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牛の伝染病について

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年7月13日更新

牛の結核

 牛の結核は、主に Mycobacterium bovis (牛型結核菌)という細菌によって起こる慢性呼吸器感染症で、家畜伝染病(法定伝染病)に指定されています。M.bovis は牛や豚などの家畜、犬や猫などの伴侶動物の他、人にも感染するため、人獣共通感染症として重要な病原体です。M.bovis に感染すると、発咳、食欲不振、削痩など栄養不良症状を示し、重症例では鼻汁や唾液、糞便中に菌を排泄し、環境を汚染することで集団感染が容易に起こります。

 生前診断としては、ツベルクリン検査により皮膚の腫れが一定の基準を超えたものを陽性牛として、家畜伝染病予防法により殺処分します。治療は行いません。

ブルセラ症

 ブルセラ症は Brucella 属の細菌によって起こる流産、早産、死産を主徴とする感染症で、家畜伝染病(法定伝染病)に指定されています。ブルセラ属の細菌は牛、豚、めん羊、山羊、犬などの動物の他、人にも感染するため、人獣共通感染症として重要な病原体です。

 牛のブルセラ症は B.abortus の感染によって起こり、流産、不妊、精巣炎、関節炎、乳房炎などがみられます。また、菌は乳汁中にも排出されることから、公衆衛生上重要な疾病でもあります。

ヨーネ病

 ヨーネ病は Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis (ヨーネ菌)という細菌によって起こる感染症で、家畜伝染病(法定伝染病)に指定されています。ヨーネ菌は牛の他に、めん羊、山羊などの反芻動物にも感染します。

 ヨーネ菌に感染してもすぐには症状を示さず、多くの場合、分娩によるストレスが引き金となって発症します。ひとたび発症すると、難治性の慢性下痢と重度の削痩の後、衰弱死します。その間、ヨーネ菌は乳汁や糞便中に排泄され続けます。

 生前診断としては、ELISA(エライザ)法による抗体検査や、糞便中のヨーネ菌の遺伝子検査を行い、最終的に患畜と診断された個体は殺処分します。治療は行いません。

 福島県では平成26年度より、家畜伝染病予防法および福島県の告示に基づき12ヶ月齢以上の乳用牛及び12ヶ月齢以上の肉用繁殖牛を対象に、地域ごとに5年に1度のサイクルで検査を実施しています。

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