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2014年12月定例会 討論 宮川えみ子議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年2月18日更新

宮川えみ子議員

議員

宮川えみ子

所属会派
(質問日現在)

日本共産党

定例会平成26年12月
質問等討論
質問日

12月19日(金曜日)

38番(宮川えみ子君)宮川えみ子です。日本共産党を代表して討論を行います。

 知事提出議案第16号、36号、37号、68号、70号、73号については反対の立場で、請願310号、315号、325号、326号、327号、328号は採択すべき立場で、議員提出議案第328号、330号、334号、335号、336号は可決すべき立場で討論いたします。

 最初に、知事提出議案第16号「福島県行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行条例」についてです。

 この条例は、いわゆるマイナンバー関連4法が成立したことにより、行政手続における必要な事項を定めるとするものです。法施行後のスケジュールでは、2015年10月に市町村から12桁の個人番号が通知され、2016年1月から顔写真つきカードが希望者に配布され、2017年1月から行政機関が個人番号でやりとりをするシステムを稼働するとしております。

 国民一人一人の年金等の社会保障給付や納税等を一つの個人番号で管理することができるとしていますが、法成立に当たっては、個人情報やプライバシーの保護について実効ある対策が示されませんでした。同じような制度を導入したアメリカや韓国では、情報漏えいやなりすまし犯罪が多発し、見直しを迫られております。

 番号の利用の使途は当面、社会保障、税、災害に限定していますが、施行3年後をめどに使途拡大を検討するとしています。国が個人情報を管理、統制し、社会保障抑制と民間企業活用を目的とするものであり、法施行は問題であり、条例制定には反対です。

 次に、議案第36号、議案第37号の両条例は、「県の行う建設事業等に対する市町村の負担の追加及び一部変更について」ですが、県の事業に対し市町村に負担を負わせるもので、やめるべきです。

 次に、議案第68号「県議会の議員の議員報酬等に関する条例の一部を改正する条例」、議案第70号「特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」、議案第73号「福島県教育委員会教育長の給与、勤務時間等に関する条例の一部を改正する条例」についてです。

 国の人事院は、7年ぶりに民間給与との格差を認め、国家公務員の賃金引き上げについての勧告を行い、本県の人事委員会も民間給与との格差0.16%を埋めるための給与表の引き上げと期末勤勉手当の0.15カ月の引き上げを勧告し、それに基づき職員の給与改定が提案されました。

 アベノミクスによる円安や消費税増税による物価上昇に賃金が追いつかず、暮らしが厳しくなっている中で、賃金引き上げは当然であり、公務員の給与引き上げが他の労働者の賃金引き上げや地域経済に波及が見込まれるなど重要です。

 しかし、議員や特別職の報酬はそもそも県民の所得水準と比較しても高いものであり、考えを別にすべきです。復興がなかなか進まない中、大震災や原発事故で苦しんでいる県民の目線で判断すべきです。

 次に、県民からの請願についてです。

 請願325号「日本一子育てしやすい環境を充実させるために小・中学校の給食無償化の実施を求めることについて」と、請願326号「日本一子育てしやすい環境を充実させるために高等学校の給食実施を求めることについて」です。

 子育ての現実を見ると、ひとり親家庭がふえ、非正規労働者も36.7%に上っていて、経済的に困難な家庭がふえ続けています。厚労省の調査では、子供の貧困率は16.3%で、実に6人に1人の子供が貧困家庭です。夜まで働く母親をコンビニでパンを買って待ち続ける小学生など、一日のうちまともな食事は給食だけという子供もいます。高等学校は基本的に給食がありませんが、経済的理由でお弁当を持たずに通学する子供もふえています。健康上も問題があります。

 また、貧困対策だけでなく、子育ての悩みのトップは教育にお金がかかるということですから、給食費の無償化や高校の給食実施は少子化対策にも大きな意義があります。日本一の子育て県にふさわしい環境づくりを充実させてほしいとする請願の趣旨は当然であり、採択すべきものです。

 次に、請願310号「原子力損害賠償金は非課税とする特別立法制定を求める意見書の提出を求める請願」と、これに基づく意見書案第330号についてです。

 この趣旨は、原発事故の被害者に対し、営業損害の減収分に対する賠償金から必要経費などを引いた分が課税の対象になるとしていることから、特別措置法で非課税にしてほしいことなどを求めるものです。

 東京電力福島原子力発電所事故から3年9カ月が過ぎてもなお、いまだに12万人を超える住民が避難生活を余儀なくされ、商工業、農家など自営業者を取り巻く環境は激変し、風評被害も深刻な現状にある中です。

 2010年に宮崎県で発生した口蹄疫被害によって多数の農業者に被害が出た際には、口蹄疫対策特別措置法によって、また、オウム真理教犯罪の被害者に対する手当金については同様の法律で非課税とされました。まして国の責任で引き起こされた原子力災害ですから、個人、法人を問わず原子力損害賠償金の全てを非課税にすべきであり、採択・可決すべきです。

 次に、請願315号「公的保育制度の堅持を求める意見書の提出を求める請願」と、これに基づく意見書第334号についてです。

 国民の労働と生活をめぐる環境の変化の中で、保育の長時間化や低年齢化等、質的変化が生じています。そのような中、公立保育所の一般財源化は保育予算のますますの削減になりかねず、地方の現状に則したものとは言えません。

 一般財源化のもとで進行していくのは保育職員の非正規化であり、雇用環境の悪化が保育の質の低下になりかねません。長い歴史の上に築かれてきた保育制度の改定に当たっては、関係者の意見を十分に聞き、検討を重ねることを求めているもので、採択・可決すべきです。

 次に、請願327号「公立小中学校教職員給与費の義務教育費国庫負担を2分の1に復元するとともに制度の充実を求める請願」と、これに基づく意見書第335号についてです。

 義務教育は国の責任として子供たち一人一人に必要な基礎的知識を培い、育まれるための教育水準の維持と向上を図り、教育の機会均等を確保することが憲法の要請です。国はこの趣旨に沿って長年義務教育費の国庫負担を2分の1としてきましたが、2006年からこれを3分の1にし、残りを地方交付税としました。

 しかし、一般財源化のもとでは必ずしも教育費に回されず、地方交付税そのものも引き下げられてきました。教育現場では非正規雇用がふやされ、本県も13.4%の教職員が非正規職員になってきています。このことは我が県にとっても財政圧迫の要因です。

 福島県が全国に先駆けて行ってきた少人数学級は、本会議でも示されたように、その効果を発揮していますし、全国にも広がっています。少人数学級を維持していくためにも財源の保障は重要です。大震災、原発事故被害を受けた我が県こそ、行き届いた教育と今後の復興のための人材育成を進めなければなりません。可決・採択すべきです。

 次に、請願328号「「高校生就学支援基金」を延長し、返済猶予減免制度のある奨学金制度を整備・充実することを求める請願」と、これに基づく意見書第336号についてです。

 2011年度・民主党政権時に導入された授業料不徴収にかかわる措置は、高校生の学習権を保障する画期的制度として歓迎されましたが、2014年度・自民党政権時に所得制限が加えられ、後退しました。11月30日現在、我が県は15%の生徒が受けられずにいます。教育無償化の世界の流れに逆行するものです。

 自民党は所得制限を導入したかわりに、制度緩和策、公私間格差是正、低所得者支援に取り組むとしましたが、学習を保障する十分なものになっていません。

 我が党の代表質問で、子供の貧困率悪化が進んでいることから、社会のひずみや矛盾が子供たちにより集中して影響する社会構造になっているという現実は、福島県にとっても重大な関心を持たなければならないと指摘しました。子供の貧困は、見ようとしなければ見えないものです。請願の趣旨は当然であり、意見書も国に届けるべきものです。

 以上で討論を終わります。

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