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(2)解雇同意条項に反しておこなった解雇の効力

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年2月24日更新
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(平成24年12月19日現在)

解雇同意条項に反しておこなった解雇の効力  
    ~使用者からの質問

質問

 我が社は、昨今の不況下、極度の経営不振に陥り、事業の縮小を余儀なくされ、人員削減が避けられません。そこで、従業員に対し希望退職を募りましたが、まだ5名ほど必要人数に達しないことから、基準を設けて従業員5名に対して退職勧奨を行ったところです。もし、これらの者が勧奨に応じない場合は、会社が立ちゆきませんので解雇もやむを得ないと考えています。 会社としては、これまで組合に対し経営状態を説明し、希望退職募集や退職勧奨に当たって、その都度事情を説明しておりますが、組合は整理解雇については難色を示しています。
 会社と組合の労働協約には、整理解雇を行う場合には組合の同意が必要との規定がありますが、このような場合でも解雇を行うに当たって組合の同意を得る必要があるのでしょうか。

答え

 解雇同意条項に反して行った解雇は、原則として無効と考えられますので、ご質問のような場合であっても、組合に対して整理解雇の必要性を十分に説明し、同意を得られるよう努力を尽くすべきでしょう。

解説

 1 解雇協議条項・解雇同意条項
 労働協約中に、例えば、「会社は、組合員を解雇する場合には、組合と協議しなければならない。」とか「会社は、組合員を解雇する場合には、組合の同意を得なければならない。」というように、使用者が労働者を解雇する場合にとらなければならない手続を規定した条項がしばしば見られますが、前者は解雇協議条項、後者は解雇同意条項といわれています。  
 これらの条項は、労働者の解雇について、あらかじめ労使間で協議あるいは同意することによって、使用者に所定の手続を踏むことを義務づけたものといえます。

2 解雇協議(同意)条項に反して行った解雇の効力

 使用者が解雇協議条項または解雇同意条項に定める手続を踏まずになされた解雇は、判例・学説とも、その理由づけは必ずしも一様ではありませんが、無効とするものが大部分です。

3 解雇が有効とされる場合

 会社が同意を得るための努力を尽くしたにもかかわらず、同意が得られずに行った解雇については、例外的に有効とされる場合があります。
(1)「解雇協議」についての裁判例では、解雇が企業の存立上客観的にやむを得ないものであって、使用者が協議条項に従い誠実に協議の義務を尽くしたにもかかわらず、労働組合が正当な理由なく協議に応じないときは、協議を断念して解雇しても、協約違反とはいえないとした例があります。(判例1)
(2)「解雇同意」についての裁判例としては、結果的に協議合意条項にいう労使協議が整っていないとして解雇無効とされた事例ですが、判示の中で「本件解雇事由が解雇に相当する強度の背信性をもち、かつ、協議が整わなかったことにつき専ら組合に非がある等の特段の事情が認められるとき」は解雇が有効になる余地があることが示された例(判例2)、使用者が変更すべき労働条件とその理由等を提示し、数回にわたり回答を求めたにもかかわらず労働組合が回答しなかった場合や、何らの理由を示さずに絶対反対を述べるだけであるような場合には、同意拒否権の濫用と解すべきであることが示された例があります(判例3)。
(3)組合との解雇協議条項や同意条項がある場合の解雇の効力は、信義則に照らして、使用者が必要とされる協議を尽くしたといえるかどうか、同意を得るための努力を尽くしたといえるかを踏まえて判断されるところであって、その判断は、具体的事例に即して行われることになります。

判例

○判例1 池貝鉄工事件(最高裁第一小法廷判決昭和29.1.21民集8巻1号123頁)
○判例2 大阪フィルハーモニー交響楽団事件(大阪地裁判決平成元.6.29労判544号44頁)
○判例3 安田生命保険事件(東京地裁判決平成9.6.12労判720号31頁)

 

 

 

 

 


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