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【2013年2月20日(水曜日)】 Vol105

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年3月26日更新

目次

  • 日々の思い
    県教育庁参事 笠原 裕二(かさはら ゆうじ)
  • リレーエッセイ
    県教育委員会委員長 境野 米子(さかいの こめこ)
  • お薦めの一冊コーナー
  • 学校自慢コーナー
    • いわき市立好間第三小学校
    • 猪苗代町立猪苗代中学校
    • 福島県立安積高等学校御舘校
    • 福島県立あぶくま養護学校
  • お知らせ
  • 編集後記

日々の思い

「阿津賀志山防塁」    

県教育庁参事 笠原 裕二(かさはら ゆうじ)
         
 阿津賀志山(現:厚樫山)は、私の住む伊達市の隣町である伊達郡国見町にある標高289mの低山で、阿津賀志山防塁は、この阿津賀志山の中腹から阿武隈川までの約4キロメートルにわたって、奥州藤原氏が源頼朝との阿津賀志山の戦い(1189年)に備えて築いた防塁です。福島県立博物館の総合展示室に「阿津賀志山の合戦 阿津賀志山防塁(二重堀)模型」が、弓矢を射ち合い、 騎馬武者が疾駆する当時の合戦のようすもわかるように常設展示されています。 この防塁が築かれたあたりは、厚樫山と阿武隈川に挟まれていて、現在も 東北自動車道・国道4号・東北本線が平行して通っており、北上して奥州藤原氏を攻めるためには必ず通らなければならない場所です。奥州藤原氏もこのことを 踏まえてこの地に防塁を築きました。
 防塁は、二重堀で、幅は15メートル、深さは浅い箇所でも1.5メートル、 深い箇所では2.8メートルにおよび、断面がV字状になっていました。 現地では、800年以上たった今でも畑や果樹園などに断続的に土塁状の地形の高まりや段差が残っていて、人の力で築造した二重堀の幅とその距離の長さに圧倒されます。
 私は、自宅から近いこともあって、機会がある度に立ち寄ったりするのですが、 その度に、奥州藤原氏が、源頼朝の強大な力に対して、何としてでも生き残ろうと必死に大規模な防塁を築いた思いと、そのために費した膨大なエネルギー(延べ25万人を動員)を現地でリアルに感じることで刺激を受け、 モチベーションが高まったり、気分転換になったりしています。  また、現在は厚樫山山頂まで車道が通じていて、山頂には展望台が設けられています。 展望台からの眺望は見事で、東側には阿武隈川や阿武隈山地、南西側には吾妻・安達太良連峰、西側には半田山を見渡すことができます。特に盆地一帯に桃の花が 咲き誇る春は、一層美しい景色となります。

 教職員の皆さんは、震災や原子力災害以降、それ以前とは違った学校現場や 生活環境の下で、疲労やストレスを抱えながら日々の職務に当たっていることと思います。蓄積された疲労やストレスによる影響(例えば、心的外傷後ストレス障害など)が表面化するのは数年以上が経ってからとも言われております。 皆さんそれぞれの方法で気分転換を図ったり、モチベーションを高めたりしながら、 心と体をメンテナンスして職務に当たっていただきたいと思います。 県教育委員会としても、震災後は、メンタルヘルスのためのハンドブック作成、 ストレスチェックの実施、臨床心理士や専門医によるカウンセリングの窓口拡充 などに取り組んでおりますので、活用していただきたいと思います。

 ちなみに、源頼朝に付き従ってきた豪族の中に常陸入道念西(ひたちにゅうどう ねんさい)がおりまして、源頼朝は軍功として伊達郡を与えることで報い、念西は、 これまでの中村の姓を改め、以後、伊達氏を称することになりました。私の通勤電車である阿武隈急行線の高子駅から北に300mのところに高子岡(たかこがおか)城跡があり、高子岡城は常陸入道念西(伊達朝宗)が築いて居城とした、伊達氏発祥の地とされています。

リレーエッセイ

「ベラルーシを訪問してきました」

県教育委員会委員長 境野 米子(さかいの こめこ)

 昨年の11月20日(火曜日)から27日(火曜日)、福島市先進地視察事業に加えてもらい、ベラルーシ共和国(以下ベラルーシ)へ行ってきました。ベラルーシの面積は20万7,600平方キロメートル(わが国の半分)、人口は948万人(わが国は1億2665万人)。1991年にソ連から独立した共和国ですが、 大統領権限が非常に大きく、国営企業が温存されるなど、旧ソ連の管理経済 体制を維持しています。ベラルーシ語とロシア語が公用語で、人口の84%はベラルーシ人、8%はロシア人です。ベラルーシは、1986年4月26日に起きたチェルノブイリ原発事故により、原発から20から30キロほどしか離れていない地域を中心に、大きな被害を受けました。放射性物質で国土の 3分の2が、農地の約半分は汚染され、4,000人を超える子どもたちが 甲状腺がんになりました。
 視察は、汚染のなかった首都ミンスクと汚染地区のゴメリ州をチャーターしたバスで往復し、各施設を訪問しました。交通は、飛行機や鉄道などの整備は遅れていて、バスが一番便利とのことでした。途中休憩を取りながらの移動 でしたが、片道5時間を越えるものでした。福島と大きく違うのは、山がなく 平坦な地形で、道路の両側は森というよりも林でした。所々の道路脇や森の入り口付近に、汚染の危険性を警告する標識が立っていました。警告は、 立ち入りを禁止するものではなく、「森でのきのこ狩りや果実の採取や食用目的の狩猟を控えるように」「線量を測定して食べるように」との警告でした。 もちろん、原発から30キロ圏内の強い汚染地には、許可証がないと入れない とのことでした。見学した汚染地域と言われるゴメリ州の学校や森、街などで、 同行した福島市の専門家が線量計で測定しましたが、どこも0.1から0.2 マイクロシーベルト/時と低いのに驚きました。もちろん、福島とは違ってストロンチウムやプルトニウムなどの核種の汚染も報告されていますので、 一概に安全とはいえない状況もあると思います。

 この視察を通して、何よりも心に響いたのは、各機関の責任者たちの「子どもたちを守る・・」との言葉でした。またその言葉通りに、医療や教育の現場で取り組まれている様子を見学し、その取り組みが非常に具体的、 科学的であることからも、住民の政府への信頼も納得できました。もちろん政治体制の違いもあるので、日本で同じ取り組みを行うことは無理なことも 多いと思いますが、学ぶべきこともたくさんあったと思えています。数多い視察箇所の中でも、とりわけ印象深かった児童保養施設とゴメリ州の中等学校での放射線教育の取り組みについて報告したいと思います。

編集者より
 今回は、現地の写真なども含めて詳細にお伝えしたいのですが、編集の関係上、メールマガジンの本文ですべて御紹介することができません。
 ベラルーシ訪問の詳細は、下記を御覧ください。

「ベラルーシを訪問してきました」[PDFファイル]

お薦めの一冊コーナー

 このコーナーでは、福島県立図書館司書のお薦めの一冊を御紹介します。

おすすめの一冊 『道はみんなのもの』クルーサ/文 モニカ・ドペルト/絵 さ・え・ら書房

 都市化が進み、遊び場が道路しかなくなってしまった子どもたちは、「遊び場が ありません。公園をつくってください。」と書いた横断幕を作りました。遊び場を 作るには、大人の力が必要です。子どもたちの切なる願いは、大人たちを動かす ことができるのでしょうか。実話をもとに描かれたベネズエラの絵本です。(県立図書館司書 S.S)

県立図書館024-535-3218
http://www.library.fks.ed.jp/

学校自慢コーナー

 このコーナーでは、各学校の特色ある取組を御紹介します。詳しい内容を 県教育委員会のホームページで紹介していますので、御覧ください。

『絆をむすび、学び育つ活動~少人数のよさを生かし、人との豊かなかかわりから学ぶ~』

いわき市立好間第三小学校

 本校は、全校児童32名の小規模校。少人数のよさを最大限に生かし、様々な 人々との「かかわり」「つながり」を意識した取組みを行っています。全校生での 活動や外部人材の活用、近隣校との交流など様々な活動を通して、子どもたちは 人との「絆」をむすび、深めることに喜びを感じながら、しっかりと学び育つ ことができました。

いわき市立好間第三小学校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
いわき市立好間第三小学校のホームページへ

『猪苗代中学校の自慢コーナー』

猪苗代町立猪苗代中学校

 本校の教育目標は、世界の偉人である「野口英世博士」の遺訓より、(1)目的: 目的的な生活を通して、自己実現を図る生徒、(2)正直:自分の考えを持ち、 自他を大切にする生徒、(3)忍耐:困難に負けず粘り強く努力し続ける生徒の 3つを柱に、「挑戦意欲を育て、精一杯自分を出し切る中学生」を 経営スローガンに掲げ、学校教育に取り組んでいます。

猪苗代町立猪苗代中学校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
猪苗代町立猪苗代中学校のホームページへ

『素直なこころで向き合える緑豊かな御舘校「地域に密着した教育活動の実践」』

福島県立安積高等学校御舘校

 本校は、郡山駅より東方約16km、三春町より南方約12km、49号国道栃本より 北方約6kmに所在しており、生徒は美しい自然環境に囲まれ、落ち着いた 学校生活を送っています。今年創立64周年を迎え、この長い歴史の中で地域の 方々から多大な御協力とご理解を頂き、学校行事を地域行事に連動させ、 地域の高校として見守られながら各種行事に参加しております。

福島県立安積高等学校御舘校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
福島県立安積高等学校御舘校のホームページへ

『地域とともに』

福島県立あぶくま養護学校

 本校は、郡山市東部の小高い丘陵に位置する、知的障がい特別支援学校で、 小学部・中学部・高等部合わせて348名が在籍しています。
 今回の学校自慢コーナーでは、本校で取り組んでいる地域交流活動の 「中田地区駅伝競走大会への参加」と「海老根和紙の紙漉体験交流」について 御紹介します。

福島県立あぶくま養護学校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
福島県立あぶくま養護学校のホームページへ

お知らせ

 震災からまる2年になろうとしています。子どもたちにとっての2年間は大人以上に 多くのことを感じた時間だったと思います。その思いを忘れずに、3年目へ、 さらなる復興の年へ向かっていきたいものです。
 ここからは、2月のお知らせコーナーです。

県立図書館からのお知らせ

 東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故から2年が経過する 時期に合わせ、“がんばろう!福島”“ふくしまからはじめよう。”と歩んできた 2年間の日々と出来事と未だ避難生活を余儀なくされている“ふくしま”の現況や 復旧復興の姿を伝えていきます。
 当館においては平成24年4月より「東日本大震災福島県復興ライブラリー」を 設置し、大震災及び原発事故に関する資料の収集・保存・提供に取り組み、 仮設住宅や仮設校への資料支援など被災自治体への支援を展開しています。
 今回は「福島河川国道事務所」とタイアップし、救命・救護ルート確保のための 活動をまとめたパネルの展示や記録映像の上映会、また、実際に復旧業務に 従事した方の体験談等をおはなしいただく機会を設けるほか、特別企画として 「忘れない。~東日本大震災から2年~」を開催し、「新生ふくしま」へ向けて、 新たな一歩を踏み出す契機としていただければと考えております。

「忘れない。~東日本大震災と救命・救護ルート確保、復旧への記録~」展

 福島河川国道事務所所有の震災関連写真パネル及び被災した 道路標識等の展示。
 期間:平成25年2月23日(土曜日)から3月24日(日曜日)
 場所:県立図書館・エントランスホール 公開図書室

ふくしまを知る講座「忘れない。~東日本大震災から2年~」

 写真パネルの説明を交えたギャラリートークと、被災地復旧を記録した DVDの上映。 
 講師:福島河川国道事務所 吾妻山山系砂防出張所
 所長 佐藤 浩治氏
 期間:平成25年3月16日(土曜日) 14時00から
 場所:県立図書館・公開図書室 視聴覚資料室

「東日本大震災等パネル展」「ふくしま・きずな物語展」

 震災関連写真パネル及び「きずな」をテーマにした作文・エッセーの展示。 
 主催:福島県文化スポーツ局
 期間:平成25年3月1日(金曜日)から14日(木曜日) 9時30分から17時30分
 場所:県立図書館・第2研修室

レカンフラワー「癒やしの花と絆」展

 復興を願うフラワーアート約20点を展示します。 
 主催:野ばらレカンフラワー教室
 期間:平成25年2月23日(土曜日)から4月3日(水曜日)
 場所:県立図書館・ロビー

※ 休館のお知らせ
蔵書点検のため平成25年2月22日(金曜日)まで休館しております。    

県立図書館 024-535-3220
http://www.library.fks.ed.jp/

県立美術館からのお知らせ

「分水嶺・齋藤隆展」

 齋藤隆(さいとう・たかし、1943年から)は、福島県内の山村に暮らしながら、 黒一色で人間の内面を見つめる絵を描き続けている画家です。人間の「業」を 白日の下に曝す怖い絵ですが、同時に「これが人間なんだ」と思わせる独特の ユーモアがあります。先年の大地震以降、彼が移り住んだ須賀川市勢至堂の 集落は、川の流れが分かれる分水嶺の近くでした。分水嶺は、今の福島が 置かれた状況とも重なります。
 今回の展示では、人間の顔や手をテーマにした近作を中心に、約40点を 展示します。

会期:開催中~平成25年3月17日(日曜日)
観覧料:常設展料金で観覧できます。
    (一般・大学生=260円/高校生以下=無料)

県立美術館 024-531-5511
http://www.art-museum.fks.ed.jp/

県立博物館からのお知らせ

パネル展「輝ける会津女性 新島八重を知ろう!」

 平成25年NHK大河ドラマ特別展「八重の桜」(福島展:5月17日から7月3日)の 開催にあたり、事前の周知事業の一環として、新島八重の生涯を知るための 写真パネルおよびゆかりの資料を展示します。
 写真パネルの他、八重ゆかりの資料などの展示を予定しています。八重の ドレスは、同志社女子大学生活科学部人間生活学科・清水久美子教授の ゼミ生のみなさんが、写真に基づき細部まで忠実に再現したもので、福島県特産の 「川俣シルク」を使用しています。八重の時代に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

会期:開催中~平成25年5月6日(月曜日)まで
会場:福島県立博物館特設会場(観覧無料)

県立博物館 0242-28-6000
http://www.general-museum.fks.ed.jp/    

福島県文化財センター白河館「まほろん」からのお知らせ

特別企画展「救出された双葉郡の文化財1」

 東日本大震災では福島県内の文化財も大きな被害を受け、原子力発電所事故で 警戒区域に指定された町の資料館は保管環境が悪化しています。
 そこで県教育委員会、関連自治体等では、国の支援を受けて取り残された文化財を 救出し、順次県文化財センター白河館(まほろん)敷地内の仮保管施設に収納します。
 双葉町・大熊町・富岡町からは、考古資料・古文書・絵画・民具など多種多様な 文化財が救出されました。双葉町の法螺貝(江戸時代)、大熊町の道平遺跡出土土器 (縄文時代)、富岡町の軸物「多古藩陣屋之図」(江戸時代)など、いずれも双葉郡域の 歴史・文化・風土を物語る貴重な資料です。
 救出された文化財を通して双葉郡の姿を再確認するこの展示、是非御覧ください。

会期:平成25年3月7日(木曜日)から6月9日(日曜日)
観覧料:無料

まほろん 0248-21-0700
http://www.mahoron.fks.ed.jp/

編集後記

 先日、福島県文化センターで行われた「ふくしまっ子総合文化祭~未来へツナグ ふくしま愛~」を観覧してきました。
 震災から間もない一昨年の8月、本県で全国高等学校総合文化祭(ふくしま総文)が 開催され、本県はもちろん全国の高校生の活躍は県民の心に大きな励みとなりました。 今でもその光景は目に焼き付いています。
 今回の「ふくしまっ子総合文化祭」の出演者は主に小・中学生でしたが、美しい箏や 迫力ある太鼓の演奏、見応えのある神楽、演劇や屋台歌舞伎は、一昨年の感動を再び 思い起こさせるものであり、ふくしま総文によって盛り上がった芸術文化活動に対する 機運が、若い世代に着実に受け継がれていると感じました。
 本県が復興への道のりを歩んで行くには、このような芸術文化の力が不可欠と考えて おり、今後ともこうした取組に積極的に支援してまいります。

教育総務課長 森下 平(もりした たいら)

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