構内で保管されている物品の管理不十分

東京電力が福島第一原子力発電所構内で保管している物品の管理が不十分であったトラブルについて説明します。

トラブルの概要

• 令和３年３月26日、物揚場排水路の全ベータ放射能上昇（参照：福島第一原子力発電所物揚場排水路における全ベータ放射能の上昇について）を受け、現地駐在職員がガレキ類一時保管エリア（以下「一時保管エリア」という。）Ｗ２周辺を調査中に、ガンマ線線量率が高いコンテナを発見しました。
• 東京電力に対し、保管されているエリアの位置づけ、内容物等について確認したところ、当該エリアに保管された経緯及び内容物が不明であることが確認されました。
• コンテナの発見を受け、東京電力は長期間構内に置かれている管理者等の不明な物品の調査計画を公表しました。
• 令和３年７月８日、東京電力による物品調査の結果、管理不十分な物品が構内803箇所で確認されたことを公表しました。
• 東京電力は、管理が不十分な物品について、システムで管理するとともに、物品の処理･片付け等の計画を速やかに立案することとしています。

 

これまでの経緯

トラブルの経緯について、時系列に沿って説明します。

福島第一原子力発電所構内概略図（図内の番号は目次番号の場所を示しています）	目次
	1.コンテナの発見
	2.コンテナの内部調査
	3.構内物品調査

 

1.コンテナの発見

〇コンテナの発見

• ３月26日、東京電力が一時保管エリアＷ２においてベータ線量率が高い地点、及び地表面上にベータ線量率が高いゲル状の塊の発見についての公表を受け、一時保管エリアＷ２周辺を調査していた際に、エリアに隣接する旧研修棟の東側においてガンマ線量率の高いコンテナ４基を確認しました。
• ３月29日に再度調査を実施し、３月31日に東京電力に対してコンテナの保管されているエリアの位置づけ、内容物、今後の取り扱いについて確認したところ、内容物や当該エリアに保管された経緯が不明であるコンテナ（以下「不明コンテナ」という。）であったことが分かりました。

 

管理状態が不明なコンテナ

 

確認日	確認事項
３月26日　現地駐在活動報告書	物揚場排水路の簡易放射線検知器 における「高警報」発生に伴う原因調査（１）
３月29日　現地駐在活動報告書	物揚場排水路の簡易放射線検知器 における「高警報」発生に伴う原因調査（２）

 

〇不明コンテナの移動

• ４月５日、東京電力は、不明コンテナを屋内へ移動する計画を公表しました。不明コンテナが移動されるまでの間、単管バリケードによる区画、周囲への土のう設置、シート養生が実施されました。

確認日	確認事項
４月５日　現地駐在活動報告書	周囲への土のうの設置
４月13日　現地駐在活動報告書	シート養生、単管バリケードの設置
４月26日　現地駐在活動報告書	シート養生の取り外し
４月27日　現地駐在活動報告書	不明コンテナの運搬作業

2.コンテナの内部調査

• ４月27日、不明コンテナは固体廃棄物貯蔵庫第２棟に運搬されました。
• 6月１日より内容物確認作業が実施され、土砂の入った樹脂製の袋などが保管されていたことが確認されました。内容物は別のコンテナに移し替えられ、保管されています。

不明コンテナの内容物確認作業

 

確認日	確認事項
５月19日　現地駐在活動報告書	固体廃棄物貯蔵庫第２棟における保管状況
６月１日　現地駐在活動報告書	内容物確認の状況（１）
６月23日　現地駐在活動報告書	内容物確認の状況（２）
６月24日　現地駐在活動報告書	内容物確認の状況（３）
10月７日　現地駐在活動報告書	内容物の移し替え後の状況

3.構内物品調査

• 不明コンテナの発見を受け、東京電力は構内に長期間置かれている物品の調査を実施しました。調査の結果、管理状態が不十分な物品が構内803箇所で確認されました。
• 東京電力は、管理が不十分な物品について、システムで管理するとともに、物品の処理･片付け等の計画を速やかに立案することとしています。また、構内における物品管理ルールの周知徹底や、管理者のパトロール強化などを実施し、物品管理の適正化を図ることとしています。

管理状態が不十分な物品（コンテナ）	管理状態が不十分な物品（コンクリートウェイト）

 

確認日	確認事項
５月25日　現地駐在活動報告書	車両整備場南側車両置き場
５月27日　現地駐在活動報告書	車両整備場南側車両置き場
６月３日　現地駐在活動報告書	1/2号機開閉所
７月26日　現地駐在活動報告書	４号機タービン建屋東側