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草の根技術協力(地域経済活性化特別枠)事業「ベトナム南部における科学的根拠に基づく保健医療サービス向上のための、大学と医師会の連携による医師育成」(フェーズ2)

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年2月12日更新

疫学研修プロジェクトの概要

疫学研修プロジェクトって何?

イメージ画像 疫学というのは、病気の広がりや原因を調べたり、治療の効果を確かめたりする学問です。
 そのためには、病院のデータをまとめて分析する技術が必要となります。このプロジェクトでは、ベトナムの医師にデータをあつかう技術を伝えて、ベトナムと日本の専門家がともに学び合い、交流を深めています。 

どうしてベトナムなの?

ベトナム地図

 プロジェクトリーダーの後藤准教授は、福島県立医科大学の教員になる十数年前に、アメリカの団体のスタッフとして、ベトちゃん・ドクちゃんがいたホーチミン市内のツーヅー産婦人科病院で疫学研修を始めました。
 ベトナムは東南アジアにあり、急速に発展している国のひとつです。親日家が多く、日本との交流がはじまって40年になります。

<ベトナム社会主義共和国>
 面積:32万9,241平方キロメートル
 人口:約9,170万人(2013年時点、国連人口計画推計)  
 首都:ハノイ
 言語:ベトナム語

~ベトナムウラ話~
 最近のベトナムでは日本のように糖尿病や心臓病などの生活習慣病が多くなってきています。
※生活習慣病とは、日々の好ましくない生活習慣の積み重ねで引き起こされやすい病気です。糖尿病や心臓病の他にも高血圧、脂質異常症、脳卒中などがあげられます。

街中のバイク 街中の建物 街中の市場

科学的な根拠って?

 病気の治療が上手くいっているかどうかは、検査の結果を見ます。この数字のデータが科学的根拠になります。それだけでなく、治療生活を送る患者さんの気持ちが落ち込んでいないか、医療サービスに満足しているかなどをアンケートで確かめます。このような患者さんの声も、科学的根拠になります。

今後どのような成果が望まれるの? 

体重計 過去に研修の卒業生と講師が協力して、糖尿病患者さんの身長や体重、その他いろいろなデータを分析しました。これをきっかけに、現地の病院で身長計と体重計が整備されました。データを用いて日々の診療を振り返ることにより、サービスが向上していくことが期待されます。

~ベトナムウラ話~
 ベトナムの医師によりますと、ベトナムでは病院の外来診察室には、身長計や体重計が設置されていないことが多いようです。

 

このプロジェクトの主な流れ

MOUを締結しました(平成25年12月)

キックオフミーティング MOU(memorandum of understanding)とは覚書のことです。取り交わすことで、目標に向けて事業を推進する意思があることを表明します。

※写真右から二人目が後藤准教授

教本を作成しました(平成26年4月)

教本 研修の初期は、ホーチミン市医科薬科大学と大学関連病院の医師が毎回30名程参加する、こじんまりした研修でした。JICA草の根事業になってから3年間でホーチミン市内全域を対象とするようになり、さらに昨年からベトナム南部を対象とするようになり、だんだん範囲を広げています。いまは、毎回100人前後の参加者が学んでいます。現地講師の教える技術も向上し、「これまでの教材を一冊の本にまとめたい!」という声が上がりました。そこで、英語とベトナム語の教本を1年間かけてまとめました。英語版はすでにプロジェクトのホームページで公開しています。
英語の教本はこちらから pdf file

http://www.fmu.ac.jp/home/public_h/ebm/

研修会を実施しました(平成26年8月)

 2014年の夏には8回目の研修を行いました。講師は福島県立医科大学とホーチミン市医科薬科大学からだけでなく、鹿児島大学、順天堂大学、国立精神・神経医療研究センター、ベトナム国内のハノイ公衆衛生大学院とRTCCD(疫学研究を推進するNPO)、さらには、アメリカのオレゴン州立大学からも集まりました。研修の内容は、参加型の講義と実習を通じて、すぐに使える技術を学べることを特徴としています。5日間にわたり参加者と講師の熱心な話し合いがもたれました。ベトナムの社会発展に伴い、現地の資金提供も徐々に増えているので、JICA草の根事業の終了後も研修が続けられるように、現地講師と検討しているところです。

 私たちのベトナムとの活動は双方向性であり、日本側が疫学を教えるだけでなく、ベトナム側が福島県立医科大学の医学生や大学院生の指導をしています。様々な分野の共同研究もしています。今年の研修には、若手研究者2名と研修医1名が参加して、現地で交流を深めました。お互いに学び合える協働をモットーにしています。

 受付 講義写真 講義の様子

学会で事業成果を発表しました(平成27年1月) 

学会で発表しました  後援をいただいている日本疫学会で、事業成果を発表しました。また、日本医師会の学術誌にフェーズIの成果報告を掲載していただきました。
 エビデンスを推進する事業なので、事業自体もエビデンスに基づいてより良いものにしていきます。

(写真の発表者は福島県立医科大学公衆衛生学講座 助教 黒田佑次郎先生)
Japan Medial Association Journal
https://www.med.or.jp/english/journal/pdf/2014_01/049_055.pdf

ベトナム語の教本を作成しました(平成27年3月)

教本(ベトナム語版) 英語版に続き、ベトナム語版の教本を公開しました。ベトナム厚生省推薦のウエッブ教材です。
 ベトナムにおいて公衆衛生や疫学の教育の中心機関である、ハノイ公衆衛生大学院にご協力いただき、内容の校閲を受け、厚生省につなげていただきました。
 
~ベトナムウラ話~
  医師向けにシンプルな内容にしたため、申請してすぐに、厚生省認定教本の規定から外れているとのコメントが届きました。どうするか悩みましたが、 シンプルさがこの教本の良い点なので、あえて加筆はせずに、厚生省推薦という形式にしていただきました。

ベトナム語の教本はこちらから pdf file

研修を実施しました(平成27年8月)

 2015年夏に9回目となる研修を行いました。講師は福島県立医科大学とホーチミン市医科薬科大学からだけでなく、鹿児島大学、順天堂大学、さらには、シンガポールからも集まりました。複数の機関が協力して、特に二国間交流の枠を超えて第三国からの協力も得ている点がこの事業の特徴です。
 5日間にわたり約100名の参加者とデータ分析について、多くの演習を取り入れて学びました。福島県立医科大学からも2名の日本人参加者が一緒に学んで交流を深めました。今年度はフェーズIIの最終年度なので、事業評価にも力を入れています。
研修会開会 グループワーク

研修で福島オープンセミナーを開催しました(平成27年8月)

 上記研修の一部として、福島オープンセミナーを開催しました。これには、研修会参加者だけでなく関心のある方が広く参加できます。
 福島県国際課と福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座の講師が、福島県の現状(国際課・馬目主幹)、避難者の支援(医大・黒田助教)、そして県民健康調査の概要(医大・安村教授)について説明をしました。皆さん大変熱心に聞いてくださり、環境リスク管理が学べたと好評でした。今後も福島ならではの企画を研修会に組み込んでいこうと考えています。
馬目主幹 参加者も熱心に聞いています 安村教授

国内研修を実施しました(平成27年11月)

 2015 年11 月に3 回目となる国内研修を行いました。ホーチミン市医科薬科大学、ホーチミン市医師会、そして大学関連病院から10 人のベトナム人医師が参加しました。
 福島県で5 日間にわたり、様々な講義の形式、研修の運営、そして、患者さん方の声を分析する方法について学びました。最終日の夜は飯野町にホームステイをして、福島での交流を深めました。
国内研修1 国内研修2 国内研修3


このプロジェクトは、福島県立医科大学公衆衛生学講座 後藤あや准教授を中心とした保健医療サービス向上のための、大学と医師会の連携による医師育成事業です。ご興味のある方は、このプロジェクトのホームページをご覧ください。

 JICA草の根技術協力(地域経済活性化特別枠)事業「ベトナム南部における科学的根拠に基づく保健医療サービス向上のための、大学と医師会の連携による医師育成」はこちらから http://www.fmu.ac.jp/home/public_h/ebm/

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