中通り12(福島市):小さな奇跡(ハマナカアイヅ)
晴天に恵まれた5月24日の土曜日、日本・スイス国交樹立150週年記念を祝うべく、ふくしまスカイパークで第3回スカイスポーツ国際交流フェスティバルが開催されました。
スイスと言えば、震災以後さまざまな分野で福島県を応援していただいており、昨年もブライトリングジェットチームが2度にわたり福島の空で編隊飛行やエアショーを行い、多くの県民に元気を届けてくれました。この時のご縁が、今回のイベントにつながっています。
来賓として、スイス駐日スイス特命全権ウルス・ブーヘル閣下とご家族が福島県を訪問されました。福島駅で大使ファミリーをお迎えしてから、ふくしまスカイパークに向かいました。
スカイパークに着いてからまもなく、フェスティバルのオープニング・エアショーが始まりました。機体は300馬力のあるドイツ製のエクストラ300Sで、最高時速は400km/h。パイロットは、なんと世界最速のモータースポーツと呼ばれるレッドブルエアレースワールドチャンピオンシップでアジア人初参戦を果たし、3位を入賞した室屋義秀選手でした。
室屋選手はスカイパークの空で華麗な技を披露してくれました。子供の頃、パイロットになることを夢見ていた私にとってはとても感動的な一時でした。空中で止まったり、バックまでして、「飛行機ってあんな動きができるんだ」というびっくりの連続でした。
そんな土曜日の朝に小さな奇跡が起こりました。空には虹らしき物体が現れました。本来は弧を描く虹ですが、それとはまた別で、弧というよりは棒の形をしていました。私を含め、会場にいた皆さんが「人生で初めてみた」などと大騒ぎになりました。また、室屋選手は見事に飛行機から排出されていた煙で虹の上でハートマークを描きました。
福島には本当の空があると言われています。あんなに美しい福島の空を見たのは初めてかもしれません。ブーヘル大使も、美しい景色や県民の温かい心が魅力である福島が、日本の中で一番好きだと言ってくださいました。福島の美しい空は、きっと県民の温かい心の反映だと思います。
その後、大使ファミリーがセスナ機に乗り込み、裏磐梯の飛行ツアーを楽しんでいただきました。もちろんパイロットは室屋選手でした。大使令嬢は、最初はセスナ機に乗ることに対して少し緊張気味でしたが、着陸した時、窓越しに飛び切りの笑顔を見せてくれました。「福島はなんてきれいなところ!」と大喜びし、空から見た磐梯山や五色沼の様子について語ってくれました。
植樹式では大使ファミリーが一緒に山桜とひまわりを植えられました。フェスティバルの主催者の一人である、ふくしま飛行協会の斎藤理事長が、50年後の日本・スイス国交樹立200周年の時に、また令嬢に来ていただいて、未来の旦那さんとお子さんと一緒に次植樹した山桜を見てほしいとお願いしました。「私は110歳になっていますが、元気で待っていますから、ぜひまた来てください」という依頼に、二つ返事で返ってきた言葉が「50年後と言わずにまたすぐ福島にいきたい」というものでした。
みなさんも福島県の最高のおもてなしを体験しに、ぜひ遊びに来てください。
(投稿者:ウィリアム)