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2015年9月定例会 代表質問 神山悦子議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年12月7日更新

神山悦子議員

議員

神山悦子

所属会派
(質問日現在)

日本共産党

定例会平成27年9月
質問等代表質問
質問日9月14日(月曜日)

50番(神山悦子君)日本共産党の神山悦子です。日本共産党県議団を代表して質問いたします。

 先週末の台風18号による記録的大雨は、関東・東北地方に大きな被害をもたらしました。被災された皆さんへ心よりお見舞いを申し上げます。地球温暖化がもたらす異常気象による自然災害と、活動期に入った日本列島で地震や火山の噴火が相次いでいます。

 一方、東日本大震災と人災で引き起こされた原発事故から今月でちょうど4年半です。いまだにふるさとに戻れない避難者は約10万6千人、そのうち県外には約4万4千人、県内には約6万1千人となっています。災害関連死は今もふえ続け1,900人を超え、震災関連自殺者は累計で72人と被災3県で最多です。ところが、安倍政権はあと2年ないし3年で避難者支援や賠償の打ち切りなど福島切り捨てを進めているのです。

 本県が掲げる「原子力に依存しない社会づくり」、「日本一子育てしやすい県」、「全国に誇れる健康長寿の県」を目指し、県民一人一人に寄り添った「人間の復興」を優先させ、それを支える人員もしっかり確保するよう冒頭述べまして、以下質問いたします。

 戦後70年のことし、安倍政権は二度と戦争しないと世界に誓った現憲法を踏みにじり、日本を海外で戦争する国に180度変える安保関連法案、戦争法案を今週中に強行採決を狙っています。

 しかし、この法案は安倍政権が言う国民を守るどころか、アメリカ軍の指揮下に入り、海外の戦闘地域に出かけ、後方支援、米軍への武器や燃料の輸送、補給をする兵たんと呼ばれる重要な軍事行動を行うことが国会で明らかになりました。しかも、非人道兵器であるクラスター弾や劣化ウラン弾、毒ガス兵器、果ては核兵器まで法律上は運べると認めましたが、これ自体、憲法上絶対認められない行為です。廃案しかあり得ません。

 さらに、我が党が入手した自衛隊の2つの内部文書では、既に自衛隊を軍隊と呼び、アメリカ軍との軍・軍間の調整所の設置を明記、さらに河野自衛隊統合幕僚長が昨年12月に訪米し、米軍中枢幹部と来年夏までなどと戦争法案の成立時期を述べていたなど、国会、国民を無視した自衛隊の暴走も明らかになったのです。

 これに対し、圧倒的多数の憲法学者、元内閣法制局長官に続き、元最高裁長官、元判事も明確に憲法違反と指摘、弁護士会、大学の学者、研究者、SEALDsなど学生や若者、若いママの会などみずからの意思で立ち上がり、戦争法案に反対する行動は全国でも県内でも空前の規模で広がっています。

 戦後70年を迎えたことし、県民の命と財産を守り、福祉の増進を図る地方自治体の長として、憲法違反の安保関連法案・戦争法案の撤回を政府に強く求めるべきと思いますが、知事の見解を伺います。

 次に、マイナンバー制度についてです。

 マイナンバー法が2013年に可決され、ことし10月から住民票を持つ全ての国民へ番号通知がスタートし、来年1月から稼働するとしています。しかし、さまざまな問題と課題が浮かび上がっています。

 2002年に稼働した住基ネットは、氏名、生年月日、性別、住所の4情報に限定されているのに比べても、マイナンバーは源泉徴収票への記載など民間でも広く番号が使用されるため、量的にも質的にも番号の広がりという点では比べ物にはなりません。

 また、番号で参照される個人情報も多岐にわたるため、この点でも危険性が飛躍的に高まります。ことし6月の年金情報漏れのように、情報の流出リスクも避けられません。社会保障、税、災害の3分野98行政事務に加え、法改正で銀行・ゆうちょ口座も対象に拡大されました。政府の最大の狙いは、国民の収入、財産の実態をつかみ、税、保険料の徴収強化と社会保障の給付制限を押しつけることにあります。

 また、例外規定で警察、公安機関などにも個人情報を提供することに公然と道が開かれたことは、安倍政権が進める秘密保護法や盗聴法、戦争立法などと相まって、監視国家、秘密国家につながりかねないものです。

 コスト面においても制度導入に3千億円以上の税金の投入、維持管理費も多額で、中小企業に重い負担がのしかかり、全国的にも企業の準備がおくれています。いずれにしても、国民にとっては実施中止しても何ら支障はないのです。マイナンバー制度の10月からの実施中止を国に求めるべきです。県の考えを伺います。

 当面、共通番号づけする情報は極力限定し、個人情報を管理している地方自治体や諸機関から情報を流出しないよう監視強化が必要ですが、マイナンバー制度の特定個人情報の保護について県の考えをお示しください。

 8月11日、新規制基準のもとで初めて九州電力の川内原発1号機の再稼働が強行されましたが、11日は我が県民にとっては月命日に当たる日です。大震災、原発事故を受けた本県の県民感情を深く傷つけるもので、福島の原発事故を反省もせず、教訓にもしようとしていない国や電力会社の姿勢があらわれています。

 そもそも安倍首相が世界最高水準だと評価する新規制基準は、審査そのものがずさんだったことは核燃料装荷後わずか5日で桜島の噴火レベルが4になり、10日後の21日には復水器内の配管に穴があき、海水が流入したトラブル発生を見ても明らかです。火山学会が大規模噴火は予知できないとしていたのに九州電力は予知できると強弁し、政府もそれを追認したのです。

 避難計画も自治体任せで、医療・介護施設を初め住民避難のまともな計画と体制がとられていません。炉心溶融した場合のコアキャッチャーもなく、重要免震棟も完成していないなど、世界最高水準どころか国際的な標準にすら達していないのです。

 本県の原発避難者からも「どうして今再稼働なのか。誰が責任をとるのかはっきりしていない。」、「世界一の安全基準なんてうそ。もう我々のような被害者を出してほしくない。」との怒りの声が届いています。

 日本中の原発が停止した原発稼働ゼロは700日、1年11カ月に及び、この間原発が稼働していなくても、冬も酷暑の夏も電力不足は起きませんでした。再稼働には一片の道理もないことを厳しく指摘するものです。

 8月31日、国際原子力機関・IAEA東京は、東京電力福島第一原発を総括した最終報告を公表しましたが、東電や日本政府の規制当局に対し「巨大津波が第一原発を襲う危険を認知していたが、実効的な対策を怠った。」と明確に批判しています。

 原発被災県として国と九州電力に強く抗議するとともに、再稼働した川内原発の停止を求めるべきです。県の考えを伺います。

 安倍政権は、2030年の電源構成で原発比率を20から22%と決定するなど原発推進をあらわにしています。この構成比率でいけば廃炉を決定した残りの原発を合計しても足りません。

 去る8月5日、6日に開かれた県議会の全員協議会では、東電も国も「第二原発については未定だ。」と答え、廃炉を明言しませんでした。第二原発の4基の再稼働もあり得るということです。県はオール福島で求めている福島第二原発の廃炉について、国や東京電力の姿勢をどう捉え、どう決断を迫り、いつまでに明言させていく考えなのか、見解を伺います。

 ことし2月、2号機建屋屋上からの汚染雨水がK排水路を通じて外洋に漏れていたのに1年近くも情報を隠していたことが発覚、この排水路から汚染雨水があふれ出るトラブルが今も続いています。また、今回の台風による大雨で敷地全体から海にあふれ出ました。K排水路のつけかえ工事の早期完了とその間の短期的対策の早急な実施を東電に強く求めるべきです。県の考えを伺います。

 また、東電は第一原発建屋周辺のサブドレンから汚染された地下水をくみ上げ、浄化して海へ放出する方針を漁業関係者に迫り、8月25日に苦渋の決断をさせ、きょう14日から浄化した地下水を海に流します。320億円もの多額の費用をかけた凍土遮水壁の効果も不明です。

 しかし、汚染水対策や原発の事故収束なしに本県の復興も避難者の帰還もあり得ません。地下水の観測データや水質、地質に関する詳細なデータを公表するよう東京電力に求めるべきですが、県の考えを伺います。

 また、国の現地職員、原子力規制庁の現地駐在員を増員し、文字どおり国が前面に立って汚染水対策に取り組むよう強く求めるべきですが、県の考えをお尋ねします。

 同時に、県独自に求めたデータの解析や問題提起ができるよう、県として汚染水問題の解決を図るための体制を強化すべきと思いますが、考えをお示しください。

 さらに、汚染水問題に関する情報を伝えるため世界の英知を結集し、県主催の汚染水対策シンポジウムを開催するよう求めますが、見解を伺います。

 ところで、福島第一原発で作業中の原発労働者の死亡が8月だけでも続けて3件、9月にも1件発生しました。原発労働者の死亡災害の原因究明と再発防止、スケジュールありきの作業工程の見直し、待機中の休業補償を国、東京電力に求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。

 原発労働者に労務費割り増し分、いわゆる危険手当が支給されるよう国、東電に求めるべきですが、県の考えを伺います。

 加えて、経験浅い原発労働者の指導育成を強化し、処遇を国家公務員に準じたものとするよう国、東京電力に求めるべきと思いますが、県の考えをお示しください。

 ことし6月12日、福島復興指針が改定され、帰還困難区域を除いた居住制限区域と避難指示解除準備区域は2017年3月末までで全て避難解除するとしています。

 9月5日、全町民が避難指示を受けた自治体として楢葉町が初めて避難指示解除となりました。しかし、楢葉町の住民からは「順序が逆ではないか」、「解除は時期尚早」との意見が出ているように、解除されても住宅、病院、買い物などのインフラは整っていないのです。避難指示の解除を行うに当たっては、引き続き住民との協議の場を持ちながら対応すべきです。県の考えを伺います。

 2017年3月末で避難解除した後も避難指示区域からの避難者への仮設・借り上げ住宅の供与を2017年4月以降も継続し、追い出しなどがないようにすべきですが、県の考えを伺います。

 また、復興公営住宅の入居対象者を避難指示解除準備区域の住民にも拡充できるよう要件を緩和すべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。

 また、自主避難者については、住宅供与期間終了後は県独自に支援するとしましたが、本来は国が継続すべきものです。福島県への帰還を強制したりせず、県内であろうと県外であろうと自主避難者に対して仮設・借り上げ住宅の供与期間終了後も家賃支援を継続すべきと思いますが、県の考えを伺います。

 避難者が安心して帰還するためには除染の推進は欠かせませんが、再除染が必要とされる住宅のフォローアップ除染も試験的にしか実施されず、森林除染も住宅圏にとどまっています。除染特別地域においては住民が納得できる除染を国に認めさせるべきではないでしょうか。県の考えを伺います。

 市町村除染では、仮置き場、自宅保管の分も含め中間貯蔵施設への搬出の見通しが立たず、市町村は対応に苦慮しています。一方で、中間貯蔵施設への搬入はパイロット事業という試験搬入の段階です。中間貯蔵施設予定地の地権者約2,400人のうち800人は死亡か行方不明、残り1,200人の地権者との用地交渉は進まず、現在契約ができたのはわずか7人です。そもそも地権者との話し合いに環境省が真摯に対応せず、上から目線で対応していることが問題です。

 中間貯蔵施設の用地交渉において、国は原子力政策を推進してきた加害者責任を認識し、地権者の納得と理解のもとに進めるよう求めるべきです。県の考えをお尋ねします。

 次に、賠償についてです。

 営業損害の賠償を受けた事業所は避難区域内で8千、区域外で約3万事業所とのことですが、改定福島復興指針では相当因果関係が認められなければ賠償を打ち切るとしています。

 避難区域外の観光業でも教育旅行が大きく落ち込み、震災前の5割にも満たない現状です。営業損害の賠償打ち切りで倒産や廃業となれば地域経済にも大きな影響を及ぼします。

 避難指示区域外における商工業等に係る営業損害賠償については、原発事故との相当因果関係を幅広く認め、本年8月以降もこれまでどおり賠償を継続するよう国、東京電力に求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。

 精神的損害賠償については全ての県民が被害者として賠償されるよう国、東京電力に求めるべきと思いますが、考えを伺います。

 また、避難指示の解除によって精神的損害賠償を2018年3月で打ち切ることなく、被害の実態に応じて賠償を継続するよう東電に求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。

 県民の健康に関する取り組みについてです。

 安倍政権の3年間で、診療報酬の実質マイナス改定、70から74歳の患者負担2割への引き上げ、介護報酬の大幅引き下げや要支援者への保険外し、年金のマクロ経済スライド発動、生活保護の生活扶助削減に続き住宅扶助削減など消費税増税と一体で次々と強行されてきました。その結果、年金は減額され、国保税や介護保険料の負担がふえ、生活が苦しくなったという県民がふえています。

 そもそも震災前から全国最下位レベルだった本県の医師不足を初めとした医療供給体制は、大震災、原発事故によって一層顕在化しています。また、この4年半の避難生活や野外活動の制限による運動不足やストレスで成人の肥満率や子供の肥満率が増加していることが県民健康調査や学校保健統計調査でも明らかになっています。

 県が策定する地域医療構想については、厚生労働省があくまでも医療機関の自主的な取り組みが基本と強調しているように、大震災、原発事故によって顕在化した本県の脆弱な医療供給体制の実態や県民の健康への影響を踏まえて策定し、構想区域ごとに必要な医療供給体制を構築できるようにすべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。

 また、不足している医師や看護師の確保、特に産科医の確保について県はどのように取り組んでいく考えなのか伺います。

 また、県は双葉郡の医療体制の再構築にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。

 さらに、福島原発事故を受けた県民が将来にわたる健康の維持増進を図るため、成人向けの特定健診、がん検診等の費用を原則無料とする県独自の制度を創設すべきと思いますが、考えを伺います。

 一方、県内の特別養護老人ホームの待機者はここ数年間12,000人台で推移しています。特別養護老人ホームの待機者の解消が図れるよう施設整備を促進すべきと思いますが、県の考えをお示しください。

 安倍政権のもとで国民全体に一層格差と貧困が広がり、子供の貧困率は16.3%、6人に1人が貧困状態にあり、シングルマザーの貧困率は50%を超えています。その背景に女性や若者の低賃金、非正規雇用があり、安倍政権は今月11日に今度は全労働者を対象に正社員ゼロ、生涯派遣となる労働者派遣法の改悪案を強行採決しましたが、貧困対策という面から見ても全く逆行しています。本県の18歳以下の医療費無料化に続き、県全体で子育てを支援していく政策が引き続き求められます。

 文部科学省の学習費調査では、保護者が学校へ支出する費用については、どの収入階層も公立小学校で年間約10万円、うち給食費は4万円、公立中学校で17万から18万円、うち給食費は約3万7千円となっています。本県独自の子育て支援策として以下の保護者負担の軽減策を実施するよう求めます。

 まず、保育料、幼稚園授業料ですが、現行制度で第2子の保育料は半額、第3子は無料です。ただし、保育所は第1子が小学校就学前まで、幼稚園は第1子が小学3年生までという条件つきです。県として保育所、幼稚園を無料化するよう求めますが、考えをお示しください。

 また、県内でも学校給食費の補助を独自に実施している自治体が5つあります。本県でもまともな食事が学校給食だけという子供がふえています。食育と子育て支援の観点から県として公立小中学校の学校給食費を無料化すべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。

 さらに、経済的理由で進学ができないことがないよう、高校生のみならず大学・専門学校生を対象とした返済義務がない給付型奨学金制度を創設すべきです。県教育委員会の考えをお尋ねします。

 また、被災児童生徒向けの震災特例採用奨学資金について来年度も継続するよう国に求めるとともに、県内全ての高校生が貸与を受けられるよう制度を拡充すべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。

 最近報道されたように、本県でも不登校の子供の割合がふえています。震災、原発事故による影響が子供たちにもさまざまな形であらわれているのではないでしょうか。

 全国に先駆け実施している30人以下学級を全ての学年に拡大することを求めます。また、スクールソーシャルワーカーを中学校区単位で配置できるよう増員を求めますが、県教育委員会の考えをお尋ねします。

 一方、学校施設に関しても整備が必要です。被災県というのに小中学校の耐震化は全国最下位レベルです。急いで対応すべきと思いますが、県教育委員会に伺います。

 今後も増加傾向にある特別支援学校の施設整備のおくれも待ったなしです。教室不足、遠距離通学が解消されずにいます。県立特別支援学校について入学する児童生徒数を予測して整備すべきですが、県教育委員会にお尋ねします。

 安倍政権の「骨太の方針」は、全体として社会保障や地方財政などを一層削減し、公的サービスの産業化や民間開放路線を強力に推し進めようとしています。これで本県の復興や地域の再生ができるのでしょうか。

 まず、財源についてですが、原発事故による復興・再生に向けて県民一人一人に寄り添い、きめ細かなニーズに対応できるよう、ハード事業に偏らずソフト事業にも使える自由度の高い財源を国に求めるべきですが、県の考えを伺います。

 特に本県は、原発被災地を中心に介護分野の職員不足が深刻になり、受け入れ入所制限をしている施設がふえています。介護職員確保のための県独自の賃金アップ制度を創設すべきではないでしょうか。県の考えを伺います。

 また、県は避難者の孤独死などを防止するための生活支援相談員を400人に増員するとしたものの、単年度雇用のため委託された県社協では必要な人員が確保できないでいます。単年度ごとの雇用形態を見直し、常用雇用とすること、また支援スタッフをコーディネートする人が必要です。県はどうお考えでしょうか。

 都市部、農村部を問わず、人口減少は本県も例外ではなく、長年にわたる自民党政治による農業と地方切り捨て政策がもたらした結果ではないでしょうか。安倍政権は骨太の方針で「地方創生基本方針2015」を閣議決定し、地方への財源として新型交付金も創設しました。しかし、地方創生というより、もともとの地域資源を生かした地方再生が求められていると思います。

 私が居住する中田町は、郡山市の東部に位置する阿武隈山系の農村地域です。しかし、農業の衰退とともに30年前までは人口1万人で推移していましたが、現在は5千人を切っています。高齢者や高校生の足となっている生活路線バスは本数や路線も不足となる一方、高校生の通学費の父母負担は重く、3年間でバス代は約70万円から80万円にもなります。学童保育を希望しても人数が少ないからと設置されず、結局市の中心部へ引っ越しをしていった若い世代もいます。農業だけでは生活が成り立たず、兼業農家が多く農家の高齢化も進んでいます。

 一方、今週19日に開催する海老根手漉和紙を使った「秋蛍」、20日には江戸時代から伝わる柳橋歌舞伎を上演する予定ですが、地元保存会の皆さんが復活させて毎年続けている伝統行事です。中山間地でも高齢者や若い世代が安心して住み続けられるよう、真の地方再生のために総合的な支援が求められます。

 そこで、地域特性に応じたバス路線やデマンドタクシーを運行する市町村への支援について県の考えを伺います。

 さらに、高校生に対する通学費用を助成する制度を設けるべきと思いますが、県教委の考えを伺います。

 中山間地域など児童生徒数が少ない学校においても学童保育を開設できるようにすべきですが、県の考えをお聞かせください。

 あわせて、学童保育指導員、放課後児童支援員の資質の向上を図るべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。

 ところで、昨年の米価下落は本県農業に大きな打撃となりました。県の米価下落対策をことしも実施し、再生産を保障できるよう支援すべきと思いますが、県の考えを伺います。

 最後に、本県など東北はもともと食料生産基地です。TPP交渉から撤退し、家族農業を守り、農業・農村を支援すべきです。地域主導型、地産地消型の再生可能エネルギーこそ農村部や中山間地にふさわしい産業です。県が行う呼び込み型の企業誘致一辺倒を転換し、福祉型、地域循環型の経済に転換し、本県の基幹産業の農業と地元中小企業を支援していくことが真の地方再生につながることを最後に述べまして、共産党県議団を代表しての質問を終わります。

議長(斎藤勝利君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)神山議員の御質問にお答えいたします。

 安全保障法制につきましては、我が国の防衛、安全保障政策にとって極めて重要な問題であり、国会において慎重かつ十分な議論がなされるべきであると考えております。

 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。

危機管理部長(樵 隆男君)お答えいたします。

 K排水路につきましては、排水先を港湾内につけかえる工事や新設排水路の設置の前倒しを検討するよう申し入れたところであり、また、これらの工事が完了するまでの間の短期的な流出防止の措置についても引き続き東京電力に対して強く求めてまいる考えであります。

 次に、地下水等のデータにつきましては、汚染水対策を検討する上で水質や地質に関するデータに基づく地下構造の把握等が必要となることから、廃炉安全監視協議会等において必要に応じて資料の提示を求めており、引き続き東京電力に対して必要な資料の提出と公表を求めながら、汚染水対策への取り組みをしっかり監視してまいる考えであります。

 次に、国の現地職員につきましては、体制を強化するよう繰り返し求めてきたところ、原子力規制事務所と廃炉・汚染水対策現地事務所において増員がなされてきておりますが、依然として死亡事故や汚染された雨水の海への流出などが発生していることから、引き続き廃炉・汚染水対策に国が前面に立ち、総力を挙げて取り組むよう求めてまいる考えであります。

 次に、汚染水問題に係る県の体制につきましては、これまで廃炉安全監視協議会の専門委員の追加委嘱や原子力専門員の増員、現地駐在職員の配置など体制の強化を図ってきたところであります。

 引き続き課題に応じた専門家からの意見聴取や職員に対する研修等によりさらに専門性を高めながら、国及び東京電力に対し、汚染水問題の解決に必要な対策の実施を求めてまいる考えであります。

 次に、汚染水問題に関する情報伝達につきましては、県はこれまで廃炉安全監視協議会や、県民や各種団体の代表から成る廃炉安全確保県民会議において国及び東京電力の汚染水対策に関する取り組み状況等を確認し、その内容を報道やホームページなどにより広く情報発信しているところであります。

 引き続き汚染水問題の解決に向けた取り組みの状況等を迅速かつわかりやすく情報提供してまいる考えであります。

 次に、原発労働者の死亡災害につきましては、今月2日に開催した県の労働者安全衛生対策部会において、国に対しては関係事業者への指導監督を強化すること、東京電力に対しては再発防止対策を徹底することや安全を重視して作業を行うこと、作業中断により原発労働者に不利益が及ばないよう対応することなどを求めたところであります。

 次に、危険手当につきましては、これまで労働者安全衛生対策部会において、国に対しては関係事業者の指導監督の徹底を、東京電力に対してはアンケート調査や企業へのヒアリング等により、さらなる実態の把握や対応を求めてきたところであり、引き続き原発労働者に危険手当が適切に支払われるよう国及び東京電力に求めてまいる考えであります。

 次に、原発労働者の育成等につきましては、これまで国への要望活動や労働者安全衛生対策部会等において、作業員や現場を管理できる人材の育成、労働条件の明示等による雇用の適正化、危険手当の適切な支給などが確実に行われるよう繰り返し求めてきたところであり、引き続き国及び東京電力に対して、労働者が安定的に安心して働くことのできる環境の整備を求めてまいる考えであります。

企画調整部長(近藤貴幸君)お答えいたします。

 マイナンバー制度につきましては、国民の利便性向上や行政の効率化などに資する重要な社会基盤となる制度であることから、法律制定後、国を初めとする関係機関では、個人情報の保護に万全を尽くしつつ利用開始に向けて準備を進めているところであります。

 県においては、市町村や事業者等に対し、制度内容や安全管理措置について周知を図るため県内各地で説明会を開催するなどの対応をしてきたところであり、今後も関係機関と協力しながら利用開始に向けた準備を進めてまいる考えであります。

 次に、特定個人情報の保護につきましては、制度面においては、マイナンバーを利用できる業務が法令により厳格に定められるとともに、国の第三者委員会である特定個人情報保護委員会による特定個人情報の取り扱いに関する監視、監督や重い罰則などの措置がとられることとなります。

 また、システム面においても、通信の暗号化やファイルの分散管理などを行うこととされております。このように、制度、システムの両面から適切な安全策が講じられているものと考えております。

 次に、原発の再稼働につきましては、東京電力福島第一原発事故の影響によりいまだ多くの県民が避難を続けている本県の厳しい現状を踏まえ、何よりも住民の安全・安心の確保を最優先に、国及び事業者の責任において検討されるべきものと考えております。

 次に、東京電力福島第二原発の廃炉につきましては、これまで国及び東京電力に対し繰り返し求めてきており、先月末にも改めて知事から経済産業副大臣や東京電力社長に対し直接求めたところであります。今後ともあらゆる機会を捉えて求めてまいる考えであります。

 次に、自由度の高い財源につきましては、国の復興事業では対応できない地域の実情を踏まえた自主的かつ主体的なソフト・ハード事業のために必要であることから、取り崩し型の復興基金の設置や電源立地対策交付金の拡充などに努めてきたところであり、今後も個別の復興事業の財源確保とともに、自由度の高い財源の確保を国に求めてまいります。

生活環境部長(長谷川哲也君)お答えいたします。

 除染特別地域の除染につきましては、これまで国に対し、地元市町村の意向を十分に反映した除染を迅速かつ確実に実施するよう求めてきております。

 除染を進めるに当たっては住民の理解が重要であることから、国に対し、住民に対し丁寧に説明するとともに、追加的除染も含め必要な除染を確実に実施するよう引き続き国に求めてまいる考えであります。

 次に、中間貯蔵施設につきましては、放射性物質汚染対処特措法及び同法の基本方針に基づき、原子力政策を推進してきた国が責任を持って必要な措置を講ずることとされており、これまで繰り返し国に対し責任ある対応を申し入れてきたところであります。

 県といたしましては、地権者の理解が何よりも重要であることから、引き続き国に対し、地権者への丁寧な説明と寄り添った対応を強く求めてまいる考えであります。

 次に、地域特性に応じたバス路線等につきましては、県民の日常生活に必要な交通手段として重要であることから、市町村が主体的に運行するバス路線やデマンドタクシーに対し、経常損失額について県が単独で市町村に補助を行っているところであり、今後とも地域の実情に応じ、生活バス路線等の交通手段が確保されるよう市町村への支援に取り組んでまいります。

保健福祉部長(鈴木淳一君)お答えいたします。

 地域医療構想につきましては、医療機関が担う機能の分化と連携を推進し、効率的で質の高い医療提供体制の確保を図ることが求められており、策定に当たっては、今後構想区域ごとに設置する地域医療構想調整会議の意見を踏まえ、高度急性期から在宅医療・介護までの病状等に応じて地域において適切な医療が受けられる総合的な医療提供体制の構築を目指してまいる考えであります。

 次に、医師や看護師の確保につきましては、修学資金制度の拡充やドクターバンク、ナースバンクによる就業のあっせんなどに取り組んできたところであります。

 特に産科医の確保においては、今年度新たに貸与額を増額して周産期医療医師確保修学資金貸与制度を設けたほか、県立医科大学に周産期医療を担う医師の育成や医療支援等を行う中核的な組織を設置し、体制の強化を図ってまいります。

 次に、双葉郡の医療体制につきましては、帰還住民はもとより、復興関連事業従事者等の健康を守るため必要な医療の確保が喫緊の課題となっていることから、今月7日に地元市町村、国、医療関係団体の参加を得て、双葉郡等避難地域の医療等提供体制検討会を設置したところであります。

 今後は整備すべき医療機能や確保に向けた方策等について協議検討し、その結果を踏まえながら、当地域の医療等提供体制の再構築にしっかりと取り組んでまいります。

 次に、健診等の無料化につきましては、特定健診やがん検診の実施主体である市町村や医療保険者等の判断によるものと考えております。

 次に、特別養護老人ホームの整備につきましては、要介護認定者の推移見込みや入所希望者の状況などを踏まえて、市町村が必要とする整備量を積み上げた介護保険事業支援計画に基づき施設整備を支援しているところであり、今後とも入所希望者の待機解消に向けて計画的な整備を促進してまいる考えであります。

 次に、介護職員の賃金につきましては、原発事故の影響により人材不足が特に深刻な浜通り地域などを対象に、特例措置として全額国庫による賃金手当制度の新設を国に求めているところであり、今後も引き続き働きかけてまいりたいと考えております。

 次に、生活支援相談員の雇用形態につきましては、国に対して複数年にわたる雇用が可能となるよう必要な措置を要望しているところであります。避難生活が長期化する中、同一の相談員が継続して支援していくことが被災者の安心につながることから、引き続き国に対して柔軟な対応を求めてまいります。

 次に、生活支援相談員のコーディネートにつきましては、県内5地域において支援活動の調整を行う総括生活支援員に加え、今年度から生活支援相談員のサポート等を行う主任生活支援員及び県全体をマネジメントする管理職員を配置するなど相談支援体制の拡充を図ったところであり、今後とも避難者の支援にしっかりと取り組んでまいる考えであります。

農林水産部長(小野和彦君)お答えいたします。

 米価下落対策につきましては、昨年産米の大幅な価格下落を受け、単年度限りの緊急措置として種子購入経費の一部助成を実施したものであります。

 県といたしましては、米価の安定につながる主食用米の需給均衡に向けた飼料用米等の生産拡大や経営所得安定対策等への加入を促進し、稲作農家の経営安定に取り組んでまいります。

原子力損害対策担当理事(成田良洋君)お答えいたします。

 避難指示区域外における本年8月以降の商工業等に係る営業損害につきましては、原子力発電所事故との相当因果関係を確認する場合であっても簡易な手法で行うなど、事業再建につながる賠償を確実に行うよう国及び東京電力に求めているところであります。

 7月に行われた関係団体への説明において、東京電力は統計資料等によって事故の影響を確認し、相当因果関係を簡便に認める考えを示しており、引き続き被害者の立場に立った賠償を行うようしっかり求めてまいります。

 次に、精神的損害につきましては、これまで原子力損害対策協議会の活動等を通し、損害の範囲を幅広く捉え、被害の実態に見合った賠償がなされるよう国及び東京電力に求めてまいりました。

 引き続き個別具体的な事情への対応を含め、被害者の立場に立った賠償が的確になされるよう取り組んでまいります。

 次に、精神的損害に対する賠償の継続につきましては、原子力損害賠償の指針において、区域の状況や被害者の個別具体的な事情に応じて賠償の対象期間を柔軟に判断すべきとの考えが示されているところであり、引き続き被害の実情を踏まえた賠償がなされるよう求めてまいります。

避難地域復興局長(伊藤泰夫君)お答えいたします。

 避難指示の解除につきましては、日常生活に必須なインフラや生活関連サービスの復旧、除染の進捗などおおむね環境が整ったところから、国が県、市町村、住民との十分な協議を踏まえ判断するとしております。

 県といたしましては、十分な協議が行われるよう今後とも対応していくとともに、国が取り組む事項がしっかり実施されるよう求めてまいります。

 次に、仮設・借り上げ住宅の供与期間につきましては、現在供与対象の54市町村全てにおいて平成29年3月までとしており、避難指示区域からの避難者への同年4月以降の供与については、避難指示の解除や復興公営住宅の整備状況等を踏まえ今後判断することとしております。

 次に、復興公営住宅の入居対象者につきましては、避難元市町村からの避難状況や除染の進捗状況等により、避難指示解除準備区域においても、避難生活が長期化する可能性がある子育て世帯等について入居対象者として準備を進めております。

 さらに、今般の南相馬市の復興公営住宅の入居者再募集においては、南相馬市の避難指示解除準備区域の住宅確保困難な世帯も入居対象者としたところであります。

 次に、供与期間終了後の家賃支援につきましては、災害救助法による応急救助にかわる新たな支援策として、避難指示区域以外からの避難者の生活再建に向け、さらに一定期間支援が必要との判断から経過措置として実施するものであり、一定の要件のもと県内外を問わず避難生活の継続が必要となる世帯を対象とする方向で検討しております。

 今後とも帰還や生活に関する相談会、各種交流会などさまざまな機会を捉え、避難者の意見を伺いながら支援の内容を決定してまいります。

こども未来局長(尾形淳一君)お答えいたします。

 保育所、幼稚園の無料化につきましては、子育て世帯の経済的な負担軽減のため、国の制度の活用に加え、県独自に多子世帯の保育料の軽減を図るとともに、今年度からは婚姻歴のないひとり親の保育料の軽減にも取り組んでいるところであります。

 県といたしましては、現在国において幼児教育の段階的無償化に向けた検討が進められていることから、その動向を注視してまいります。

 次に、放課後児童クラブの開設につきましては、子ども・子育て支援新制度の開始に伴い、児童数の下限が撤廃され、山間部等においては一人からでも補助の対象となるよう拡充されたところであり、放課後児童クラブを設置する市町村を今後とも支援してまいります。

 次に、放課後児童支援員につきましては、子ども・子育て支援新制度に基づき、今年度からその資質の向上のために、子供の育成支援、安全・安心の対応、地域との連携などの科目から成る支援員認定研修の受講が必要となったところであり、本県では本年12月を目途に実施する予定であります。

 県といたしましては、今後とも放課後児童クラブの充実と職員の資質の向上に努めてまいります。

教育長(杉 昭重君)お答えいたします。

 公立小中学校における給食費につきましては、学校給食法により、学校給食の施設設備及び運営に要する経費については学校の設置者が負担し、それ以外の学校給食に要する経費については保護者が負担することとされており、また、いわゆる要保護・準要保護及び被災児童生徒については負担する給食費への支援が行われていることから、県教育委員会による支援については困難であると考えております。

 次に、給付型奨学金制度の創設につきましては、限られた財源を有効に活用し、より多くの生徒の修学を支援する上で給付型よりも貸与型が適していると考えております。

 次に、震災特例採用奨学資金の継続につきましては、被災生徒への支援を安定的にできるよう国に対して引き続き要望しているところであります。

 また、本奨学資金は、東日本大震災により被災し、経済的理由により修学が困難となった高校生を支援することを目的としており、経済に関する要件は必要であると考えております。

 次に、30人以下学級を全学年に拡大することにつきましては、本県では全国に先駆けて30人学級及び30人程度学級を導入しているところであり、今後とも少人数教育の特色を生かしたきめ細かな指導に取り組んでまいる考えであります。

 次に、スクールソーシャルワーカーにつきましては、関係機関等の協力を得ながら、今年度教育事務所と市町村教育委員会に増員して配置し、教育相談体制の充実に努めているところであります。

 次に、市町村立小中学校の耐震化につきましては、設置者である市町村が学校の統廃合なども考慮しながら早期完了に向けて取り組んでいるところであり、昨年度は新たに4市町が完了し、平成27年4月1日現在で31の市町村が耐震化を完了しております。

 県教育委員会といたしましては、今後とも市町村がそれぞれの状況に応じ可能な限り早期の耐震化を図れるようきめ細かに相談に応じ、取り組みを支援してまいる考えであります。

 次に、県立特別支援学校の整備につきましては、特別支援学校への通学が困難な地域や通学に長時間を要する地域において、市町村教育委員会と連携を密にし、小学部に入学する児童数の把握に努めるとともに、中学部、高等部に進学する生徒数の推移や地元自治体からの要望などを踏まえ、児童生徒の負担の軽減を図るため特別支援学校等の設置のあり方について検討を進めてまいる考えであります。

 次に、県立高校生への通学費用の助成につきましては、原発事故により通学環境が大きく変化した生徒を対象として修学機会の確保と保護者の経済的負担軽減のため通学費支援金を交付しているほか、いわゆる要保護・準要保護世帯に対しては通学費用の助成が行われているところであり、県立高校生全体を対象とした助成制度を設けることは困難であると考えております。

五十番(神山悦子君)再質問させていただきます。

 最初に、知事にお伺いいたします。

 安保関連法案・戦争法案についてです。

 この法案については国会でも大議論になり、そして今週にも強行採決かという重大な局面を迎えています。これは、これまでの戦後70年の日本国憲法のもとで進められてきた平和の日本が大きく変貌することは否めません。

 そういう意味で、地方自治体として県民の命と財産を守り、福祉を増進するという立場から私はお尋ねしたわけですけれども、もう一度お尋ねしたいのですが、県内でも8月30日の全国総がかり行動が行われて、県内各地でも反対の行動があり、国会周辺でも10万人以上、全国各地1千カ所で行われました。

 昨日も県民集会が開かれましたが、2,500人の参加でございました。これは、私も述べましたように、弁護士会、大学の教員、研究者など含め県内でも反対の声が大きく広がっていることなのですけれども、やっぱりこの問題は知事からも国にきちんと言うべき問題であり、県内にも自衛隊基地があり、自衛隊員の家族からも、また隊員からも不安の声が広がっていることを見れば、私は、自衛隊員が海外でアメリカ軍とともに戦争をして、殺し殺されるという、こんな関係にさせてはならないと思います。

 ですから、県民の命を守るという立場からもお答えいただきたいのと、地方自治体にとっては、この戦争法案が通れば軍事費がふやされ、今でも社会保障は削られておりますが、国民向けの社会保障の大幅な削減と地方への財源も縮小されかねません。そういう立場から、もう一度知事に見解をお尋ねいたします。

 次に、汚染水問題について危機管理部長にお尋ねいたします。

 きょうにもサブドレンの海への放出が始まりましたけれども、幾らやっても汚染水対策は一向に改善しません。私が求めたのは、県自身の専門委員の研修などもするということですけれども、県自身がきちんとそれを解析したり、あるいは世界の英知を集めるという点でもシンポジウムの開催も求めたところです。もうそういう事態になっているのではないでしょうか。汚染水の対策なしに帰還も避難解除もあり得ません。ここが一番重要ですから、もう一度お聞きしたいと思います。

 それから、企画調整部にお尋ねします。

 2点お尋ねしました。第二原発の廃炉について、もっと具体的にいつまで、どこまでというふうに求めない限りは、国は全員協議会でも言いましたけれども、未定だと言ったまま何も返事しません。これも我が県の避難解除や復興にとっては重要な問題ですから、この点についてどうお考えなのか。

 それから、復興財源の自由度を求めましたが、私は冒頭演説で申し上げましたように、復興を支える人員がどこでも足りません。特に医療、福祉、教育の分野が圧倒的に足りないのです。処遇改善を県独自に行うようにも保健福祉部長にも求めましたが、そうしたことが行えるような財源の保障がないとこれは実行がなかなか難しいのかと思いましたので、この復興財源のあり方についてもう一度お答えいただきたいと思います。

 教育長にお尋ねいたします。

 学校給食費なども市町村がやるべきだということで仕切られてまいりましたけれども、今貧困問題が子供たちに大きく広がって、その貧困対策法もできて、その対策も県にも具体的にどうするのか求められているのです。市町村任せではこの子供たちを救えないのではないか、そういう立場から私は求めたわけです。

 学校給食の無料化も含め、県立学校の高校生の通学費も含め、いろんな立場で私はこの対策を具体的にすべきだと思いますが、教育長の御答弁、もう一度お願いいたします。

知事(内堀雅雄君)神山議員の再質問にお答えいたします。

 安全保障法制は、我が国の防衛、安全保障政策に大きくかかわる重要な法案であります。このため国会の場で十分かつ丁寧な議論がなされる必要があると考えております。

危機管理部長(樵 隆男君)再質問にお答えいたします。

 汚染水、そして汚染された雨水、こういったものを漏らさないということが大前提でございまして、国及び東京電力はしっかりと対策をとるべきであると考えております。

 しかしながら、汚染された雨水等の海への流出が続いており、大変遺憾でございます。申し入れの具体化を引き続き強く求めてまいりたいと考えております。

企画調整部長(近藤貴幸君)東京電力福島第二原発の廃炉についての再質問にお答えいたします。

 これまで国及び東京電力に対しまして、東京電力福島第二原発の廃炉につきましては機会あるごとに求めてきたところであります。今後とも県民の強い思いである県内原発の全基廃炉をあらゆる機会を捉えて強く求めてまいる考えであります。

 次に、自由度の高い財源を活用した復興を支える人材の人件費支援という御質問でございますけれども、今後本県の復興を加速させるためにも、各種の復興業務に携われる方々のマンパワーの確保が重要となりますことから、政府予算要望等におきましても国に強く求めてきております。

 国の来年度予算概算要求の中に、これまで緊急雇用として対応されていたその後継事業として、原子力災害対応雇用支援事業というものでありますとか、生活サポートを行う相談員を配慮する被災者支援総合交付金が統合拡充されて、そういった予算が盛り込まれたところでございます。

教育長(杉 昭重君)給食費の無料化についてお答えいたします。

 一部の学校設置者においては、地域の実情や学校給食費の負担のあり方について総合的に勘案し、独自の措置を行っております。また、いわゆる要保護・準要保護及び被災児童生徒については負担する給食費への支援が行われております。そういうことから、県教育委員会による支援については困難であると考えております。

 通学費の助成についても、震災で被災し、サテライト校で避難を余儀なくされている生徒についての通学費の補助は県としてやっております。その他の県全体の高校生に対する通学費の補助も困難であると考えております。

五十番(神山悦子君)再々質問をさせていただきます。

 原子力損害対策担当理事にお伺いいたしますが、先ほど御答弁いただきましたが、相当因果関係についてはこの間議論があったところです。これまでも賠償については相当因果関係があってもということはあったのですけれども、今度の改定された新指針では、むしろこれを盾に賠償はもう終わりだという意向を東京電力も強めているのです。

 県からも柔軟な対応を求めたということですけれども、相当因果関係を証明する書類をもっと出せとか、こんなことを言っているわけなのですけれども、これでは本当に、打ち切ることはしないなどと言っていますが、実際は打ち切るということと同じではないですかね。個別対応になったらなかなか難しいわけですから、ここは引き続き賠償の継続を求めていただきたいのと、相当因果関係についてもきちんと対応するように求めていただきたいのですが、もう一度御答弁をお願いいたします。

 それから、避難地域復興局長にお尋ねいたします。

 私は3点ほどお聞きしたわけですけれども、ちょっと確認させていただきたいと思います。自主避難者については、県独自にやるということになりました。これは県外の自主避難者に対しても当然ですけれども、県内の自主避難者というのは、もう既に解除されている広野町や川内村の住民などが当然対象にすべきと考えているのではないかと思うのですけれども、具体的な答弁はありませんでした。

 川内の皆さんは、期限が来たら仮設を追い出されるのではないかと非常に心配しています。これについての御答弁をお願いしたいのと、それから一定の要件ともおっしゃいましたけれども、これは報道によれば低所得者への家賃助成に限るということなのでしょうか。そんなことはすべきではないと私は思うのです。県が考えているように、県内であろうと県外であろうと、解除された人も含めて家賃の助成は当面必要であればやるというふうになっているわけですから、もう一度そこをお聞かせいただきたいと思います。

 それから、農林水産部長にお尋ねいたしますが、ことしは米価下落対策は必要ないかのような答弁でございました。今後どういうふうになるのか、価格の面でもよくわかりませんけれども、しかし、ずっと被害を受けているのは、放射能の風評被害によって本県の米価はずっと下がっているわけです。去年は全国的な問題も加わって大変な低価格だったわけですけれども、私は、本県の農家の皆さんが再生産を保障できるような、1俵12,000円台と言っておりますが、こういうところまで県が助成して本県で農業を続けられるようにすべきだと思うのです。このあたりが具体的にないのです。

 私は、最後のところで、中山間地の農業、また地域づくりのためにも農業は大切だと思っていることを申し上げましたが、本県の農業に対する具体的な経済的な支援、これがなければやっぱり続けられないのではないでしょうか。原発事故を受けた福島県だからこそそうした具体的な対応が必要だと私は思いますので、もう一度御答弁いただきたいと思います。

 そして、教育長ですけれども、今までやっていることを答弁されたにすぎませんね。やっていないわけではないけれども、それは被災地だったり困難な家庭にやるのは当然ですよ。しかし、この人口減少の中でふるさとに残って、そこで生活している県内の子供たちがいるわけです。その人たちに対する高校生の通学費助成制度を直接やっても、それは何ら問題ないと思うのです。それが本当の人口減少対策にもなるし、子育て支援にもなると思うのです。それは教育サイドからなのですけれども、そこは改めてお聞かせいただきたいと思います。

 最後に、こども未来局長に伺います。

 私は、貧困問題を中心に幾つか保育料や幼稚園の無料化を県でやるべきだと言いましたけれども、具体的にはやっぱりもう少し県自身も子育て支援、それから貧困対策という観点からいろんな施策が求められていると思いますので、まずはここをやっていただきたいのと、県独自の支援策をやってこそ県全体が市町村も進むと思うのです。このあたりのお考えをお聞かせください。

農林水産部長(小野和彦君)再質問にお答えいたします。

 昨年度の米価下落対策でございますが、緊急に種子購入経費の助成等を行ったということでございます。

 そもそも米の再生産のためには、現在主食用米の需給バランスが非常にアンバランスになっているということを踏まえまして、県といたしましては、需給均衡に向けたさまざまな施策、飼料用米等への生産拡大、あるいは経営所得安定対策等への加入を促進して農家の経営安定に努めてまいるつもりでございます。

原子力損害対策担当理事(成田良洋君)再質問にお答えいたします。

 営業損害についてであります。

 この問題につきましては、原子力損害対策協議会の活動を通じこれまで取り組んでまいりましたが、事業者の方から相当因果関係の証明について非常に負担が大きいとか困難だという声は多くいただいていたところでありまして、全体会議においても知事から東京電力の社長のほうにその辺を簡便に、柔軟に認めるように強く求め、社長からもそのように進めていくというような回答を引き出したところであります。

 区域外の8月以降の賠償はまだ始まっておりませんで、これから実際の請求手続が始まりますが、今後関係機関と連携を図って実態をよく把握しながらしっかり取り組んでまいりたいと思います。

避難地域復興局長(伊藤泰夫君)再質問にお答えいたします。

 平成29年4月以降の仮設住宅の供与期間終了後の家賃支援についてでありますが、6月15日に平成29年3月までの仮設住宅の供与期間の延長を発表いたしました。その時点で避難指示が出ていない地域が家賃支援の対象ということで考えておりまして、広野町、川内村も対象ということでございます。

 それから、一定の要件というものにつきましては、現在検討中でございますが、公営住宅の収入要件、あるいは母子避難の二重世帯等であれば、子ども・被災者支援法の関係で例えば収入を調整して半分にするとか、そういう方向で現在検討を進めているところでございます。

こども未来局長(尾形淳一君)再質問にお答えいたします。

 県独自の支援策についてという御質問でございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、現在、幼稚園保育料、いわゆる幼児教育の段階的無償化に向けまして、国のほうでさまざまな観点から検討が進められております。制度の実現には継続的財源が必要不可欠と考えております。こういった状況を鑑みますと、当面国の現在の検討状況を注意深く見守ってまいりたいと考えております。

教育長(杉 昭重君)再質問にお答えいたします。

 サテライト校など原発被害により避難を余儀なくされている生徒に対して先ほど申しましたように通学費用の補助を県で行っているところでございます。また、本当に困っている要保護・準要保護世帯のほうにも通学費用の助成というのが行われておりますので、県全体の高校生にまで広めるということは困難であるというふうに考えております。

議長(斎藤勝利君)これをもって、神山悦子君の質問を終わります。

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