります。
 知事は、年頭の会見において、県民を初め国や市町村と一体となって挑戦を続け、福島の復興が新たなステージに進めるよう復興・創生に全力で取り組むとの考えを示しており、新年度の予算案1兆4,472億円は復興・創生チャレンジ予算と位置づけられ、挑戦、チャレンジを続けて福島の未来を切り開くための予算とされております。
 このうち復興・創生分として6,178億円を計上されており、復興と地方創生に向けての事業を引き続き重点的に取り組み、加速させる考えであると認識しております。来年度は福島の将来を見据えた取り組みも同時に進めていかなくてはなりません。そのため、必要となる財源をしっかりと確保し、政策を確実に実行し、福島の未来を目に見える形にしていく必要があります。
 そこで、知事は平成30年度当初予算をどのような考えのもとで編成したのかお尋ねいたします。
 また、地方財政計画においては、近年実質的な地方交付税の減額が続くなど、一般財源総額の確保は予断を許さない状況にあります。ただいま申し上げたとおり、福島の復興・創生の実現のためには、安定的な財源の確保による中長期的な視点での健全な財政運営が強く求められております。
 そこで、県は安定的な財源の確保にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 さらに、歳入予算における県税収入については、県の自主財源として根幹をなす非常に重要な収入であります。平成30年度当初予算においては、前年を約130億円上回る予算を計上している状況があります。
 しかしながら、これまで国内の中でも高い水準にあった県内の景気は、復興需要のピークアウトにより、公共事業の減少や企業の設備投資の減少など、好循環だった県内景気の動きに対する影響も懸念されております。
 そこで、県は平成30年度の県税収入をどのように見込んだのかお尋ねいたします。
 次に、組織改正についてであります。
 県は、復興・創生期間の初年度から、福島復興への道筋を確かなものとするため、県政の重要課題はもとより、復興を進めていくに当たり、県民の負託に応えるべく、ロボット関連拠点施設の整備に関する推進室の設置や東京オリンピック・パラリンピックの関連施設に対応するための担当課長の新設など、組織改正を行ってきたところであります。
 私は、これまでの復興事業の進捗や復興・創生期間の残された時間を見据え、現場の実情に即した戦略的な組織改正が今後も必要であると考えております。
 そこで、平成30年度の組織改正に当たっての県の基本的な考え方についてお尋ねいたします。
 次に、風評・風化対策についてであります。
 11月に公表された民間の研究所が東京都民を対象にしたアンケート結果によると、福島県産の食品や福島県への旅行をためらう人が3割程度おり、また放射線による健康に関する認識に至っては約半数の回答者が健康障害や健康影響があると思い込んでおり、いまだに風評は払拭し切れていないのが現状であります。
 平成29年に生産された新米の約1千万点全てが一般食品の放射性セシウムの基準値未満となり、3年連続で県産新米の基準値超えゼロとなるなど、これまでの取り組みによって環境が着実に変わってきていることは確かであります。
 去る12月議会の代表質問でも触れましたが、政府は自由民主党復興加速化本部の提言を受けて昨年12月12日に風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略を策定し、国は「知ってもらう」、「食べてもらう」、「来てもらう」という視点から取り組みを強化することとしており、県においても国との連携を密にし、風評払拭に向けた取り組みを継続して展開していくことが必要であると考えております。
 また、本年は全国植樹祭、太平洋・島サミット、さらには世界水族館会議など、世界へ元気な福島をアピールする絶好の機会に恵まれており、県民を挙げてこれまで積み上げてきた県産品ブランドの発信など福島の確かな情報の発信を強化していくべきだと考えております。
 そこで、知事は風評・風化対策のさらなる強化にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、ふくしま国際医療科学センターについてであります。
 ふくしま国際医療科学センターには、先端臨床研究センターや放射線医学県民健康管理センター、先端診療部門、医療-産業トランスレーショナルリサーチセンターなどがあり、ふくしま国際医療科学センターは県民健康調査、最先端医療などを通じ県民の健康を長期にわたって見守り、今後の福島の復興をなし遂げていくために欠かせないものでありますが、センター全体の運営費は約150億円かかる見込みであり、将来的な運営についてしっかりとした経営計画が必要であると感じております。
 医大との連携のもと、財源の確保と国内外の支援を初めとした新たな仕組みづくりを構築し、長期的で安定的な運営基盤を確保することが極めて重要であると考えております。
 そこで、ふくしま国際医療科学センターの長期的に安定した運営にどのように取り組んでいくのか、県の考えをお尋ねいたします。
 次に、地域防災力の向上についてであります。
 本年1月23日、群馬県の西部にある草津白根山の突然の噴火により、訓練中だった自衛隊員が命を落とし、多くのスキー客が重軽傷を負うなど大規模災害が発生しました。心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 噴火した山は、それまで警戒レベル一の活火山であり、本県においても吾妻山や安達太良山など同レベルの活火山を有しており、今後さらに自然現象を初めとしたさまざまな危機事象に対する確実な準備と対応が求められます。
 また、本県は原発事故の影響が現在も続き、廃炉に向けた安全な取り組みに加え、雪や豪雨など自然の脅威から住民の安全・安心な生活を守る施策とともに、県民の防災意識の向上が重要であります。
 このような中、昨年末には県民が災害からみずからの身を守るためにふだんからの備えや災害発生直後の行動をまとめた防災ガイドブック「そなえるふくしまノート」を作成、配布したほか、先週16日には本県初の取り組みとして、県下一斉安全確保行動訓練、いわゆる「シェイクアウトふくしま」を16万人を超える県民参加のもと実施し、また福島県国土強靱化地域計画を策定するなど事業展開をしておりますが、今後は県民一人一人の防災力を高め、地域全体の力として一層強化していくことが求められております。
 そこで、県は県民の安全・安心を守るため地域防災力の向上にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、定住・二地域居住についてであります。
 福島県の推計人口は平成30年1月1日現在で187万7,876人で前年度比18,882人減少しております。また、転出超過数も全国で最も多くなっております。
 現在の状況は、東日本大震災の影響と若年層の首都圏への流出等や、震災前からの課題など、さまざまな要因が重なり合っておりますが、将来の福島創生のためには対策を図らなくてはならないと感じております。
 県においては、地域創生・人口減少対策に向けた2018年度の対応方針を決定し、本年度に続き雇用創出や定住・二地域居住推進など4つを柱とし、新年度の重要政策の1つに位置づけて重点的に予算配分されております。しかし、いまだ尾を引く風評や全国的な移住者の誘致競争の激化など、本県を取り巻く環境は厳しいものがあると感じております。
 私は、定住・二地域居住の促進においては、市町村が行っている事業との連携と支援を強化するとともに、移住を検討している方々のニーズに応える環境整備や相談窓口強化など、受け入れ態勢のさらなる強化に取り組み、本県の有する多様な魅力とともに積極的な情報発信が大変重要であると考えております。
 そこで、定住・二地域居住の推進にどのように取り組んでいくのか、県の考えをお尋ねいたします。
 次に、Jヴィレッジについてであります。
 震災後、Jヴィレッジは福島第一原子力発電所事故の対応拠点となり、現在も休止しておりますが、先日、ことしの7月28日に一部再開するとの発表がありました。Jヴィレッジは本県の復興に大きな役割を果たすものであり、県民の皆さんも再開を心待ちにしていることと思います。
 そこで、本県の復興に向け、Jヴィレッジを核とした地域振興にどのように取り組んでいくのか、県の考えをお尋ねいたします。
 次に、再生可能エネルギーの導入推進についてであります。
 再生可能エネルギーを推進し、原子力に依存しない福島をつくっていくのは県民との約束です。県は、福島新エネ社会構想に基づき、昨年10月から阿武隈地域などにおける風力発電などの大量導入のための共用送電線の整備着手や水素社会実現のための基盤整備に取り組んでいるところであります。
 そのような状況の中、安倍総理は第196回通常国会における衆議院本会議での施政方針演説でことしの夏に浪江町で建設が開始される水素製造工場や福島県沖の浮体式洋上風力発電の本格稼動などに触れ、原発事故で大きな被害を受けた福島の未来のエネルギー社会の姿をいち早く示し、世界の脱炭素化を牽引するとの力強い決意を表明しました。
 県民の皆様は、これまで県が取り組んできた再生可能エネルギーの推進がより本格化することに大きな期待を寄せております。
 そこで、県は再生可能エネルギーの導入推進に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、福島イノベーション・コースト構想の推進についてであります。
 福島イノベーション・コースト構想の一つであるロボット実証拠点では、ことしの夏までにドローンの飛行実験が可能となる施設が開所するなど、拠点の整備が進められております。
 県は、拠点を核とする各種プロジェクトを初めとした構想の具体化を進めるため、昨年7月に福島イノベーション・コースト構想推進機構を設立し、新年度から本格的に運営されると聞いております。
 東日本大震災及び原子力災害などにより産業基盤が失われた浜通り地域などの復興及び再生、さらには福島県の社会経済の発展には本構想の実現は不可欠でありますし、県民の期待も大きなものがあり、機構の役割は大変重要であると感じております。
 今後この期待にお応えするためには、本構想の取り組みと目指すべき将来像を具体的に示し、県内の市町村や企業などの意見を確実に施策に反映していくことが重要であると考えております。
 そこで、知事は福島イノベーション・コースト構想の推進に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、アーカイブ拠点施設についてであります。
 本施設は、双葉郡双葉町の中野地区に整備することとされており、昨年12月に建物と展示のイメージが公表されました。
 東日本大震災とそれに続く原子力災害は、福島県が唯一経験した複合災害であり、その実態と復興の歩みを将来にわたって広く伝え、共有していくことは、我々の責任としてなすべきことであると考えております。
 2020年のオープンを目指し、今後整備が本格化しますが、県はアーカイブ拠点施設を活用した情報発信にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、東京オリンピック・パラリンピックについてであります。
 復興五輪と位置づけられたこの2020年東京オリンピック・パラリンピックにおいて、野球・ソフトボール競技の本県開催に向けた取り組みが進められており、多くの県民は世界のスポーツの祭典を身近に感じながら、その日を待ち遠しく思っております。
 東日本大震災からの復興を続けている本県での競技開催は大変意義のあるものであり、本県の正しい情報の発信とあわせて、今後のインバウンド促進など、本県にとってはかり知れない効果があると考えます。
 そのためには、事前合宿やホストタウンなどにおいて県民が来県された方々をおもてなしするなど、本大会に向けて東京オリンピック・パラリンピックをより盛り上げていく必要があります。
 また、聖火リレーでは、本県は浜、中、会津のそれぞれの伝統文化など世界に誇れる財産があるため、それぞれの特色を生かしたコースの設定が可能であり、県民を挙げての取り組みが必要だと考えております。
 そこで、東京オリンピック・パラリンピックに多くの県民がかかわることが重要と思いますが、県の考えをお尋ねいたします。
 次に、中間貯蔵施設についてであります。
 国は、双葉町の帰還困難区域において、特定復興再生拠点区域の整備に向け、除染と建物の解体に着手しました。復興拠点の整備計画に基づく初めての工事となり、今後の帰還困難区域の再生に弾みがつくものと考えます。
 また、市町村などが実施する面的除染については、今年度に繰り越した12市町村のうち9市町村において終了し、残る3市においても早期完了を目指した取り組みがなされる予定であります。
 そのような状況の中、昨年国による平成30年度の中間貯蔵施設事業の方針において、用地取得と施設の早期稼動に全力で取り組み、除去土壌等の切れ目ない輸送を実施する旨の考えが示されております。
 2020年の復興五輪を身近に控え、いまだに多くの市町村の現場や仮置き場などに除去土壌等を保管しておかなければならない状況の中で、特定復興再生拠点区域における除染等の本格化も踏まえ、福島の環境の回復のための確実な対応が求められております。
 そこで、県は中間貯蔵施設の整備促進と除去土壌等の確実な輸送のためどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、公共交通についてであります。
 我が国は、戦後の経済発展とともに自動車利用が拡大しており、我々の日常生活の中に定着しているのは言うまでもありません。
 一方で、生活バス路線はその路線数、利用者ともに年々減少しており、交通弱者と言われる高齢者の方々の生活に影響が出ております。自治体によっては、地域の特性や実情に応じた生活交通を維持確保するため、デマンド型乗り合いタクシーなど地域内の公共交通の運行に取り組んでいますが、自治体が継続的に運行することは厳しい状況にあります。
 県内に目を向けますと、高齢化や過疎化の進行に伴い、路線バスなどの利用者の減少や交通事業者の収支の悪化などが生じ、公共交通の維持が大変厳しい状況となっている地域が数多く見受けられます。
 さらに、浜通りの被災地域では、帰還した住民が通院や買い物などに不自由なく安心して暮らすことができるよう、周辺の都市や拠点との間を結ぶ広域的な公共交通ネットワークの整備に向けた取り組みを一層加速させていかなければなりません。
 地域公共交通の維持確保は、単なる交通の問題だけでなく、まちづくりに密接にかかわるほか、観光による交流人口の拡大にも寄与することから、地方創生の実現のためにも県内の各地域の実情に応じた持続可能な公共交通の確保が必要であると考えます。
 そこで、知事は地域公共交通の維持確保にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、JR只見線についてです。
 県民の悲願であるJR只見線の早期全線復旧に向けて、県や沿線市町村、JR東日本などを初め関係者の皆様の積極的な取り組みにより、詳細設計や工事の着手に向けた調整が進められております。
 3年前から我が党組織が一丸となって関係各所に早期全線復旧に向けた要望を繰り返してまいりましたが、ようやく目に見える形となってきました。関係者の御努力に心から敬意を表するものであります。
 昨年末に開催された只見線復興推進会議検討会において、生活、観光、教育、産業の各分野から成る只見線利活用計画の素案が取りまとめられました。年度内には利活用計画を策定すると聞いておりますが、観光拠点の整備のみならず、定住・交流人口の増加など、地方創生の実現にも大きく期待できる事業であり、来年度へ向けて全線復旧への動きをさらに大きく展開していくべきと考えます。
 そこで、県はJR只見線の全線復旧に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、イノシシ対策についてであります。
 イノシシ対策については、昨年度の捕獲頭数が約2万6千頭と目標を上回りましたが、生活環境や農林業への被害を低減させるため、県では12月定例会において直接捕獲の枠を拡大して対策の強化に取り組んでいるところであります。一方、捕獲数の増加により、市町村や狩猟者が頭を悩ませているのが捕獲後の処分についてであります。
 このような中、双葉地方広域市町村圏組合や環境省において新たな処理技術の確立を進めるなどの動きも出てきております。こうした状況を踏まえ、イノシシの捕獲から処分までの対策について引き続き取り組みの強化をすべきと考えます。
 そこで、県はイノシシ対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、健康長寿についてであります。
 このほど厚生労働省が発表した国民健康保険の保険者努力支援制度の評価が本県は全国で38位に低迷していることが明らかになりました。平成27年の急性心筋梗塞や糖尿病による死亡率も高く、健康指標の悪化が続いており、東日本大震災以降、県民の健康状態が改善されておりません。
 このような状況に鑑み、県は健康長寿ふくしま推進会議を設置し、県民の生活習慣を改善する事業を部局横断で展開しております。来年度においても、健康対策を重点施策と位置づけ、予防プログラムによる生活改善や健民アプリの推進や企業や学校などが行う健康づくり活動に対する支援などに取り組むとされており、評価をいたしております。
 福島の復興をなし遂げるためには、それを支える県民一人一人が健康で健やかな日常生活を送っていることが何よりも重要であり、現実的に健康指標の改善を図るには、より一層県が中心となり、施策の充実を図り、官民、さらには地域総ぐるみでの事業展開を図らなくてはならないと感じております。
 現在、関係団体の御尽力をいただきながら健康へ向けた取り組みを実践し、体験型イベントなどを通して健康づくりへのきっかけの機会を提供するチャレンジふくしま県民運動を展開しております。残念ながら県民運動に対する県民の理解は余り多くないのが現状であり、情報発信のあり方を初め県の積極的な運動展開が必要であると考えております。
 そこで、全国に誇れる健康長寿県の実現に向け、県民運動と連携した取り組みを強化すべきと思いますが、知事の考えをお尋ねいたします。
 次に、認知症対策についてであります。
 福島県では、平成29年9月現在、約8万4千人の認知症高齢者と約7万3千人の軽度認知障害の高齢者がいるものと推計されております。この数は、高齢化の進展に伴いさらに増加が見込まれており、2025年には65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症を発症すると予測されており、認知症は極めて身近な問題となっています。
 このような状況の中、神奈川県においては、認知症サポーターなどの活動を支援し、県の認知症施策を普及する神奈川県独自のマークを若者と作成するなど、さまざまな事業を展開しております。本県においても、認知症の方や家族が孤立することなく、コミュニティーのつながりの中で安心して暮らし続けられる体制整備が求められます。
 そこで、県は認知症高齢者やその家族が地域で安心して暮らせるようどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、医療体制の充実についてであります。
 東日本大震災と原子力災害は、本県の医療提供体制に極めて大きな影響を及ぼし、特に原子力災害の影響は甚大で、7年が経過した今もなお相双地域を中心とした医療提供体制の確保は本県の極めて重要な課題となっております。
 現在の第6次医療計画は、本年度をもって計画が満了となるため、年度内に第7次医療計画を策定すると聞いております。第7次の計画においては、東日本大震災からの復興を果たすとともに、安全で質の高い効率的な医療提供体制の整備と保健、医療、福祉が連携した切れ目のないサービスの提供を実現し、その姿を県民の皆様にわかりやすく示すとされており、計画の確実な遂行が極めて重要であります。
 そこで、県は現在策定中の第7次福島県医療計画に今後の医療提供体制の充実をどのように盛り込んでいるのかお尋ねいたします。
 次に、避難地域の医療・介護サービス提供体制の再構築についてであります。
 避難指示が解除された区域は、帰還や一日も早い生活再建に向けた復興拠点の整備などが進められておりますが、帰還住民に必要な医療の確保や避難地域で必要とされる医療の機能強化が課題となっており、避難地域においてもひとしく医療を受けられる体制の整備が極めて重要であります。
 本年4月には、福島県ふたば医療センター附属病院が開院予定であり、地域医療の核となることが期待されておりますが、現在休止中の医療機関の再開支援や既に再開している医療機関の診療継続に対する支援など、住民が必要な医療の提供を受けることができる環境の整備を着実に進めていくことが重要であります。
 そこで、県は避難地域における医療提供体制の再構築に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 また、今後避難者のふるさと帰還が進む状況の中で御高齢の方の帰還も多くなるものと予想されますが、避難地域においては介護職の人材不足が深刻であり、医療体制の整備とあわせて介護人材の確保や再開施設等への支援に早急に取り組まなければならないと考えております。
 そこで、県は避難地域における介護サービス提供体制の再構築に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、子育て環境の充実についてであります。
 子供の貧困対策の推進に関する法律では、子供の将来はその生まれた環境に左右されることのないよう、環境を整備するよう国や自治体に求めております。
 県では、県内の子供の貧困の実態を知るために、平成28年度に調査を行い、その結果、現在行われているさまざまな支援が支援を必要とする世帯へ必ずしも届いていないとの結論に至り、関係機関に対して連携を強める働きかけを行っております。
 一方で、民間団体による支援も活発になってきております。特に子供たちに対して食事を提供することはもとより、勉強を見たり話を聞いたりする、いわゆる子ども食堂として、子供の居場所づくりに取り組む団体が県内に幾つかできてきていると聞いております。
 それら団体の多くはボランティアであり、資金や人材などの課題もあると認識しております。子ども食堂が継続的に運営でき、広がりを見せるためには、課題克服のため公的支援が重要であると考えております。
 そこで、県は子供の居場所づくりに取り組む団体への支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 本県は、子供の健康を守り、日本一安心して生み育てられる環境づくりを推進するため、18歳以下の県民の医療費無料化の継続を初め各市町村が取り組む子育て支援事業の円滑な運営をサポートするなど、現役世代が抱える子育ての不安の解消に取り組んでおります。
 国においては、この5年間で政権交代前の2.5倍以上のペースで保育施設の整備を進め、子育て世代の女性の就業率は5ポイント上昇し、過去最高となりました。
 今後のさらなる女性の活躍と保育の受け皿が拡大していくことに伴い、これまで以上に保育人材の確保や保育の質の向上など子育て環境の充実が強く求められております。
 そこで、県は保育人材の確保、定着にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、福島ロボットテストフィールドの整備を踏まえた地域産業の振興についてであります。
 昨年、福島ロボットテストフィールドの各施設における開所時期の見込みが発表され、今月6日には整備予定地である南相馬市内において起工式がとり行われました。
 平成31年度の全施設の開所を目指し、来年度以降の順次開所が予定されておりますが、私は陸海空のフィールドロボットの研究や実証試験などが可能となる本施設の本格的な始動を福島の復興に携わってきた一人として心待ちにしております。
 今後福島復興の核となるこのロボット関連拠点の整備を確実に進めながら、人材の育成や地元企業との連携による実用化開発に向けた支援などさまざまな施策を展開し、産業の振興、ひいては福島の復興につながる積極的な取り組みが求められます。
 そこで、県は福島ロボットテストフィールドの整備を踏まえ、地域産業の振興にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、福島空港についてであります。
 福島空港は、来月で節目となる開港25周年を迎えます。かつては名古屋、福岡、函館、沖縄などの複数の国内定期路線が運航されるなど、現在の基幹路線である札幌と大阪の2路線とともに全国各地を結ぶ空の玄関口でありました。
 今年度は、3年ぶりとなる沖縄、那覇へのチャーター便を含め、国内のチャーター便が100便近く運航されると聞いており、明るい兆しに期待を寄せております。こうした中、利用者のニーズに確実に応え、福島の復興をさらに飛躍させていくためには、国内定期路線の充実強化が極めて重要であると考えております。
 そこで、県は福島空港における国内定期路線の強化に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、県産品の振興についてであります。
 昨年リニューアルオープンした日本橋ふくしま館ミデッテと観光物産館の年頭初売りにおいては、県内外から大勢のお客様が来館したと聞いており、日本酒や工芸品などを初めとした福島の魅力と質の高さは依然として評価が高いものと認識をしております。
 また、海外においても、内堀知事のトップセールスを初め国による主要な会議での日本の食文化の発信など、これまでの積極的な取り組みが功を奏し、一歩一歩県産品の風評払拭につながっていると感じております。
 近年、健康志向の増加や無形文化遺産に登録された日本の伝統的な食文化が脚光を浴びており、世界中が注目するこの機会を逃すことなく、本県が誇る県産品の振興のため積極的に取り組んでいくべきと考えております。
 そこで、県は県産品の情報発信力の強化に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 また、海外において今年度の本県の農産物輸出量が過去最大となる見込みであることから、県は今年度末を目途に新たな輸出戦略を策定し、さらなる県産品の輸出促進を図っていく考えであると聞いております。
 日本酒や農林水産物など高い品質を誇る県産品が国内外で高い評価を受けている中において、海外での販路拡大は今後の県産品のさらなる振興を力強く後押しし、福島の復興に大きく寄与するものであると考えております。
 そこで、県は県産品の輸出促進に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、福島県産農林水産物のブランド化と販路拡大についてであります。
 東日本大震災と原子力発電所事故からのこの7年間、農林漁業者を初め関係者の皆様が本県の基幹産業の再生に力強く取り組んでいただいているおかげで、営農再開や試験操業の拡大、さらには県産品の安全性への評価や販路拡大にもつながるなど、目に見える形となって再生が進んでいると感じております。
 しかしながら、いまだ風評が続き、本県農林水産物の価格低迷などが続いております。私は、風評払拭を初め本県農林水産業の復興・創生をさらに進めていくためには、本年がまさに正念場であると考えております。
 復興・創生期間の折り返しとなる本年は、必ず本県農林水産業を復興再生させるとの力強いメッセージとともに、福島の農林水産業の明るい将来を見据え、風評を払拭していくことが重要であると考えます。
 そこで、福島県産農林水産物の風評払拭に向け、ブランド化と販路拡大にどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねいたします。
 次に、TPP11などによる県内農林水産業への影響についてであります。
 国は昨年、日EU・EPAと米国を除く11カ国の新たなTPPについて、合計で13兆円規模の経済効果が見込めるとともに、約75万人の雇用創出を見込む試算を発表いたしました。これは、1%台の低成長が続く我が国の経済を力強く牽引するものとして評価されるものであります。
 一方、国内の農林水産業については、生産額が最大で日EU・EPAでは約1千100億円、TPP11では約1千500億円減少するとされ、農林水産業関係者からは将来に対する不安の声が上がっております。海外との競争激化が鮮明な今、復興と再生の途上にある本県の農林水産業の競争力の強化など、足腰の強い農林水産業の実現が求められております。
 そこで、TPP11等による県内農林水産業への影響とその対策について、県の考えをお尋ねいたします。
 次に、避難解除区域の農業再生についてであります。
 福島相双復興官民合同チームは、設立以来、避難地域の農業者に対する事業の支援活動に積極的に取り組んでおり、事業やなりわいの再建に大きく貢献しているものと認識をしております。
 その調査で、昨年原発事故の影響により避難指示が出された12市町村の認定農業者を除いた約1,000件の農業者を個別に訪問したところ、約4割の方々が営農を再開したい考えであることがわかりました。
 しかし、長期にわたる避難の影響により、野生鳥獣の被害や用排水路の復旧のおくれなどが営農再開の課題となっているほか、再開の意向がない農業者からは、高齢化や労働力不足などを理由に今後利用する予定のない農地を貸し出したいとする声が聞かれるなど、多岐にわたる課題が山積しており、避難解除区域の農業再生に向けては、農業者それぞれの意向と現状に即した支援の強化に県も積極的にかかわっていくべきだと考えております。
 そこで、県は避難解除区域の農業再生にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、水産業の再生についてであります。
 震災以前、本県は水揚げ金額1,000万円以上の経営体の割合が全国第3位であったほか、後継者がいる経営体の割合も全国第2位と、全国的に見て魅力的な漁業が実現していましたが、本県の水産業は東日本大震災と原子力発電所事故により非常に大きな被害を受け、これにより浜通り地方の経済も大きな影響を受けております。
 沿岸漁業は現在も試験操業の状態ですが、出荷制限魚種は44魚種から10魚種に減少したほか、産地市場での入札取引の再開や松川浦におけるアオノリ養殖の震災後初出荷など、漁業者や漁業関係団体の御努力により、漁業再開に向けた動きは活性化しているところであります。
 しかし、平成29年の試験操業の水揚げ量は3,286トンと、震災前の約13%にとどまっており、浜通りの重要な産業である水産業の一層の復興が強く望まれているところであります。
 そこで、県は魅力ある水産業の再生に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、全国植樹祭についてであります。
 天皇皇后両陛下の御臨席をいただき開催される全国植樹祭までいよいよ100日余りとなりました。開催地である私の地元南相馬市でも国民的行事の開催を心から待ちわびているところです。
 7年前、壊滅状態になったふるさとを目の当たりにし、当時は復旧に向けての対応を繰り返すのみでありました。その甚大な被害を受けた海岸防災林を会場として、被災地で初めて開催する大会であります。
 天皇皇后両陛下におかれましては、震災以降、幾度となく御来県いただき、犠牲者を悼み、被災者を慰め、救援活動に携わる人々を励まされたお姿に県民は感激し、勇気をいただきました。天皇皇后両陛下がお越しになることは、この上ない喜びであります。このたびの全国植樹祭を必ず成功させ、福島の復興と福島のすばらしさを国内外に力強く発信していかなくてはなりません。
 そこで、県は全国植樹祭の成功に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、道路ネットワークの整備についてであります。
 東日本大震災と新潟・福島豪雨から7年が経過しようとしており、その間高速道路では、平成27年に常磐自動車道が全線開通し、昨年11月には東北中央自動車道福島-米沢間が開通いたしました。
 また、県管理道路では、昨年7月に国道401号博士峠工区が着工し、来月18日には県道原町川俣線八木沢工区が前倒しで供用が予定されるなど、国や県、さらには東日本高速道路株式会社など関係機関が連携し整備を進め、その成果が着実にあらわれてきております。
 道路の整備は、県民生活に直結するもので、極めて重要であり、我々自由民主党議員会が移動政調会などを通して各市町村からの要望を聴取している中でも、幹線道路から生活道路に至るまで、その整備に関する要望や期待の声は非常に多く、改めて道路の必要性を強く感じているところであります。
 本県においては、今もなお5万人を超える県民が避難を余儀なくされており、県土の復興はいまだ途上にあります。また、交流人口の拡大などにより地方創生を推進し、誇りある福島を構築するためには、重要な社会資本である道路ネットワークの整備が今後とも必要不可欠であると認識しております。
 そこで、県土の復興と地方創生に資する道路ネットワークの整備にどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねいたします。
 次に、常磐自動車道の整備についてであります。
 常磐自動車道は、平成27年3月に全線が開通し、開通後の交通量も増加しており、原発避難者の帰還促進はもとより、物流や観光交流人口の拡大、立地企業の増加による雇用の創出など、浜通りの復興に対して大きく貢献していると感じております。
 しかしながら、その反面、通行車両の増加により、いわき中央インターチェンジ以北の片側一車線区間において交通渋滞が多く発生しております。区間内には、低速車を追い越すための付加車線が数カ所設けられておりますが、逆に付加車線内での無理な追い越しによる交通事故の危険性が高く、安全面での課題もあり、全線の四車線化は急務であると考えております。
 今後中間貯蔵施設への汚染土壌の輸送が本格化します。平成30年度の計画では、今年度の目標土量の3.6倍に当たる180万立方メートルで1日当たり往復1,200百台の輸送が計画されていますが、このまま渋滞の発生が続くと、今後計画どおりの輸送を行っていけるかどうか懸念されるところであります。また、各自治体が作成している避難計画についても影響が出ると考えております。
 そこで、県は常磐自動車道の早期整備に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、公共土木施設の維持管理についてであります。
 県民が安全・安心な生活を送り、経済産業活動が活発に行われ、本県が今後とも持続的に発展していくためには、それらを支えるインフラが非常に重要であります。
 県では、東日本大震災から得た教訓を踏まえ、いかなる大規模自然災害などが発生しようとも致命的な被害を負わない強さと速やかに復旧・復興できるしなやかさを備えた強靱な県土、地域社会を構築するため、福島県国土強靱化地域計画を先月に策定しており、その中で社会資本の適切な維持管理を実施するとうたっており、望まれる姿であると感じております。
 しかし、本県においてもインフラの老朽化が着実に進行している一方で、住民に身近な要望として、道路の除草や河川の堆砂除却等を求める多数の要望も寄せられている現状もあります。今後ますます重要性を増していくインフラの維持管理は、観光面にも寄与するとともに、もっては本県の復興に欠かせないものであることから、インフラの適切な維持管理を今後とも継続的に行っていく必要があると考えます。
 そこで、公共土木施設の維持管理にどのように取り組んでいくのか、県の考えをお尋ねいたします。
 次に、教育行政についてであります。
 先月22日、県教育委員会は県内の公立学校の小学5年生と中学2年生を対象に実施した学力調査の結果を公表いたしました。各科目の平均正答率は、理科や国語については目標値を上回ったものの、以前から課題となっていた算数・数学科においては今回も目標値を下回ることとなりました。
 昨年3月に県教育委員会は頑張る学校応援プランを策定し、学力向上など本県教育の現状を分析し、課題克服に向け5つの主要施策を掲げ、戦略的に実行するとしております。
 主要施策の一つの「学力向上に責任を果たす」では、学校現場と家庭と一体となって新たな事業展開を図り、子供たちの基礎学力の向上に向けた対策を進めていると認識しておりますが、成果に結びつけなくてはなりません。現在の子供たちの学力の現状を的確に把握し、強い危機感と覚悟を持って取り組んでいくべきであります。
 そこで、県教育委員会は公立小中学校における児童生徒の学力の向上にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 また、子供たちの成長には大人のかかわり方も大変重要であり、学力向上については学校生活における教員の影響が大きくかかわってくることから、教員の指導力の向上に向けた取り組みについても積極的に展開していくべきであります。
 そこで、県教育委員会は公立小中学校における教員の指導力の向上にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 県は今年度、福島イノベーション・コースト構想の実現に貢献する人材を育成するため、構想を牽引するトップリーダーに必要なより高度な課題探究力の育成、さらにはロボットに関する工業技術、環境制御による作物栽培などの農業技術の育成に資する教育プログラム開発の可能性について調査事業を行っているところであります。
 新年度においては、これを具体化し、福島の復興と将来を背負う人材育成の環境が整えられていくことに大きな期待を寄せております。人材育成は福島の復興を進める上で極めて重要であります。構想に寄与する人材の育成のためにも、小中学校から高等学校まで一貫した考えを持って取り組んでいくべきであると思います。
 そこで、県教育委員会は福島イノベーション・コースト構想の実現に貢献する人材の育成にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、警察行政についてであります。
 本年の県警察の基本姿勢については、昨年に引き続き「福島を支える力強い警察」をスローガンに掲げており、県民とともに復興を目指すという決意で業務に取り組むと聞いております。
 県内の治安情勢は、昨年の刑法犯認知件数が十五年連続で減少し、戦後最少を更新いたしましたが、一方で殺人などの凶悪犯罪や子供や女性を対象とする人身の安全に関連する事案、さらにはなりすまし詐欺の被害が後を絶たず、県民を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあることには変わりありません。
 加えて、本年は天皇皇后両陛下を本県にお迎えしての全国植樹祭が開催される予定であるため、2020年復興五輪への体制強化とあわせて、警備諸対策の推進とテロの未然防止など、大規模警備を見据えた取り組みが大変重要となる年であります。
 そこで、県警察における本年の業務運営の方針についてお尋ねいたします。
 次に、被災地域における治安対策についてであります。
 県警察では、これまで双葉郡内を初め被災地での避難指示解除や主要国道の再開通など、住民の帰還や復興の進展などを踏まえ、さまざまな治安対策を講じてきましたが、被災地では今後さらに住民の帰還が進んでいくものと期待されているところであり、そうした帰還住民の安全・安心を確保するための治安対策が一層重要になるものと考えております。
 そこで、被災地域における今後の治安対策について県警察の取り組みをお尋ねいたします。
 県民は、体感治安の向上を初めとして、いつの時代も身近にある警察の存在を心強く感じながら日々の生活を送っております。そのような状況の中、先月26日、県警察の災害対策課内において昨年に引き続き上司による部下へのパワーハラスメントが繰り返されていた事実が公表されました。
 県警察は、昨年の不祥事を受け、これまで再発防止に取り組んできたところでしたが、残念な結果となりました。県民は、警察に対し、常に県民の期待と信頼に応え得る組織であることを強く求めております。
 そこで、県警察は不祥事の再発防止にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

議長(吉田栄光君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)太田議員の御質問にお答えいたします。


 県政への思いについてであります。
 未曽有の複合災害から7年が経過する中、避難地域では避難指示が解除された区域が拡大し、帰還困難区域における復興拠点の計画が大きく動き出すなど、復興再生が着実に前進しております。
 また、交通インフラや未来を開く拠点施設の整備が進展し、県産品の輸出拡大と輸入規制緩和が実現するなど、これまでの取り組みの成果がしっかりと形になってあらわれてまいりました。
 一方で、避難生活の長期化や被災者の生活再建、廃炉・汚染水対策、風評と風化の問題など、いまだ課題が山積していることも現実であります。
 私は、こうした課題を一つ一つ解決し、福島を被災の地から復興の地へと変えていくことが知事としての使命であると考えております。
 震災の逆境を力に変え、前を向いて努力を続ける県民の皆さん、福島に思いを寄せる多くの方々とともに果敢に挑戦を続け、「ふるさとの復興に貢献したい」、「福島に生まれ育ったことを誇りに前に進んでいきたい」など、さまざまな場面で力強く語る若者たちの世代に復興のバトンをしっかりと引き継いでいくことで、福島の新しい未来が必ず切り開けるものと確信しております。
 今後とも、私自身が先頭に立ち、県内各地に広がるチャレンジの機運を高めながら復興をさらに前へと進めるとともに、厳しい人口減少に直面する本県の現状に真摯に向き合いながら、福島ならではの地方創生を積極的に展開し、希望と誇りを持てる復興の地、福島の実現に向け、全身全霊で取り組んでまいります。
 次に、当初予算についてであります。
 私は、復興・創生期間の折り返しとなる新年度においては、これまでの取り組みを一層前に進め、その成果を県民の皆さんに実感していただくことが重要であると考えます。
 具体的には、最重要課題である避難地域の復興を加速させるため、なりわいの再生支援や医療・介護サービスの提供体制の充実など、被災された方々の生活再建に向け、安心して暮らせる環境の整備を進めるとともに、福島イノベーション・コースト構想をさらに推進してまいります。
 喫緊の課題である人口減少対策としては、子育て世代包括支援センターの市町村への設置を促進するほか、本県独自の取り組みとして、妊娠後期の妊婦への全戸訪問を進めるなど、子育てしやすい環境づくりに努めてまいります。
 さらに、グローバル人材を育成するための英語教育を充実するとともに、高校生を対象に最先端の産業技術に触れる取り組みやGAP取得に向けた取り組みを推進するなど、夢に向かう子供たちの挑戦を応援してまいります。
 産業の振興では、生産から流通、販売までの農林水産業の総合的な対策を実施するとともに、地域経済を支える中小企業等の経営基盤の強化や航空宇宙産業などの新産業の創出に向けた取り組みにも力を注いでまいります。
 県民の願いである健康長寿については、健康への理解向上を促進する検定の実施や健康経営に率先して取り組む事業所を表彰する制度の創設などを通して、取り組み機運の醸成を一層図ってまいります。
 これらの施策を総合的かつ着実に実行し、活力ある新生ふくしまを築き上げてまいる考えであります。
 次に、風評・風化対策についてであります。
 根強く残る風評の払拭と時間とともに進む風化の防止には、光と影が混在する福島の正確な現状や食の安全性やおいしさ、観光の魅力などを丁寧に粘り強く発信していくことが重要であり、これまで私自身が国内外で直接伝える取り組みのほか、大手オンラインストアを通じた県産品の販売、外国人観光客をターゲットにしたPR動画による情報発信など幅広く展開してまいりました。
 新年度は、Jヴィレッジの再開や全国植樹祭、太平洋・島サミット、そして世界水族館会議など国内外の方々が来県する貴重な機会を捉え、復興に向けて挑戦を続ける福島県の姿を皆さんに実感していただく取り組みを進めてまいります。
 さらに、復興に向けて挑戦する姿に触れ、自分自身の成長につなげるホープツーリズムの推進、県産農産物等のブランディングやパッケージングの強化、本県へ思いを寄せる有名企業とタイアップした情報発信など共感と共鳴の輪を広げ、共働へとつながる取り組みを深化させてまいります。
 加えて、市町村とのさらなる連携強化を図り、首都圏の大規模商業施設等においてオール福島で本県の現状や魅力を直接伝える取り組みも新たに実施するなど、さまざまな工夫を重ねながら、復興に向けて着実に歩みを進める本県の正確な情報や魅力がより多くの皆さんの心に届くよう、風評・風化対策の強化に総力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、福島イノベーション・コースト構想につきましては、東日本大震災と原子力災害により甚大な被害を受けた浜通り地域等の産業基盤の再構築を通じた復興を進めるため、多岐にわたるプロジェクトを総合的に推進していくことが重要であります。
 そのため、現在策定中の福島特措法に基づく重点推進計画において、拠点の整備、研究開発の推進、産業集積の促進、未来を担う教育、人材育成、生活環境の整備促進などを基本的な方向性としたさまざまな取り組みを盛り込むこととしております。
 また、こうした取り組みを着実に進めるため、新年度から福島イノベーション・コースト構想推進室を新設し、構想に係る庁内の企画調整機能を強化するとともに、昨年七月に設立した福島イノベーション・コースト構想推進機構の人員体制を強化し、本格的な業務を開始することとしております。
 今後は、県民や市町村等の意見を丁寧に聞きながら重点推進計画を作成し、3月の認定申請を目指すとともに、国や市町村、関係機関等と連携を図りながら、推進機構を初め産学官一体となって計画の具体化を進め、世界に誇れる福島の復興・創生を目指して果敢に取り組んでまいります。
 次に、地域公共交通につきましては、県民の暮らしを支える重要な役割を担うとともに、福島が人口減少という厳しい現実に直面する中で、地域の宝である魅力的な拠点を結ぶ移動手段として、交流人口の拡大にも資する大切な社会基盤であります。
 そのため、新年度では地域の実情に応じ、新たに一般のタクシーを活用した交通弱者を支援する実証事業や、住民、交通事業者等と連携し、さらなる公共交通の利用促進等に取り組む市町村を支援するとともに、全国屈指の観光資源を有する会津地域をモデルとして、首都圏から特急リバティで来県された方に、会津鉄道に加え、奥会津を走るJR只見線沿線を訪れていただくための路線や、猪苗代駅から慧日寺跡などを経由して喜多方駅までを結ぶ路線等で新たにバスを運行し、鉄道駅と連携した会津地域全体の二次交通の強化を図る実証事業に取り組み、交流人口の拡大を目指してまいります。
 また、避難地域においては、引き続き広域バス路線の充実や利便性の向上等にしっかりと取り組むとともに、新たに福島イノベーション・コースト構想と連動して、中通りの中核都市と避難地域を結ぶバスの運行や避難地域の鉄道駅を拠点としたカーシェアリングの実証事業を行うなど、新たな公共交通ネットワークを着実に構築してまいります。
 今後とも地域の実情や抱えるさまざまな課題を丁寧に伺いながら、交通事業者や市町村と一体となって地域公共交通の維持確保に取り組んでまいります。
 次に、健康長寿についてであります。
 県民の皆さんが笑顔で元気に暮らしていくためには、健康が何よりも大切であり、県民一人一人が自分自身の健康状態に気づき、生活習慣を見直し、身近なところから健康づくりを実践することが重要であります。
 このため、食、運動、社会参加の3本柱で、食育活動の推進、健民アプリによる動機づけ、従業員の健康づくりを初め県立医科大学健康増進センターと連携した健康状態の見える化など、さまざまな事業を展開してまいりました。
 今後は、県民が心を一つに健康づくりに取り組めるよう、来月健民アプリに県民の歌に合わせた運動動画を加えるほか、新年度は健康への理解を深めるふくしま健民検定や、職域に向けては、健康づくりに積極的に取り組む事業所の認定、優良事業所の表彰など、元気な職場を応援し、健康経営の定着を図るとともに、地元自治体、商工団体等と地域密着型イベントを共催し、地域に根差した住民参加による健康づくりを推進してまいります。
 今後とも県民一人一人に健康への気づきと理解が浸透し、多くの県民の皆さんが健康づくりに継続して取り組めるよう、県民運動との一層の連携を図りながら、笑顔の輪が広がる健康長寿県の実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。
 次に、福島県産農林水産物のブランド化と販路拡大についてであります。
 私は、風評を払拭していくために、農林水産業の再生、成長産業化を図りながら地域間競争に打ち勝っていくことが重要であると考えております。
 昨年5月、「ふくしま。GAPチャレンジ宣言」を行い、ブランド力向上と安全・安心で消費者に信頼される認証GAP取得の取り組みを推進するとともに、マーケットが求める生産力の強化と信頼される産地形成に一層力を入れながら、本年度26回のトップセールスを行い、大手量販店の280を超える店舗で福島県産米の常設棚を設置できました。
 先月の流通事業者との交流会では、福島牛で飲食店チェーンの新しいメニューをつくっていくといったお話をいただくなど、大きな手応えを感じました。
 また、斬新な発想により売り方を工夫し、新たな価値を創造していくことも必要であります。昨年7月以降、13億円を売り上げているオンラインストアへの生産者の参加促進、消費者の感性に訴えるパッケージやPOP広告の改善により福島県産のイメージ向上を図ってまいります。
 さらに、3月には英国とフランスを訪問し、EUにおける輸入規制緩和を追い風に福島県産品のPRを行い、輸出拡大に弾みをつけるなど、「ふくしまプライド。」のブランド化と販路拡大に積極的に取り組んでまいります。
 次に、道路ネットワークの整備についてであります。
 道路は、県民の暮らしを支える基盤であり、県土の復興と地方創生を進めていくためには、これまで以上にその安全性、信頼性を高めていくことが重要であると考えております。
 このため、春、秋の政府要望に加え、あらゆる機会を捉えて私みずから国土交通大臣などに本県の実情や道路整備の重要性を直接説明し、必要な予算措置を求めてまいりました。その成果として、県内の道路はこれまでにないスピードで整備が進んでおり、相馬福島道路では来月の開通により約6割が完成し、交通の難所が解消され、市役所間の所要時間が約20分短縮になるなど、大きな効果があらわれてきております。
 私は、これまで多くの開通式に出席するたび、県民の皆さんの笑顔を目の当たりにし、道路の整備には人や物の流れを劇的に変える力のみならず、人々を元気にする力があると感じております。
 今後も避難地域と中通りの主要都市を結ぶふくしま復興再生道路や新たな拠点づくりなどの復興の取り組みを支える道路の整備を着実に進めるとともに、復興・創生期間後も見据え、地方創生の柱である交流人口の拡大や定住・二地域居住などに資するよう、県内の各生活圏や隣接県を結ぶ縦横六本の連携軸を形成する道路整備などを進め、交流ネットワーク基盤の強化による活力ある県土づくりにしっかりと取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。


総務部長(伊藤泰夫君)お答えいたします。


 安定的な財源の確保につきましては、厳しい財政状況の中、復興と地方創生の実現に向け、さまざまな財政需要に的確に対応するため、極めて重要であります。
 このため、地域経済の活性化を通じた税源の涵養など自主財源の充実確保はもとより、地方交付税を含めた一般財源総額の確保や復興財源の確実な措置をあらゆる機会を捉えて国に対して強く求めてまいります。
 また、復興のための基金については、中期的な視点による活用を図るとともに、地方交付税措置を伴う有利な県債の活用など将来の負担軽減にも十分に留意をしながら、年度間の見通しに立った安定的な財源の確保に取り組んでまいります。
 次に、平成30年度の県税収入につきましては、県内景気の一部に弱い動きが見られるものの、雇用、所得環境の改善が進むなど持ち直しの傾向が続いていることから、個人県民税、法人事業税、地方消費税など多くの税目で本年度当初予算を上回るものと見込んでおります。
 その結果、総額で本年度当初予算比5.9%増の2,341億3,700万円を計上したところであります。
 次に、平成30年度の組織につきましては、直面するさまざまな課題に迅速かつ的確に対応し、本県の復興・創生をさらに前進させるため、福島イノベーション・コースト構想推進室やオリンピック・パラリンピック推進室の新設、さらには双葉地域における二次救急医療の確保に向けたふたば医療センターの新設など、必要な組織改正を行うこととしております。
 また、双葉地域における営農再開、農業再生を支援する双葉農業普及所については、本年4月から富岡町に移転し、業務を再開いたします。
 今後とも、復興・創生の進展や中長期的な行政需要等を踏まえ、不断に組織体制を点検しながら、変化する行政課題に柔軟に対応してまいる考えであります。
 次に、ふくしま国際医療科学センターにつきましては、各部門ごとの機能に応じ、医業収益や事業収入、県民健康管理基金等の財源を確保し、運営を行っております。
 今後も県民の健康を長期にわたって見守る役割をしっかりと果たしていけるよう、県立医科大学みずからが事業収益の確保や経費節減に努めるとともに、県といたしましても、国補助により設置した基金の活用に加え、専門的人材育成の財源を国に求めるなど、国とも密接に連携しながら長期的に安定した運営の確保に取り組んでまいります。


危機管理部長(小野和彦君)お答えいたします。


 地域防災力の向上につきましては、県民みずからの防災意識の高揚を目指す自助、地域コミュニティー内の助け合いによる共助、自治体の災害対応力の強化を目指す公助それぞれの充実強化はもとより、相互補完性の確保が重要であると考えております。
 このため、学校現場での防災教育の充実や親子で学ぶ防災セミナーの開催などにより県民一人一人の意識の向上を図りながら、地域防災組織のリーダー研修や住民みずからの防災マップ作成と避難訓練の実施などにより地域としての取り組みにつなげてまいります。
 あわせて、目標管理型災害対応演習による市町村長みずからの防災マネジメント能力の醸成などを通じて防災・減災、災害対応力の向上に取り組んでまいる考えであります。


企画調整部長(櫻井泰典君)お答えいたします。


 定住・二地域居住の推進につきましては、本県への新たな人の流れをつくる上で極めて重要であると認識しております。
 このため、新年度から移住相談体制を拡充し、移住希望者のニーズに丁寧に対応するとともに、福島だからこそ実現できる暮らしやチャレンジの場としての強みや魅力を生かし、福島にゆかりや愛着、関心がある方々などへ戦略的に情報発信をしてまいります。
 また、移住コーディネーターを活用しながら移住者の受け入れ団体の活動を支援するほか、新たにテレワークオフィスや移住体験住宅等、受け入れ環境を整備する市町村を支援するなど、きめ細かな受け入れ態勢づくりに努め、市町村や関係団体と一体となって定住・二地域居住の推進にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、Jヴィレッジにつきましては、ことし7月の一部営業再開を契機として、力強く復興する本県の姿を国内外に向けて発信していくことが重要であります。
 このため、Jヴィレッジカップサッカー大会や地域づくり団体全国研修交流会など、全国から人々が集うイベントを開催し、交流人口の拡大や原発事故の風評払拭、周辺地域のにぎわい創出を進めるとともに、来年4月の全面営業再開にあわせた新駅の開業に向けて関係機関と取り組んでまいります。
 今後もスポーツ振興はもとより、スポーツ以外の拠点としてもJヴィレッジを活用し、地域振興を積極的に推進してまいります。
 次に、再生可能エネルギーの導入推進につきましては、これまで避難地域の復興を推進する発電設備への補助制度や福島再生可能エネルギー研究所と連携した研究開発事業への支援など、本県ならではの先駆的な施策に取り組んできたところです。
 引き続き、福島新エネ社会構想に沿って、阿武隈地域等における送電線の整備や風力発電等の導入拡大、国等と連携した水素の製造、貯蔵、輸送、利用の各段階における実証、さらには事業を担う人材の育成や事業化支援に取り組むなど、再生可能エネルギー先駆けの地の実現に向け積極的に推進してまいります。


生活環境部長(尾形淳一君)お答えいたします。


 中間貯蔵施設につきましては、用地の取得面積が全体の5割を超え、新年度の除去土壌等の輸送は今年度の3倍を超える180万立方メートル程度を搬入する事業方針が示されております。
 県といたしましては、安全・安心の確保を最優先に輸送量の増加に対応した計画的な施設整備を国に求めるとともに、輸送に当たっては、通学時間への配慮や交通誘導員の配置等に加え、幹線道路への輸送車両の集中状況等を丁寧に把握し、代替ルートを検討するなど、市町村の実情等を踏まえた対策が確実に講じられるようしっかり取り組んでまいります。
 次に、JR只見線につきましては、平成33年度の全線復旧に向け、できる限り早期に復旧工事に着手できるよう、JR東日本を初め関係者との協議調整を進めているところであり、今後は県が鉄道施設を受け入れ、鉄道事業者となるために必要となる手続を計画的に進めてまいります。
 さらに、これらの鉄道復旧の取り組みと並行して、年度内に策定する利活用計画に基づき、学習列車の運行や只見線の駅と観光拠点とを結ぶ二次交通の確保、景観整備のための樹木伐採などにも取り組み、会津17市町村等と一体となって魅力ある只見線をつくり上げてまいります。
 次に、イノシシ対策につきましては、新年度においても引き続き本年度とほぼ同数の捕獲枠を確保し、県の直接捕獲や狩猟捕獲などに積極的に取り組んでまいります。
 また、捕獲後の処分については、市町村が地域の実情に合った手法を選択できるよう複数の処分方法の検討を進めているところであり、今後は民間委託を活用した解体作業に従事する新たな担い手の確保や、一旦冷凍し、裁断を容易にした上で焼却する手法、堆肥等で発酵させ、容量を減らした後で焼却する手法、微生物を活用した分解処理などについて、作業内容や費用などを仕様書に取りまとめ、市町村等に提示することにより、処分の円滑化を支援してまいります。


保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。


 認知症高齢者やその家族への取り組みにつきましては、これまで認知症サポーターを約16万人養成したほか、市町村の認知症初期集中支援チームの設置を支援するとともに、今年度中には認知症高齢者やその家族を支えていくための初めての指針となる福島県認知症施策推進行動計画を策定することとしております。
 新年度はさらに、住民との交流の場である認知症カフェの全市町村での設置を促す啓発シンポジウムの開催や市町村域を越えた徘回対応訓練を実施することとしており、今後とも認知症高齢者やその家族が安心して暮らし続けられる地域づくりに積極的に取り組んでまいります。
 次に、第7次福島県医療計画につきましては、団塊の世代が後期高齢者となる平成37年を見据え、保健・医療・福祉の分野が連携した地域包括ケアシステムの構築を目指すため、介護保険事業支援計画との整合性を図り、訪問診療など在宅医療の充実を進めるほか、地域医療構想調整会議の議論を通して地域に必要とされる医療機能の確保を図っていく考えであります。
 また、県民の安全・安心を確保するため、災害拠点病院の指定をふやし、災害対応力を強化するなど、本県の医療提供体制の充実に向けて計画を策定してまいります。
 次に、避難地域における医療提供体制の再構築につきましては、再開した医療機関が診療を継続できるよう、関係機関が連携して個別訪問を実施し、課題等を把握した上で、セミナーなど実情に応じた経営への支援を行っていくほか、近隣地域を含め、専門医療の充実を図る取り組みを支援することで、避難地域で不足する医療の確保に努めてまいります。
 さらに、ことし4月に開所するふたば医療センターを初めとする地域の医療機関や介護福祉施設等が連携して重症化予防や認知症への対応を支援する仕組みを構築し、住民が安心して暮らすことができる医療提供体制の整備を進めてまいります。
 次に、避難地域における介護サービスにつきましては、現地バスツアーの開催や就職準備金の貸与により県外からの人材確保を図るとともに、県内の社会福祉法人の協力を得て避難地域で再開した特別養護老人ホームへの応援職員による支援等を行っております。
 新年度は新たに、避難地域で運営している介護施設や訪問サービスを開始する事業所の運営費を支援するとともに、就職準備金を増額し、対象者に避難地域から県内に避難した方も加えるほか、県外からの応援職員制度を創設することにより、避難地域における介護サービス提供体制のさらなる充実を図ってまいります。


商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。


 福島ロボットテストフィールドにつきましては、最先端の企業や研究者を呼び込むとともに、多くの地元企業の参画を得て新たな産業を創出していくことが極めて重要であることから、これまで浜通りロボット実証区域の取り組みや地域復興実用化開発等促進事業などを通じ、地元企業の参入促進に努めてまいりました。
 今後は、南相馬ロボット産業協議会や小高産業技術高等学校との緊密な連携のもと、企業ニーズに応じた施設整備を進めるほか、将来を担う産業人材の育成を図るなど、福島ロボットテストフィールドを拠点とした地域産業の振興に積極的に取り組んでまいります。


農林水産部長(佐竹 浩君)お答えいたします。


 TPP11等による本県農林水産業への影響につきましては、国の手法に準じて計算すると、牛肉、豚肉、集成材等を中心にTPP11で9.5億円から15.8億円、日EU・EPAで10.1億円から20.1億円それぞれ生産額が減少すると試算されます。
 そのため、引き続きJAや市町村等と連携を図りながら、畜産クラスター事業や産地パワーアップ事業など国の施策を最大限に活用し、ICTや施設、機械の導入を進め、省力化による生産コスト低減や品質向上により、農家の収益力向上と産地の競争力強化をしっかり支援してまいります。
 次に、避難解除区域の農業再生につきましては、人・農地プランの策定、福島再生加速化交付金等を活用した機械、施設導入の支援、浜地域農業再生研究センターの実証研究の成果を生かした技術指導を行っており、営農再開率は24%であります。
 そのため、営農計画の策定段階から参画し、農地の大区画化を図りながら、担い手や販売先の確保、水管理システムの導入等を一体的に進めるモデル地域への集中的な支援、省力化等の先端技術と中食、外食向けの新たな流通ルートを有する農業法人等の参入支援により、被災地域の農業再生を積極的に進めてまいります。
 次に、水産業の再生につきましては、本県の海産物は2年11カ月にわたり放射性セシウム濃度の基準値超過がないこと、操業自粛で増加、大型化していること、産地市場で入札が再開されたことなどを踏まえ、次の段階に踏み出す時期に来ていると認識しております。
 そのため、来年度から首都圏等の大手量販店に常設棚を設置するのにあわせ、鮮度やうまみを維持する、魚を傷めない漁獲手法、シャーベット氷などを用いた輸送技術の確立、水産エコラベルの取得支援により、水産資源を管理しながら水揚げ金額を拡大する「ふくしま型漁業」の実現に着実に取り組んでまいります。
 次に、全国植樹祭につきましては、復興・創生が進む本県の姿や未来につながる森林づくりを広く発信することとしております。
 そのため、実施計画に基づき、本大会の会場整備、招待者をおもてなしの心でお迎えする宿泊、輸送計画の推進、100日前イベントの開催による機運醸成を図りながら、オール福島の若者による創作アトラクションやサテライト会場を含め、参加者が一体となった本大会のテーマソング「福ある島」の合唱などの準備を進め、多くの県民や来県者の心に残るすばらしい大会となるよう、しっかり取り組んでまいります。


土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。


 常磐自動車道につきましては、平成32年度の完成に向け、いわき中央から広野間の四車線化と広野から新地間での付加車線設置工事が行われております。
 また、追加のインターチェンジについては、ならはスマートと(仮称)大熊が平成30年度、(仮称)双葉が平成31年度の供用に向けて整備が進められております。
 県といたしましては、交通量が大幅に増加していく中で安全性と定時性が確保できるよう、全線の四車線化や追加のインターチェンジの早期整備に向け、引き続き沿線自治体等と連携し、国等に強く働きかけてまいります。
 次に、公共土木施設の維持管理につきましては、老朽化した施設の計画的な修繕とともに、道路の除草、河川の堆砂除去などの日常的な管理を通じ、県民生活の安全確保や生活環境の改善に努めているところであります。
 今後は、新たな起債制度などを活用して施設の長寿命化対策を積極的に推進し、除草作業への大型機械導入などによるコスト縮減を図ることにより、安全で安心な福島を次世代につないでいけるよう維持管理の充実に取り組んでまいる考えであります。


文化スポーツ局長(安齋睦男君)お答えいたします。


 アーカイブ拠点施設を活用した情報発信につきましては、未曽有の複合災害の記録と教訓を後世へ継承するため、震災前から現在に至るまでの過程を実物資料や臨場感ある映像を用いた展示に加え、語り部による活動などを通して幅広い世代へ伝えてまいります。
 また、福島イノベーション・コースト構想の情報発信拠点として、新しい福島の創造に挑戦する姿や県内市町村等の復興に関する情報を多言語で提供するなど、国内外へ向けた発信に取り組んでまいります。
 次に、東京オリンピック・パラリンピックへの県民のかかわりにつきましては、今年度女子ソフトボールや車椅子バスケットボールなどの代表合宿を誘致し、日本代表選手と地域の子供たち等との交流を推進したほか、ホストタウンに登録した市町村が行う参加国との国際交流への支援等を行ってまいりました。
 今後はこれらに加え、野球・ソフトボール競技のテストイベント等での機運醸成に向けた取り組みや大会ボランティア、聖火リレーなどを通して多くの県民が大会にかかわることができるよう積極的に取り組んでまいります。


こども未来局長(須藤浩光君)お答えいたします。


 子供の居場所づくりに取り組む団体への支援につきましては、子供の居場所は地域の大人たちとの交流や食事づくり、学習活動による生活習慣の習得などの支援を通じて子供たちの生活の状況を把握し、相談に応じるとともに、支援が必要な子供を市町村を初めとする関係機関につなぐ役割が期待できます。
 このため、新年度からこうした取り組みを行う団体に対してその開設費用を補助し、子供の居場所づくりを支援してまいります。
 次に、保育人材の確保、定着につきましては、これまで養成施設の学生への修学資金の貸し付けや関係機関との連携による就職説明会などを実施してまいりました。
 新年度からは、保育士の宿舎を借り上げるための費用の補助や県外で行う就職セミナーへの参加など、新卒者の確保策を強化してまいります。
 さらに、潜在保育士の実態調査において、仕事量や人間関係などにより仕事をやめたとの回答が多かったことから、保育士が悩みを相談しやすい体制を整備するとともに、職場環境の改善のために専門家を派遣して助言を行うなど、より多くの保育人材の確保、定着が図られるよう取り組んでまいります。


観光交流局長(橋本明良君)お答えいたします。


 福島空港の国内定期路線につきましては、大阪便の利用が堅調となっており、全体の利用者数は1月末現在、前年同期比約4千人の増加となっております。
 今後は、3月末のダイヤ改正により利便性が向上する九州、沖縄等への乗り継ぎ便の積極的なPRのほか、ビジネス楽得キャンペーンによる利用促進や関西のメディアを活用しての本県への誘客、さらには開港25周年を記念した旅行商品の販売促進活動の通年での実施など、国内定期路線の利用促進への取り組みを強化してまいります。
 次に、県産品の情報発信につきましては、昨年12月にリニューアルした観光物産館や日本橋ふくしま館の情報発信機能の充実、東京や大阪等での集客力のあるイベントの開催、大型展示会等への出展など、本県が誇るふくしまの酒を初め品質の高いみそやしょうゆ等、県産品の魅力を国内外に向けて力強く発信しているところです。
 今後は、県産品のさらなる販路開拓、拡大に向け、消費者の心に響く話題性のある動画などのコンテンツを制作し、SNS等を活用したデジタルマーケティングを実施するなど、戦略的な情報発信力の強化にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、県産品の輸出促進につきましては、輸出先国の市場性や将来性を踏まえ、戦略的な販路の開拓、拡大への取り組みが重要であると考えており、現在県産品輸出戦略検討会議において本年度末を目途に平成32年度を目標年次とする新たな輸出戦略の策定を進めております。
 引き続き国やジェトロとの連携を強化し、輸入規制緩和に向けた働きかけや根強い風評が残る国、地域への正確な情報発信に取り組むとともに、今後新たな輸出戦略に位置づけられる重点地域等への県産品のさらなる輸出促進に向け、関係団体、事業者等と一体となって積極的に取り組んでまいります。

教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。


 公立小中学校における学力の向上につきましては、一人一人の学習内容の定着度や学力の伸びを的確に把握し、個に応じた指導を行うことが効果的であると考えております。
 このため、県独自の学力調査を全面的に見直し、平成31年4月から一人一人の学力の推移を経年で把握、分析できるよう、小学校4年生から中学校2年生までの児童生徒を対象に国語、算数または数学の学力調査を毎年実施することとしたところであります。
 今後は、この新たな学力調査の結果を分析し、より効果的できめ細かな指導につなげることで児童生徒の学力の向上にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、教員の指導力の向上につきましては、昨年四月に配付した授業スタンダードに基づいた授業づくりに力を入れるとともに、各地区のパイロット校の研究公開等を通して教員研修の充実に努めております。
 新年度においては、本県の児童生徒の課題である応用力を育成するため、日常生活のさまざまな場面と関連させた県独自の問題と具体的な指導資料によって構成された活用力育成シートを新たに作成し、各学校に活用を促し、思考力、判断力、表現力を育むとともに、つまずきをきっかけとして子供たちの理解を深める授業への改善を図ることにより教員の指導力の向上に取り組んでまいる考えであります。
 次に、福島イノベーション・コースト構想の実現に貢献する人材の育成につきましては、学びを通じて可能性に挑戦する心を育むことが重要であると考えております。
 このため、対象校のうち農業・工業高校においては、新たに太陽光利用型の植物工場や産業用ロボットの操作技術を向上させるシステム等を整備し、先端技術の習得を目指すとともに、普通高校においてはICT環境の充実などを図り、より高度な課題探求力と情報発信力を養います。
 さらに、義務教育段階から高等学校に至るまで大学や企業との連携により専門性を育むキャリア教育を実施するなど、構想を牽引する志の高い人材の育成にしっかりと取り組んでまいります。


警察本部長(松本裕之君)お答えいたします。


 県警察の業務運営方針につきましては、引き続き「福島を支える力強い警察」を基本姿勢とし、復興を治安面から力強く支えてまいります。
 このため、関係機関、団体や地域住民と一体となり、犯罪の起きにくい社会づくりを推進するとともに、街頭活動を強化し、地域の安全確保に努めるほか、県民が不安を感じる犯罪の徹底検挙と組織犯罪対策の推進、総合的な対策による交通事故の防止、県民の期待と信頼に応える警察活動の推進と強い組織づくりを進めてまいります。
 また、本年の全国植樹祭開催や2年後の東京オリンピック・パラリンピックに伴う大規模警備を見据え、県警察の総力を挙げて警備諸対策とテロ対策を推進してまいります。
 次に、被災地域における今後の治安対策につきましては、本年も引き続き県警察の最重要課題として捉えており、被災地における住民の帰還状況、加速化する復興事業の進展を踏まえ、より効果的な警戒活動を実施すべく、他県からの出向者を主力とする特別警ら隊を双葉警察署浪江分庁舎へ集約して配置し、一元的な活動を展開することとしています。
 また、双葉警察署の体制につきましても、帰還困難区域内の特定復興拠点区域整備を初めとした地域情勢の大きな変化に迅速かつ適切に対応するため、浪江分庁舎に警部を配置するなど、自治体及び関係機関との連携強化を図ることとしています。
 引き続き、帰還し、または帰還される皆様の安全・安心を確保するため、被災地域の治安対策を強力に推進してまいります。
 次に、不祥事の再発防止につきましては、これまで職務倫理向上のための教養や職員の身上把握、指導のほか、職場環境の改善などの対策を講じてきたところであります。
 今般災害対策課においてパワーハラスメント事案が相次いで発生したことを受け、職員が業務に専念できる風通しのよい職場環境づくりに取り組むほか、人的管理の面から災害対策課の体制を見直すこととしております。
 今後とも職員の士気を低下させることなく、不祥事防止対策のさらなる推進により再発防止を図ってまいる考えであります。


議長(吉田栄光君)これをもって、太田光秋君の質問を終わります。

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