浜通り15(富岡町):至れり尽くせりの復興を願う(ハマナカアイヅ)
矢祭町で「戸津辺のサクラ」を楽しんだあと、独断で思い出の場所を再訪しました。
偶然の出会いから2年、富岡町の夜ノ森公園のサクラ並木をもう一度見てみたいと思います。
便利さ以上に大切なもの
いわき市の外郭に沿って北上し、富岡町に入るのに、実に3時間もかかりました。
ちょっと小腹が空いた時の出来事でした。
なんと、目の前に、コンビニエンスストアが現れました!
あれ?
ここにコンビニがありましたっけ?
戸惑いながら店内に入ってみると、商品の充実ぶりに驚きました!
かなり繁盛しているではありませんか!
店頭ではミニ抽選会も行っていました。
興味があるので調べてみました。
なんとこれは3日間前(2016年3月31日)に、5年ぶり再オープンした、大手コンビニエンスストアだったということが分かりました。(福島民友新聞記事参照)
原発事故以降、全町避難が続く富岡町に小売店が再開するのは初めてとのことです。
私を含めて、多くの人がこれまで国道6号線の楢葉町~浪江町の「旧警戒区域区間」を素通りしていました。
富岡町にコンビニができたことによって、運転途中に休憩や立ち寄る場所が増えました。
実にいいお知らせです。人々が富岡町の某所に集まっています。
富岡町はもう「人気のない町」ではありません。
「便利さ以上の何か」が、このコンビニの再オーブンすることによって、もたらされてくれたような気がします。
夜ノ森公園のサクラ並木、再び
――またいつか、このサクラの並木に会いに来ましょう。
2年ぶりに、夜ノ森公園を再訪しました。
「さくらのトンネル」と呼ばれる夜ノ森公園のサクラの並木を会いに来ました。
ほぼおなじ場所で、写真を撮ってみました。
まだまだ見頃はこれから先という感じですが、もう、感無量です。
二枚の写真を見比べると、サクラの咲き具合以外大差はありません。
しかし、現実の世界ではすでに2年という月日が経ちました。
帰還困難区域を隔離する「嘆きのフェンス」は、健在です。
初めてこのフェンスを見た時の気持ちは、未だに鮮明に覚えています。
これは、帰還困難区域の現実です。
至れり尽くせりの復興を願う
人によっては、上記の写真で「復興が停滞しているのではないか」と指摘するかもしれません。
無論、世の中のすべての人を同じ気持ちにさせるつもりはありません。
しかし、富岡町のこれまでの復興を自分の目で確認してきました。
例えば、富岡ICを含めた常磐線の全線開通。
例えば、国道6号線の浪江町~富岡町間の通行止めの解除。
例えば、地震で凸凹した路面は補修されたこと。
例えば、富岡町にコンビニが再オープンしたこと。
例えば先日、政府が発表した「竜田駅~富岡駅」及び「富岡駅~浪江駅」の運転再開の見通し。
「至れり尽くせり」、これは福島の復興に求めるイメージならば、
そのイメージが完成するまでの時間を温かく見守ってほしいです。
富岡町の復興に期待を込めて、この日の夜ノ森公園のサクラ並木を「五分咲き」とさせて頂きます。
福島県のサクラを追う旅はまだまだ続きます。
次回は、中通りのあの花見の名所よりお届けしたいと思います。
乞うご期待!
(投稿者:徐)