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【2016年5月20日(金曜日)】 Vol144

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年3月26日更新

目次

  • リレーエッセイ
       県教育委員会委員 蜂須賀禮子(はちすか れいこ)
  • 日々の思い
       文化財課長 千葉 勇二(ちば ゆうじ)
  • お薦めの一冊コーナー
  • 学校自慢コーナー
    • 会津美里町立高田小学校
    • 二本松市立東和中学校
    • 福島県立郡山東高等学校
  • お知らせ
    • 福島県教育委員会からのお知らせ
    • 福島県立博物館企画展示室からのお知らせ
    • 福島県立美術館から企画展のお知らせ
  • 編集後記     
       教育総務課長 高橋 洋平(たかはし ようへい)

リレーエッセイ

「カーネーション」
               
県教育委員会委員 蜂須賀禮子(はちすか れいこ)

 五月はいろいろなものをいろいろな目で感じることができる季節だと私は思います。毎日のように愛犬きん太と散歩に出かけると昨日までは水だけだった田んぼに今日は苗がきれいに植えられ、あぜ道には小さな小さな花達が咲き、山々の木々はうす緑色の新緑にと変わっているのです。
 五月五日のこどもの日には大きなこいのぼりが大空をゆうゆうと泳ぎ、隣の家のこいのぼりと競って泳いでいる姿はなんと雄大な事でしょう。大きな声を出して「屋根より高いこいのぼり、大きな・・・」と、つい歌ってしまいました。あれっ、こいのぼりの歌って、いつ覚えたんだろう。誰に教わったんだっけ。親に教わったのかな。少しあやふやな気持ちはあるもののしっかりと歌は歌える。まだ老化は始まってはいないと、つい自分で自分を確認してしまいます。(誰も認めてはくれませんが。)

 ふと、ホームセンターへ行くと所狭しと、カーネーションをはじめ、多くの鉢物たちが綺麗にラッピングされていました。選ばれた鉢物たちは、愛するおかあさんのところにいつでも行けるようにスタンバイされています。五年前までは、五月の今頃、私も鉢植えをラッピングし、アレンジ花を作り、1本ずつカーネーションをラッピングして店頭に飾り、親子連れが買いに来てくれることを待っていました。カーネーションの鉢物ばかりではなく、アジサイ、テッセン、ブーゲンビリア、etc・・・。
一鉢、一鉢心をこめてラッピングをした事を覚えています。

 3,000円位の鉢は、お嫁さんが多く、赤のカーネーションを中心としたアレンジメントを2個買っていただくことが多かったような気がします。5,000円位の鉢セットはご夫婦が、そしてお父さんと子供は二人でお金を出し合ったと思います。きっと自分の妻とおばあちゃんに贈るのでしょう。子供が一人で買いに来る時は、やはり赤いカーネーション1本です。恥ずかしそうに「包んでリボンをお願いします」と言ってきたり、自分で店の中の花を選び、ハッキリとした声で「プレゼントなのでリボンをかけてください」と言う子供もいたりしました。母の日になるとなぜか高くなる赤のカーネーション。そこで、おこづかいの中から1本200円、ラッピング、シールはおまけです。心を込めて、贈る方の気持ちになり、作らさせていただきました。10年前頃から「お母さんの好きな花を贈りましょう」というキャッチフレーズで、花屋さんたちが頑張りましたが、やはり赤のカーネーションが人気です。昔も今も母を想う子供たち。5年間、花屋の仕事から離れていますが、昨日花屋の店先をのぞいてみるとやはり赤のカーネーションを中心にピンク、オレンジ、紫など色とりどりのカーネーションの鉢、どれも美しくラッピングがされていました。花屋さんの店にはお父さんと子供たちの姿が変わらないことに、心安堵して店頭から離れました。

 ふっと空を見上げると青い空に泳ぐこいのぼり。若葉が目にやさしく映り、心の中が親子のやさしさに触れて、五月の空のようにさわやかになった一日でした。そして、全国の花屋さんが各家庭にやさしい家族が愛情をこめて選び贈った花を配達に行き、花を選んでくれた人たちにかわり、素敵な笑顔とありがとうの言葉をいただく日だと思います。あらためて、カーネーションの花に愛をこめて、伝えたいと思います。
「おかあさん。ありがとう」

日々の思い

「文化財」

文化財課長 千葉 勇二(ちば ゆうじ)

この4月から、文化財課長を務めております千葉勇二と申します。
県庁にはたくさんの課があり、業務内容を説明する際に課名からすぐ理解していただける部署とそうでないところがあります。
 文化財課という名称はわかりやすく、業務をイメージしやすいと思いますが、無機質的な「物」を扱っていると思われる方が多いのではないかと思います。文化財は、有形無形のものから史跡や天然記念物など様々なものがありますが、いずれも、地域への愛着や誇りを醸成し、地域の振興・活性化に寄与する「精神的な礎」としてとても重要な物だと着任から1ヶ月が経過し強く感じているところです。
 とはいえ、文化財について日頃から意識している人はあまり多くはないのではと思います。実際、自分も文化財課に来てみて、新聞などの報道で数多く取り上げられていることに驚いているところであり、改めて文化財の保護や理解を深める施策をしっかりやっていかなければと思っております。

 さて、これまでを振り返りますと、多くの文化財にふれあう機会がありました。その多くは、遠足や修学旅行などの学校教育の場での体験です。例えば、須賀川市の名勝「牡丹園」、白河市の史跡「小峰城」、史跡及び名勝「南湖公園」、いわき市の天然記念物「賢沼ウナギ生息地」、県外では、日光東照宮、京都・奈良の寺院など、先生方はたくさんの文化財にふれあう機会を与えてくれました。
高校時代には校舎が国の重要文化財に指定され、母校への誇りが一層強まったことを覚えております。記憶に残っている当時学んだことが自分の人生に少なからず影響を与えてくれたと感じています。
 
 また、4年ほど前に県北地方振興局にいた際、出先機関が知恵を出し合って行う過疎対策の事業がありましたが、教育事務所には地元学という事業を行っていただいておりました。子供たちに地域の文化財や民俗芸能などを学んでもらい、地元の良さを理解し愛してもらうというものでしたが、今思うと、まさに文化財の役割を活用した事業でした。

本県では震災の影響で人口減少など様々な課題がありますが、文化財の業務を通して地域の振興に寄与していければと思っているところです。


※文化庁のアドレスから日本遺産に認定された福島県の会津の三十三観音めぐりと郡山市と猪苗代町の安積疎水が閲覧できます。

文化庁「平成28年度「日本遺産(Japan Heritage)」の認定結果の発表について」
→ http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/2016042501.html

お薦めの一冊コーナー

 このコーナーでは、福島県立図書館司書の「お薦めの一冊」を御紹介します。

『縄文時代の食と住まい』 小林謙一/編 同成社 2016

 狩猟・採集の素朴な生活から、栗の木を栽培し様々な土器を使いこなす生活へ、「縄文時代」の時代観が大きく変わっています。この本では食、住まい、生活の資源、料理器具などの視点から、考古学の地道な研究の積み重ねの一端を紹介しています。
なお、県立図書館では6月に展示「縄文土器の年代 -その古さを読み解く-」を開催します。
本とあわせて展示もお楽しみください。

福島県立図書館
→ http://www.library.fks.ed.jp

学校自慢コーナー

 このコーナーでは、各学校の特色ある取組を御紹介します。詳しい内容を県教育委員会のホームページで紹介していますので、御覧ください。

「あいづじげんに出会える学校」

 会津美里町立高田小学校

  高田小学校の校歌は、作詞が土井晩翠、作曲が東京音楽学校(東京芸大)によるものです。会津文化発祥の地にふさわしい荘厳な感じのする校歌です。
  また、毎朝どの学級からも「今月の歌」を歌う声が聞こえてきます。さらに12月には、希望者全員が参加できるミニコンサートを3日間にわたり開催します。課外活動の合唱部は、合唱コンクールで県大会連続出場を果たし、昨年度は金賞を受賞しました。

「夢はでっかく東和中」

 二本松市立東和中学校

 本校では、教科担当教員の出張や年休の際の授業に対応するため、週単位での授業の組み替えを実施し、補欠授業「0」の完全授業を目指しています。平成27年度においては、英語科においてデジタル教科書を積極的に活用した授業を展開したことにより、生徒の興味・関心が高まり、学力向上につながりました。

「伝統が繋ぐ心の交流」~郡山養護学校との交歓会~

 福島県立郡山東高等学校

 郡山東高校では、郡山女子高校時代から生徒会行事として郡山養護学校との交歓会を毎年6月と12月に「同世代との交流活動を通して、生活経験の拡大を図るとともに、両校の親睦を深める機会とする」という目的で開催しています。

お知らせ

 ツツジやハナミズキが彩る5月。苗代がキラキラ光り、日差しが一段とまぶしい季節です。
みなさまがお住まいの地域はいかがですか。さて、ここからは5月のお知らせコーナーです。

福島県教育委員会からのお知らせ

「教育相談窓口」について

 福島県教育委員会では、二つの教育相談窓口を開設しております。困ったときは一人で悩まず、ぜひ、ご相談ください。

  1. 子どものための24時間電話相談「ふくしま24時間子どもSOS」
     0120-916-024
  2. いじめ問題や不登校、体罰などの教育相談電話「ダイヤルSOS」
     0120-453-141
     詳しくは、義務教育課にお問い合わせください。
義務教育課 024-521-7774
→ http://www.gimu.fks.ed.jp/

福島県立博物館企画展示室からのお知らせ

「大須賀清光の屏風絵と番付」

幕末の会津を調べつくした一人の男。その名を大須賀喜知松(1809~75)といいます。名前通り「知る」ことに何よりの喜びを感じていたであろうその人は、会津の人・物・風景を情熱的に調査し、知り得た事実を絵画、書籍、摺り物などに仕上げ、自在に表現しました。生まれは商家のようですが、本人は若松城下郊外に住み、絵師を生業としたようです。
  彼の作品で最も知られたものに「若松城下絵図屏風」があります。高い建物も空撮技術もない時代に、鳥のように空から若松城下を見下ろす構図を頭の中で組み立て、描き出しました。
  本展では、大須賀清光(皎齋)という名で知られた絵師としての活躍をご紹介すると共に、喜知松が知識をもとに紡ぎ出した番付などの出版資料も併せてご覧いただきます。
   
 日時:平成28年4月23日(土曜日)から6月12日(日曜日)
 観覧料:一般・大学生 500(400)円  高校生 300(240)円 小・中学生 200(160)円   
   ※( )内は20名以上の団体料金
   その他:詳しくは、県立博物館にお問い合わせください。

福島県立博物館 0242-28-6000
→ http://www.general-museum.fks.ed.jp/index.html

福島県立美術館から企画展のお知らせ

「よみがえるオオカミ 飯舘村山津見神社・復元天井絵」

 1051年創建と言われる飯舘村佐須の山津見神社は、地元だけでなく、全国から信仰を集めていましたが、全村避難後の2013年4月、拝殿が火災で焼失しました。拝殿は1904年に建築され、多数の天井絵がありました。すべてオオカミを描いた珍しいもので、地域の信仰が反映されたものでした。幸いにも火災の直前に、和歌山大学の加藤久美氏・サイモン・ワーン氏がすべて撮影・記録しており、写真をもとに、荒井経氏を中心に東京藝術大学保存修復日本画研究室によって復元作業が完了しました。
 本展は、再建された拝殿に設置する前に、完成した天井絵、全242枚をお披露目する企画です。焼失した天井絵についても、一部写真で再現展示をいたします。また、山津見神社の関連史料や、制作に関わった画家・伏見東洲と、山津見神社に疎開していた彫刻家・佐藤玄々(朝山)の作品なども併せて展示いたします。

 会期:平成28年5月28日(土曜日)から7月3日(日曜日)
 休館日:毎週月曜
 観覧料:一般・大学生270円(20名以上の団体210円) 高校生以下無料
     その他:詳しくは、県立美術館にお問い合わせください。

福島県立美術館 024-531-5511
→ http://www.art-museum.fks.ed.jp/htdocs/?page_id=29

編集後記

最近、「アクティブラーニング」という言葉が流行しているように思われます。
またまた何だかよくわからない新しいカタカナ語が出てきたよ・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
この新語ですが、中央教育審議会の答申(平成24年8月28日)によれば、「教員による一般的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称」とされています。これに従えば、グループワークやディスカッション、調べ学習、プレゼンテーションなどの教育方法が思いつきます。書店には「すぐに分かる!アクティブラーニングのやり方!」のような、教員向けハウツー本が並んでいて、少々違和感を抱いている近頃です。

この流行のアクティブラーニングですが、そもそもの目的は、「ディスカッションなどを取り入れること」ではなく、「子供たちの関心・主体性を呼び起こし、より対話的・双方向的な学びの過程の中で、学びの探求・深淵へと誘うこと」なのではないでしょうか。
 言い換えれば、形だけアクティブラーニング的な手法を子供たちに強いても、そこに子供たちの主体性が無かったり、深い学びが無かったり、教員の支援が無かったら、それは真の意味での「アクティブラーニング」とはいえないのだと思います。

先日、本県の教育センターを訪問した際、子供たちに対してロボットのプログラミングを効果的に教えるための教員研修が行われており、参加者は実際にプログラミングし、議論し、熱心に教育技術の向上に取り組んでおられました。本県の教育はこうした先生方の努力によって支えてられてきたんだなあという気持ちを新たにするとともに、これまでアクティブラーニングとは呼ばれていなくても、すでに子供たちの自主性や好奇心を引き出しながら探求を促していくような地道な教育活動はたくさん行われてきたんだと思いました。

グローバル化や情報化、少子高齢化などが急速に進む中で、子供たちへの教育方法もまた時代の変化に柔軟に対応していくことは重要だと思います。
 一方で、どんなに社会が変化しようとも、時代を超えて変わらない価値があることもまた事実。教育における「不易」と「流行」を十分に見極めつつ、日々の仕事を進めていかねばと思っています。

教育総務課長 高橋 洋平(たかはし ようへい)

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