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2014年6月定例会 一般質問 宮本しづえ議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年11月4日更新
宮本しづえ議員 
議員

宮本しづえ

所属会派(質問日現在)

日本共産党

定例会平成26年6月
質問等一般質問
質問日6月24日(火曜日)

13番(宮本しづえ君)日本共産党の宮本しづえです。県政各般について質問いたします。

 まず最初に、賠償問題についてです。

 大震災と原発事故から3年が経過しても、福島県民生活に係る被害はあらゆる面で拡大しつつあります。県民が東電に対し、「人災として加害者責任を認め、原発事故で失われた県土をもとに戻せ、こうむった精神的損害の完全賠償を。」と求めた裁判で、東電は「被曝線量年間20ミリシーベルト以下であれば法的権利の侵害ではない。年間20ミリ以下なら健康リスクは低いというのが科学的知見であり、原状回復の求めにはお金がかかり過ぎるので、請求は不適法。賠償は国の指針以上はやらない。」と裁判の中であからさまに述べているのです。

 賠償は、3年たった今なお1円も払われていない事例があるほか、既に東電が勝手に決めた基準で賠償金が年間500万円から突然30万円台に大幅に減額されたり、一旦払われた賠償金の返還を求められる事例があるなど、事業者への東電の賠償態度は不誠実そのもので、この東電の不遜な態度を許している政府の責任も重大です。

 県は、原子力損害対策協議会を開き、賠償の実態を把握するのは当然ですが、事業者の損害額についても完全賠償を引き続き求めていく必要があります。見解を求めます。

 東電が加害者責任をとらないことへの県民の怒りが賠償で分断された被災者同士に向けられてしまい、県内各地で不幸な対立が生まれています。昨年末に出された国の損害賠償紛争審査会の第四次追補で示されたふるさと喪失慰謝料は帰還困難区域にしか認められないため、全町で認めるとした双葉、大熊町以外の避難自治体内では避難者同士の対立を生じさせており、国の責任は極めて重大と言わなければなりません。

 共産党は、5月の連休に全国から300人の青年ボランティアが福島の避難者支援活動を行いました。その中で、双葉町の仮設住民は1人700万円のふるさと喪失慰謝料が全町民に支払われることによって、金額の不十分はあっても住民の表情が明るく感じられる一方、同一自治体でも避難地域で賠償が分断された住民からは憤りと痛烈な批判が寄せられています。

 県労連が行った自治体アンケートでも、避難自治体職員は道路一本で賠償が差別されることで避難住民から罵倒され、職員自身が精神不安定になるなど、展望が見えなくなっていると報告されています。

 国は、帰還しないことも選択肢として認めながら、ふるさと喪失した状況は同じなのに慰謝料は払わないのでは、選択肢として認めたことにはなりません。長期間の帰還不能による精神的損害、いわゆるふるさと喪失慰謝料については、避難指示区域内住民に一律に賠償するよう国と東電に求めるべきではないかと考えますが、県の考えを伺います。

 避難指示のなかった住民が精神的苦痛に対する賠償を求め、ADRに申し立て、既に東電が和解案を受け入れた事例が生まれています。東電が賠償に応じた理由が何であれ、避難指示のない住民でも精神的苦痛を受けている事実は否定できないことを示すものです。ADRの和解実例の水平展開について、県はどのように東電に求めていくのか伺います。

 次に、除染についてです。

 本年4月末の除染重点地域における住宅除染完了は、全県で109,000戸にとどまっています。手つかずに順番を待っている世帯からは、早く除染してほしいとの切実な声が上がっています。こうした除染のおくれが避難県民の帰還をためらわせ、健康への不安を募らせているのです。

 昨年12月の県発表から出てきた「調査にて終了」、つまり線量測定だけで除染せず終了とされた件数が4月末で13,800戸を超えており、最も多いのが田村市と伊達市です。伊達市の該当地域の住民アンケートでは、7割近くが「不安」と答えており、住民は「調査にて終了」に納得していないということです。「調査にて終了」とされた世帯に希望すれば除染を実施するよう市町村を支援すべきですが、県の考えを伺います。

 1度の住宅除染だけでは目標値まで下がらず、不安を払拭できない住民が多数いることを重く受けとめ、国に対して早期にフォローアップ除染の方針を示すよう求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。

 国は、除染目標として年間追加被曝線量1ミリシーベルトとし、空間線量目安は0.23マイクロシーベルトとの計算式を示してきました。この目安を2倍程度まで引き上げる方向で自治体と協議するとの報道が県民の怒りと不安を広げています。福島市にその協議には加わらないよう求めたところ、「0.23を目標とする市民との約束は守らなければならない。除染特措法に基づく法定計画を簡単に変えられるものではなく、国の責任も大きい。福島市は全戸除染の目標を変えるつもりはない。」と述べました。県として、これまでの除染目標、目安は変えないよう国に求めるべきと思いますが、考えを伺います。

 除染作業員の雇用条件の改善は一向に進まず、県労連の除染110番には依然として劣悪な労働環境で働かされている相談が相次いでいます。福島県内で市町村実施の重点地域だけでも年間2千億円を超える除染費用が計上されており、その大部分は作業員の人件費です。

 ことしの2月から普通作業員の労務費設計単価は1日16,000円に引き上げられましたが、ピンはねされ、作業員に渡るときには10,000円を割る例は少なくありません。国直轄地域でも、特殊勤務手当は守るが、基本給は県の最低賃金である1日5,400円しか出さない事業者もあります。

 作業員労務費の半分相当の国民の税金が途中で消えてしまうことになり、これでは作業員確保には役立ちません。作業員に設計単価どおりの労賃が確実に保障される仕組みを構築することが、除染作業員を確保し、事業を円滑に推進する上で不可欠の課題ですが、県はどのように取り組むのか伺います。

 次に、避難者支援についてです。

 県内共産党地方議員団は、4月17日、政府交渉を行い、被災者・避難者支援について、国が県民に寄り添った対応を行うよう求め、仮設の期間延長、借り上げ住宅入居の恒久化対策等を求めました。

 県は、自治体判断とされた仮設住宅の入居期間について、このほど2016年3月末まで延長する方針を明らかにしました。これは、入居者の不安に応えたものですが、5年間は帰還しない宣言をしている富岡町のように、5年が最低期間となる自治体もあります。

 そこで、仮設住宅の入居期間についてさらに延長する必要があると思いますが、県の考えを伺います。

 みなし仮設、いわゆる借り上げ住宅については、長期入居を希望する被災世帯が少なくありません。このような実態を踏まえ、災害公営住宅として扱うことが現実的な対応策ではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 避難から3年がたつのに、今もって何の支援もない同一市町村内の自主避難者の家賃について、経済的にも限界だとの声が上がっていますが、国はまともな回答すらしませんでした。国がどうあれ、全ての県民の生活再建を支援するという立場に立って県が主体的に判断すべきです。

 そこで、県内自主避難者への借り上げ住宅支援について、同一市町村内の避難も対象とすべきと思いますが、県の考えを伺います。

 次に、医療・介護総合確保推進法についてです。

 国は、医療から介護に移行させる一方で、介護施設もベッド数の増加を抑制し、在宅へ追いやる、医療と介護の総合法を国民と全ての野党の反対を押し切って強行しました。介護保険利用料2割負担導入根拠がでたらめで謝罪、撤回に追い込まれるなど、ぼろぼろになっての強行だったのです。

 日本の医療は、国民皆保険制度のもとで、保険診療を基本とした医療制度が国民の命と健康維持に効果的な役割を発揮し、世界最高の長寿国を維持してきました。国が検討している混合診療の導入による患者負担増、ベッド数の大幅な削減が国民の医療を受ける権利を侵害し、命と健康を脅かすことは明らかです。

 そもそも日本の人口比の医師数がОECD加盟国平均の3分の2と少ない上に、本県はさらに全国平均の8割程度の水準にあったのです。原発事故でさらに医師、看護師が減少する事態となり、医療供給体制の強化は本県復興の不可欠の課題となっているのです。

 国の計画どおりのベッド数にするなら、2025年までに2011年度比較で約千3百床、自然増を見込んだ場合は約7千床もの削減が求められることになります。7対1の看護体制のベッドは2年間で4分の1減らす方針が既に動き出しています。

 県は、国の求める病院のベッド数削減ではなく、各医療圏ごとに必要な病床機能の整備を基本としたビジョンを策定すべきと思いますが、県の考えを伺います。

 介護保険制度の見直しでは、要支援1、2の高齢者への主要な介護サービスが権利としての給付ではなくなり、単なる市町村事業に移行させられることに市町村からは戸惑いの声が上がり、介護サービスがあって在宅での生活が維持できていた高齢者からも、これでは在宅が維持できなくなるとの不安が広がるなど混乱は避けられません。現行サービスは後退しない、市町村格差は生まないことを基本にした市町村への支援が求められていることを指摘しておきたいと思います。

 次に、高齢者対策についてです。

 本県の6月1日の高齢者人口が約63万人、高齢化率は27.5%と、高齢化が急速に進行、支援を必要とする高齢者の増加が見込まれます。

 そこで、復興計画に掲げる高齢者が元気に生き生きと生活できる福島県の実現に向けどのように取り組むのか、知事の考えを伺います。

 次に、がん対策についてです。

 低線量被曝による健康への不安がある中で、特にがん対策は重要です。本年2月議会でがん対策推進条例が制定されたことを受け、条例の趣旨を生かしたがん対策基本計画をより具体化する取り組みが必要です。

 県が目標にするがん検診受診率は50%です。60%を目標とするのが乳がん、子宮がんですが、いずれも40%台で、2011年と2012年比では受診率はむしろ低下しました。県は、がん検診受診率向上にどう取り組むのかお聞かせください。

 がん対策推進条例では、疾病の不安を取り除くとともに、社会的・経済的不安の解消を図るとしています。がん治療の問題の一つは、治療費が高いことです。国保法第44条では医療費一部負担金の減免が規定されていますが、県内市町村ではほとんどこの制度が活用されていません。

 福島市では、2009年から5年間に市民からの減免申請件数は12件ありましたが、認められた事例は1件もありません。県内のこの数年間の国保医療費の一部負担金減免申請数及び認定件数をお示しください。

 国が示した減免要綱では、入院していること、貯蓄が生活保護基準の3カ月を超えないこと、適用期間は3カ月を標準とするなどの制約があります。医療の進歩で、通院治療でも高額医療費限度額を超える事例は特別ではありません。わずかな蓄えを頼りに、いつまで生きられるのか、命の不安とともに、医療費の不安、果ては葬儀費用の心配まで抱えながら治療継続しなければならないがん患者の苦痛ははかり知れません。人生最後の営みすら尊厳が保障されないような基準が果たして適切と言えるでしょうか。

 医療費の一部負担金減免を必要とする患者の生活実態に合わない基準は見直すよう国に求めるとともに、減免制度の活用が促進されるよう市町村要綱の見直しを支援すべきですが、県の考えを伺います。

 がんの研究・治療に当たる福島国際医療科学センターの建設工事が始まりました。この間、建設工事の入札不調を受け、本体建設工事費の総額を69億円増額して282億円で債務負担行為の専決処分を行いましたが、再入札結果は総額で220億円にとどまりました。この間の入札の経過と結果及び県の受けとめについて伺います。

 国内で初めて医大に配備されたPET・MRIの最新機器の活用を促進すべきとの声がありますが、活用状況と促進対策について伺います。

 次に、国民健康保険についてです。

 国民皆保険制度のもとで、社会保険にも加入できない不安定雇用労働者の国保加入が増加、全国の資料でも、一人当たりの課税標準所得は2008年が79万円から2012年は69万円と85%に減少、国保加入者の生活状態は悪化しています。

 一方、国保財政に占める国庫支出金は減り続け、いわき市の資料では、国保総収入に占める国庫支出金は、30年前には60%だったものが2012年には25.3%にまで減少、その分加入者負担が増加、年金生活者では1カ月分が国保税で占められ、払いたくても払い切れない構造となっているのです。

 全国知事会は、被保険者の負担が限界に近づいていることを踏まえ、構造的な問題解決の道筋を示すことなしに、都道府県と市町村の役割分担の議論のみを進めようとするなら、協議から離脱するとの意思を今月2日表明しました。

 しかし、国保税滞納世帯に対しては短期被保険者証や資格証明書が発行され、差し押さえも増加するなど制裁措置が強化されているのです。福島市の差し押さえ件数は、2012年2,781件と、2008年度の3.3倍に増加、その95%は預貯金の差し押さえです。

 年金の差し押さえ事例も生まれており、福島市の報告では、2011年と2012年度にそれぞれ3件ずつあったと認めています。そもそも低所得のために国保税が負担できないことが制度上の大問題なのに、取り立てを強化し、税の申請減免は所得が減少した場合しか適用されず、もともと低い人には適用されないことこそ改善すべきです。

 徴税を強化するのではなく、憲法25条に定める生存権保障にふさわしい国保制度となるよう、国庫負担金を抜本的に引き上げるとともに、生活保護基準に基づく減免制度に見直しを行うべきですが、県の考えを伺います。

 本県の国保税滞納処理に係る過去5年間の差し押さえ件数をお示しください。

 生存権侵害に当たる年金等の差し押さえは、法律では禁止していますが、1998年2月の最高裁判決で、一旦口座に振り込まれたものは差し押さえ禁止債権ではなくなるとの考え方が示されたことで、預貯金口座の差し押さえが全国に広がったのです。

 しかし、2013年11月、広島高裁は振り込まれた児童手当の差し押さえ処分を不当として起こされた裁判で訴えを認める判決を下しました。敗訴した鳥取県は、この判決を受けて、県税の滞納処理マニュアルを改訂、差し押さえ禁止債権と確認できた場合には差し押さえは行わないこととしました。

 福島県としても、県及び市町村の徴収事務における年金や児童手当、給与などの差し押さえ禁止財産の取り扱いについて、昨年11月に出された広島高裁の判決内容を徹底すべきと思いますが、県の考えを伺います。

 以上で私の質問を終わります。

副議長(青木 稔君)執行部の答弁を求めます。


知事(佐藤雄平君)宮本議員の御質問にお答えいたします。

 高齢者が元気に生き生きと生活できる福島県の実現に向けた取り組みについてであります。

 私は、先月開催されたすこやか福島ねんりんピックにおいて、元気な高齢者がスポーツを通して積極的な交流を図り、活躍している姿に触れ、高齢者が夢、希望を持って頑張れる社会づくりが極めて重要であるとの思いを強くしたところであります。

 これまで、このようなスポーツや文化を通して地域社会と積極的にかかわり合いを持ち、年齢を感じさせない生き方をしている高齢者の方々を「いきいき長寿県民賞」として表彰をし、広く県民の皆さんに紹介をしてきたところであります。

 今年度は、さらに地域での子育てや介護への支援にも積極的に参加できるよう、「ふくしまから はじめよう。」高齢者社会参加活動支援事業により、高齢者の生きがいづくりに全力で取り組むこととしております。

 今後とも、高齢者が尊敬され、これまで培った豊富な知識と経験を生かして、生き生きと活躍できる社会づくりに積極的に取り組んでまいる考えであります。

 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させます。

総務部長(鈴木正晃君)お答えいたします。

 県の徴収事務における差し押さえ禁止財産の取り扱いにつきましては、広島高裁の判決を踏まえた適正な滞納整理について各地方振興局県税部に通知し、徹底しております。

 また、市町村に対しても当該判決内容等について既に情報提供しており、今後も徴収事務が適正に執行されるよう引き続き助言等に努めてまいる考えであります。

生活環境部長(長谷川哲也君)お答えいたします。

 「調査にて終了」の住宅につきましては、市町村において、除染実施前の詳細モニタリングの結果、除染作業を不要としたものであり、その結果については、文書による通知や戸別訪問により住民にお知らせし、問い合わせ等に対応しております。

 次に、追加的除染につきましては、国は楢葉町等で実施している事後モニタリング調査結果を踏まえて必要な追加的除染をモデル的に行うこととしており、県といたしましては、それらの取り組み内容を確認するとともに、追加的除染の具体的な仕組みを早期に示すよう、引き続き国に求めてまいる考えであります。

 次に、除染の目標につきましては、長期的な追加被曝線量が年間1ミリシーベルト以下になることを目指しており、今後とも堅持すべきものと考えております。

 また、多くの市町村では、国が示した年間1ミリシーベルトを空間線量率に換算した毎時0.23マイクロシーベルトを除染実施計画に位置づけており、引き続きこれら計画に基づき、除染の長期目標を目指して市町村と一体となって除染の推進に努めてまいります。

 次に、作業員の賃金につきましては、労働者と雇用主との雇用契約によるものであり、適正な労働条件や賃金水準は基本的には労働基準法等の関係法令により保護されているものと考えております。

 なお、県といたしましては、適正な労働条件の確保等について、引き続き市町村や関係業界団体等を通じ周知徹底に努めてまいります。

保健福祉部長(鈴木淳一君)お答えいたします。

 地域医療構想につきましては、今後国が示すガイドラインに基づき、地域の実情や将来的な医療ニーズを十分把握するとともに、医療機関の意向や関係機関、関係団体等の意見等を踏まえ、二次医療圏ごとに必要とされる病床機能の整備に取り組んでまいる考えであります。

 次に、がん検診受診率の向上につきましては、がんの発症予防、早期発見の観点から、重要な課題であると考えております。

 このため、受診率向上を目指す市町村への補助やがん検診推進員の増員、受診啓発セミナーの開催などに取り組むほか、本年度はさらに県民総参加による啓発イベントの開催や市町村が行う個別受診勧奨への技術的支援に取り組むなど、関係団体等との連携を一層強化し、受診率の向上に努めてまいる考えであります。

 次に、国民健康保険の医療費の一部負担金の減免件数につきましては、平成23年度は申請件数37件に対し承認件数36件、平成24年度は申請件数6件に対し承認件数3件、平成25年度は申請件数が2件で、承認はありませんでした。

 次に、医療費の一部負担金の減免制度につきましては、平成25年度末現在、県内で30市町村が国の特別調整交付金の交付基準を参考にして制度を設けております。

 県といたしましては、市町村における実態を把握するとともに、減免制度の活用が促進されるよう、市町村に対し助言を行ってまいります。

 次に、ふくしま国際医療科学センターの債務負担行為額と契約額につきましては、資材等の高騰の動きを踏まえ、債務負担行為を増額したところでありますが、入札において複数事業者の応札がふえ、競争原理が働いたため、落札額が抑えられたことなどにより、双方の額に差が生じたものと考えております。

 次に、県立医科大学のPET・MRIにつきましては、平成25年度は283件で、月平均23.6件、平成26年度は5月末現在で57件、月平均28.5件の利用状況となっております。

 当該機器は、特にがんの早期診断などに有効であることから、県立医科大学では、来月から他の医療機関と連携して検査の受け入れを行うなど、さらなる活用を図っていくこととしております。

 次に、国民健康保険税の見直しにつきましては、同税は他の保険制度と異なり、税額の算定に均等割等の応益分が含まれるため、収入に対する税負担が重くなることから、その軽減に向け、これまでも国に対し財政支援の拡充を求めてきたところです。

 また、税の減免制度については、市町村の判断に基づくものと考えております。

 次に、国保税の差し押さえ件数につきましては、平成20年度が6,404件、平成21年度が8,583件、平成22年度が8,594件、平成23年度が5,486件、平成24年度が8,473件となっております。

土木部長(松本英夫君)お答えいたします。

 災害公営住宅につきましては、借り上げ住宅や仮設住宅等に入居している被災世帯について、長期にわたる居住の安定確保や公平な入居者選考等の条件のもとで、建設と買い取りにより整備が進められており、借り上げ住宅を災害公営住宅とすることは、このような条件を満たすことができないものと考えております。

原子力損害対策担当理事(伊藤泰夫君)お答えいたします。

 原発事故による営業損害につきましては、これまでも損害の範囲を幅広く捉え、事業者の置かれている状況を十分に踏まえた賠償を行うよう東京電力に対して求めてきたところであります。

 引き続き、事業者それぞれの再建等に向けた的確な賠償がなされるよう取り組んでまいる考えであります。

 次に、長期間の帰還不能に伴う精神的損害の賠償につきましては、これまでも原子力損害対策協議会の活動等を通し、地域の実情や市町村の意向等を十分に踏まえ、混乱や不公平が生じないよう求めてきたところであります。

 引き続き、個別の事情による損害への柔軟な対応など、被害の実態に見合った賠償が公平かつ的確になされるよう取り組んでまいります。

 次に、紛争解決センターの和解実例につきましては、同様の損害を受けている被害者からの直接請求に対しても賠償するよう繰り返し求めてきたところであります。

 引き続き国、東京電力に対し、被害の状況が類似している他の地域への和解実例の適用も含め、賠償が公平かつ迅速になされるよう求めてまいる考えであります。

 次に、仮設住宅の入居期間につきましては、国との協議を経て、先月さらに1年間の延長を決定し、平成28年3月までとしたところでありますが、引き続き復興公営住宅の整備や避難状況等を踏まえ、検討してまいります。

 次に、県内自主避難者に対する借り上げ住宅支援につきましては、国も十分に了解していない中で、平成24年度に子供や妊婦のいる世帯が他市町村へ避難した場合など、県として優先して救済すべき世帯を対象に実施したところでありますが、避難せずに居住を続ける方々とのバランスなども考慮し、同一市町村内の避難については対象としておりません。

13番(宮本しづえ君)何点か再質問いたします。

 最初に、知事に伺いますが、今の知事の答弁は、元気な高齢者についてはそのようなお話でいいのだと思います。ただ、高齢者は必ずしもみんな元気な高齢者だけとは限りません。不幸にして病気になり、寝たきりになり、介護が必要になるというような事例もたくさんあるわけですよね。そういう高齢者も含めて長生きできるような福島県をどうつくっていくのかという対策が求められているわけで、そういう点では総合的な医療・介護の支援策をしっかりと構築していくということが求められているわけで、知事からもそういう言葉を私は欲しいというふうに思いました。その点についての知事の考えを改めてお聞きしておきたいと思います。

 それから、生環部長にお伺いをいたします。

 一つは、「調査にて終了」、つまり除染はやらないけれども、終了とみなすという扱いですけれども、これについては、今の答弁だと、個別に問い合わせにも対応している、あるいは周知されているものだというような趣旨の答弁をなされていますけれども、13,800件に全部このような周知が徹底して、個人も了解しているというふうに県は認識しているということなのかどうか、この点はっきりもう一度お答えをいただきたいと思います。

 それから、除染の目標についてですけれども、今部長もおっしゃったように、県内の多くの市町村は、国が計算式で示した年間1ミリシーベルトというのは、除染の目安としては空間線量は0.23マイクロシーベルトですと。これは、国が示した計算式ですよ。だから、それを目標にしてそれぞれの市町村が除染の計画を立て、実施作業をやっているというのが現状です。そういうことも承知の上でこれを引き続き求めていくという答弁でしたので、県としても0.23マイクロシーベルトのこの目安は変えるべきではないということで国に求めていくということで確認してよろしいのかどうか、答弁を再度いただきたいというふうに思います。

 それから、保健福祉部長にですけれども、医療費の一部負担金の減免についてです。

 私は、質問の要旨のやりとりの中で、医療費の一部負担金の減免については、申請減免は一件もありませんというふうに報告をお聞きしておりましたけれども、今の答弁だと、平成23年には36件あった、24年には3件あったというふうに、何件か認定された件数があるというふうに答弁をされているのですけれども、これはどのような事例なのかお聞きをしたいし、そもそも申請が24年に6件しかない、25年には2件しかないという、この実態が、本当にこの制度が活用されていないということを何よりもこの数字が物語っていると思います。

 今この最新の機器が導入されたり、新しい遺伝子治療なんかが始まったりというように、高度な医療技術が発達してきていますので、それで命が長らえるということも当然あります。それは希望なのです。同時に、高度な医療技術というのはどうしても医療費が高くなります。だから、そのことでこの治療を受けようか、この検査を受けようかということで戸惑うという患者さんがいっぱいいらっしゃいます。でも、やっぱり受けてほしいわけですよ。

 福島県では、新しい機器をどんどん導入して、そして積極的にがん対策にも取り組むと、こういうことが求められるし、県もそのことを言っているわけですから、医療費の問題は同時に解決しなければならない課題だというふうに思うのです。だからこそ、もっと積極的にこの医療費一部負担金の減免制度の活用については積極的な市町村への支援が求められているのではないかというふうに思うのですけれども、この点について再度答弁を求めたいと思います。

知事(佐藤雄平君)宮本議員の再質問にお答えいたします。

 福島県といたしましては、医療、そして介護など、さまざまな生活支援サービスが適切に提供できるような環境づくりに努め、元気な高齢者も、またそうでない方も住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう、全力で取り組んでまいります。

生活環境部長(長谷川哲也君)再質問にお答えをいたします。

 「調査にて終了」の住宅につきましては、市町村において、その結果につきましては、それぞれ戸別に訪問する、あるいはその結果を送付する、それぞれ手段は違うところがございますけれども、それぞれ住民にお知らせをして対応しているということでございます。

 次に、除染の長期目標につきましては、長期的に追加被曝線量年間1ミリシーベルト以下になることを目指していると。また、国が示した空間線量に換算した毎時0.23マイクロシーベルトを計画に位置づけて除染を進めてきております。引き続き、これらの計画に基づき、除染の長期目標を目指して除染の推進に努めてまいる考えであります。

保健福祉部長(鈴木淳一君)再質問にお答えいたします。

 医療費の一部減免の御質問でございます。先ほど答弁の中で、市町村における実態把握、それから助言というふうにお答えをいたしました。制度の趣旨が、この制度はまだ数年というちょっと若い部分もございまして、全市町村にもちろんまだ入っていないということもございますので、活用できるものは多くの市町村で活用していただく、それから利用する側の皆様へのお知らせも含めて広く周知をしていきたいと。それに当たっては、県としても市町村を訪問するなどして十分に実態を把握した上で助言をしてまいりたいと思っております。

13番(宮本しづえ君)再々質問いたします。

 生環部長にお聞きをいたしますが、13,800件の「調査にて終了」は個別に全部通知をされているので、それはその該当の世帯は納得をしているものだというふうに県は認識しているということなのでしょうか。

 でも、例えば伊達市でその当該地域に住民のアンケートをやれば、7割の人たちは不安だというふうに回答しているわけですよ。だから、個別に全部通知されて、いいですねということで納得していれば、それは大丈夫です。不安ですという回答にはならないのですよ。だから、実態はそうではない。だから、個別的にはそういう通知はされていないのだというふうに私は理解をせざるを得ません。

 だからこそ、個人にちゃんと再度調査をやって、そして希望する世帯には全部除染すべきではないですかということを申し上げているので、再度答弁をお願いしたいと思います。

 それから、原子力損害対策担当理事にお聞きをしたいと思います。

 第四次追補が示されて、一番先にこれで請求が開始されたのが実はふるさと喪失慰謝料ですよね。1人700万円の喪失慰謝料を帰還困難区域にだけは払いますというのがあの第四次追補です。これだけが実は真っ先に賠償の請求の受け付けが始まってしまいました。

 私は、請求が開始されたこと自体、文句を言うつもりではないのだけれども、しかし、いろんな意見がある。住民同士でさまざまな意見の対立がある。これは、想像を絶するものがありますよ。それぐらい深刻な事態が住民同士で今起きているのだという認識に立って対応する必要があると思うのです。それなのにもうこれだけは申請を受け付けて、既成事実化しようとしているのではないかと言われても仕方がないような状況が実は生まれている。

 そこで問題なのは、県としては、これが帰還困難区域にだけしか適用されないということについて、それは仕方がないというふうに考えるのか、それとも、これはやっぱり見直しが必要だというふうに考えるのか、これによって県の対応は変わってくるわけですね。

 去年の12月26日に第四次追補が出されて、県が緊急の要望を出しました。でも、あの緊急要望の中では、このふるさと喪失慰謝料については実は見直しを求める文言は書いていないですよね。個別の事情に応じて対応すべきだというような中にどうも全部ひっくるめているのではないかと思われるのですけれども、しかし、そのことだけでは済まない問題が現実に今避難者同士で起きている。

 だから、双葉町と大熊町はそういう対立はないわけですよ、同じ住民の中で100%全部払いますということになっているから。ところが、富岡とか浪江とかそれ以外のところについては3つに分断されて、帰還困難区域しか700万円の対象にならない。道路一本挟んで向かい側は対象になるけれども、うちは対象にならないということが起きているわけでしょう。では、この道路一本挟んで向こうには行かないのですか。そんなことはあり得ないですよ。

 それなのに、国が勝手に線引きした内容で賠償請求が始まってしまっているということで、避難住民にとってみれば我慢ならない状態が今起きているのだと。そういうものとしてこの問題はしっかり捉えて、県としてはこういう被災者に寄り添った、避難者に寄り添った対応が求められていると思うのですよ。だから、見直しが求められるべき事項だというふうに認識しているのですか、どうなのですかということを改めて県の基本的な考え方をお聞きしておきたいと思います。

生活環境部長(長谷川哲也君)再質問にお答えをいたします。

 「調査にて終了」の住宅についてでありますけれども、その詳細モニタリングの結果、除染作業は不要と。その結果につきまして、調査結果を送るところ、それから戸別訪問するところというお話を先ほど説明させていただきましたけれども、特に伊達市においては、アンケート調査の結果も踏まえて、不安を感じている世帯を中心に戸別に訪問するという対応をしているというふうに聞いております。

原子力損害対策担当理事(伊藤泰夫君)再質問にお答えいたします。

 第四次追補につきましては、ふるさと喪失の慰謝料、あるいは住居確保損害、そういうものである程度生活再建とか住宅再建に向けた賠償の全体像が示されたところであります。

 議員おただしのように、住居確保損害については、詳細の詰め、しかも住民の皆さんに十分その詳細の中身を御理解いただいていないという状況で、これからさらに周知を徹底していく必要があるというふうに考えております。そういう住居確保損害と精神的慰謝料の部分は、本来であれば一体として賠償請求が開始され、全体像の中で御理解をいただければ本来はよかったかなというふうに考えております。

 避難指示区域見直し後の精神的損害につきましては、居住制限区域あるいは避難指示解除準備区域等においては、避難の指示の解除後も相当期間について引き続き月額10万円の精神的損害に対する賠償がなされることとなっておりますので、大きな混乱とか、そういうことが生じないように、さらに被害の実態に見合った賠償がなされるように引き続き求めてまいる考えでありますので、よろしくお願いいたします。

副議長(青木 稔君)これをもって、宮本しづえ君の質問を終わります。 

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