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レジオネラ症について

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新

レジオネラ症とは

 1976年にアメリ力のフィラデルフィアのホテルで在郷軍入会総会が開かれ、その参加者などの間で原因不明の肺炎が集団発生しました。

 原因は細菌による感染症でしたが、在郷軍人会のLegion(レジオン)をとって「レジオネラ症」という病名がつけられました。

 レジオネラ症はレジオネラ属菌が原因で起こる感染症で、乳幼児や高齢者、病人など抵抗力の低下している人がかかりやすい傾向にあります。

 また、この病気はレジオネラ肺炎とポンティアック熱とに分けられます。

 レジオネラ肺炎は、高熱、悪寒、筋肉痛、吐き気、意識障害等を主症状とする肺炎で、時として重症になる場合もあります。

 一方、ポンティアック熱はインフルエンザに似た非肺炎型熱性疾患で、悪寒、筋肉痛、発熱などが見られ、一般に軽症で数日で軽快します。

レジオネラ症の原因菌

 レジオネラ属菌は土壌や河川、湖沼など自然界に広く生息しています。

 菌の増殖に必要な温度は25〜43℃、特に成長に適する温度は35〜37℃です。

 菌の形態は長さ2〜20ミク口ン、幅0.3〜0.9ミクロン程度の細長い菌です。

 レジオネラ属菌は生存・増殖するために、他の細菌や藻類などから必要な栄養分を吸収したり、アメーバなどの原虫に寄生します。

アメーバに寄生するレジオネラ属菌の顕微鏡写真

 アメーバに寄生するレジオネラ属菌の顕微鏡写真(写真提供:国立感染症研究所 寄生動物部)


国内外のレジオネラ症発生事例

 最近の国内の事例では、2015年5月に岩手県の公衆浴場で13人が感染し、1人が死亡した集団感染が報告されています。
 さらに、2017年3月には広島県の温泉施設で58名がレジオネラ症を発症し、1名が死亡するという事例がありました。

 国内全体におけるレジオネラ症の報告数は、2000年代はじめに100例前後であったものが、2017年には1,700例近く報告されており、年々増加しています。
 なお、増加の理由として、レジオネラ尿中抗原検査が保険適用になったことなどが要因であると考えられています。

 また、外国においては、2015年スペインのマンサナーレスで冷却塔とスプリンクラーを感染源として、患者数558人、内4人が死亡した集団発生がありました。

レジオネラ発生報告数

※国立感染症研究所発生動向調査年別報告数から作成。
※2017年の報告数は第52週までの速報値(暫定値)。

レジオネラ症はこんなところから感染します

 レジオネラ症は、レジオネラ菌に汚染されたエアロゾル(目に見えない細かい水滴)や土埃を吸い込んでしまうことにより感染します。
 エアロゾルを発生する設備や機器類には、空調設備のひとつである冷却塔や加湿器などがあります。
 また、循環式浴槽や掛け流し浴槽などの入浴施設、プールなどにおいても、清掃や消毒が不十分な場合、生物膜(ぬめり)が発生し、レジオネラ菌の温床となってしまう可能性があります。
 上記のようなレジオネラ症の感染源となりうるものを使用する際は、定期的な点検や清掃、消毒といった適切な管理が必要です。

レジオネラ症の感染源