人権啓発冊子「“気づく”ことからはじめよう」/気づいて築くうつくしま
印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新
気づいて築くうつくしま
◆一人ひとりが大切にされ、いきいきと生活できる社会 | ||
和子 | 「ふーん。結構、勉強してるじゃない」 | |
和雄 | 「僕だってやる時はやるさ。でも、ここまで勉強すれば、もう完璧だね。」 | |
翔太 | 「完璧だね!」 | |
美咲 | 「んまんま!(完璧だね)」 | |
正一 | 「甘い。甘いぞ和雄。本当に大切なことを一つ忘れているんじゃないか?一番大切なことは、人の痛みに気づく、ということだ」 | |
和雄 | 「『気づく』?」 | |
正一 | 「そう。今まで君たちが話してきたことは、言ってみれば当たり前のことなんだ。人を傷つけようと思って傷つける人はほとんどいないからね。だけど、そうと気づかず、知らず知らずのうちに相手を傷つけている場合というのが、意外に多いんだぞ」 | |
和子 | 「例えば?」 | |
正一 | 「セクハラは、する側はコミュニケーションと思ってやってしまっている場合が多い。相手が傷ついていることに気づいていないわけだ。それに、最近あちこちに車椅子マークが見られるが、作った人は障がいのある人のためにと思って作ったんだろう。だけど、障がいのある人の中には、あれのおかげでほかの人から区別されている、と感じる人もいるんだよ。良かれと思ってやっているつもりが、相手にとっては辛く感じられていることがあるんだよ。そういうことにも気づくようにならなくてはいけないな」 | |
正江 | 「人の痛みにすぐ気がつくためには、自分の思いこみで決めつけず、相手がどう考えているか、どう感じているかを常に考えておくこと。そうすれば、一人ひとりが大切にされて、いきいきと生活することができる。私たちの住んでいる福島県のみんながそうなれば、『ふくしま』は本当の意味で『うつくしま』になるのかも知れないね」 |