ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

原子力用語集

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年8月23日更新

※「原子力安全技術センター原子力防災基礎用語集」を参考

ショートカットリンク(各行へジャンプします)
あ行】【か行】【さ行】【た行】【な行】【は行】【ま行】【や行】【ら行】【わ行


【あ行】

  • IAEA(国際原子力機関、International Atomic Energy Agency)
     世界平和・健康及び繁栄のため原子力の貢献を促進すること、また、軍事転用されないための保障措置を実施することを目的に1957年に設立された国際機関である。
  • ICRP(国際放射線防護委員会、International Commission on Radiological Protection)
     専門家の立場から放射線防護に関する勧告を行う国際組織。ICRPが出す勧告は国際的に権威あるものとされ、IAEAの安全基準や世界各国の放射線防護の考え方や法令の基本となっている。
  • IRID(国際廃炉研究開発機構、International Research Institute for nuclear Decommissioning)
     アイリッドと呼ばれ、東京電力福島第一原子力発電所の廃止措置に関する研究開発、国際機関や国内機関との協力の推進、研究開発に関する人材育成を行っている組織。
  • アクシデントマネージメント
     原子炉での異常事象(事故)発生時、炉心の重大な損傷(多数の燃料の破損又は炉心の溶融等)に至る事故(シビアアクシデント)への拡大を防止するとともに、シビアアクシデントに至った時の影響を緩和する対策を講じることである。
  • アルファ線(α線)
     放射線の一種で、陽子2個と中性子2個からなるヘリウムの原子核と同じ構造の粒子である。物質を通り抜ける力は弱く、衝突した相手を電離する能力が高い。そのため、人体外部で受けた場合、皮膚の表面で止まってしまうために影響はほとんどない。しかし、体内に摂取した場合、細胞が集中してα線の全エネルギーを受けるために影響が大きくなる。
  • アルファ崩壊(α崩壊)
     重い原子核がアルファ粒子を放出して、より軽い原子核とヘリウム原子核になること。原子番号と中性子数が2減る(すなわち、質量数が4減る)ことである。
  • ALPS(多核種除去設備、Advanced Liquid Processing System)
     アルプスと呼ばれる東京電力福島第一原子力発電所建屋内に滞留している汚染水を浄化するための設備。トリチウム以外の大半の放射性物質を取り除くことができる。多核種除去設備、増設多核種除去設備、高性能多核種除去設備の3設備がある。
  • ERSS(緊急時対策支援システム、Emergency Response Support System)
     原子力発電所の万一の事故等の緊急時に電気事業者から送られてくる情報に基づき、当該原子力発電所の機器の状態を監視し、専門的な知識データベースにもとづいて現在の施設の状態を判断し、その後の事故進展をコンピュータにより計算して予測するシステムである。「情報収集システム」、「判断・予測支援システム」及び「解析予測システム」から構成されている。
  • ECCS(非常用炉心冷却装置、Emergency Core Cooling System)
     原子炉内の冷却水が減少したり、配管が破れて急速に冷却水が流失したときなどに、緊急に炉心を冷却するために設けられている装置。原子炉の中へ大量の水を送り込んだり、燃料棒に直接水をかけて冷やしたりして、燃料棒の崩壊熱による破損を防止する。
  • EPZ(防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲、Emergency Planning Zone)
     原子力施設からの放射性物質又は放射線の異常な放出を想定し、周辺環境への影響、周辺住民等の被ばくを低減するための防護措置を短期間に効率良く行うため、あらかじめ異常事態の発生を仮定し、施設の特性等を踏まえて、その影響の及ぶ可能性のある範囲を技術的見地から十分な余裕を持たせて定めた範囲である。
  • インターロックシステム
     原子力施設において、運転員が誤った操作をしようとしても作動しない事故を防止するための重要なシステム。例えば、誤って制御棒の引抜き操作を実施しようとしても、機械的または電気的な方法によって制御棒が引き抜けないようになっている。
  • 宇宙線
     宇宙より地球大気中に降り注ぐ素粒子や原子核のことで、宇宙線には、一次宇宙線と、一次宇宙線が大気中の原子核と相互作用を起こした二次宇宙線があり、一部は地表に到達する。自然放射線のうちかなりの部分を宇宙線が占めていて、宇宙線の強さは高度とともに増加する。また太陽活動や緯度の違いによっても変化する。
  • ウラン
     天然に存在する92種類の元素の中で最も重い元素で、すべて放射性同位元素である。天然のウランにはウラン-234(存在比0.005%)、ウラン-235(同0.72%)、ウラン-238(同99.275%)が存在する。このうち原子炉で核分裂するのはほとんどがウラン-235で、ウラン-238は原子炉中で中性子を吸収しプルトニウム-239となる。
  • ウラン系列
     ウラン-238から始まり、様々な核種を経て、最終核種である鉛-206に至るまでの崩壊過程である。 
  • エックス線(X線)
     透過力(物質を透過する能力)の大きい電磁波(光の一種)で、通常、タングステンに高速の電子を打ち込んで発生させる。1895年にドイツの物理学者ウィルヘルム・レントゲンにより発見されレントゲン線とも呼ばれる。医療や非破壊検査等に使われている。
  • NDF(原子力損害賠償・廃炉等支援機構、Nuclear damage compensation and Decommissioning Facilitation corporation)
     大規模な原子力損害が発生した場合に原子力損害賠償の迅速かつ適切な実施及び電気の安定供給等の確保を図ることや廃炉等を実施するために必要な技術に関する研究及び開発、助言、指導及び勧告の業務を行っている組織。
  • FHM(燃料取扱機、Fuel Handling Machine)
     新燃料を原子炉圧力容器内に移動する際や使用済燃料を原子炉圧力容器内から使用済燃料プールへ搬出するために用いられる装置。
  • LTD(エルティディ)
     検出限界未満のことをLTD(Less Than Detectable)と表記する。
  • OIL(運用上の介入レベル、Operational Intervention Level)
     防護措置導入の判断に用いられる測定器による測定値より求めたレベルをいう。事故の態様、放出放射性核種の別、気象条件、被ばくの経路等を仮定して、包括的判断基準に相当する計測可能な値として導き出される。OILとしては、空間線量率、表面汚染密度、空気中放射性物質濃度等の様々な値が考えられる。
  • オフサイトセンター(緊急事態応急対策拠点施設)
     原子力災害発生時に原子力施設の周辺住民等に対する放射線防護対策など様々な応急対策の実施や支援に関係する国、地方公共団体、(独)放射線医学総合研究所、(独)日本原子力研究開発機構等の関係機関及び専門家など様々な関係者が一堂に会して情報を共有し、防護対策を検討する拠点となる施設である。
  • 親核種
     ある放射性核種(A)が崩壊して別の核種(B)に変化したとき、AをBの親核種という。このときBはAの娘核種と呼ばれる。 

【か行】

  • ガイガー=ミューラー計数管(GM計数管)
     ベータ線やガンマ線の検出器で、表面汚染測定(スクリーニング)によく用いられる。放射線の入射によって一定の電離電流(パルス電流)が得られるようにした計測管である。
  • 外部被ばく
     人体が放射線を受けることを放射線被ばくといい、放射線を体の外から受けることを外部被ばくという。起因となる主な放射線はガンマ線、エックス線、ベータ線及び中性子線である。
  • 核種(放射性核種)
     原子核の種類のことをいい、原子番号と質量数で区別する。例えば、水素(原子番号1)には、質量数が1の核種(軽水素)と、2の核種(重水素)及び3の核種(トリチウム)の3つの核種が存在する。
  • 確定的影響(非確率的影響)
     しきい値を超える被ばくをした場合にだけ現れ、受けた放射線の量に依存して症状が重くなるような影響。大量の放射線を受けた結果多数の細胞死が起きたことが原因と考えられる。確定的影響には、急性の骨髄障害、胎児発生への影響(精神遅延、小頭症)、白内障等が含まれる。 
  • 核分裂
     ウラン-235などの重い原子核が外部からの中性子を吸収すると不安定になり、2個以上の原子核に分裂する現象をいいます。その際2~3個の中性子が飛び出し、さらに他のウラン-235などの原子核を分裂させる。これが次々と起こることが核分裂連鎖反応である。
  • 核分裂生成物
     ウラン-235やプルトニウム-239等が核分裂することによって生じた核種の総称で、FP(Fission Products)とも略称される。主要なものとしてはセシウム137、ストロンチウム90などがある。FPの多くは原子核が不安定で、放射線を出して別の原子核に変わっていく(壊変)。多くの場合は、一回壊変してもなお不安定で、さらに放射線を出して壊変を続ける。こうしたFPの半減期は短いものが多いが、なかには何万年と長いものもある。
  • 確率的影響
     放射線被ばくによる単一の細胞の変化が原因となり、受けた放射線の量に比例して障害発症の確率が増えるような影響で、しきい値がないと仮定されている。がんと遺伝性影響が含まれる。放射線によってDNAに異常(突然変異)が起こることが原因と考えられている。
  • 仮想事故
     原子炉の設置に先立って行う安全審査の際、その立地条件の適否を判断するための「原子炉立地審査指針」において、重大事故を超えるような、技術的見地からは起こるとは考えられない事故。沸騰水型原子炉の場合、重大事故と同種の原子炉冷却材喪失事故及び主蒸気管破断事故が選定されている。
  • カリウム40
     カリウムの中に約0.0117%含まれており、天然に存在する放射性核種の主要なものである。動植物中にも含まれていて環境試料中からも広く検出される。人間には筋肉を中心に約4000ベクレル含まれている。
  • 環境試料
     原子力発電所の事故影響による環境放射能を測定するため、県内全域で採取され、分析される陸土、上水、海水、海底沈積物、農畜産物、水産物等である。
  • 環境モニタリング指針
     原子力施設の周辺で実施される環境放射線モニタリングの技術の水準を向上させ、及び斉一化させるため、環境放射線モニタリングの計画、測定、結果の評価等を行うにあたっての基本的考え方を取りまとめたものである。
  • ガンマ線(γ線)
     放射性物質から放出される放射線で、電磁波の一種である。波長が短く、物を透過する能力が大きいことから、外部被ばくでの影響が大きい。原子力発電所では厚いコンクリートの壁などで何重にも遮へいしている。
  • ガンマ線スペクトロメータ
     ガンマ線検出器と波高分析器で構成される、ガンマ線のエネルギー分布を測定する装置である。放射性核種からのガンマ線は、それぞれ固有のエネルギーを持っているので、分布を測定することにより、放射性核種の種類がわかる。
  • 希ガス
     周期律表第18族元素の総称でヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン及びラドンの6元素をいい、大気中に含まれる量が非常に少ないので希ガスと呼ばれています。原子力分野では主に核分裂生成物のクリプトンとキセノンの放射性同位体を指します。
  • 帰還困難区域
     5年間を経過してもなお、年間積算線量が20ミリシーベルトを下回らないおそれのある、現時点で年間積算線量が50ミリシーベルト超の地域。住民の一時立ち入りの際、スクリーニングを確実に実施し個人線量管理や防護装備の着用を徹底することとしている。
  • キャスク
     放射性物質を輸送するために用いる輸送容器。収納物の性格に応じてそれぞれ技術基準が設けられており、L型・IP型・A型・B型と大きく4種類に分類される。
  • キャニスター
     使用済燃料の再処理の過程で発生する高レベル放射性廃液はガラスに混合し、ステンレス製円筒容器に流し込んで固化し、冷却のため30~50年間保管され、最終的には地下数百メートルの深い地層に埋設される計画となっている。このステンレス製容器をキャニスターと呼んでいる。 
  • 吸収線量
     ある任意の物質中の単位質量あたりに放射線が付与したエネルギーの平均値である。国際単位系(SI単位系)はJ/kgであるが、これにはグレイ(Gy)という特別な名称が付けられている。
  • キュリー(記号Ci)
     放射能の古い単位である。1Ci=3.7×1010ベクレルに等しい。
  • KURION(キュリオン)
     東京電力福島第一原子力発電所建屋内に滞留している汚染水を浄化するための設備であり、セシウム吸着装置として使用されている。
  • 居住制限区域
     年間積算線量が20ミリシーベルトを超えるおそれがあり、住民の被ばく線量を低減する観点から引き続き避難の継続を求める地域。帰還に数年以上を要するとみられる区域として計画的避難区域と同様な運用が実施される。住民の一時帰宅、通過交通、インフラ復旧等の公共目的の立ち入りは認められている。
  • 緊急事態判断基準(15条事態)
     国は、原子力災害対策特別措置法(原災法)第10条にもとづく原子力事業所からの通報後、引き続き原子力事業所の状況、放射線量等に関する情報を入手し、原災法第15条に該当するかどうかの判断を行う。また、該当すると判断した場合には、緊急事態宣言を発出し原子力災害対策本部を立ち上げる。緊急事態判断基準(15条事態)は次のとおりである。
    ・原子力事業者または関係都道府県の放射線測定設備により、事業所境界付近で500マイクロシーベルト/時を検出した場合
    ・排気筒等通常放出場所、管理区域以外の場所、輸送容器から1m離れた地点で、それぞれ通報事象の100倍の数値を検出した場合
    ・臨界事故の発生
    ・原子炉の運転中に非常用炉心冷却装置の作動を必要とする原子炉冷却材の喪失が発生した場合において、すべての非常用炉心冷却装置の作動に失敗すること 等
  • 空間積算線量
     ある地点において一定の期間内にどの程度空間放射線を受けたかを示すものである。本県では、蛍光ガラス線量計を設置し、3ヶ月間の空間積算線量を測定している。
  • 空間線量率
     空間中の放射線の量を1時間当たりで表したものである。降雨などの気象状況により数値の変動がある。
  • クリプトン85
     ウラン-235の核分裂反応により生成し、核実験や原子炉の中で作られる。半減期は10.76年の放射性物質である。 
  • グレイ
     ある物質が放射線のエネルギーをどの程度吸収したかを表す単位である。
  • 警戒区域
     市町村長が設定する、住民の生命又は身体に対する危険を防止するため、立入制限や退去等を命ずる区域である。
  • 計画的避難区域
     東京電力福島第一原子力発電所事故の際に実施された防護対策の一つであり、福島第一原子力発電所から半径20kmから30km圏内に位置する市町村において、事故発生から1年間で被ばく線量が20ミリシーベルトに達するおそれのある区域である。
  • 計数率
     放射線を計数装置(測定器に入射した放射線の数を数える装置)で測定したときの単位時間あたりの数(カウント数)をいう。1分間あたりの計数率はcpmと表記し、1秒間あたりの計数率はcpsと表記する。
  • ゲルマニウム半導体検出器
     ゲルマニウム半導体の電離作用を利用した放射線検出器の一つである。優れたエネルギー分離能を有しているため、ガンマ線スペクトル測定による放射性核種の同定に広く利用されている。
  • 原子力緊急事態宣言
     原子力災害対策特別措置法第15条に定める原子力緊急事態に至った場合、内閣総理大臣による原子力緊急事態宣言が発出される。国は原子力災害対策本部(本部長:内閣総理大臣)の設置、原子力事業者、国の各機関、関係自治体等に対する必要な指示等を行うとともに、原子力災害現地対策本部(本部:副大臣)をオフサイトセンターに設置し、原子力災害合同対策協議会が組織される。
  • 原子力災害対策特別措置法(原災法)
     臨界事故の教訓を踏まえ、(1)迅速な初期動作の確保、(2)国と地方公共団体の有機的な連携の確保、(3)国の緊急時対応体制の強化、(4)原子力事業者の責務の明確化を図るとして2000年6月16日に施行された法律である。また、原子力災害の特殊性に配慮し、原子力災害の予防に関する原子力事業者の義務、内閣総理大臣の原子力緊急事態宣言の発出及び原子力災害対策本部の設置並びに緊急事態応急対策の実施その他原子力災害に関する事項について特別の措置を定めることにより、原子炉等規制法、災害対策基本法等の足りない部分を補い、原子力災害に対する対策の強化を図る。また、これにより原子力災害から国民の生命、身体または財産を保護することと規程している。
  • 原子炉圧力容器(RPV、Reactor Pressure Vessel)
     原子力発電所の核燃料、減速材及び一次冷却材など原子炉の主要構成材料を収納し、その中で核分裂のエネルギーを発生させる容器である。
  • 原子炉格納容器(PCV、Primary Containment Vessel)原子炉圧力容器やポンプなど重要な機器をすっぽり覆っている機密構造物をいう。原子炉事故で放射性物質が原子炉圧力容器の外に漏れだした際に閉じ込めて外部に放出させない機能も有している。 

【さ行】

  • サブドレン
     建屋周辺の地下水位を調整するために設置された井戸で、東京電力福島第一原子力発電所では、集水設備、浄化設備、移送設備から構成され、浄化された地下水は海へ放出されている。
  • SARRY(サリー、Simplified Active water Retrieve and RecoverY system)
      東京電力福島第一原子力発電所内に滞留している高濃度汚染水からセシウムを除去し浄化するための設備。第二セシウム吸着装置とも呼ばれる。
  • CRD(制御棒駆動機構、Control Rod Drive)
     原子炉手動制御系からの信号により、制御棒(CR)を引き抜いたり挿入したりする設備。
  • シーベルト(Sv)
     被ばくによるリスクを推定するための尺度となる線量の単位である。
  • JCO臨界事故
     1999年9月30日、茨城県東海村にあるJCO東海事業所転換試験棟において国内で初めて発生した臨界事故。臨界状態は約20時間続いた後終息した。
  • しきい値
     一般的にある値以上で影響が現れ、それ以下では影響がない境界の値のことである。
  • 自然放射線
     自然界にある放射線(宇宙線及び自然放射性核種に由来する放射線)であって、原子力利用や放射線発生装置の利用によって発生する人工放射線と対比して用いられる言葉である。
  • 自然放射性物質
     自然界に元々存在する放射性物質(カリウム40、ラドン、トロン)のことである。
  • 実効(有効)半減期
     生体内に取り込まれた放射性物質の量が、放射性壊変による半減期(物理的半減期)及び身体の代謝による半減期(生物(学)的半減期)の双方によって元の量の半分になるまでの時間である。
  • シビアアクシデント
     一般に、設計基準事象を大幅に超える事象であって、安全設計の評価上想定された手段では適切な炉心の冷却又は制御ができない状態にあり、その結果、炉心の重大な損傷に至る事象をいう。原子炉の場合には特に炉心損傷事故ともいう。
  • 指標生物
     放射性物質の生体濃縮の速度や度合いが大きく、かつ、その地域で容易に採取できる生物であって、その放射能監視を行うことが簡便かつ有効である生物をいいます。陸上では松葉、ヨモギ等、海洋ではほんだわら、カジメ等があります。
  • 重大事故
     原子力発電所の立地条件の適否を判断するための「原子炉立地審査指針」において、敷地周辺の事象、原子炉の特性、安全防護設備等を考慮し、技術的知見からみて、最悪の場合には起こるかもしれないと考えられる事故をいう。
  • 周辺監視区域
     原子力施設の周辺に設けられる区域で、その外側のいかなる場所においてもその場所における放射線量が1年間に1ミリシーベルトを超えるおそれがない区域である。
  • 照射線量
     乾燥空気に対する電離能力で定義されたエックス線やガンマ線の線量。国際単位系(SI単位系)はC/kgである。
  • 使用済燃料
     原子炉で燃やされ、使い終わった燃料をいう。
  • 除染
     身体や物体の表面に付着した放射性物質を除去する、あるいは付着した量を低下させること。除染対象物によりエリアの除染、機器の除染、衣料の除染、皮膚の除染などに分けられる。
  • シリコン半導体検出装置
     高純度のシリコン結晶は放射線のエネルギーを電気信号に変換するセンサーとして動作する。エネルギー分解能がよく主にα線のスペクトル測定に使われる。
  • シンチレーション検出器
     放射線を受けると蛍光作用により蛍光を発するシンチレータ(発光体)とその蛍光を検知する装置よりなる検出器。シンチレータには、有機物やプラスチック、無機結晶(NaI(Tl)、CsI)等がある。
  • スクラム(原子炉緊急停止)
     原子炉に異常が発生した場合に原子炉を緊急停止させることを原子炉スクラムという。原子炉に設置されている検出器の信号が原子炉の運転条件の限界範囲(スクラム条件)を超えた場合、自動的に負の反応度を加えて、すみやかに原子炉を停止させるようになる。
  • ストロンチウム90
     核分裂によって生成する核種の一つで、半減期が約28年と長く、カルシウムとともに人体組織の骨に沈着する性質がある。
  • スリーマイル島原子力発電所事故
     昭和54年3月28日にアメリカペンシルベニア州のスリーマイル島原子力発電所2号機(PWR)で発生した事故。炉心の一部が溶融し、周辺に放射性廃棄物が放出され、住民の一部が避難する事態となった。
  • 制御棒パターン調整
     燃料を効率よく燃焼(核分裂反応)させるため、制御棒の挿入位置の調整を計画的に行なうこと。制御棒パターン調整をすると一時的に発電機出力が低下する。
  • 生物(学)的半減期
     放射性物質が体内に取り込まれると一部は人体の代謝作用で生理的に体外に排出される。この作用により、取り込まれた量が半分になるまでの時間である。
  • 積算線量
     一定期間内に外部から受ける放射線の総量。熱蛍光線量計(熱ルミネッセンス線量計)または蛍光ガラス線量計を用いて測定する。
  • セシウム134
     セシウムの放射性同位体の1つで、質量数が134の同位体を指す。半減期2.065年でβ線、γ線を放出する。
  • セシウム137
     セシウムの放射性同位体の1つで、質量数が137の同位体を指す。半減期は30.04年でβ線、γ線を放出する。ウラン等の核分裂によって生成される放射性同位体である。
  • セシウムボール
     東京電力福島第一原子力発電所事故時に環境中に放出された放射性セシウムを含んだ微小なガラス状物質のこと。 
  • 全アルファ放射能
     大気浮遊じん中の放射能のうち、観測されたアルファ線をすべて含めたものである。
  • 全ベータ放射能
     大気浮遊じん中の放射能のうち、観測されたベータ線をすべて含めたものである。
  • 線量限度
     ICRP(国際放射線防護委員会)が職業上放射線被ばくを伴う業務の従事者や一般公衆に対して勧告している被ばくの上限値である。 

【た行】

  • 大気安定度
     大気中に放出された放射性物質の拡散予測に用いられ、風向風速とともに重要な気象パラメータのひとつ。拡散の度合いを示す指標で、A~Gに分類されます。Aは大気が不安定であり放射性物質は拡散される。Gは大気が安定しており放射性物質は拡散されにくく遠くまで運ばれる。
  • 大気浮遊じん
     原子力発電所から放出される粒子状の放射性物質を把握するため、大気中に浮遊するじん埃(ほこり)を捕集し、その放射能を測定している。通常観測される放射能は、大地に由来する放射性核種(ウラン系列及びトリウム系列)によるものである。
  • ダストモニタ
     空気中の塵埃を捕集するためのダストサンプラ及びろ紙に捕集された放射性物質を測定する検出器から構成され、空気を連続的にサンプリングして空気中の放射性物質濃度を測定する機器。
  • チェルノブイリ原子力発電所事故
     ウクライナ共和国のチェルノブイリ原子力発電所4号機(旧ソ連キエフ市北方約130kmのチェルノブイリ)で1986年4月26日に起きた原子炉事故である。蒸気爆発と水素爆発で炉心が損傷、建物の一部が吹き飛び、また減速材の黒鉛による火災が起こり、大量の放射性物質が放出され、地球規模での放射能汚染をもたらした。原因は、原子炉設計上の問題点と操作員の規則違反操作によるものであった。
  • 中性子(線)
     原子核を構成する素粒子の一つで、電荷を持たず、質量が水素の原子核(陽子)の質量とほぼ等しい。中性子線は、ガンマ線のように透過力が強いので、人体の外部から受けるとガンマ線の場合と同様に組織や臓器に影響を与える。吸収された線量が同じであれば、ガンマ線よりも中性子線の方が人体に与える影響は大きい。
  • 地下水バイパス
     東京電力福島第一原子力発電所の汚染水対策施設の内の1つ。原子炉建屋等の山側(西側)から流れてくる地下水が建屋に入る前にくみ上げ、その後、専用タンクに貯水した後に放射性物質濃度が基準値以下であることを確認し、海に排水されている。平成26年から運用が開始された。   
  • 超ウラン元素
     原子番号92のウランより大きな原子番号をもつ元素の総称。人工放射性核種で天然には存在しない。ネプツニウム、プルトニウム、キュリウムなどがある。
  • 通報基準(10条通報)
     原子力災害対策特別措置法第10条による特定事象が発生した場合、原子力事業者から国、地方公共団体へ通報する基準のことである。 
  • 定期検査
     原子力発電所の安全な運転を確保するため、国は、約13ヶ月に1回、法律に基づいて原子炉、タービン、発電機等の設備を点検する。また、事業者は、自主的にそれ以外の部分についても細部まで点検を実施する。
  • 電離箱
     放射線によって空気やその他の気体の中に生じたイオンの量を検出し、その放射線の量を測る装置。これを利用した放射能測定器には、ガンマ線量率計、ベータ線量計等がある。
  • 等価線量
     しきい値未満の被ばくによる影響の指標になる線量である。確率的影響の発生確率は、放射線の種類やエネルギーにより異なるため、放射線の種類・エネルギーによる違いを補正する放射線荷重係数を、組織・臓器の吸収線量に乗じて求めることができ、各組織・臓器の確率的影響を全ての放射線に対して、共通の尺度で評価することができる。単位にはシーベルト(Sv)が用いられる。
  • 東京電力福島第一原子力発電所事故
     福島県太平洋沿岸に設置してある東京電力福島第一原子力発電所において、2011年3月11日14時46分に発生した東北地方太平洋沖地震による地震動並びに地震に付随して発生した巨大津波の襲来に起因して起こった事故である。 
  • トリチウム
     水素の放射性同位体である三重水素の別称。原子核が陽子1個と中性子2個からなっている。原子炉内でも生成するが、宇宙線と大気中の窒素や酸素との反応でも生成するので、自然界にも存在している。 半減期は約12.3年である。

【な行】

  • 内部被ばく
     人体が放射線を受けることを放射線被ばくといい、身体内に取り込んだ放射性物質に起因する特定臓器・組織の被ばくを内部被ばくという。放射性物質を体内に取り込む経路には、放射性物質を含む空気、水、食物などの吸入摂取、経口摂取、経皮吸収がある。
  • 楢葉町駐在
     東京電力の廃炉に向けた取り組みの監視体制を強化するため、平成26年4月1日に設立された福島県原子力安全対策課の組織。福島県楢葉町オフサイトセンターに職員が駐在し、平日は毎日現場状況を確認している。また、トラブル時には夜間・休日も問わず迅速な情報収集を実施している。
  • 熱蛍光線量計
     空間積算線量を測定するため、熱蛍光線量計(TLD)を使用している。硫酸カルシウムなどの結晶に放射線が当たった後に加熱すると蛍光を発する原理を利用している。
  • 年間放出管理目標値
     施設周辺の公衆の受ける線量の目標値(線量目標値)を超えることのないよう、ALARA(合理的に達成できる限り低く)の精神にのっとり、周辺公衆の線量を低く保つための努力目標値として定めたものである。従って、法律に定める濃度限度の規制値に代わるものではない。
  • 年間放出管理の基準値
     トリチウムについては、他の放射性物質と比較して公衆へ与える影響が相対的に小さく重要度が違うことから目標値とはせず、基準値と記載し別項としている。
  • 燃料デブリ
     原子炉冷却材の喪失により原子炉燃料が溶融し原子炉構造材や制御棒等と共に冷えて固まったもの。

【は行】

  • 排気筒
     発電所建物内を換気した空気を大気中に放出する設備である。排出にあたっては、放射線モニタにより放射能を常時監視している。
  • 発電機解列
     発電所の主発電機を送電系統から切り離すことである。
  • 発電機並列
     発電所の主発電機を送電系統に連結させることである。送電系統に連結することによって、発電した電気を需要箇所に送ることができるようになる。また、送電系統に連結させた発電機の運転状態は、送電系統の周波数変化等の影響を受けるようになる。
  • 半減期
     放射性物質は放射線を放出すると放射能の量が減少し、放射能の量が当初の半分となる時間が半減期である。放射性物質の種類により半減期は異なり、セシウム137では約30年、ヨウ素131では約8日、カリウム40では約127億年等さまざまである。
  • PAZ(予防的防護措置を準備する区域、Precautionary Action Zone)
     急速に進展する事故を考慮し、重篤な確定的影響等を回避するため、緊急事態区分に基づき、直ちに避難を実施するなど、放射性物質の環境への放出前の予防的防護措置(避難等)を準備する区域である。
  • PPA(プルーム通過時の被ばくを避けるための防護措置を実施する地域、Plume Protection planning Area)
     放射性物質を含んだプルーム(放射性プルーム)通過時における被ばくの影響を避けるため、自宅への屋内退避等を中心とした防護措置を実施する地域である。
  • 避難指示解除準備区域
     早期帰還を目指す年間積算線量が20ミリシーベルト以下となることが確実であることが確認された地域。主要道路における通過交通、住民の一時帰宅は柔軟に認められている。また、一時的な立ち入りの際には、スクリーニングや線量管理等の防護措置は原則不要である。
  • 風評被害
     事実でないのに、噂によってそれが事実のように世間に受け取られ、被害を被ること。また、実際には起こっていない、あるいは大したことのない問題が大げさに取り上げられ、噂が広まりその結果、問題の発生源とされる人や組織があらぬ被害を被ることである。 
  • フェイルセーフ
     機器などに故障が生じた場合において、それが波及して事故に発展することのないよう、安全側に機能するような設計思想のこと。この設計思想を取り入れたシステムをフェイルセーフシステムといい、原子力発電所では、制御棒駆動用電源が失われても水圧または重力で自動的に制御棒が炉心に挿入され、原子炉の運転が停止されるシステムとなっている。
  • フォールアウト(放射性降下物)
     核爆発、原子力事故による爆発及び放射能漏れ等によって生じた放射性物質を含んだ粒子状物質などが降下したものである。
  • 沸騰水型原子炉(BWR)
     原子炉の冷却水を直接沸騰させてできた蒸気をタービンに送り発電する型の発電用原子炉。構造は簡単であるが、タービンにはごく少量の放射性物質を含んだ蒸気が送られることになる。冷却水の圧力は概ね7.0MPa、原子炉出口の蒸気温度は概ね285℃である。
  • プルサーマル
     使用済燃料を再処理することにより回収されたプルトニウムを、軽水炉の燃料として再利用すること。プルトニウムは原子炉の中で燃えないウラン-238が変換したもので、このことにより、ウランの利用率を高めることができる。プルサーマル燃料は、ウランとプルトニウムの混合酸化物燃料(MOX燃料)として、MOX燃料加工施設で製造される。
  • プルトニウム
     原子番号94の元素で自然界には存在しない放射性物質である。ウランの核反応により生成し、プルトニウム自体は核分裂することから原子燃料として再利用することができる。環境試料中におけるプルトニウムは、そのほとんどが過去の大気中核爆発実験による放射性降下物に由来するものである。
  • ベータ線(β線)
     原子核のベータ崩壊に伴って、原子核から飛び出す電子のことで、マイナスの電荷を持っているものと、プラスの電荷を持っているものがある。人体に与える影響はガンマ線より大きいが、アルファ線より小さい。 
  • ベクレル
     放射能の単位で、原子核の単位時間あたりの壊変数である。1ベクレルは、1秒間に1個の原子核が崩壊する量である。
  • 防災業務計画
     災害対策基本法に基づき、関係省庁、原子力事業者、指定公共機関及び指定地方公共機関が作成する防災のための業務計画。原子力災害に係る防災業務計画は、原子力災害対策特別措置法第7条第1項の規定に基づき、原子力事業者は当該原子力事業所における原子力災害予防対策、緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策その他の原子力災害の発生及び拡大を防止し、並びに原子力災害の復旧を図るために必要な業務を定め、原子力災害対策を円滑かつ適切に遂行することを目的として計画されている。
  • 放射性液体廃棄物
     放射性液体廃棄物には、ポンプの軸封水、イオン交換樹脂の再生に使用した水、管理区域で使用する作業服の洗濯水などがある。これらの放射性液体廃棄物は、それぞれタンクに集め、フィルタやイオン交換樹脂で浄化し再使用する。再使用にあたって余剰が生じた場合は放射能が十分少ないことを確認の上、復水器冷却水で希釈しながら海へ放出している。
  • 放射性気体廃棄物
     放射性気体廃棄物には、建屋を換気した空気や復水器から抽出される空気がある。これらは環境へ影響を及ぼさないよう専用の装置やフィルタなどの設備を通った後、放射線モニタで監視し排気筒から放出される。
  • 放射性同位元素(ラジオアイソトープ)
     放射性同位体ともいう。同じ原子番号(陽子の数)を持つ原子間で質量数が異なる原子をお互いに同位体という。同位体には、安定な同位体と不安定な同位体がある。このうち、不安定な同位体はより安定な同位体になろうとして、アルファ線、ベータ線、ガンマ線等の放射線を放出する。放射線を放出する同位体を放射性同位体といい、ラジオアイソトープ(RI)とも呼ばれる。放射性同位体には、トリチウム(水素-3)、炭素-14、カリウム-40など約2500種類がある。
  • 放射能プルーム(放射能雲)
     気体状(ガス状あるいは粒子状)の放射性物質が大気とともに煙突から煙のように流れる状態である。
  • 放射性崩壊(壊変)
     原子核が不安定な状態から、粒子を出して別の原子核又は安定な状態の原子核に変わる現象。代表的なものにアルファ壊変、ベータ壊変及びガンマ放射(崩壊)がある。壊変後の原子核で、エネルギーが高く不安定な状態にあるものは余分なエネルギーを電磁波であるガンマ線として放出し、安定になる場合が多い。
  • 放射線
     ウランなど、原子核が不安定で壊れやすい元素から放出される高速の粒子(アルファ粒子、ベータ粒子)や高いエネルギーを持った電磁波(ガンマ線)、加速器などで人工的に作り出されたエックス線、電子線、中性子線、陽子線、重粒子線等のことである。
  • 放射線感受性
     狭義には、放射線被ばくした場合の「障害の起こりやすさ」、広義には、さまざまな指標に関して相対的な「効果の現れやすさ」を指す。個体に関しても、組織や細胞に関しても用いる。遺伝的背景、照射時の環境、放射線の線質、線量率、細胞周期等により放射線感受性は左右される。人体で放射線に高い感受性を急性期に示すのは、骨髄、リンパ節、脾(ひ)臓等の造血組織や胃、腸等の上皮組織、生殖腺、皮膚等がある。
  • 放射能
     不安定な原子核は放射線を放出してより安定な原子核に変わる。この時、原子核から放出される放射線の種類には、アルファ線、ベータ線、ガンマ線等がある。原子核が放射能を出す能力を放射能という。放射能の単位はベクレル(Bq)で表される。
  • ホールボディカウンター
     内部被ばく線量を調べるために、人間の体内に摂取され沈着した放射性物質の量を体外から測定する装置。ヒューマンカウンター、全身カウンターとも呼ばれる。
  • ポケット線量計
     放射線の電離によって生じた蓄積電荷量から総被ばく量を推定する線量計である。
  • ほんだわら
     褐色の色素を持った海藻(褐藻類)のひとつであり、わかめ、こんぶ、ひじきなどの仲間である。広く生息していることから、指標海洋生物として調査対象としている。  

【ま行】

  • 娘核種
     →親核種を参照。
  • モニタリング
     放射線を定期的あるいは連続的に監視・測定することである。
  • モニタリングステーション
     原子力発電所や再処理工場等の原子力施設からの放射線等を常時監視する目的で設置された、放射線機器・気象機器・無線機等の機器類を整備した放射線観測局のことである。
  • モニタリングポスト
     原子力発電所周辺地域において、空間線量率などを連続測定している施設のことをいい、測定データはテレメータシステムにより常時監視している。県では23地点(うち4地点は津波で流失)、東京電力(株)福島第一原子力発電所では8地点、同第二発電所では7地点で観測している。
  • ミュオン
     ミュー粒子とも呼ばれる素粒子の1つ。東京電力福島第一原子力発電所では原子炉を通過するミュオンの測定により炉内に残存する燃料デブリの位置把握に用いられた。

【や行】

  • UPZ(緊急防護措置を準備する区域、Urgent Protective action planning Zone)
     国際基準等に従って、確率的影響を実行可能な限り回避するため、環境モニタリング等の結果を踏まえた運用上の介入レベル(OIL)、緊急時活動レベル(EAL)等に基づき、避難、屋内退避、安定ヨウ素剤の予防服用等を準備する区域である。
  • ヨウ素131
     ヨウ素の放射性同位体の1つで、質量数が131の同位体を指す。半減期8.021日でβ線、γ線を放出する。
  • ヨウ素剤
     原子力災害時等により、放射性ヨウ素が体内に摂取されると、甲状腺に集まりやすい性質がある。この放射性ヨウ素による甲状腺被ばくを軽減するために服用する医薬品がヨウ素剤である。体内に摂取された放射性ヨウ素は迅速に血液中に移行するが、ヨウ素剤を摂取することで、血液中の安定ヨウ素に対する放射性ヨウ素の割合が減少し、甲状腺に達する放射性ヨウ素の量が減少する。
  • 預託等価線量
     体内に摂取された放射性物質による身体組織の被ばく(内部被ばく)の評価に用いられる線量であり、単位にはシーベルト(Sv)が用いられる。預託等価線量は、体内に残留している放射性物質から個々の組織又は臓器が受ける等価線量率を時間で積分した線量である。時間は摂取後の積算時間(年単位)であり、時間が特定されない場合は、成人は50年、子供は70歳までの年数として求める。  

【ら行】

  • ラドン、トロン
     ラドンは空気中に存在する気体の放射性ガスのことで、地中に広く薄く存在するウランやトリウムなどの物質から常時放出されており、それぞれラドンガス、トロンガスと呼ばれている。これらは、それぞれガス状のラドン222及び220であって、放射線を出しながら形を変え、最終的には安定な鉛になる。
  • 陸側遮水壁(凍土遮水壁)
     東京電力福島第一原子力発電所の汚染水対策施設の内の1つ。建屋への地下水の流入を抑制し、汚染水の発生を抑制するための設備で、地中に配置した凍結管の中に冷媒を循環させることで周辺の地盤を凍結させ、地下水の流れを遮断する。
  • 臨界
     核燃料物質は、核分裂性物質の量、形状、中性子に対する条件が整うと、核分裂の連鎖反応が起こる。この核分裂による連鎖反応が継続している状態を臨界状態という。原子炉では、制御棒等によって中性子数を制御しているが、制御棒を徐々に引き抜いていき連鎖反応が維持される状態を臨界に達したという。一方、核燃料施設では、臨界が起こらないように、核燃料物質の取扱量を制限したり容器等の形状を工夫し臨界管理を行っている。
  • 冷却材
     原子炉内で発生した熱を取り出すために使われるもので、軽水・ナトリウム・炭酸ガス・ヘリウムガス等が使用される。軽水炉は、冷却材の軽水が減速材も兼ねる。 
  • ローバックガスフロー測定装置
     GM計数管によりベータ線を測定する装置であり、環境試料の全ベータ放射能を測定している。測定値は、直接被ばくの評価に結びつくものではないが、相対的な比較や変動傾向の把握及び試料のスクリーニングとして実施している。
  • ローバックグランド液体シンチレーション検出装置(液体シンチレーション検出装置)
     バックグラウンド計数率を低くすることにより、環境中の極めて微量なトリチウム(H-3)や炭素-14などを測定できるようにした装置である。 原子力発電所周辺地域の監視においては、上水、海水などの水試料に含まれているトリチウムの量を測定している。試料を前処理(蒸留)したのち、液状のシンチレータ(発光体)と混合し、放射線の作用で発光した光を測定している。単に液体シンチレーション検出装置ということもある。
  • 炉心溶融
     原子炉冷却材の冷却能力の異常な減少、あるいは炉心の異常な出力上昇により、燃料体が過熱し、かなりの部分の燃料集合体または炉心構造物が溶融することである。 

【わ行】

  • WANO(世界原子力発電事業者協会、World Association of Nuclear Operators)
     原子力発電所を保有する世界の国々が民間レベルで情報を交換し、原子力発電所の安全管理体制を国際的に強化するためのネットワーク。

ご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?

※1 いただいたご意見は、より分かりやすく役に立つホームページとするために参考にさせていただきますので、ご協力をお願いします。
※2 ブラウザでCookie(クッキー)が使用できる設定になっていない、または、ブラウザがCookie(クッキー)に対応していない場合はご利用頂けません。