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【ろうどうコラム】最近思うこと

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年6月15日更新

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H24.8.10  最近思うこと

元労働委員会 使用者委員 唐橋 幸市郎     

 高橋洋一が著した新刊「日本国の深層」これはいままでの著作を「見える化」したものだとのこと。この本の新聞の広告の見出しには日本と他の先進国のGDPの推移が示されていた。

 日本の不振の原因はマネーの供給量に起因すると断じている。
 不況の原因については藻谷浩介が労働人口の減少とした説と真っ向対立している。

 去る7月13日に藻谷が会津若松に来たので会議所の仲間と聞きに行った。
 その時点では藻谷説に対する反論も少しは耳に入っていたので、ちょっと身構えて聞いていた。講演は説得力のあるものであったが、だからどうするという点では迫力を欠いていた。
 高橋洋一の著作は過去に数冊読んでいて、彼はいわゆる「すぐれ者」だと思った。最近ではその見識が評価されて大阪市の特別顧問に就いている。

 秀才の財務エリートは沢山いるだろうが日本国のバランスシートを最初に創ったのは高橋であると思った。実はこのバランスシートが大きな意味を持っている。巷間出回っている国民一人当たりの借金○○兆とかいう数字は「債務」だけを取り上げたもので、それに対する「資産」を全く無視している。これはネットで考察すべきものであり、増税路線をまっしぐらに進む財務省のプロパガンダである。日本は為替介入のための会計に膨大な資金を持っているが、為替介入の効果は限定的であり他の国ではこの資金の量は僅少である。これらの金を有効利用すれば消費税増税など不要であるとしている。

 消費税を上げても2年ももたないと野口悠紀雄も論じている。
 この本のキモはなんといってもマネーの供給量である。これを増加することで経済を活性化して税収を高めることである。

 野口悠紀雄は最近「製造業が日本を滅ぼす」なる物騒な本を著している。曰く、日本の製造業は電力など供給面で不安がある、日本の製造業は他の分類の産業などと比べて電力を多く消費している。もっと効率的なものに変化してゆかなければならない。

 例示すればロンドンが金融のセンターとなったようなことだろうと思うが、製造業に携わる私としてはなんとなくしっくりいかない。最近野田政権もインフレ・ターゲットなるものを恐る恐る表明したが日銀の独立性の壁に阻まれている。しかしお隣のアメリカでは中央銀行は目的の独立性はなく、手段の独立性があると表明していて、さらに雇用に対しても責任があるとしている。日本だけが経済の原則から外れることは考えられない。

 最近「失敗の本質」という本の解説の本が出たがこれは戦争を分析した本である。アメリカは戦場と司令部を定期的に交代させる人事を行い、日本と大きく異なっていたとのこと。「失敗の本質」日本経済版が上梓されないことを切に望むものである。

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