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【労働判例の紹介】平成22(ワ)15186号 賃金請求事件

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年6月15日更新

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平成22(ワ)15186号 賃金請求事件

(大阪地裁 平成25年10月17日判決)

◯ トラック等の乗務終了後の車庫整理業務(車両の誘導、並べ替え)に従事した時間が
労働時間に当たるとした事案

事件の概要

 Xは、一般貨物運送業を営むY社において、大型トラックやトレーラーの運転手を務め
ており、指定された配送先へロール状の段ボール原紙を運搬・納入するなどの業務に従事
していた。
 乗務終了後は、これらの大型トラック等を会社の車庫に入れるが、安全に入庫するには
誘導してもらう必要があった。
 また、翌朝の出発時間の早い車両から順に、車庫の出入口付近に駐車させる必要もあっ
た。
 このために車両の並べ替えが度々行われたが、Y社ではこうした誘導や並べ替えの担当
者を配置しておらず、早く戻った運転手が次の運転手が戻るまで入れ替え要員として会社
事務所に待機して対応することになっていた。
 Xは、朝早くの出発が多く、帰社時間も他の運転手より早い日が多かったことや、トレ
ーラーの運転技術が求められることから、早めに帰社した際は、車両の誘導、並べ替えの
業務に従事していた。これらの業務について、Y社に改善を求めたことがあったが、Y社
は改善しようとしなかった。
 Xは、これらの業務を行った時間も、Y社の指揮命令下に置かれていたとして、時間外
割増賃金等の支払いを求めて提訴した。

判決要旨

 大阪地裁は、Y社が車庫整理業務(車両の誘導、並べ替え)に従事する従業員を配置せ
ず、その改善を求められても対応しなかったことに照らせば、明示的ではないにしても業
務命令があったと評価できるから、Xが同業務に対応できるように待機し、それに従事し
た時間について、Y社の指揮命令下に置かれているものと評価することができ、労働時間
に当たると認められると判示した。

  ※ 本件判決は確定した。

参考

 参考文献 『労働判例』(産労総合研究所)No.1088)(2014.6.1)79~82頁

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