ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 組織でさがす > 国際課 > 地球探検 コスタリカ共和国 加藤直樹隊員 4-1

地球探検 コスタリカ共和国 加藤直樹隊員 4-1

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年8月6日更新

地球探検

レポート4-1

 ブエンディーア!(直訳は“良い日”、こんにちはのような感覚で使う)中米コスタリカで活動を開始して早くも1年が経ちました。赴任して最初の1ヶ月は新しいことへの驚きや苦労もあって一日一日が長いと感じていましたが、今は時間が過ぎるのは本当に早く感じます。そういう意味では毎日が充実してる証拠だとも思います。ということで、この3ヶ月もいろいろなことがありました。 

ストライキ

 自分の活動は大きく言えば、コスタリカに野球を普及させることです。普及とは野球を知っている人や興味を持つ人、そしてプレー人数が増えていくことです。そのために取り組んできたことの一つは小学校の体育の時間を利用して野球の紹介をしていくことでした。特にこの半年間は、コスタリカナショナル大学の体育学科と協力し、大学生に野球の講義を実施後、学生自身が小学校に行って野球を紹介、指導するというのが一つの計画でした。

 しかし、そこは思うようにいかないのが途上国。無事、野球の講義も終わり、さぁこれから大学生たちが小学校に行くぞ、というときでした。公立の小学校、中学校の教職員関係者たちによるストライキが起きました。ストライキとは何らかの理由や不満、あるいは要望(給料が安い、給料が払われない、労働時間が長い、つらい、給料に釣り合っていない、などなど。)があるときに、会社であれば社長や取締役などのえらい立場の人たち、教師など公務員関係者であれば政府に対してなど、自分たちの主張を受け入れさせるために仕事を放棄することです。簡単に言えば、給料を上げると約束するまで仕事をしない、というのがストライキです。

 おそらく日本ではそんなに頻繁には起きないことだと思います。起きたとしても数日で終わるでしょう。例えば電車の会社がストライキを起こして働かないと言ったら、たくさんの人が困ってしまいます。ストライキする側も多くの人に迷惑をかけることを考えるでしょう。また日本では給料を上げるには文句を言うのではなく、むしろもっと一生懸命働かないといけない、そう考える人も少なくないのではないでしょうか。こうした考え方は日本の素晴らしい面だと思いますし、外国から見れば、日本人は真面目で働きものというイメージがあるのもそのためかもしれません。

 話は戻ってコスタリカのストライキです。この教育関係者のストライキはなんと1ヶ月間続きました。つまり、1ヶ月間コスタリカ全土の公立の小中学校は閉鎖されました。原因は一部の教職関係者への2、3ヶ月分の給与未払いということでした。政府も政権が変わったばかりの頃で対応が遅れたというのもあるでしょうが、1ヶ月も続くというのはやはり途上国ならではではないでしょうか。

 このストライキの影響もあり、結局大学生が小学校に行く、野球を紹介するという計画は実行することができませんでした。

ストライキに参加中の教職員関係者
ストライキに参加中の教職員関係者

道路にもあふれるほど
道路にもあふれるほど

大学と連携、新プロジェクト~その後~

 さて、先に説明したストライキの影響で計画を変更しなければなりませんでしたが、とりあえず学生が小学校に行く予定であった期間は野球の講義を延長し、継続していきました。そして、最終的に3つの小学校から合計55名ほどの生徒を招待して野球教室を実施しました。講義を通して野球を学んだ学生たち自らが、野球教室の内容を計画し、小学生に指導するというものです。自分が指導した大学生は二年生36名、四年生18名の2クラスあり、それぞれの学年の学生が二日間に渡って実施しました。  

投げ方を指導する大学生
投げ方を指導する大学生 
バッティングを指導中
バッティングを指導中 
大学生、参加小学生と
大学生、参加小学生たちと 

レポート4-2へ

コスタリカ共和国平成25年度1次隊 職種:野球 加藤直樹 サントドミンゴ野球協会