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3号機原子炉建屋使用済燃料プールからの燃料取り出し(1)(ガレキ撤去・線量低減)

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年3月30日更新

平成31年4月から令和3年2月にかけて3号機原子炉建屋から、使用済燃料の取り出し作業が行われました。
このページでは、水素爆発※で発生した3号機原子炉建屋最上階のガレキの撤去作業から線量低減作業までについて説明します。

(参照:3号機原子炉建屋使用済燃料プールからの取り出し(2)(燃料取り出し用カバー設置~試運転)
​(参照:3号機原子炉建屋使用済燃料プールからの取り出し(3)(使用済燃料の取り出し)

※3号機については2011年3月14日11時02分頃の事象全体を指す際には「水素爆発」としています。
 3号機における水素爆発事象については、原子力規制委員会による調査が進められてられています。

作業概要

  • 原子炉建屋上部にある使用済燃料プールには、発電に使用された使用済燃料などが貯蔵されています。水素爆発で損傷した原子炉建屋内に使用済燃料を残すことでさらなる事故が発生するリスクを下げるため、原子炉建屋から燃料を取り出すことが必要となります。
  • 使用済燃料プールから燃料を取り出すため、初めに水素爆発で損壊した原子炉建屋内部及び上部のガレキ撤去作業が行われました。
  • 原子炉建屋最上階(オペレーティングフロア。以下「オペフロ」という。)は線量が高く、人が立ち入ることができなかったため、作業のほとんどは遠隔操作機器によって行われました。
  • ガレキ撤去作業と並行して、燃料取出し用カバーの設置や燃料取り出しの作業では有人作業を必要とするため、オペフロの線量低減作業が実施されました。
  • 線量低減作業はオペフロの床面の材質や損壊の状況ごとに工区を設け、工区ごとに様々な方法で実施されました。

作業状況

作業状況について、時系列に沿って説明します。

福島第一原子力発電所構内概略図 目次
地図 1.ガレキ撤去作業
2.オペフロの線量低減作業

 

1.ガレキ撤去作業

平成23年

  • 5月4日、3号機原子炉建屋内部のガレキ撤去作業が開始されました。
  • 9月10日、原子炉建屋上部のガレキ撤去作業が開始されました。

平成25年

  • 8月12日、発電所構内に設置されている連続ダストモニタ(放射性物質の飛散を監視する機器)の高放射能検出による警報が発生しました。8月19日にも警報が発生し、県が設置している双葉町のモニタリングポストの指示値が上昇しました。
    (「ガレキ撤去作業による放射性物質の飛散」参照)
  • 10月11日、再発防止対策を実施し、原子炉建屋屋上部の大型ガレキ撤去作業が完了しました。
  • 12月17日、使用済燃料プール内の大型ガレキ撤去作業が開始されました。

平成26年

  • 8月29日、ガレキ撤去作業中に、震災前に使用されていた燃料交換機の一部がプール内に落下しました。この事象を受け、ガレキ撤去作業が中断されました。
  • 12月17日、再発防止対策及び影響緩和対策を講じ、ガレキ撤去作業が再開されました。

平成27年

  • 8月2日、プール内で最大のガレキであった燃料交換機本体の取り出しが完了しました。
  • 8月4日、水中カメラを使用して、使用済燃料プール内のガレキ堆積状況調査を実施した結果、撤去した燃料交換機があった場所の下に位置する燃料4体において、取り出しに用いるハンドル部が変形していることを確認しました。
  • 11月21日、使用済燃料プール内の大型ガレキ撤去作業が完了しました。

 

ガレキ撤去作業による放射性物質の飛散

平成25年

  • 8月12日、構内免震重要棟前に設置された連続ダストモニタにて、高放射能検出による警報が発生しました。この時、免震重要棟前のバス停にいた作業員に身体汚染が確認されました(内部取り込みなし)。東京電力は、熱中症対策のために免震重要棟屋上に設置しているミスト発生装置から出ているミストが汚染されている可能性があると推定しました。
  • 8月19日、12日と同様に、構内免震重要棟前に設置された連続ダストモニタにて、高放射能検出による警報が発生しました。この時、免震重要棟前のバス停にいた作業員に身体汚染が確認されました(内部取り込みなし)。この時、12日に警報発生の原因と推定されていたミスト発生装置は停止していました。
    また、県が設置しているモニタリングポスト(双葉町郡山局)において線量上昇を確認し、最大1.195μSv/hを観測しました。
  • 8月20日、県から東京電力に対し、連続ダストモニタ指示値が上昇し、身体汚染者が発生した原因の早期究明と作業員の被ばく防止の徹底を申し入れました。(参照:申し入れ
  • 8月27日、県が追加モニタリングを実施し、郡山局の空間線量率が一時的に上昇したのは、風上に位置する福島第一原子力発電所と推定しました。そして東京電力に対して、発生原因の特定、再発防止対策等について報告を求めました。
  • 9月12日、東京電力より「免震重要棟前のダスト上昇の原因は3号機のガレキ撤去作業である可能性があると判断」、「県の設置したモニタリングポストが一時的に上昇した件については、当日の風向から1Fからの影響の可能性がある」との報告を受けました。
    東京電力は再発防止対策として、ダスト飛散防止剤の散布方法の見直しや、オペフロへのダストモニタの設置を実施することとしました。​
  • 11月21日、廃炉安全監視協議会の部会である環境モニタリング評価部会において、当事象について報告を受けました。
    平成25年度第2回環境モニタリング評価部会

FHM

ハッチ蓋

ガレキ撤去作業(燃料取扱機) ガレキ撤去作業(原子炉水浄化装置ハッチ蓋)

 

確認日 確認事項
(平成27年)  
8月2日 現地駐在活動報告書 3号機使用済燃料プールからのFHM(燃料取扱機)本体撤去作業状況の確認
8月4日 現地駐在活動報告書 3号機使用済燃料プールFHM本体撤去工事の状況確認
8月14日 現地駐在活動報告書 3号機使用済燃料プールから撤去したFHM本体の仮置状況の確認
8月20日 現地駐在活動報告書 3号機使用済燃料プールから撤去したFHM本体解体作業の準備状況の確認
8月21日 現地駐在活動報告書 3号機使用済燃料プールから撤去したFHM本体解体作業の確認
8月28日 現地駐在活動報告書 3号機使用済燃料プールから撤去したFHM本体の解体作業の状況確認
8月31日 現地駐在活動報告書 3号機使用済燃料プールから撤去したFHM本体の放射線量等の確認
9月4日 現地駐在活動報告書 3号機使用済燃料プールから撤去したFHM本体の解体作業の状況確認
10月6日 現地駐在活動報告書 3号機使用済燃料プール内のCUW F/D(原子炉水浄化装置)ハッチ撤去作業の実施状況確認
10月15日 現地駐在活動報告書 3号機使用済燃料プール内のCUW F/Dハッチの撤去状況確認

2.オペフロの線量低減作業

平成25年

  • 10月15日、オペフロの線量を低減させるため、除染作業が開始されました。作業は遠隔操作で行われ、細かいガレキの集積や吸引、水や薬品による床面の洗浄など様々な方法で実施されました。

平成27年

  • 11月26日、10月に実施したオペフロ上の空間線量のガンマ線スペクトル測定の結果、オペフロのガレキは主要な線源ではないと推定されたため、除染よりも遮へいによる線量低減が有効な段階にあると判断されました。

平成28年

  • 4月12日、オペフロへの大型遮へい体の設置作業が本格的に開始されました。
  • 6月10日、オペフロの除染作業が完了しました。
  • 12月20日、遮へい体の設置作業が完了し、線量低減対策作業が完了しました。
確認日 確認事項
(平成28年)  
4月22日 現地駐在活動報告書 3号機原子炉建屋オペフロ遮へい体設置工事の状況確認

 

福島県の対応

申し入れ

県では東京電力に対し、重大なトラブルに繋がるリスクに対して申し入れや要請などを行っています。

平成25年8月20日
申入者 生活環境部次長 古市正二
申受者 東京電力株式会社 福島復興本社福島広報部長 高原一嘉

連続ダストモニタ指示値が上昇し、身体汚染者が発生した原因の早期究明と作業員の被ばく防止の徹底することを申し入れました。

 

廃炉安全監視協議会

​廃炉安全監視協議会では、進捗状況や作業中に発生したトラブルについて、適宜東京電力から説明を受けました。

平成26年12月2日 会議
東京電力からガレキ落下事象に対する作業手順の見直し、燃料への影響緩和策等の説明を受けました。
また、議長からガレキ撤去作業の再開にあたって、作業実施前ガレキ調査を十分に行い、手順・体制をしっかり検討・確認した上で慎重に作業を行うなど、落下の再発防止対策を確実に実施することを申し入れました。

平成26年12月24日 現地調査
東京電力から、ガレキ落下事象後の使用済燃料プール内ガレキ撤去作業の再開状況について、免震重要棟で説明を受けました。
また、議長から一つ一つの撤去作業実施前におけるガレキの状況調査を十分行い、立ち止まるということ、手順をしっかり確認した上で慎重な作業を行うなど、落下防止対策を確実に実施すること、大物が残っているので気を引き締めて実施することを申し入れました。

平成27年7月15日 会議
東京電力から、破損した燃料交換機本体の撤去方法について説明を受けました。
また、議長から作業手順をしっかり確認した上で作業を行い、使用済燃料プールの健全性を損なわないように慎重に作業を実施すること、万が一のことを想定し、使用済燃料プールの冷却に影響を与えないよう、事前の備えを万全にしておくことを申し入れました。

廃炉安全確保県民会議

廃炉安全確保県民会議では、関係13市町村の住民及び各種団体の代表者等の構成員が、東京電力から作業中のトラブルについて説明を受けました。また、掲載されていない会議においても、適宜廃炉作業の進捗として作業の進捗状況を確認しています。

平成27年9月1日
​平成25年8月に発生した放射性物質飛散に関する調査結果について、資源エネルギー庁から説明を受けました。

安全確保協定に基づく現地調査

平成27年8月2日
福島第一原子力発電所3号機の使用済燃料プールから燃料交換機(FHM)本体を撤去する作業が行われたことから、現場状況の確認を実施しました。

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