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農薬危害防止について

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年2月25日更新

 農薬は、農作物を病害虫や雑草から守り、農業の生産性を高めるための重要な生産資材のひとつですが、農薬使用者の安全確保はもとより、農作物等の安全性確保や周辺環境への悪影響を防止する観点から、農薬使用基準を遵守した農薬の安全かつ適正な使用の徹底が求められています。 農薬危害防止において特に重要なものは、次のとおりです。

1 農薬使用基準の遵守

 病害虫等を防除する際、農薬は、食品として利用される食用農作物に使用されるため、農産物に残留した農薬を摂取しても人の健康に影響がない量として、各農産物ごとに農薬の残留基準が定められています。 このため、農薬の使用に当たっては、必ずラベル、FAMIC(農林水産消費安全技術センターHP)の登録情報やメーカーHP等の表記事項を確認し、適用作物、使用量、希釈倍数、使用時期、総使用回数を遵守しなければなりません。
 農薬適正使用の推進のページ 
>リンク

2 使用者の安全確保

 人畜毒性の弱い農薬を選択するとともに、マスクやゴム手袋等の保護具を着用し、適正な服装で散布作業を行う。

(1)防護具

ア 保護マスク

  • 使い捨て式防じんマスク(国家検定合格品)。一回の使用で使い捨てとする。

イ 防護マスク

  • ろ過材を取り替える取り替え式マスク(国家検定合格品)。
  • ガス化しやすい農薬を使用する場合の防毒マスク(国家検定合格品)。

ウ 防除衣

  • 「軽い」、「むれない」、「優れた防水性」、「価格が安い」ものが望まれる。
  • 着用するときは、下着に綿の網シャツ、網ズボン下を着ける。

エ 手袋(アンダー手袋)、保護メガネ、保護クリーム、汗取りパット

(2)散布前・中・後の注意事項

ア 使用前の注意事項

 (ア) 使用者の健康状態
 (イ) 防除器具の整備・点検
 

イ 使用中の注意事項

 (ア) 散布液の調製

  • マスク、手袋、メガネなど保護具を必ず着用する。(濃厚な農薬に触れる機会が多いので特に注意する。)

 (イ) 散布時間帯

  • 暑い日中を避け、涼しい朝夕に行う。(早朝の涼しい時間帯は下降気流がある)

 (ウ) 長時間の散布作業はしない(2時間くらいを限度)。

 (エ) 農薬を浴びない工夫

  • 風の強い日の散布控える。微風条件下でも、風を背にして、風上の方向に後ろ向きに進行するようにする(後退散布)。
  • 前進しながら農薬を散布すると、農薬が漂っている中を進むことになるうえ、農薬の付着した作物に身体が触れることになる。このため、後退しながら散布するとよい。
  • 飛散の少ない農薬を使用する。(例えば、粉剤>DL粉剤>微粒剤>粒剤の順で散布者への付着が少ない)。
  • キリナシノズルなどの使用。
  • 作物の近くから散布。

ウ 散布後の注意事項

  • 農薬は一度で使い切るように調製する。
  • 防除器具の整備、農薬の適正な保管管理をする
  • 身体をきれいに洗う。
  • 飲酒を控え早く寝る。
  • 身体に異常を感じたら、使用した農薬の容器を持参して、医師の診断を仰ぐ。

農薬中毒に関する問い合わせ
  財団法人 日本中毒情報センター 
>リンクページへ

3 周辺環境への配慮

 他の農作物等に適用のない農薬が飛散しないよう適切な作付けを行うとともに、細心の注意をはらい散布作業を行ってください。さらに、住宅地、学校等や河川に隣接する農地では、農薬が飛散したり、流亡することがないよう、万全な飛散防止対策を講じてください。

(1) 蚕に対する毒性の強い農薬の注意

  • 殺虫剤でピレスロイド系、ネオニコチノイド系、スピノシン系、ジアミド系等の蚕毒が強い薬剤系統については、「蚕に対する毒性の強い農薬の安全使用に係る指導方針」に基づき、使用規制地域が定められています。

(2) モリネートを有効成分とする除草剤の使用上の注意

  • 過去、コイなどに慢性的な障害を起こし、養殖鯉等のへい死事故が問題となったため、モリネートを有効成分とする除草剤(以下「モリネート剤」)については、「モリネート剤に起因する魚毒防止に係る自主規制区域」が設定されています。

(3) 生活環境動植物への被害防止

  • 農薬が河川、湖沼、海域及び養殖地に飛散または流入することによって、生活環境動植物に思わぬ影響を及ぼすことが想定される。農薬には、生活環境動植物に対する使用上の注意事項が定められており、使用に際しては、ラベルやFAMIC(農林水産消費安全技術センターHP)の登録情報等をよく確認し、注意事項を遵守する。
  • 使用残りの薬液が生じないように調製し、使用した器具や容器を洗浄した水は、河川に流さず、ほ場内で処理する。また、空容器等は廃棄物処理業者への処理委託をする等により、適切に処理すること。

(4) 水質汚濁の防止

  • 公共用水域の水質の汚濁が生じ、かつ、その汚濁に係る水(その汚濁により汚染される生活環境動植物を含む。)の利用が原因となって人畜に被害が生じないようにすること。
  • 農薬使用者が使用基準を遵守していても、一定の地域でまとまって使用された場合、水産動植物、公共用水域、人畜等への被害が生じるおそれがある場合として、水質汚濁性農薬が指定され、使用が規制されています。

次に掲げる農薬は水質汚濁性農薬として指定されている
 
シマジン(商品名:シマジン)

(5) 水田における農薬の流出防止

  • 農薬使用者は、水田において、農薬を使用するときには、当該農薬が流出することを防止するため必要な措置を講じるよう努めなければならない(「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令」(平成15年農林水産省・環境省令第5号))。
  • ラベルやFAMIC(農林水産消費安全技術センターHP)の登録情報等に記載されている止水期間を守り、用水の掛け流しをしないなど水管理に注意して、水系への流出を防ぐこと。

(6) 周辺への飛散、揮散防止

  • 住宅に近接したところで農薬を使用する場合は、粉剤等の飛散しやすい農薬、臭いの強い農薬、かぶれやすい農薬、毒性の強い農薬は避けるようにする。
  • 事前の通知、立て札等を行うとともに、気象条件・時間等に注意し、 風の強い場合は避ける。できるだけ人がいない時間帯を選んで散布する。 特に、早朝や通勤・通学時間帯を避けること。
  • 被覆を要する農薬(クロルピクリンを含有する製剤)を使用するときは、農薬を使用した土壌から農薬が揮散することを防止するために、処理後にシート被覆を行う。

 4 農薬の適切な保管

 農薬の誤飲等による事故を防ぐため、食品との分離等適切な管理を行う。また、盗難を防ぐため、農薬保管庫等を設置し施錠する。

注意点

 (1) 鍵を掛けて保管する。
 (2) 食品とは分離する。
 (3) 小分け・容器の移し替えは絶対しない。