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【ろうどうコラム】“ブラック・スワン”と“灰色のサイ”

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年1月15日更新

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R3.1.15  “ブラック・スワン”と“灰色のサイ”

労働委員会 労働者委員 飛田 博之     

 “ブラック・スワン”という言葉を聞いたことがあるでしょうか。直訳では「黒い白鳥」となります。従来、すべてのスワン(白鳥)は白色と信じられていましたが、17世紀後半のオーストラリアで黒いスワンが発見されたことにより、その常識が大きく覆されました。これにちなみ、マーケットにおいての確率論や従来の知識や経験からは事前にはほとんど予想できず、起こりえないと思われていた事柄が現実に起きたときの衝撃が大きく、人々に多大な影響を与えるという意の主に金融の世界で使われている言葉です。

 一方、“灰色のサイ”とは、高い確率で存在し、大きな問題を引き起こすと考えられるにもかかわらず、軽視されがちな問題を指します。草原に生息するサイは体が大きく反応も遅い。普段はおとなしいのですが、一旦暴走し始めると誰も手を付けられなくなり、爆発的な破壊力を持つことから比喩的に用いられています。

 新型コロナウイルス感染症が全国に広がり、未だ確実な出口が見通せない中、誰もが引き続き極めて憂慮され、また様々な場面で辛抱や苦悩の日々をお過ごしのことと思います。

 しかし、下を向いてばかりはいられません。『「したむき」と「ひたむき」では、字はたった一文字違いだけれどもその成果は大きく異なる』と、労働運動の大先輩がこうお話しをされていたことを思い出します。私たちは、今こそ「思考・行動」を変えていく必要があると考えます。

 そのためには、「想像と想定」を出来る限り思い巡らし、コロナへの対応はもちろんのこと、生活や職場・雇用の場において“大きなリスク”や“日常に潜むリスク”を見極め、予期に対する準備・対応をとることだと考えます。頭を柔らかくし、「色々な目線」で物事を見る事が肝要です。「1つの見方」に凝り固まってしまうのではなく、「複数の多角的な見方」で物事を見る。

 鬱屈した顔ばかりしていては前進がありません。『意識を変え、知識を養い、行動を変える』。福音を自分のもとへ引き寄せる事が大切だと感じます。

 変化に対応した行動の変容。私たち一人ひとりがこういった「思考・行動」の変容の基、労働組合の活動・運動の幅や奥行きは、企業における事業変換、変革にも寄与することと思います。

 必要な人に必要な支援が届くよう、労使共に協力し、知恵を出し合い、難局を乗り越えていくべき課題が山積している中にあるからこそ、課題解決・提案型の労働組合の存在意義が重要な役割を担うのと同時に、期待されていることと思います。

 

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