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【ろうどうコラム】縁と運、すべて私の先生

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年2月16日更新

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H28.2.17  縁と運、すべて私の先生

労働委員会 使用者委員 穴澤 耕二     
 

安岡先生のおしえ

 思想家・安岡正篤先生の健康心得3原則のひとつに「心中常に喜神を含むこと」がある。これはどんなことがあっても決してへこたれない。何か悪いことがあったら、それは自分を磨く砥石(といし)だと思って、常に喜ぶこころを持たねばならないと訓(おし)えている。還暦の坂を転げおちている私であるが、学んだことを実生活に活かす「活学」にしようと日々挑戦している。

 会津のおしえ

 私の出身高校に佐藤哲郎という大先輩がいた。東大法学部卒業後に弁護士になられ昭和61年6月から平成2年1月まで最高裁判事を務められた。奇しくも、先輩は高校時代に白虎隊剣舞をしておられたので、私とはOB会の上下関係にあった。かつて縁あって上京し先生宅を訪ねた際、夫人が明かされた秘話が今も脳裏を離れない。白虎隊剣舞精神に徹する哲郎先輩は、東大の先輩・団藤重光先生(最高裁判事)から「会津の教え“ならぬことはならぬ”は刑法の原点だ。」と示唆されて大変喜ばれ、浴室から「白虎隊」の吟が洩れてきたことがあったと伺った。あの著名な団藤先生から言われ何と嬉しかったことか。今年は戊辰戦争から150年目、OB会の一員として、この精神は何とか未来へ語り継ぎたいものと念(ねん)じている。

 川島先生のおしえ

 「縁というものは奇なるもの。縁は皆つながっている。それは人間だけでなく、草や木や山もすべてつながっている。世の中、生きとし生けるものすべてがつながっている。あなたには本当に強靭な運命があるのだから、私も加勢してあげるのでこれからも頑張りなさい。」と晩年とても親切に語ってくれた川島廣守大先輩。先生は第10代日本プロ野球コミッショナーであり元内閣官房副長官であり、まさに会津聖人(ひじり)と称すべき現代の偉人である。
 日本のトップジャーナリストである橋本五郎(読売新聞特別編集委員)さんは、毎月執筆しているコラム「五郎ワールド」で川島先生を取り上げ「川島さん亡き後“川島廣守人間学”の伝道師になろうと通夜の席で決意する穴澤さん。」と書かれた。あの日から早5年。これからもずっと、自費出版書籍「魂の感動 川島廣守心訓抄」(5千部完売)を携えて伝道して参ろうと念(おも)っている。

 和解の人間学

 急きょ白羽の矢を立てられ、私が労働委員会メンバーの末席を汚すことになって間もなく4年目を迎える。人事と労務の仕事に携わって約40年。年齢だけを重ねてきたようにも思うが、労働委員になったおかげで、労使関係と労働紛争の専門誌「中央労働時報」を手にすることができた。毎月とても楽しみにしている。
 とりわけ圧巻は20回シリーズに及ぶ草野芳郎先生の「和解の人間学」だった。この章だけは必ず再読・三読し続けている。草野先生は地裁32年、高裁3年、大学教授10年を通じてクリエイティブな「和解」という紛争解決手段を世界に広められた。先生の著書「和解技術論」は英語・インドネシア語にも訳され、2千部売れればベストセラーと言われるジャンルで、1万1千部という快挙を成し遂げている。私淑してやまないお方との出逢いの数々、これも縁と運か!!
 草野先生の考え方によると、和解は当事者の話し合いだから当事者が“対話”することが基本になると教えている。先生が考えられた「説得技術の10ヵ条」(本質は共感を呼び起こすこと)は、労働委員という大役を努めている私にとって紛争解決にあたる際のバイブルになっている。

説得技術の基本型

(1)当事者の言い分をよく聞くこと
(2)誠意をもって接すること
(3)熱意をもって粘り強く頑張ること
(4)当事者の相互不信を解くように努力すること
(5)当事者の心理状態をその人の身になって考えること
(6)真の紛争原因を探り、その解決を目指すこと
(7)具体的な話し方を工夫すること
(8)和解の長所を説き、良い和解案を出すこと
(9)相手の逃げ道を用意し追い詰めないようにすること
(10)現地を見分すること         (和解技術論第2版より採録)

 

日本一の福島県労働委員会!?

 福島県労働委員会(伊藤 宏会長はじめ公・労・使15名、熊川恵子事務局長はじめ11名)にとって創設70周年に相応しい出来事があった。ご高承のとおり、個別労使紛争の解決機関としては(1)労働局(2)労働委員会(3)裁判所の3つがある。私は日本経団連の推薦で裁判所にもかかわっているが、今年度労働委員会が扱った個別調整第○号事件がまさしくそれである。
  事務局の使用者側・労働者側双方への熱心な調査と説得により、調整実施日を当事者の都合に合わせ、何と申請からひと月以内の“日曜日”に開催、しかも4時間以上もかけ、当日中に双方合意にこぎつけたという。3つの解決機関の中でも日曜日の開催は初めての出来事だと思う。当委員会は公労使そして事務局が一体となってそれぞれに寄り添って問題解決の道を歩んでいる。心豊かに生きておられる駒田委員(公)田母神委員(労)永山委員(使)の大活躍に満腔の拍手を贈りたい。そして今度は割り勘でなくこちら持ちで調停秘話をご伝授いただくつもりでいる。(たも神さま、よろしく頼みますヨッ!)

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