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集団Q&A3-(4)合同労組加入者の名簿提出

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年2月7日更新
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合同労組加入者の名簿提出

質問

 私は勤務成績不良を理由として解雇されましたが解雇理由に納得がいかないため、同じ理由で解雇となった同僚1名とともに合同労組に加入して解雇撤回を求める団体交渉を要求しました。
 ところが、会社から組合員名簿の提出を要求され、名簿を提出しなければ団体交渉には応じないとの回答がありました。
 団体交渉に先立つ事前折衝には労働組合側の代表として私が出席しており、自社の従業員が当該労働組合の組合員であることは明らかなのですが、このような場合、団体交渉に応じてもらうためには組合員名簿を提出しなければならないのでしょうか。

答え

 質問のように、組合員の中に当該会社の従業員が存在することが明らかな場合には、労働組合は団体交渉に先立って会社に対し組合員名簿を提出する必要はありません。

解説

1 組合員名簿の提出の必要性

 団体交渉の開始に当たって、組合員名簿の提出を義務付ける法律上の根拠規定はありません。
 使用者が自社従業員が組合員であることをあらかじめ知っている状況が認められる場合においては、組合員名簿を提出しないことが団体交渉を拒否する正当な理由とは認められません。
  判例では、団体交渉の議題が「特定人の解雇」であれば、当該者が組合員であることを明らかにすれば足り、それ以外の従業員中の組合員の氏名・人数を明らかにすることは、本議題に関する限りで必要ではなく、組合員名簿の不提出を理由として団体交渉を拒否することは許されないとされています。
 また、労働委員会の命令でも、団体交渉の相手となる企業の従業員の中に、自らの労働組合員がいること、及び団体交渉の任に当たる者がその組合員の代表者であることを使用者に知らせれば足りるとされ、使用者が既にそれらのことを認識している情況においては、たとえ組合員の全員について氏名等が確実には把握されていなくても、団体交渉に応じなければならないとされています。
 なお、組合が合同労組である場合などで、使用者が当該組合の組合員に自社従業員がいることを知らない場合であっても、組合員の中に当該使用者が雇用する労働者が存在することを、少なくとも一人の組合員名を明らかにするなど、何らかの形で明らかにすればよく、組合員名簿の不提出を理由とする団体交渉の拒否は認められないとされています。

 他方、賃上げ等、要求事項に関連した組合員の人数、氏名の明確化等のために必要があって組合員名簿の提出を求め、それがあるまで団体交渉を拒否することは正当な理由があるとされた判例もあります。

参考命令・判例

○ 新星タクシー事件(東京地裁判昭和44.2.28 労民集20巻1号)
○ 福岡カンツリー倶楽部事件(福岡地労委決昭和41.5.6 命令集34・35集)
○ 金星自動車事件(札幌地判昭和38.3.8 労民14巻2号)

 

 

 

 

 

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