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人権啓発冊子「“気づく”ことからはじめよう」/患者・感染者について

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新

患者・感染者について

◆近所の俳句教室の風景です。
 和子「先生、できました」
 先生「うん、なるほど。よくできた句です。思いがよく伝わってきて、私が俳句を始めたころを思い出すよ」
 和子「ハンセン病の療養所にいらっしゃった頃ですね」
 先生「そう。ハンセン病は、怖い病気だと思われていて、私らは無理矢理に療養所に入れられてな。私はその悔しい思いを俳句に託して訴えたんだ」
 和子「この街で俳句教室を開いても、最初は私と先生の二人だけでしたね」
 先生「人間の思いこみというものは、なかなか消えないものだ。でも和子さんがここに友達を連れてきてくれたり、私を町内の集まりに連れて行ってくれたおかげで、近所の人も、私が自分たちと何ら変わりないことを良く理解してくれた。私にはそれが一番うれしい。この教室が繁盛してきたことも嬉しいがな」
 和子「ということは、もしかして私はこの教室の救世主! 先生の次は私が継がせていただきますね」
 先生「よくできた句だと言ったが、季語が抜けておるぞ、和子さん。私のあとを継ごうとは、千年早いわ」
ハンセン病元患者の俳句の先生が開いている俳句教室のイメージイラストハンセン病関係年表 明治6年 ・ノルウェーのハンセン氏がらい菌を発見 昭和6年 ・癩予防法施行(全ハンセン病患者が隔離対象となる。) 昭和18年 ・治療薬プロミンの開発(患者の治験でハンセン病への効果が証明される。) 昭和28年 ・改正らい予防法施行(強制隔離継続) 平成8年 ・らい予防法廃止 平成13年 ・ハンセン病国家賠償請求訴訟熊本地裁判決に対し国が控訴断念(ハンセン病施策に対する国の責任が認められる。) 平成15年 ・黒川温泉事件(元患者に対する宿泊拒否)
○病は誤解から 私たちは感染症については、ただ感染することだけに目がいってしまいがちです。特に、ハンセン病やHIV感染症は日常生活で感染することはほとんどないにもかかわらず、感染力の強い病気であると誤解されたため、患者は強制的に隔離されたり、仕事を辞めさせられたりすることもありました。しかし病気のことを正しく理解していれば、普通の患者と異なる対応をする必要はまったくありません。不正確な情報に惑わされず、病気について正確な知識を持って接することが、患者が病気に立ち向かう助けにもなるのです。こういう人がいたら、あなたはどう思いますか? ○ほかの客が嫌がるので、元患者は泊められない ○「昔は強制的に隔離されていたのだから、怖い病気に違いない