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集団Q&A2-(3)会議室の組合利用

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年12月27日更新
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会議室の組合利用

質問

 終業時間後に、組合の集会を会社の許可なく会議室で開催したところ、会社から無断使用に関する注意を受けました。
 組合としては、時間外でもあり、そもそも組合には会社の施設を自由に使用できる権利があると思うのですが、いかがでしょうか。

答え

 原則として、終業時間外であっても、会社の許可がなければ企業施設を使用することはできません。

解説

1 使用者の施設管理権

 使用者は、自己の所有(または占有)する建物、敷地、設備などの企業施設を企業目的に合うように管理・保全する権限(一般に「施設管理権」と呼ばれている)を有しています。
 企業内における組合活動は、この施設管理権による一定の制約を免れず、休憩時間あるいは就業時間外であっても、原則として、使用者の承諾がなければ自由に企業施設を使用することはできません。
 なお、労働組合又はその組合員が企業施設を利用して行う組合活動が正当なものとされるためには、(1)使用者の許可を得ること、又は(2)使用者が労働組合等に対し、当該施設の利用を許さないことが権利の濫用と認められるような特段の事情があること、のいずれかが必要であるとした判例があります。

2 組合活動に伴う企業施設使用のルールづくり

 使用者には、組合活動のために自由に企業施設を使用させる義務はなく、労働組合法も、使用者の労働組合に対する経費援助を不当労働行為として禁止し(同法第2条但書第2号)、最小限の広さの事務所の供与等を例外的に許容しているに過ぎません(同法第7条第3号但書)。
 トラブルを避けるためには、労使間の合意により、組合活動のために企業施設を使用する際の要件や手続きなどのルールづくりをしておくことが必要です。
 なお、使用者が、最小限の広さの事務所を組合に供与することは、便宜供与として認められています(詳細については、以下の(参考)を参照ください。)。

(参考)
 経費援助の禁止

 労働組合法では、同法上の労働組合の資格要件として、労働組合が組合運営のための経費の支出について、使用者から経理上の援助を受けないことを規定しており(同法第2条但書第2号)、この「経理上の援助」のことを、一般に「経費援助」と呼んでいます。
 また、使用者が労働組合に経費援助を行うことを支配介入の不当労働行為として禁止しています(同法第7条第3号)。これは、使用者による労働組合に対する経費援助が、支配介入の手段として利用され、労働組合の自主性が損なわれるおそれがあるためです。

 経費援助の禁止の例外

 経費援助の禁止については、以下の場合には一定の限度で例外が認められています(労働組合法第7条第3号但書)。
(1)労働者が労働時間中に賃金を失うことなく使用者と協議・交渉すること
(2)組合の福利基金などに使用者が寄付すること
(3)最小限の広さの事務所を供与すること
 使用者が労働組合に認めるこれらの利益を、「便宜供与」と呼んでいます。これらは、同法上の経費援助に当たらないとして、組合の資格要件から除外され(同法第2条但書第2号)、また不当労働行為にもならないと定められています(同法第7条第3号)。

 このほかに、便宜供与として認められているものに組合費のチェック・オフや、組合役員の在籍専従があります。

判例

○ 国鉄札幌駅事件(最三小判昭和54.10.30 労判329号)
○ 池上通信機事件(最三小判昭和63.7.19 労判527号)
○ オリエンタルモーター事件(最二小判平成7.9.8 労判679号)

 

 

 

 

 

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