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01:ナタリー・ドノフュー さん(イギリス)

 2月のJETツアーは、私にとって3度目のツアーでしたが、今までで、一番心が打たれました。来日後、8ヶ月間相馬市に住み、その後、南相馬市に住みましたが、その間、どちらの市でも、すべての高等学校で教えていましたので相双地域は、第二の故郷のように思えます。

 このツアーについてお話したいことは、沢山あります。イチゴ農園で、美味しいイチゴを摘んだことや、太陽光発電のアグリパーク訪問等、それぞれの活動が、意味深く興味深いものでしたが、ツアーのハイライトについて、少し詳しくお話ししたいと思います。

 ツアーは、3.11に起きた災害によって福島第一原子力発電所が起こした放射線についての説明から始まりました。これがとても興味を引きました。私の町は、地域の放射線レベルを示すガイガーカウンターが点在しているからです。それは、放射能による大きな健康被害が続くことはありえないという私の信念を更に強めました。

 同じように、松川浦を訪れて、災害が、地元の漁業に与えた影響の話に関心を持ちました。

 私たちの質問には、丁寧に答えてくださいました。3年間、恐怖を呼び起こさせるニュースにかなり驚いていましたので、原発の放射能に汚染され続けている魚の種類が少ししかないことを聞いて、嬉しく思いました。一日も早く、相馬の漁業が以前のように活況をとり戻すことを願いました。

 ツアーの中で一番私の心を動かしたのは、制限区域の境にある小高地区へのツアーでした。

 小高には、数回ボランティアで行っていましたが、今回のように詳しく見る機会がありませんでした。災害前と災害中の状況について、小高で生まれ育った人の視点で町の話を聞くことは、興味深くまた胸が張り裂けそうでした。特に、人が住んでいない海岸寄りに立ち止まり、津波に会う前の状態を思いながら光景から眺め、かつて何百戸もの家々が立っていたことを考えると、ショックを受けて、心が痛みました。

 ほぼ2年間住んでいますが、ツアーに参加できて良かったと思います。災害について、学べば学ぶほど、ますます、福島の人々がどれだけ強く回復力があるかに驚き、福島での私のささやかな役目がどれだけ特別なものか自覚します。

 一番重要なことですが、こんなに素晴らしい所に配置されて、本当にラッキーだったともう一度言わせてください。

南相馬にて
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