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エントリーNo.9 県立福島高等学校

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印刷用ページを表示する 掲載日:2023年2月1日更新

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取組名:「化学肥料削減に向けた異科接ぎ木」~タバコで達成するSDGs~

私たちは、昨今の化学肥料に関する環境問題の解決を目標とし、自力で十分な栄養を作り出せる農作物の栽培方法の確立をめざしています。そこで、窒素固定が可能である根粒菌に着目しました。
窒素固定とは、空気中の窒素を生物が利用できるアンモニウムイオンに変えることで、マメ科植物の根に共生する根粒菌などが行うことができます。
この仕組みを利用し、身近な技術である接ぎ木を用いて、農作物とマメ科植物の根を接ぎ木するという手法を考えました。
一般に接ぎ木は近縁種の植物間でしかできませんが、例外的にタバコは様々な種類の植物と接ぎ木できることがわかっています。
そのためタバコを仲介とすれば異科接ぎ木が可能となります。
現在は、接ぎ木に慣れ、成功確率を上げるためにマメ科植物であるソラマメのみでの自家接木を行っています。
何度か失敗を重ねる中で、成功確率を上昇させることが出来ました。
今後は、タバコとソラマメの二種類で接ぎ木を行っていく予定です。

取組のアピールポイント

現在、世界における急速な人口増加に伴い、食料生産のために化学肥料が大量に使われています。
しかし、化学肥料が土壌や森林、河川や海洋へ流出することで、土壌劣化、水質汚濁、そして富栄養化などの環境問題が多数報告されています。
また、化学肥料の主流な生産方法であるハーバーボッシュ法は、莫大なエネルギーを必要とする点において問題視されています。
そこで私たちは、化学肥料を使わない栽培方法の確立を目標に、この取り組みを行ってきました。
この取り組みが実現されれば、自然環境への流出による被害を抑えることができ、結果として、海・森の豊かさを守る結果につながると考えます。
また、化学肥料を製造するために必要なエネルギーを削減することもできます。
その上、土壌に栄養が不足している地域での農作物栽培を可能にすることができ、それによって貧困や飢餓問題の解決に貢献できます。
これらは、SDGsの1、2、7、14、15番目のゴールにも関連していると考えます。

取組を始めたきっかけ

社会の授業や探究活動を通して、化学肥料は様々な環境問題を引き起こしていることを知りました。
そこで身近な農業技術である接ぎ木に着目して、化学肥料を使わない栽培方法を確立し、世界各地で起こっている環境問題や飢餓問題の解決に少しでも貢献したいと思いました。

取組を進める上での課題

接ぎ木を行う際は、インキュベーターで温度を一定にしたり、植物全体をビニール袋で覆って湿度を100%に保ったりするなど穂木の乾燥を防ぐ工夫をしなければならず、条件の設定が難しいので、今後も改善を続けて行きたいです。
また、インキュベーター内で植物が思うように生長せず、ソラマメで行った自家接ぎ木も成功率が低かったので、私たちの技術向上に加えて、原因を追究し解決していきたいと考えています。

今後の展望

マメ科植物とタバコの2種類で異科接ぎ木を行い、またその後に農作物を含めた3種類で接ぎ木を実施し、コントロールとして化学肥料を用いて栽培した農作物と生長の程度を比較し評価します。
そして、データから私たちの取り組みの有用性を証明し、栽培技術を確立させることでこのSDGsに基づく新たな植物栽培方法を福島から世界に発信していきたいです。

会員情報

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