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2014年12月定例会 代表質問 高野光二議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年2月23日更新

高野光二議員

議員

高野光二

所属会派(質問日現在)ふくしま未来ネットワーク
定例会平成26年12月
質問等代表質問
委員会開催日12月8日(月曜日)

34番(高野光二君)ふくしま未来ネットワークの高野光二です。12月定例会に当たり、会派を代表して質問させていただきます。

 東日本大震災から3年9カ月が経過し、本県はさまざまな困難な状況と課題に向き合いながら復旧・復興を進めてまいりました。津波被災地への対応、原発事故の汚染水や廃炉に向けた対応、風評被害対策や産学官連携による新産業の創出、医療関連産業、再生可能エネルギー新産業による経済の活性化などを積極的に進め、市町村、国と協議を行いながら住民の方々に県の取り組みを理解していただき、将来の安全・安心に結びつけ、我が県の経済発展と県民の生活向上につなげることが求められております。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 初めに、復興の加速化について伺います。

 先般行われました知事選挙において、内堀雅雄新知事が福島県のリーダーになられたことは、佐藤雄平前知事のもとで進めてこられた東日本大震災からの本県の復興計画について停滞することの許されない状況にあって、ともに県政に携わり、新知事として、副知事であった内堀知事が誕生したことは、投票率50%を切る結果であったものの、投票者の70%に至る票の獲得を得たことは、多くの県民が内堀知事に寄せる福島県のトップリーダーとして、期待の大きさをあらわすものであります。

 内堀知事が所信表明の中で県政に臨む基本姿勢、運営方針など、「福島県の復興と郷土愛、震災前のあの美しく安らぎに満ちた福島県を何としても取り戻したい。」という熱い思いを語っていただきました。福島県の置かれている現状を誰よりも理解され、復興への迅速な対応が求められる今、福島県のかじ取りを預かることになった新知事の考えと決意をお聞きしたいと考えております。

 そこで、震災からの復興をさらに加速させるため、どのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねいたします。

 次に、3.11の大震災からの復興は急ピッチで進んでいますが、集中復興の期間としている5年間の期間は平成27年度までであり、来年度で終わりです。政府においては、引き続き復興に向けての財源は確保するとしていますが、不透明なところがあります。

 復興交付金は、各自治体での使い勝手の悪さを改善したとしています。そして、復興をさらに進める政策として、福島再生加速化交付金の創設により、特に福島の原発事故対応を見据えた財源として、各自治体の要求の内容に対応するとしています。現実は全てとは言えませんが、それぞれ自治体から復興に向けての計画が上がっていきますが、それを受けチェック、審査され、各省庁による査定のハードルが高いといった自治体の声が多くあります。

 宮城、岩手県よりは多くの財源や制度が用意されてはいますが、しかし、福島県の中で震災と原発事故により復興の対応がおくれている避難区域では復興のおくれが目立っています。あわせて、避難されている住民の多くがふるさとに帰ることへの不安、将来への不安につながっています。

 南相馬市の例に見るように、原発避難地域と全く避難指示に入らなかった区域では復興に大きな差があり、原発事故の影響が大きかった地域の復興はこれからであることから、今後の確実な復興のための財源確保が必須であります。

 そこで、市町村の復興財源の確保に向け、県はどのように支援していくのかお尋ねをいたします。

 次に、12月6日に常磐自動車道の浪江・南相馬インターチェンジ間が開通いたしました。来年の3月1日には浪江・常磐富岡インターチェンジ間の開通が予定されており、震災前から浜通り市町村の悲願である常磐自動車道の全面開通の実現が目前となっております。大いに期待しているところであります。

 何といいましても、原発事故による被災、避難地域の浜通りの交通網は、立入禁止区域から、ようやく許可を必要とせず自由に通れるようになりました。浜通り原発被災地域、そしてその周辺地域の復興を加速させていく上で道路網の整備は欠かせない条件であります。

 常磐自動車道が全面開通すれば、9月に自由通行化した国道6号とあわせて、復興事業に必要な物や人の流れの迅速化・効率化や避難地域の帰還に向けた環境づくりの促進などが期待され、本県の復旧・復興に大きく寄与するものと考えます。

 また、避難地域の復旧・復興が加速化するよう、常磐自動車道をさらに有効活用するため、避難指示区域内に復興インターチェンジを設置することを国に強く求めていくべきと考えます。

 そこで、常磐自動車道への復興インターチェンジの設置について、県はどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。

 次に、県の組織改編について伺います。

 平成27年度に向けて危機管理部を設置するため、福島県部等設置条例の一部を改正する条例が提出されているところであります。危機管理部の設置に当たっては、東日本大震災及び原子力災害の経験や教訓を踏まえ、県民の安全・安心の確保を図るため、どのような視点から組織を見直しし、また、どのように危機管理体制が強化されるのかが非常に重要であると考えております。

 東日本大震災と原発事故への対応は現在も続いており、それぞれの部局で対応してまいりましたが、これら未曽有の自然災害、そして想定外の原発事故とその対応、県民が安全・安心して生活できる環境の整備や将来の夢と希望を持てる対応や施策が求められており、この東日本大震災と原発事故を経験した我が県であればこそできること、また今後に向けて生かせる、生かさなければならないものがあると強く考えております。

 このような中、今議会に提案された組織改編に伴う危機管理部の設置については、東日本大震災と原発事故の教訓と反省を生かし、今後のさまざまな災害に迅速かつ適切に対処するため、時宜を得たものと思います。

 そこで、危機管理部を設置するに当たって、基本的な考え方についてお尋ねをいたします。

 次に、中間貯蔵施設について伺います。

 中間貯蔵施設は、県内の除染を進め、1日も早い環境回復を図る上で重要な役割を果たすものであります。

 その一方で、中間貯蔵施設の設置や除染に伴う汚染物の中間貯蔵施設への搬入については、施設建設にかかわる地権者が2,365名近くいるとされ、その用地取得に関しては、地権者の方々が戻る、戻らない、土地を売る、借地でなければだめだなど、要求はさまざまであります。その上で、地元に非常に重い負担を強いるものであることから、国の積極的な説明により、地権者、関係自治体など地元の理解を得るよう、県としてもさらに積極的に取り組むことが求められております。

 中間貯蔵施設への除去土壌等の輸送については、先月14日に国が基本計画を取りまとめ、公表したところであり、その中で、国は仮置き場からの直行輸送を担い、市町村は仮置き場、仮々置き場から積み込み場までの集約輸送の一部を担うこととなっておりますが、市町村のマンパワーは既に限界に来ております。また、そのための財政負担などについては困難な状況にあると言えます。除去土壌などの輸送については、市町村の負担を軽減させることが必要であると考えております。

 そこで、中間貯蔵施設への除去土壌などの輸送に当たって県はどのような役割を担うのかお尋ねをいたします。

 次に、原子力損害賠償についてお伺いいたします。

 昨年末の中間指針第4次追補の策定により、避難指示区域内からの避難者の住宅については、移住する場合の取得の費用や帰還する場合の修繕、建てかえの費用が賠償される住居確保損害の考え方などが示されたことにより、大きな方向性として、賠償は収束に向かうものと受けとめております。

 一方、新聞報道等によると、南相馬市の特定避難勧奨地点周辺の住民を中心にADRへの集団での申し立てが複数なされております。また、鹿島区の住民11世帯が精神的損害の賠償の延長を求めて福島地方裁判所へ提訴、そのほかの地域においても訴訟もしくは現在訴訟を準備している状況にあります。

 例えば鹿島区においては、国が福島第一原子力発電所から引いた半径30キロの線の内と外で同様の被害を受けているにもかかわらず、精神的損害の賠償、特例措置による高速道路の無料化、医療費の減免など、取り扱いに大きな差があり、地域コミュニティーの分断も生じております。

 そこで、精神的損害の賠償について、避難指示等区域ごとに大きな差を生じさせないよう国及び東京電力に求めるべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 また、損害賠償請求が裁判にまで至った場合、司法による解決に委ねるしかないわけですが、そもそも裁判に至る前に簡便な手続で迅速に解決を図る原子力損害賠償紛争解決センターの活用がさらに図られるべきであると考えます。

 しかし、東京電力が紛争解決センターの和解仲介案を拒否する事例について報じられております。本来、加害者である東京電力が紛争解決センターの和解案を拒否するなど言語道断であり、県として東京電力と国にしっかり被災者の声として要求していくべきと考えます。

 そこで、東京電力に対し原子力損害賠償紛争解決センターによる和解仲介案を積極的に受け入れるよう強く求めるべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、復興公営住宅について伺います。

 県営の復興公営住宅については、先月から入居が始まったところです。震災から3年9カ月が経過し、避難者の意向が変わってきております。長期避難により、避難者の置かれている環境は大きく変わっています。家族がばらばらに生活せざるを得ない状況、子供の教育や親の新しい職場の環境であったり、高齢者においては自分たちの老後の生活への不安など、さまざまな要件が重なり、住民の意向が変わりつつあります。

 昨年の12月に審査会から出された第4次追補により、財物賠償以降の避難地域の住民の意向が大きく変わってきました。自宅を移り住んでの新築や中古住宅の購入など、復興公営住宅入居以外の道を選択する避難者も多く出てきております。

 そこで、復興公営住宅について、今後も避難者のニーズを把握し、対応すべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、被災地の農業対策について伺います。

 被災地域の営農に関しては、まだまだ本格的な再開には至っておりません。米については、地域の主力作物ですが、全国的な消費の減少と米余りの状況であることに加え、原発被災地であるため、残念ながらこの地域で生産されるものについては敬遠される傾向にあります。

 相馬地方のJA管内で生産された米については、市場への流通は5%しかないと聞いています。残りのほとんどは備蓄米として政府による買い上げ措置で対応しているところです。来年度の作付米については、食料米としてではなく、家畜の餌米としての栽培を80%にするとした方針が出されております。

 また、地元の市場・原町中央卸売市場に出荷された地元の農産物はほかの市場の平均価格を大きく下回り、その差額が賠償で補われるとしても、価格の低迷は生産者の耕作意欲を大きく阻害する要因になっています。

 和牛の肉牛の生産市場価格の台付も同様で、Aランク、上物であっても、風評の影響が大きく、初めから100円、200円安の値がつけられ、悔しい状況であります。県を初め各団体、生産者の方々が風評払拭のために努力されている姿には敬意を表するものでありますが、いまだにこの問題は解決に至っておらず、今後も解決には長い年月を要すると思われます。

 このような市場の販売環境、風評の被害が続く中にあって、農家の皆さんに意欲を持って、しかも今後の営農に安心して取り組めるような手だてが是が非でも必要であると思います。地元の学校給食の食材として積極的に使っていただける、あるいは県内はもとよりのこと、スーパーや野菜の販売ブースに福島県産のものが並んで販売できる手だて、努力が必要であると思います。

 そこで、風評による農産物価格の下落に対し、県はどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、避難地域等において、県や市町村を中心として営農再開に向けて尽力されていることは理解しておりますが、これらの地域においては、帰還する農業者が減少して、農地の活用が危ぶまれる状況となっております。また、米価が下落する中、飼料米への取り組みが検討されているものの、これまで主食用米の生産を続けてきた生産者には抵抗感も大きいと聞いております。

 このような中、避難地域などの農地を守り、営農を再開させていくためには、新たな担い手や営農集団づくりと資源作物などを含む新たな作物の導入が必要と考えております。

 そこで、県は担い手不足が懸念される避難地域などの営農再開にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。

 次に、警察行政について伺います。

 被災地はもとより、浜通り地域において重要な道路である国道6号が本年9月に自由通行化されました。東日本大震災から3年9カ月がたつわけですが、この間、復興や除染作業などに伴い多くの車が県内に流入しております。特に相双地方は、震災後、復興の拠点となっており、交通量が日を追うごとに増加していると感じております。

 先日、某高等学校の女子生徒が修学旅行前日の夕刻、作業員が運転する2トンダンプトラックの巻き込み事故により死亡するという痛ましい出来事が発生しました。また、作業員による衝突事故、追突、接触事故の多発など大変憂慮される事態になっております。

 復興への歩みが見えている反面、住民は交通量の増加など震災前とは大きく変化した交通情勢に大きな不安を抱いております。こうした交通情勢の変化を踏まえ、相双地方の復旧・復興事業、除染作業に伴う交通量の増加を踏まえ、交通事故の防止に取り組む必要があると考えております。

 そこで、県警察における相双地方の交通事故防止対策についてお尋ねをいたします。

 次に、未来を担う人材の育成について伺います。

 まず初めに、イノベーション・コースト構想実現のための人材育成について伺います。

 東日本大震災の影響が大きい津波被災と原発避難地域における復興の目玉として、政府と関係自治体、県がかかわって計画し、成案として実行するとしているイノベーション・コースト構想の確実な実現が是が非でも必要であります。その中で、その地域の将来を担う人材の育成が大切です。

 小中学校の児童生徒は、震災や避難生活の影響により、環境の悪化や屋外活動の制限などにより、学力の低下や体力の低下が懸念されており、これに対応を求める声が上がっております。また、少人数指導による教員の配置の要望、教育の充実と学力の向上が望まれております。

 また、高校教育においては、当地域の特色を生かし、これからの復興のリーダーとして活躍できるような地域で必要とする人材の育成が必要であり、求められております。小高工業高校、小高商業高校については、イノベーション・コースト構想などの主要なプロジェクトなどと連携し、当地域ならではの特色ある学校づくりを行う必要があると思います。

 そこで、相馬地方において、イノベーション・コースト構想の実現に必要な人材の育成にどのように取り組んでいくのか、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。

 次に、介護福祉を担う人材の育成についてお尋ねします。

 東日本大震災の津波、原発事故の大きかった浜通り、特に相双地域における介護福祉施設並びに居宅介護サービス事業者は60事業所を有し、高齢利用者はもとより、地域社会における福祉の充実並びに産業経済の発展にも大きく貢献してまいりました。

 さきの震災、特に原子力発電所事故により避難を余儀なくされた高齢者を中心に新たに介護が必要になったり、あるいは高齢者福祉事業所が震災に伴い事業継続が困難になり、多くの高齢者の方々が介護サービスを利用したくても利用できないという深刻な事態となっています。

 このような中で、福祉に携わる介護人材が不足し、極めて深刻な状況であり、人材の募集をしても、若干の新たな確保はあり得ますが、まだまだ不足の状況であります。今後についても見通しが立たないことから、基本的に地域で必要とする人材は地域で育てる必要があることを強く認識しており、教育庁と保健福祉部の連携はもとより、テクノアカデミー浜を所管する商工労働部とも連携を図っていただき、課題解決に向けた取り組みを望むものであります。

 さて、相馬東高校においては、これまで介護職の資格を取れる状況でありましたが、資格取得要件が変更され、学校在学中での資格取得は困難になってしまいました。地域にとっては、福祉にかかわる人材の確保は重要な課題であり、ますます高齢社会に向かう現実を直視し、まだ介護人材の教育環境が整っていない相馬地方における人材の育成が必要であると考えます。

 そこで、相馬地方において、福祉・介護を担う人材の育成にどのように取り組んでいくのか、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。

 次に、再生可能エネルギーについて伺います。

 東北電力による系統接続保留問題は、再生可能エネルギーの推進を復興の柱とする本県にとって大変大きな衝撃であります。特に避難地域においては、再生可能エネルギーの推進を復興の牽引策として掲げており、その影響もさらに深刻であります。

 避難地域では、東北電力による系統接続保留の決定前から送配電網への接続が困難な地域が増加傾向にあったこともあり、現在利用されていない東京電力の送電網を活用するなど、再生可能エネルギー先駆けの地実現に向けた抜本的な措置が講じられるべきと考えます。

 国が定める再生可能エネルギー政策は全国一律のものであり、我が県のように、地震、津波、原発事故の被害に遭った県においては、取り組みには時間がかかること、何といっても今まで重要電源としていた原発について、本県に立地している10基全ての廃炉を求めていることや、県として30年後、再生可能エネルギーで県内で必要とする全ての電気をつくるとしていることなど、この原発事故から立ち直り、新たな地域発展のモデルケースを目指している我が県は特別な措置が必要であることを強く訴え、国に求めていくことが必要であります。つい先日、知事は経済産業省も含め、関係機関に対しこの件を要望されたことは、よいタイミングであったと考えております。

 そこで、避難地域における再生可能エネルギーの推進にどのように取り組んでいくのか、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、観光について伺います。

 東日本大震災以降、県は各分野での風評対策の取り組みを行ってきました。しかしながら、その影響は依然として続いており、完全な回復のためにはさまざまな視点での継続した取り組みが必要であると考えております。

 こうした取り組みの中でも、多くの方に福島を訪れていただき、本県の魅力に直接触れていただく観光誘客の取り組みは、本県の現状を理解し、風評を払拭するための重要な施策の一つであります。

 県では現在、来年4月から6月のデスティネーションキャンペーンの開催に向け、さまざまな観光誘客に取り組んでいるところですが、中でも本県を訪れた方へのおもてなしは重要であると考えております。

 震災で痛手を負った我が県は、風評の被害、特に農産物や観光においてはその影響が甚大であります。再び県産品が積極的に購入され、多くの観光客が本県に来ていただけるようになるまでには時間がかかりますが、さまざまな手法で最大限の努力をすべきであると考えます。

 そこで、県はデスティネーションキャンペーンにおけるおもてなしの取り組みを今後の観光振興にどのように生かしていくのかお尋ねをいたします。

 結びに、一言述べさせていただきます。

 本定例会が終わりますと、ことしもあとわずかとなります。ことし1年間、選挙のためか、慌ただしく日々活動してまいりました。これからが福島の復興・再生に大変大事な時期であろうと思っております。

 ウシオ電機会長の牛尾治朗氏の言葉に「治に居て乱を忘れず」を紹介したいと思います。日本は、さまざまな試練を乗り越え、今の経済の発展がある。これからの日本の前途は一人一人の努力にかかっている。「治に居て乱を忘れず」という言葉は、平穏なときも万一に備えることを怠ってはならないという教えであります。

 日本や私どもの周りでは多くの問題を抱えていますが、海外からはこんな平和で住みやすい国はないと高く評価されます。しかし、肝心の日本人がその自覚と認識、そして愛国心に乏しいのではないかと懸念しているわけです。

 終わりに、我がふくしま未来ネットワークといたしましても、今この福島県が置かれている現状からしっかり福島県の復興と子供たちの未来のために日々精進し、県勢発展のために頑張っていくことをお約束し、私の代表質問を終わります。ありがとうございました。

議長(平出孝朗君)執行部の答弁を求めます。

 知事(内堀雅雄君)高野議員の御質問にお答えをいたします。

 復興を加速させる取り組みについてであります。

 12万人を超える方々の避難や各方面における風評が続いているなど、本県はいまだに有事の状態にあります。

 この状況を打破し、復興を加速させるためには、県職員が有事の意識をしっかりと持ち、県民の皆さんを初め国、市町村、NPO、企業など多様な主体の共感を得て連携をしながら、情熱とスピード感を持って困難な課題に取り組んでいくことが不可欠であります。

 私は、こうした考えを県庁全体に意識風土として醸成をしていくとともに、みずから率先して現場に出向き、市町村や地域の声を丁寧にお聞きしながら、新しい取り組みにチャレンジをして復興に取り組んでまいります。

 特に本県の最優先の課題である避難地域の一日も早い復興につきましては、国や市町村と連携し、避難地域復興の希望となる将来像の策定を進めるとともに、イノベーション・コースト構想の具体化を図り、浜通りの産業集積を進めていくなど、避難地域の再生、発展に向け総合的な施策を展開してまいります。

 また、風評と風化、この2つのマイナスの風を克服するため、私みずからがトップセールスにより、さまざまな場面で本県の現状や復興の進捗状況などを国内外に発信し、広く理解と共感をいただくことで風評の払拭と風化の阻止に努めてまいります。

 本県は、光と影が交錯した状況にありますが、再び光に満ちあふれた姿を取り戻すことができるよう、復興に全身全霊で取り組んでまいります。

 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。

総務部長(鈴木正晃君)お答えいたします。

 市町村の復興財源の確保につきましては、被災市町村全ての復興がなし遂げられるまでが復興期間であるとの強い認識のもと、これまでも知事を先頭に、震災復興特別交付税を初めとする必要な復興財源の確保に努めるとともに、既存の交付金制度について、その対象事業の拡充や各市町村の実情に応じた柔軟な対応がとれるよう国に求めてきたところであります。

 今後も引き続き、市町村と連携しながら、復興財源の確保等に向け、粘り強く国に求めてまいります。

 次に、危機管理部の設置につきましては、東日本大震災及び原子力災害の教訓を踏まえ、知事直轄が有する総合的な安全管理に関する総合調整機能を生かしながら、生活環境部が有する消防保安、災害対策、原子力安全対策に関する実務機能を統合し、指揮命令系統の一元化、明確化により迅速かつ的確な初動対応や情報収集機能等の強化を図ることとしており、平成28年度に供用開始予定の県庁北庁舎に整備する危機管理拠点の運用も含め、ソフト・ハードの両面からより一層充実した危機管理体制を構築し、県民の安全・安心の確保に努めてまいる考えであります。 

企画調整部長(近藤貴幸君)お答えいたします。

 避難地域における再生可能エネルギーの推進につきましては、復興の加速化、地域活性化の観点等からも重要であると認識しております。

 このため、発電事業の実施に当たり、売電益を財源としたふるさと再生事業を要件とする国庫補助制度の創設や内陸部の原発被災市町村の土地の有効活用に向けた農地転用の特例を実現したほか、発電容量の受け入れ拡大のため、東京電力の送電線活用に必要な財政措置等を国に対し強く求めているところであります。

 今後とも地元市町村の意向を踏まえながら、避難地域における再生可能エネルギーの推進に全力で取り組んでまいる考えであります。

生活環境部長(長谷川哲也君)お答えいたします。

 除去土壌等の輸送につきましては、国の基本計画において、県は地域の実情を踏まえた国及び市町村との調整を担うこととされております。

 これまで新たな積み込み場の確保は難しいとの市町村の意見を踏まえ、既存仮置き場の活用など柔軟な対応を国に対し強く申し入れ、基本計画に反映されたところであり、また、国が策定中の実施計画については、輸送ルートや道路・交通対策等について、国、市町村、関係機関と協議調整を進め、地域の実情や市町村の意向が反映された実施計画となるよう、広域自治体としてしっかり取り組んでまいる考えであります。

農林水産部長(畠 利行君)お答えいたします。

 風評による農産物価格の下落につきましては、これまで量販店等におけるトップセールスやメディアを活用した情報発信、産地ツアーの実施などを通じて、県産農林水産物の安全性やおいしさを積極的にアピールしてまいりました。

 今後はこうした取り組みに加え、量販店や卸業者の仕入れ担当等を対象とした商談会や意見交換会、産地見学会の規模や機会をふやし、新たな販路の開拓と取り扱い量の拡大に努めてまいります。

 また、学校給食や社内食堂等における新鮮で安全な地場産物の利用を促進するなど、農林水産物の需要拡大を図り、流通量と価格の回復に取り組んでまいります。

 次に、避難地域等の営農再開につきましては、現在営農集団の組織化を進め、避難農業者にかわって耕作する管理耕作の取り組みを支援するとともに、資源作物を含む新たな作物の実証栽培などに積極的に取り組んでいるところであります。

 今後は地元市町村等の意見を踏まえながら、先進技術を取り入れた新しい生産方式による地域農業の将来像について検討を進めるとともに、来年度開所予定の浜地域農業再生研究センターを拠点として、土地利用型作物の大規模実証や花卉などの非食用作物栽培の研究成果等を農業者に示し、営農意欲の醸成を図ることにより、営農再開を加速してまいる考えであります。

原子力損害対策担当理事(伊藤泰夫君)お答えいたします。

 避難指示等区域ごとの精神的損害の賠償につきましては、これまでも原子力損害対策協議会の活動等を通し、県民に対する被害の実態に見合った賠償はもとより、住民や地域、市町村に混乱や不公平を生じさせないよう強く求めてきたところであります。

 引き続き住民の置かれている状況を踏まえた賠償が的確になされるよう求めてまいります。

 次に、紛争解決センターの和解仲介につきましては、原子力損害賠償紛争審査会が策定する指針や東京電力の賠償基準に合致しない個別の事情による損害の円滑な賠償に極めて重要であることから、これまで原子力損害対策協議会による東京電力への要求において、原発事故の原因者としての自覚を持って和解仲介案を積極的に受け入れるよう繰り返し求めてきたところであります。

 引き続き和解仲介案の受け入れはもとより、和解実例の水平展開も含め、被害者の立場に立った賠償がなされるよう取り組んでまいります。

避難地域復興局長(樵 隆男君)お答えいたします。

 常磐自動車道への復興インターチェンジの設置につきましては、廃炉作業や除染の進展、復興事業の促進、緊急時の避難路確保などの観点から極めて重要であると認識しており、国の責任による整備を求めているところであります。

 さらに、いわき市や南相馬市の生活拠点との二地域居住的な往来や中間貯蔵施設への搬入経路としての活用を含め、必要性が一層高まっていることから、県といたしましては、昨年から実施してきた技術的な検討結果も踏まえ、関係市町村とともに、あらゆる機会を捉えて国に対し要望を行うなど、実現に向け全力で取り組んでまいります。

 次に、復興公営住宅につきましては、これまでも住民意向調査による入居希望をもとに必要戸数を積み上げ、長期避難を余儀なくされている市町村とも協議しながら、復興公営住宅整備計画を策定して整備を進めているところであります。

 今年度に実施した住民意向調査においても、現時点で判断することができないとする方々が依然として多いことから、住民意向調査に加えて個別の聞き取りを行うなど、引き続き丁寧にニーズを把握しながら整備を進めていく考えであります。

観光交流局長(五十嵐照憲君)お答えいたします。

 デスティネーションキャンペーンにおけるおもてなしの取り組みにつきましては、県民約13万人に登録をいただいた「福が満開おもてなし隊」の活動や専門家によるおもてなし研修会の開催、観光地を花で飾り、お客様をお迎えする花のおもてなし運動など、県全体で観光客をお迎えする体制の整備を図ってきたところであります。

 今後は、これらの取り組みが一過性のものとならないよう地域への定着を図る取り組みを進めながら、何度も訪れたくなる観光地づくりに生かしてまいる考えであります。

教育長(杉 昭重君)お答えいたします。

 イノベーション・コースト構想の実現に必要な人材の育成につきましては、構想の目指す新たな産業集積に対応できる専門性の基礎となる知識や実践的な技術を身につけさせることが重要であると考えております。

 このため、南相馬市小高区において、県内大学や企業、研究所等との連携のもとに、ロボット開発やエネルギー関連産業、ICTなどの分野を学べる魅力ある学校のあり方について、地元の首長、教育長、有識者の方々と議論を重ねているところであり、早期にその実現を図ることにより、すぐれた産業人材の育成に努めてまいる考えであります。

 次に、福祉・介護を担う人材の育成につきましては、13の県立高等学校において、社会福祉に関する基礎的・基本的な知識や技術の定着を図りながら勤労観、職業観を醸成しているところであり、相馬地方では、相馬東高等学校において、福祉関係の実践的な技能を身につけることができる教育課程を編成するとともに、地域の関係機関と連携し、介護に関する資格を取得させ、福祉施設への就職を実現させており、今後もこうした取り組みを通して福祉・介護を担う人材の育成に努めてまいります。

警察本部長(名和振平君)お答えいたします。

 相双地方の交通事故防止対策につきましては、国道6号の自由通行化や常磐自動車道の未供用部分の供用開始に伴い、事故の多発が懸念される状況にあります。

 そのため、速度超過の車両による交通事故が多発している国道六号等を重点とした速度取り締まりを行っているほか、本部や隣接署との合同による検問の実施、復興事業に関連する事業所に対する交通安全教育等を推進しているところであります。
 
 引き続き交通量の変化、交通事故発生状況などの交通実態を踏まえた諸対策を推進し、相双地方の交通事故防止に努めてまいる考えであります。

議長(平出孝朗君)これをもって、高野光二君の質問を終わります。

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