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浜通り10(相馬市):生命を繋ぐ道(ハマナカアイヅ)

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年10月2日更新

 今回は、「人」と「道」の関係について考えたいと思います。
福島の道2 福島の道路1

 「道」は初めからあるものではないが、歩く「人」が多くなると初めて道ができます。
 いわば、お互い依存し合う関係なのです。

 国道115号線(福島市~相馬市方面)の道沿いには、大規模な工事現場が随所見られます。
 除染作業だと思いきや、よく見てみたら建設中の「相馬福島道路」の工事です。
相馬福島道路工事現場1 相馬福島道路工事現場2

 浜通りの相馬市と中通りの福島市を結ぶ道といえば、この国道115号線は最初に思い浮かべるのでしょう。

――あえて新規道路を作る必要はあるのでしょうか?

――もちろん、あります。

「生命を繋ぐ道」だからです。
生命を繋ぐ道1 生命を繋ぐ道2

 国道115号(相馬~福島間)は、相馬市と福島市を繋ぐ主要な路線であり、東日本大震災では沿岸被災地の救助・救援活動、支援物資の輸送に利用されるなど、防災面においても重要な位置付けにあります。

 しかし、多数の線形不良箇所や事前通行規制区間などがあり、信頼性や速達性において問題があります。

 平成18年には大雨による落石で約1ヶ月間の全面通行止めが発生し、物流、生活、観光など、多方面に大きな影響が出ました。

 東日本大震災から、3年と6ヶ月余りが経ちました。被災地の復興作業が順調に進んでいます。「相馬福島道路」の建設はまさに福島県に復興事業の一環です。
相馬福島道路の概要

 急勾配や狭小幅員が特徴な国道115号線の区間に比べ、相⾺福島道路は⼤規模災害時においても⼨断されない強靱で信頼性の⾼い道路ネットワークを形成しています。同道路の完成によって、⼤⾬による事前通⾏規制や⾃然災害等により通⾏⽌めの頻発を回避できるようになりました。

 さらに、通行所要時間は80分から59分に短縮したことから、迅速かつ安定的な救急搬送を実現し、安全・安⼼な住⺠⽣活に寄与できます。

 私はこれまで、被災者の体験談で「道」の状況によって生死を別けるエピソードをよく耳にしていました。

 大災害発生時、一分一秒の差でも、「人」の生命に大きな変化を迎えることがあります。

 全長45Kmの「相馬福島道路」は、まさに「生命を繋ぐ道」だと思います。

 2014年9月28日、「相馬福島道路」における最後の区間(霊山⇔福島)の起工式が行われました。

 同区間の工事着工により、相馬福島道路の全区間とともに、東日本大震災後に復興道路、復興支援道路として被災3県で新たに事業化された19区間の全てで工事に着手することになります。

 「人」は「道」に生命を吹き込みました。

 「道」は「人」の生命を背負っています。

 被災地の復興によって従来よりも親密に結ばれた「人」と「道」の、これからの物語に期待しています!

(投稿者:徐)

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