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県議会定例会(平成27年6月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年6月16日更新

平成27年6月福島県議会定例会知事説明要旨(平成27年6月16日)

 6月県議会定例会が開催されるに当たり、当面する重要な議案を提出いたしました。
 以下、そのあらましについて御説明いたしますが、それに先立ち、当面の諸課題について所信の一端を述べさせていただきます。

 知事に就任以来、現場に直接出向いて様々な思いを受け止め、国や東京電力等に対し申し上げるべきことを申し上げるとの姿勢を日々実践してまいりました。
 そして、本県の要望を大幅に取り入れた国の補正予算や新年度予算、福島復興再生特別措置法の改正などへと着実に結び付け、県政史上最大となる当初予算の編成や新たな組織体制の整備を行い、新年度をスタートさせたところであります。
 11万人を超える県民の皆さんがいまだ県内外で避難生活を余儀なくされ、各方面で風評被害の影響が根強く残るなど、依然として厳しい状況にありますが、常磐自動車道の全線開通に続き、ふたば未来学園高等学校の開校、ふくしまデスティネーションキャンペーンの全県的な盛り上がり、福島の未来を拓く様々な拠点施設整備の着実な進展など、明るい光も一層の強まりを見せております。
 こうした新たな復興のステージに向けた流れを持続させていくためにも、現在、政府において策定作業が大詰めを迎えている平成28年度以降5年間の復興事業のあり方に対し、原子力災害の影響が広範囲、長期的に及ぶ福島県の特殊性を、竹下復興大臣を始め関係閣僚に強く申し述べたところであり、今後も、あらゆる機会をとらえ、福島を覆う影の克服に国は最後まで責任を負うべきこと、財源確保の必要性をしっかりと訴えながら、復興の分水嶺となる重要な1年間に全力を傾けてまいる決意であります。
 避難地域の復興再生、風評・風化対策などまだまだ困難な課題は山積しておりますが、就任当初に掲げた基本姿勢の下、一つ一つ丁寧かつ迅速に取り組んでまいります。

東日本大震災からの復旧・復興について

 はじめに、東日本大震災からの復旧・復興について申し上げます。
 「避難地域の復興再生」につきましては、先月末に政府に提出された与党第5次提言を受けて、今月12日、国の福島復興指針の改定版が示されたところであります。避難地域の復興に向けては、まず何よりも住民が安心して暮らせる環境づくりが大切であり、除染の推進や生活インフラの復旧、復興拠点を中心としたまちづくり、産業の再生・創出などを国や被災自治体と一体となって進めてまいります。また、被害者の生活や事業の再建につながる賠償が迅速かつ的確になされるよう求めていくとともに、それぞれ異なる事情を抱える避難者の皆さんが今後の生活の見通しを立てることができるよう、昨日発表した仮設住宅の供与期間の延長、恒久的な住宅への移行に関する支援、さらには復興公営住宅の整備推進等、生活再建に向けた総合的な支援策をきめ細かく講じてまいります。
 また、今月初めに具体的な内容が取りまとめられたイノベーション・コースト構想については、避難地域の復興再生の鍵を握る重要な構想であり、現在検討中の12市町村の将来像に、国の責務の下でしっかりと位置付けられ、推進されるよう取り組んでまいります。さらに、県内の復興を巡る動向を踏まえ、復興施策全体の基盤となる復興計画の見直しを行ってまいります。

 「風評払拭・風化防止」につきましては、ふくしまDCにより県内各地で「花・食・温泉」をテーマとした様々な取組が繰り広げられ、また、本県初の首脳級の国際会議である太平洋・島サミットが先月いわき市で開催され、国内外を問わず福島を訪れた多くの方に、本県の奥深い魅力、復興に向け頑張っている姿を実際に見て、感じていただいております。県民のおもてなしに対する意識が高まり、豊かで多様な地域資源や観光素材に彩られた福島の魅力、強みを再確認するなど、県全体がこれまで経験したことのない一体感、大きな盛り上がりを見せています。この勢いを止めることなく、アフターDCへと切れ目のない観光誘客、福島空港の利活用促進、県産品の振興につないでいけるよう、旅行券や商品券事業などを活用していくとともに、全国新酒鑑評会での金賞受賞数3年連続日本一という快挙を追い風に、福島の「魅力と今」を更に国内外に広く発信してまいります。
 また、台湾で食品輸入規制が強化されるなど、海外での風評もいまだ根強いものがあり、そのため、来月には、就任後初めてとなる海外訪問としてスイス・イギリスの両国を訪れ、復興に向けて着実に前に進む本県の姿を直接伝え、世界に共感の輪を広げるきっかけとしてまいります。
 さらに、風評・風化対策監の下、各部局が連携し関係機関と一体となって効果的な対策を講じていくための新たな戦略を8月にも取りまとめ、福島の「光と影」の現状に対する理解が広がり、深まるよう、取組を進化させてまいります。
 震災の記憶と教訓を長く後世に継承していくため、双葉・浪江両町を候補地として選定した復興祈念公園の整備に向けた調査や、アーカイブ拠点施設の設置に関する検討も進めてまいります。

 「中間貯蔵施設等」につきましては、これまで国に対し、地権者への分かりやすく丁寧な説明と寄り添った対応、さらに人員体制の充実を求めてきたところであり、パイロット輸送については、安全・安心が確保されるよう、国、県、大熊・双葉両町で締結した安全協定に基づき、搬出・搬入や輸送時における状況確認を行っております。
 県といたしましては、地権者への説明が円滑に進むよう、大熊・双葉両町に新たに職員を駐在させ、地元の意向を踏まえ国と調整を行うとともに、輸送が安全・確実に実施されるよう、それぞれの地域の課題に応じて、市町村や関係機関との協議・調整の場を設けるなど、広域自治体として積極的に対応してまいります。
 また、富岡町の既存の民間管理型処分場の活用については、今月5日に環境大臣から、これまでの地元からの意見を踏まえた、施設の更なる安全対策や国有化などの考え方が示されたところであります。これらの内容を十分に精査、確認し、地元の考えを伺いながら、しっかりと対応をしてまいります。
 さらに、環境創造センターについて、三春町施設の本館は10月、南相馬施設は11月の開所に向け整備を進めているところであります。これらの施設も活用しながら、除染の一層の推進を図り、一日も早い環境回復を図ってまいる考えであります。

 「原発事故の収束」につきましては、給食センターや大型休憩所の整備により、作業従事者の労働環境の改善が進むなど前進している部分がある一方で、汚染された水の流出や東京電力の情報公開の遅れといった問題が繰り返されております。燃料デブリの取出しなど廃炉に至る道のりは長く、復興の大前提である安全・着実な廃炉作業の確保に向け、改訂された中長期ロードマップに基づく国や東京電力の取組を、廃炉監視協議会等により引き続き厳しく監視してまいります。

 「未来を担う子ども・若者の育成」につきましては、ふたば未来学園高等学校が開校し、世界で活躍できる人材を育む独自の教育活動やふたばの教育復興応援団による特別授業が始まったほか、パフォーミングアーツプロジェクトなど福島の復興のシンボルとなる新たな取組がスタートいたしました。また、特別支援教育の充実を求める地域の声を踏まえ、高校の空き教室を活用した、いわき養護学校くぼた校を開校したところであります。
 将来を担う子どもたちが夢や希望を持てる福島を築くと同時に、その夢や希望を実現できる環境を整えていくことが我々大人に課された責務であります。南東北インターハイや東京オリンピック・パラリンピックを見据えた競技力の向上、ライフステージに応じた切れ目のない子育て支援など、今年度設置をした総合教育会議も活用し、教育委員会とこども未来局、文化スポーツ局の事業を効果的に連携させながら、子どもを伸ばし、守り、支えるための施策を総合的に推進してまいります。

 「産業政策」につきましては、基幹産業である農林水産業の再生、地域経済の要となる中小企業の振興を図るとともに、将来有望な市場形成を見込める新しい産業の芽をしっかり育てていくことが極めて重要であります。再生可能エネルギー関連産業について、世界最大級の7メガワットの浮体式洋上風力発電の設置に向けた準備が進むほか、医療機器関連産業については、その開発支援を行う拠点施設が着工いたしました。医療や介護のみならず、農業など様々な分野で応用が可能なロボット産業については、企業誘致や生産活動が着実に進み、医療や介護施設でアシストスーツを導入するモデル事業も開始されたところであります。また、近年注目を浴びているCLT(直交集成板)についても、その普及定着に向けた取組を進めたいと考えております。
 このような自然の資源をいかし生活の質を向上させる産業、福島ならではの「人や自然に優しい産業」の集積を推し進め、復興を力強くけん引してまいります。

 「インフラの復旧・整備」につきましては、避難地域を含めた県内産業の振興、避難者の早期帰還や広域的な連携・交流を進める上で、交通インフラの果たす役割は大きく、常磐自動車道の追加インターチェンジの早期着手を支援するとともに、ふくしま復興再生道路など復興に欠かせない道路整備のための財源確保を国に求めてまいります。
 また、国及び関係市町村等と連携・協力しながら、JR常磐線やJR只見線の早期全線復旧に取り組んでまいります。

地域医療構想について

 次に、「地域医療構想」について申し上げます。
 高齢化と人口減少に伴う医療ニーズの変化に対応するため、医療介護総合確保推進法に基づく「地域医療構想」の今年度中の策定を目指しているところであり、地域の実情に応じた効率的で質の高い医療提供体制を構築するため、しっかりと検討を進めてまいります。

地域創生・人口減少対策について

 次に、「地域創生・人口減少対策」について申し上げます。
 人口減少の克服と地域活性化の推進につきましては、原子力災害によって若者世代の人口流出に苦しむ本県にとって、より一層切実な問題であり、有識者会議での議論を踏まえ、人口ビジョン、地域総合戦略を秋口までに策定してまいります。また、新たに結成された各県知事による「日本創生のための将来世代応援知事同盟」にも参画したところであり、他県との情報交換を通じて、先進的な取組などを積極的に取り入れ、本県独自の地域創生策へといかしてまいります。
 地域創生は人の力、人のつながりが何よりも大切であります。本県では、震災以降、県内外からの数多くの応援に支えられ、その中で心の交流という貴重な財産が育ってきております。地域おこし協力隊として地域課題の解決に真剣に取り組み、あるいは福島県の企業を積極的に選んで就職を希望する県外出身の若者など、福島の復興に思いを寄せる彼らの行動が県民に大きな勇気と希望を与えてくれています。そうした力の後押しを受けながら、一歩一歩前進を重ね、人や地域が元気に光り輝く復興を目指して全力でチャレンジしてまいります。

危機管理体制について

 次に、「危機管理体制」について申し上げます。
 放射線測定機器の不具合や県道通行止め等に関する情報公表の遅れ、部局間の連絡体制の不備など不適切な事務処理が相次いだことは、県民の安全に直結する問題でもあり、重く受け止めております。こうした事態が発生した背景には、問題発生の兆しに対する感度や情報公開意識の低さ、職場内の意思疎通の希薄化があります。新年度設置した「危機管理部」の下、危機管理に関する基本方針を策定し、職員の意識改革を含め全庁的な危機管理体制を再構築してまいります。

平成26年度決算見込みについて

 次に、平成26年度一般会計の決算見込みについて申し上げます。
 平成26年度予算につきましては、復興の流れを大きく、より確かなものにしていくための当初予算に加え、避難者の支援や除染の推進、中間貯蔵施設の整備に伴う影響対策など、喫緊の課題に対応するため9度にわたる補正予算を編成してまいりました。
 復興・再生に係る広範かつ多額の財政需要に対しましては、「原子力災害等復興基金」を始めとする各種基金や震災復興特別交付税を活用するなど、あらゆる方策を講じて財源確保に努めてきたところであります。
 この結果、一般会計の決算見込額は、歳入で2兆866億円、歳出で1兆9千650億円となり、その差額である1千216億円から翌年度への繰越事業に充当すべき財源1千146億円を差し引いた実質収支額では、70億円程度となる見込みであります。

提出議案について

 提出議案について御説明申し上げます。
 平成27年度一般会計補正予算案につきましては、避難地域12市町村における復興拠点づくりの支援に要する経費、復興公営住宅における避難者の生活支援のための施設整備に要する経費、ふたば未来学園高等学校への併設型中学校整備に要する経費など、東日本大震災等からの復旧・復興に取り組むために緊急に措置すべき経費を計上いたしました。
 これによる一般会計補正予算の総額は、66億2千8百万円となり、本年度予算の累計は1兆9千60億4千8百万円となります。
 特別会計補正予算案につきましては、福島県立病院事業会計につきまして、現在、楢葉町内に整備を進めております県立の診療所の財産取得を議案として提出いたしました。
 その他の議案といたしましては、条例が「福島県帰還環境整備交付金基金条例」など20件、条例以外の議案が「工事請負契約について」など36件で、いずれも県政執行上重要な案件であります。
 慎重に御審議の上、速やかな御議決をお願い申し上げます。

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