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【2017年2月20日(月曜日)】 Vol153

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年3月26日更新

目次

  • リレーエッセイ
       県教育委員会委員 浅川 なおみ(あさかわ なおみ)
  • 日々の思い
      県教育庁特別支援教育課長 小檜山 宗浩(こびやま むねひろ)
  • お薦めの一冊コーナー
  • 学校自慢コーナー
    • 新地町立福田小学校
    • 白河市立表郷中学校
    • 福島県立小高工業高等学校
    • 福島県立大笹生養護学校
    • 福島県立いわき養護学校くぼた校
  • 読者投稿欄「みんなの学舎」
      福島大学附属中学校3年 過足 俊介(よぎあし しゅんすけ)
  • お知らせ
    • 福島県教育委員会からのお知らせ
    • 福島県立図書館からのお知らせ
  • 編集後記
       教育総務課長 高橋 洋平(たかはし ようへい)

リレーエッセイ

「1104人だけが体験できる場所」

県教育委員会委員 浅川 なおみ(あさかわ なおみ)         

 一瞬「私はどこにいるのだろう」と現実を疑いたくなるくらい素敵な場所に身を置いて美しい音色に酔いしれている。

 昨年10月23日、白河文化交流館コミネスの開館記念演奏会でのことでした。
 (コミネスの由来は公募で決定。小峰城とコミュニティを併せた造語。)

 杮落しにお呼びした「大谷康子とめんこい仲間たち」によるホールでの第一音に 「どんな曲と響き″を用意してくださったのかワクワクしながら聴き逃すまいと全神経を耳と目に集中させて待っていました。 大きな拍手と共に下手から登場しためんこい仲間たちのチューニングが終わり、演奏が始まると、八分音符が4つ、ヴァイオリンの弓が上下に4回動いたところで、私は「エ~″と驚きました。 周りの人たちは未だ何の曲か把握していないようだが、私は身を乗り出し涙が出るほどうれしかったのです。 それは何と青島広志氏に依頼してできた白河市民歌「このまちがすき」だったからです。  「白河市合併5周年を記念して市民歌を。」との声に、市民歌制定委員会を立ち上げ委員長として関わり、全国から歌詞を募り、紆余曲折の末出来上がった「私の一生の宝の曲″が、ホールの隅々まで響きわたったのです。当時の事が走馬灯の如く蘇ってきました。

 またこの市民文化会館の設計建設検討委員会、運営管理検討委員会のメンバーの一員として、 私の意見をたくさん取り入れていただき、完成したこのホールでこの曲を聴くことができ、 この様に素晴らしく感動した日は二度と経験できないであろうと、感謝するばかりでした。 演奏終了後に大谷先生に「市民歌を選んでくださってありがとうございます」と申し上げたところ、「第一曲目は白河には何が良いか考えたのよ。 市民歌が一番相応しいと思って、白河に来るたび、市長さん、教育長さん、議員さん、市役所職員、そして市民合唱団の方々とコッソリ練習していたのよ。 皆さんに是非その事を伝えてくださいね。」とのお言葉をいただきました。そして、私が委員長として毎年行っている「♪しらかわ音楽の祭典♪」で2度も大谷先生をお呼びしていることと繋がり、また感激してしまいました。

 ホールの響き。これがまた素晴らしいのです。残響2.2秒と計算上はなっていますが、オーケストラの時、室内楽、ソロ、合唱とそれぞれが望む残響に、満点を付けられるホールは、この世に存在しません。 そんな中でも、どんな形態の演奏にも向いているホールとなりました。実際、大谷先生も 「ステージで弾いていても音の跳ね返りがとても良く演奏していてとても気分が良い」 とのお言葉どおり客席での音もとても聴きやすい素晴らしいホールなのです。良いホールの代表として日本ではサントリーホールが例に挙げられますが、 あのホールでさえ開館30年の今年、ようやく良い音になってきたと言われているとおり、 材料の乾燥などには時間がかかり素晴らしいホールになっていくのです。
~30年後、生きているかな。~

以前、世界一残響が長いと言うイタリアのピサの斜塔脇のドゥオーモでは、目から鱗が 落ちる体験をしました。今となっては残響がどのくらいだったか忘れてしまったのですが、 係員の説明の後ド~、ミ~、ソ~と歌ってくれたら、何とドミソ~とハーモニーが鳴り響いているのです。「え!一人合唱だ!こんな事ができるんだ。」と私の知らない世界と遭遇した瞬間でした。

 開館して思う一番の願いは、この素晴らしいホールのコミネスに、県内はもとより国内各地から沢山の人が足を運んでいただくこと。市民の方々の希望や意見を真摯に受け止め、一つ一つ丁寧に話し合いを進め、その結果完成した1104人収容できる白河文化交流館コミネス。素敵な時間と夢が詰まった白河文化交流館コミネスに、みなさま、是非一度お越しください。

日々の思い

「たむら支援学校が今春開校します。」

特別支援教育課長 小檜山 宗浩(こびやま むねひろ)


「20年前から田村地区の支援学校については話を聞いていた。町村合併の時、廃校になる学校を使い支援学校が開校するという話が出ていたが、それから10年。 『やっとできて、うれしい。』という気持ち。」、「子どもは、あぶくま養護学校に2年間通学している。学校にも慣れ、良い面もあるが、弟が小学校入学の時期となり、障がいのある兄が地域の学校に通えるようになることで、通学に関する家族の負担も減り、とてもうれしく思っている。」
 これは、開校準備を進めているあぶくま養護学校に、地域や保護者の方々からお寄せいただいたお話の一部です。
 本県初の支援学校の標記となる「たむら支援学校」は、県中地区の知的障がい特別支援学校の児童生徒数増加と通学の負担を軽減するため、 旧田村市立春山小学校に小学部と中学部を、船引高等学校に高等部を設置し、平成29年4月に開校します。田村市や安達地区並びにあぶくま養護学校保護者会や船引高等学校同窓会、同保護者会はじめ多くの皆様にご理解をいただき準備が進み、間もなく校舎の改修工事も終了します。
 校章や校歌は、田村市の豊かな自然をイメージし、設置に深く係わってこられた方々が工夫を凝らし、制定をしています。さらに、あぶくま養護学校では、4月からたむら支援学校で学ぶ児童生徒が多いことから、『たむら支援学校は兄弟校』という想いを込め、校長先生や事務長さんを中心に、みんなで一つ一つ準備を進めています。
 本県では、小学校や中学校の特別支援学級で学ぶ児童生徒や通級による指導を受ける児童生徒も増加傾向にあります。特別支援学校は、地域の特別支援教育の拠点として、今後なお一層センター的機能を担うことが重要となっています。
 特別支援教育の歴史に新たなページを刻む「たむら支援学校」は、障がいのある児童生徒一人一人の自立と社会参加に向けた系統的・発展的な教育を行うとともに、田村地区等における特別支援教育を推進する体制を整備していく上でも、中核的な役割を担い、地域で共に学び、共に生きる教育を推進していくと心から願い、日々努めています。

お薦めの一冊コーナー

 このコーナーでは、福島県立図書館司書の「お薦めの一冊」を御紹介します。

『夜間中学へようこそ』 山本 悦子/作 岩崎書店 2016

ある日、中学一年生の優菜のおばあちゃんが「夜間中学に行く」と宣言します。優菜も足を怪我してしまったおばあちゃんの付き添いで夜間中学に通うことになり、年齢も国籍も、通う理由も様々な生徒達に出会います。優菜は昼間の中学とは違った交流を通し、学ぶことの意味をつかんでいきます。元教員である著者が夜間中学を見学した際に抱いた、「『学校で学ぶ』ということは、楽しく、誇らしいこと」という思いが清々しく描かれています。
中学生から大人まで読める一冊です。

福島県立図書館
→ https://www.library.fks.ed.jp

「夜間中学」の設置に向けて

 福島県教育委員会では、公立の中学校で夜の時間帯に授業が行われる「夜間中学」の設置検討に向けたニーズ調査を行っています。夜間中学で学んでみたい方、関心のある方は、下記のアドレスからぜひ御覧ください。

義務教育課
→ http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/70056a/

学校自慢コーナー

 このコーナーでは、各学校の特色ある取組を御紹介します。詳しい内容を県教育委員会のホームページに掲載していますので、御覧ください。

「一人1台のタブレット端末を活用してアクティブ・ラーニングを実践!」

 新地町立福田小学校

 本校では、平成26年度から文部科学省と総務省の指定を受け、「主体的に学び合いながら、思考力・判断力・表現力を向上させていくための効果的なICT活用の在り方」について研究を進めてきました。一人1台のタブレット端末とICT支援員2名が常駐するという恵まれた環境の中、ICT機器を効果的に活用して学力向上に結びつけていきたいと考えています。

「地域に密着!!ボランティア活動と案山子づくり」

 白河市立表郷中学校

 白河市の東側に位置する表郷地区は、平成17年に白河市と合併するまでは表郷村であったこともあり、表郷で一つの中学校として地域に密着した活動が盛んです。また、3年生を中心とした「ボランティアの会」があり、ボランティア活動を積極的に行っています。
 今回は地域に密着した活動として、『ビャッコイ沼の清掃ボランティア』と、学級ごとの『案山子づくり』について紹介します。

「福島県立小高工業高等学校 閉校式 ~54年の歴史を振り返って~」

 福島県立小高工業高等学校

 本校は、昭和38年の創設以来、54年の歴史を刻んできました。平成29年4月の小高産業技術高等学校の開校に伴い、本校の歴史に幕を下ろします。東日本大震災後は、原町区の仮設校舎と仮設実習棟を中心に、地域の施設を使用してきました。皆様方からの温かいご声援に感謝申し上げます。

「共に学ぶ“共同製作実習”」

 福島県立大笹生養護学校
 福島県立二本松工業高等学校
                      
 二本松工業高等学校と大笹生養護学校との共同製作実習は、今年度で3年目となります。二本松工業高等学校の生徒にとっては、障がいを有する子どもたちが本当に必要としているものを作る「マーケットイン」の考えを実践すること、大笹生養護学校の児童生徒にとっては、作成していただいた教材・教具を授業で活用したり、交流を深めたりすることをねらいに取り組んでいます。

「地域と共に学び、共に生きる」教育をめざして

 福島県立いわき養護学校くぼた校

 くぼた校は、平成27年4月、東北で初めて高等学校の空き教室を利用した特別支援学校の分校として開校し、2年目を迎えました。開校から現在まで、本校や勿来高等学校をはじめ、学校、福祉、企業関係者等、たくさんの地域の方々の御理解と御協力をいただきながら、県がめざす「地域で共に学び、共に生きる教育」の推進に向け、教育活動を展開しています。

読者投稿欄「みんなの学舎」

 12月号から4回にわたって、頑張る児童・生徒・学生のみなさんが書いた作文等を掲載しています。第3回は、平成28年度「モラル・エッセイ」コンテスト[中学生の部]最優秀賞作品の紹介です。

「夏の日」

福島大学附属中学校 3年 過足 俊介(よぎあし しゅんすけ)

 毎年、夏になると思い出すことがあります。東日本大震災時の福島原発の事故から初めての夏。私は夏休みを利用し、少しでも空気のきれいな所へ避難しようということで、家族で北海道に行きました。
 その頃はまだ、放射能に対する情報や知識が、広く正確に伝わっていた訳ではなかったので、どこへ行っても、福島から来たというと、「大変だったね。頑張ってね。」という言葉と一緒に、一瞬ビクッとしたような、どこかオドオドとしたような感じが伝わってきて、少しだけ悲しい気分になりました。
 函館の朝市に立ちよった時のこと。冷えた夕張メロンを切ったものが食べられる店を見つけ、買って食べることにしました。店のおじさんに聞かれ、福島から来たと伝えると、「福島は、高校野球、甲子園に行くの聖光っていう高校だっけ。おじさんは福島好きだから応援してるんだ。もう一つ食べな。」 とメロンを渡してくれました。とても甘く、おいしいメロンでした。「大変だったね」とか「頑張ってね」とかいう言葉ではないのに、なぜかとてもうれしく感じたのを覚えています。聖光学院高校が甲子園出場と知っていたのも、野球好きというだけではなく、福島を気にかけてくれていたからではないでしょうか? そして、福島が好きだと言ってくれました。高校野球を応援すると同時に、「福島」を応援してくれていると感じました。 「福島が好きだから応援しているんだ。」おじさんの言葉は、とても優しく、温かく、私の心の中にスウーッとしみ込んでくるようでした。
 原発事故から五年以上が経ち、福島も少しずつ復興が進み、私も福島で元気に頑張っています。夏になると、おじさんの優しい笑顔と、甘くおいしかったメロンの味を思い出します。


「平成28年度 道徳教育総合支援事業『モラル・エッセイ』コンテスト優秀作品」はこちらから御覧いただけます。

義務教育課ホームページ
→ http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/70056a/

お知らせ

 少しずつ日が延びてきたと感じる放課後の時間。学校では、卒業式の準備が始まる頃でしょうか。
 さて、ここからはお知らせコーナーです。

福島県教育委員会からのお知らせ

学校等における東日本大震災に係る取組について

  平成23年3月11日に発生した東日本大震災から間もなく6年が過ぎようとしております。県教育委員会といたしましては、未曾有の被害をもたらした東日本大震災の風化と風評という2つの風に立ち向かうため、改めてその経験と教訓を次代を担う本県の子どもたちにしっかりと継承することを目的として、毎年3月11日(又はその前後1週間程度の期間内)に県内の各学校等において、防災教育や道徳教育などを実施することが重要であると考えております。つきましては、趣旨を御理解いただき、各学校において地域の実情や児童生徒の発達段階に応じた取組を実施されるようお願いします。

教育総務課 電話024-521-7759

図書館からのお知らせ

[展示]「夏目漱石と女性たち」

 日時:平成29年2月24日(金曜日)から4月5日(水曜日)月曜日及び第一木曜日休館
 時間:9時30分から19時00分(土曜日曜祝日は17時30分まで)
 場所:福島県立図書館 展示コーナー
 内容:
  近現代文学を代表する作家・夏目漱石(1867年2月9日-1916年12月9日)の生誕150年を記念し、漱石と女性とのかかわりを中心に展示を行います。(観覧無料)

[催し物]長田弘文庫見学会

 日時:平成29年3月12日(日曜日) 第1回11時00分から、 第2回14時00分から(各回40分程度)
 場所:福島県立図書館
 対象:中学生以上
 内容:
  平成29年2月に公開された長田弘文庫。大半が書庫に収蔵されているこのコレクションの見学会を開催します。 参加は無料ですが、事前の申し込みが必要です。(3月1日申込受付開始。各回申し込み先着順10名まで)

福島県立図書館 資料情報サービス部 電話024-535-3218
→ https://www.library.fks.ed.jp

編集後記

 2月10日の総合教育会議で、知事・教育長・教育委員で「頑張る学校応援プラン(案)」を議論しました。今年度中に決定することとしています。

 頑張る学校応援プラン(案)
  → 頑張る学校応援プラン(案)~ふくしまの挑戦と戦略~[PDFファイル]
  → 福島県の教育の現状分析-SWOT分析のバックデータ集-[PDFファイル]

 本プランのSWOT分析やデータ集などをご覧になった、ある先生から、「今度の総務課長は教育の全てを数字に置き換えて、管理強化型の教育をやろうとしているのではないか」、という冗談交じりのご心配いただきましたので(笑)、ちょっと誤解を解いておこうと思います。

 本プランの策定にあたっては、以下の3点を大事にしました。

  1. 論より証拠(まずはデータとエビデンスを前提に議論する。)
  2. 簡潔明瞭(複雑な概念ほど簡潔に、一目でわかるように可視化する。)
  3. 筋を通す(議論の末まとめた論理を、ぶれずに守り抜く。)
 この3原則は、私が「行政」を仕事とする上で大事にしていることでもあります。しかしながら、私が「教育」に携わる上での偽らざる信念は、「本当に大事なものは数値化できない」です。非科学的で、矛盾しているように思われるかもしれませんが、これは教育の道を志したときから、教育社会学や教育経済学を学んでも、ずっと変わらない考えです。

 ある先生が持てる力を出し切って、道を誤ろうとしている5人の子供を導いたとして、「なぜ10人じゃなかったのだ!」と責め立てるのはナンセンスです。 小さな学校より、大きな学校の校長先生の方が偉いのでしょうか。私は違うと思います。

 行政官として、マクロの視点で教育を捉え、達成目標や指標などを設定することは必要だと思います。しかし、教育が、子供たちの人格の完成を目指す崇高な営みである以上、この「善なる行為」のところは、数値化できないのです。

 一人の子供が昨日理解できなかった問題が解けるようになった、三日坊主の子供の目が輝いたなど、小さな成長を喜びあえること、数では表せない「善」を行うこと、これが教育の本質だと思っています。

 「一隅を照らす、これ則ち国宝なり」(最澄)。
一人を救うことは、国を救うこと。
一人の子供と向き合うことは、福島全体や世界中の子供と向き合うこと。

 教育行政に携わる者として、鷹の目(マクロな視点)を持つことを大事にしながら、昆虫の目(目の前の一人の子供への眼差し)を常に持ち続けられるようにしたいと思っています。

教育総務課長 高橋 洋平(たかはし ようへい)

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