人権啓発冊子「“気づく”ことからはじめよう」/犯罪被害者について
印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新
犯罪被害者について
◆和子さんがひったくりの被害に遭ってしまいました。 | ||
和雄 | 「和子、大丈夫かい?」 | |
和子 | 「後ろからバイクで近づいてきて、急に取られたの。私が不注意だったのかも」 | |
和雄 | 「そんなことはないよ。被害者なんだから、君は悪くない。自分を責めることはないよ。怪我もなくて何よりだ」 | |
和子 | 「でもパトカーが来て事情聴取もされて、ご近所の方にも見られたし… 私どうしよう…」 | |
和雄 | 「急にいろいろな事があって疲れちゃったんだね。でも大丈夫。警察の方も君の様子を気遣って被害者相談窓口を教えてくれたし、近所の人が何人も心配して電話をかけてきてくれてるよ。事件はショックだったけど、無理をしないでゆっくりやっていけばいいさ」 | |
和子 | 「ありがとう。何だか、全部一人で抱えこんでたみたい」 | |
和雄 | 「さあ、今夜は僕の特製のハンバーグを食べて、元気を出してくれ。 そろそろできる頃だ」 | |
翔太 | 「パパー。何か焦げ臭いよー」 |
○被害者を救うために 私たちは誰でも犯罪・事故の被害者になる可能性があります。しかし突然やってくる犯罪や事故は防ぐことができないため、大きなショックを受けてしまいます。また、直接の被害だけではなく、捜査や裁判への対応も大きな負担となり、被害者は大変辛い思いをしています。このような時に被害者を責めたり、興味本位で事件のことを訊いたりすれば、事件そのもの以上に被害者は傷ついてしまいます。やり場のない苦痛や悲しみ・悩みをどこにも向けられない被害者には「心のケア」が必要です。被害者の思いに共感し、手助けをすることが、一番の励ましになります。次に助けてもらうのは、あなたかも知れないのです。 |