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2015年9月定例会 代表質問 高野光二議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年12月7日更新

 高野光二議員

議員

高野光二

所属会派(質問日現在)ふくしま未来ネットワーク
定例会平成27年9月
質問等代表質問
委員会開催日9月15日(火曜日)

34番(髙野光二君)ふくしま未来ネットワークの髙野光二です。会派を代表して質問をさせていただきます。

 先週末の台風17号、18号による東日本豪雨被害を受けた各県の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 さて、あの東日本大震災と原発事故から4年半が過ぎ、あっという間の時間に感じられます。避難されている方々にとっては、とても長い時間でもありました。

 一方で、復興への道のりは長く、避難者の自立と事業再開、地域の復興は確実に一歩ずつ前に進んできています。そして、私たち政治家も住民に未来への希望と夢を示せるよう情熱を持って今後も取り組んでいくことを誓い、質問に入ります。

 初めに、産業等の振興について質問いたします。

 1つ目は、ロボット関連産業の集積についてであります。

 東日本大震災と原発事故から4年半が経過する中にあって、政府は特に原子力災害によって産業基盤を失った浜通り地域に世界の英知を結集し、ロボット関連産業などの新しい産業を創出して産業復興を図るイノベーション・コースト構想を進めているところであります。県においても、イノベーション・コースト構想と連携し、ロボット関連産業を新たな産業に育て、本県をロボットの一大産業集積地に発展させるとしています。

 今年度、4月1日より5月30日までを第1期として、福島浜通りロボット実証区域において実証試験を希望するロボット技術の公募が開始されるなど、ロボット開発拠点に向けた取り組みがスタートしました。

 市町村とのマッチングの結果、このたび菊池製作所が南相馬市へロボット生産拠点を新設するなど、ロボット産業集積の動きも見られることとなりました。

 そこで、知事は本県の復興を加速させるため、ロボット関連産業の集積にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 2つ目に、ふくしま産業復興投資促進特区における課税特例についてであります。

 福島県の復興・再生のためには、地域経済の再生、産業の活性化が必要であり、そのためには安定的な雇用の場を確保することが一番重要であると考えるものであります。

 県は企業立地を促進するため、大型補助金である企業立地補助金とふくしま産業復興投資促進特区制度などによる税制上の優遇措置を活用したことにより、東日本大震災以降、工場立地届け出件数は大きく伸び、多くの雇用創出につながったものと考えています。

 しかし、本県に企業が立地しやすい条件として、税制上の各種優遇措置がある中で、特に重要なふくしま産業復興投資促進特区における課税特例については今年度末で期限が切れると聞いています。企業誘致を今後もより一層進めていくためには、期間の延長などが必要と考えています。

 そこで、ふくしま産業復興投資促進特区における課税の特例を来年度以降も継続するよう国に求めるべきと思うが、県の考えをお尋ねいたします。

 3つ目は、海外からの誘客についてであります。

 東日本大震災と原発事故から復興させるため、風評払拭による農産物や企業の販売促進が非常に重要であると認識しております。さまざまな努力のかいがあって回復の傾向にはありますが、震災前の段階までには至っておりません。回復の一つの手だてとして、観光客に福島の今の現状を見ていただくことが大切です。

 ことしの相馬野馬追も、あの震災からも地域の伝統ある祭りを継承するという心意気を感じるすばらしい野馬追祭でありました。常磐自動車道の全線開通ということもあり、20万人という今までにない来客数があり、その中で今までになく外国人の姿が目につきました。台湾からの観光客であり、大型バス数十台と今までにない光景であり、実に世界に福島の安全をアピールする大変よい機会であったと感じております。これまでのキャンペーンやエージェント関係への働きかけも含め、今後もさらに努力をする必要があると思います。

 そこで、県は台湾や東南アジア地域からの観光誘客にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。

 次に、地方創生について質問いたします。

 国においては、昨年11月の地方創生関連の法案を成立させました。政策の目的は、急激な人口の減少、超高齢化という我が国が直面する大きな課題に対し政府一体となって取り組み、各地域がそれぞれの特徴を生かした自立的で持続的な社会を創造することを目標に、昨年末にまち・ひと・しごと創生長期ビジョン、総合戦略を策定いたしました。

 ことし6月末には、まち・ひと・しごと創生基本方針2015を決定し、地方創生を推進するための取り組みを次々と打ち出しています。国の来年度概算要求についても各省地方創生関連予算が一番多いとされ、できるだけ地方のニーズに合った支援をしていきたいとしています。こうした国の取り組みに呼応し、県も積極的に事業提案を行い、地方の活力をつくるべきと考えます。

 そこで、国の取り組みを積極的に活用し、地方創生を進めるべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、危機対応の充実について質問いたします。

 今年度、東日本大震災の教訓を踏まえ、県としての危機管理と災害時における迅速な対応、指揮命令系統を一本化するため組織を見直し、四月に危機管理部を設置したところであります。

 しかし、災害に適切に対応するためには、県も組織を整備しただけではなく、その組織をいかに運用していくかということが大事であり、最近の異常気象の状況下にあって、日常的に起こり得る災害に備えることの必要性を感じているところです。当然県全体の危機対応力を高めることが必要であると考えます。

 そこで、危機対応の充実について県はどのように考えているのかお尋ねをいたします。

 次に、原発事故への対応について質問いたします。

 廃炉に向けた取り組みと原発事故によってまき散らされた放射性物質の収束にかかわる除染作業、それに伴う除去土壌及び汚染物の仮置き場や中間貯蔵施設や減容化、最終処分の問題は、住民の帰還と安全・安心を取り戻すことはもとより、地域の復興・再生に重要な要素であります。政府と東京電力の責任はもとより、県としての役割も大変重要で、地域の住民と自治体の協力を得ながら着実に前に進める必要があります。

 今後廃炉に向けて重要な使用済み燃料の取り出しや燃料デブリの調査などさらに困難な作業も控えていることから、トラブルの発生を未然に防止して作業を着実に進め、県民の安全・安心を守るためには、廃炉の取り組みにおける安全管理を徹底していかなければなりません。そのためにも東京電力に対する監視体制をさらに強化する必要があります。

 そこで、廃炉の取り組みにおける安全確保に向けた監視体制を強化すべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 2つ目は、中間貯蔵施設の用地取得であります。

 地権者2,365名中7名の契約に至ったとしていますが、まだまだ先が見えません。地権者に対する丁寧な説明と地権者の要望をすり合わせる必要があります。そこで、県の役割として、国と地権者、県としての立場でできる手だてを全力で取り組んでほしいと思います。

 そこで、中間貯蔵施設の用地取得について県はどのようにかかわっていくのかお尋ねをいたします。

 3つ目は、除去土壌の減容化についてであります。

 仮置き場を有する地域や自宅前に仮置きしている住民は、一日でも早い生活環境の回復を望んでいます。ぜひ中間貯蔵施設に運び込む前での減容化をすべきと考えます。


 そこで、除去土壌の減容化の課題について県はどのように考えているのかお尋ねをいたします。

 4つ目は、仮置き場での長期保管についてであります。

 トンバッグの寿命は5年と聞いていますが、早いものについては袋が破損してきているものもあると聞いています。保管が長期化すれば、その袋の安全性などについてはしっかり監視する必要があります。

 そこで、県は市町村除染における仮置き場での長期保管に伴う適正管理にどのように対応していくのかお尋ねいたします。

 次に、復興と再生について質問いたします。

 1つ目は、避難市町村の生活環境の整備についてであります。

 楢葉町では、今月5日に避難指示が解除され、復興への第一歩を踏み出しました。6月に閣議決定された福島復興指針において、避難指示解除準備区域、居住制限区域について、遅くとも平成29年3月までに避難指示を解除し、住民の方々の帰還を可能にしていけるように生活全般のインフラの環境整備を加速して住む環境を整えていくとしています。

 そこで、県は住民の帰還に向けて避難市町村の生活環境の整備をどのように支援していくのかお尋ねをいたします。

 2つ目は、復興拠点整備についてであります。

 避難市町村の復興計画では、それぞれ復興拠点の整備をその中心として位置づけており、復興や住民の帰還を促進するためには復興拠点整備を迅速に進めることが重要と考えます。

 市町村が復興整備計画を進め、拠点整備も計画するに当たって、国が考えている交付金や事業の採択の条件が合わず苦慮するケースが多くあると聞いております。市町村が復興拠点整備を進めるためには、国の補助金制度の活用が重要であり、県として積極的に市町村を支援していくべきと考えます。

 そこで、避難市町村が計画する復興拠点整備への支援について県の考えをお尋ねいたします。

 3つ目は、常磐自動車道のインターチェンジについてであります。

 常磐自動車道の全線開通は浜通り市町村の悲願でありました。復興事業に必要な物流や人的交流に大きく寄与するものであり、そのためインターチェンジは大変重要な施設と考えます。

 避難地域の復旧・復興が加速化し、積極的に進める今、地域からの要望が強い南相馬市小高区や富岡町にさらにインターチェンジを設置することを国に求めていくべきと考えます。

 そこで、県は常磐自動車道への追加インターチェンジの設置についてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

 4つ目は、常磐自動車道の四車線化についてであります。

 浜通りの復興、観光の誘導、そして地域に関係する生活のインフラとしての利便性、全てにおいて大切な道路であります。ことしの3月に開通して以来、この高速道路によるさまざまな効果は非常に大きいものとなりました。そして、現在は暫定2車線であることから、ぜひ4車線化への整備を望むものであります。

 そこで、県は常磐自動車道の4車線化に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。

 次に、被災地の安全確保について質問いたします。

 先般、福島県内で除染作業を行っていた者が大阪で凶悪事件を起こしたことが報道され、多くの県民が不安を抱いているところであります。県民が安心して生活できる環境を実現するためには、全国から応援に来ているウルトラ警察隊や県警の警察官による避難指示区域内のパトロールや避難されている方々に寄り添った活動を一層充実させることが求められています。その姿を多く見せることにより、県民に安心感を与えていただきたいものであります。

 私の地元、南相馬市小高区でも長期宿泊が可能となる準備宿泊が始まりました。今後避難指示の解除に向けた動きが進んでいく中にあって、県警察にはぜひとも住民が安心して帰還し、生活できる安全・安心な治安を確保していただきたいものであります。

 そこで、被災地域における安全・安心の確保について県警察の考えをお尋ねいたします。

 次に、被災地域の農業対策について質問いたします。

 1つ目は、避難地域等の営農再開についてであります。

 原発災害から4年半が経過する中で、避難地域では除染のおくれや避難が長期化したため、帰還もままならず農地が荒廃するなど今後の生活は厳しい状況にあります。

 そのような中において、私たちは少しでも復興につなげ、今後の地域の活力につながればという思いで、風評の影響が少ない資源作物に注目し、ことしで3年目になりますが、仲間とともにエネルギー作物の実証栽培試験をしています。

 また、ことしから鳥獣被害が少ないとされるケナフの栽培にも取り組み、何とか荒廃した農地を再び緑豊かな土地にするとの希望を持って取り組んでいるところです。

 今月5日には、田村市、川内村に続き、楢葉町の避難指示が解除されましたが、帰還する住民の割合の低さ、そして生活環境の整備とあわせて営農再開の難しさが非常に心配され、基幹産業である農業の再生を図ることで地域の復興を進めていく必要があると考えます。

 そこで、避難地域などの営農再開に向け、県は農業者をどのように支援していくのかお尋ねをいたします。

 2つ目は、避難地域等における非食用作物栽培についてであります。

 避難指示が解除され、営農可能地域が拡大する中、耕作放棄地の発生が心配であります。避難地域において営農再開に向け水稲や野菜の実証栽培が行われていますが、放射性物質が基準値以下であっても販売に大きな不安があります。

 また、野菜のハウス栽培、養液栽培、花卉栽培もよいと思いますが、大面積での栽培は困難であることから栽培の選択肢をふやす必要があります。私自身も仲間とともにケナフをことし28ヘクタールほど試験栽培をしていますが、このケナフも一つの選択肢と思っています。

 そこで、避難地域などに非食用の工芸農作物を導入すべきと思うが、県の考えをお尋ねいたします。

 3つ目は、有害鳥獣駆除強化のための射撃場設置についてであります。

 避難指示地区ではイノシシがふえ、農作物被害はもちろん人家まで出没する状況下において、人への被害が危惧されています。県内に5万頭いるとされているイノシシを県の指定管理鳥獣捕獲により約5千頭を捕獲するとして、県の猟友会に委託しています。

 また、捕獲に従事している狩猟者の高齢化が進み、新規に狩猟資格を取得する人が少なく、市町村では捕獲対策に苦慮していると聞いています。あわせて、捕獲する方々が銃を安全に取り扱うために射撃場はトレーニング施設として大変重要な施設と考えます。

 そこで、農作物などの被害を防止するため、有害鳥獣捕獲の担い手の確保に向けた射撃場施設の整備などへの支援が必要であると思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、被災者などの支援について質問いたします。

 1つ目は、復興公営住宅についてであります。

 震災から4年半が経過し、避難の長期化により避難されている方々をめぐる状況は変化しております。避難者にとって今後の生活再建のためには住居の確保は大変重要な課題であります。避難生活が長期化している現状では、復興公営住宅へのニーズも変化してきているのではないかと考えます。

 現在、復興公営住宅の入居者の募集が進められておりますが、整備に当たっては、避難者のニーズが的確に反映されているかを確認しながら進めていくことが何よりも重要であると考えます。

 そこで、復興公営住宅について避難者の入居ニーズを把握し、その変化に対応すべきと思うが、県の考えをお尋ねいたします。

 2つ目は、県外避難者への支援についてであります。

 もう震災から4年半が過ぎました。それぞれの自立への道を歩もうとする非常に悩ましい時期でもあります。避難されている方々の状況はさまざまで対応の難しさもありますが、非常に重要であります。今まで届かなかった声としての要望、避難の個別の悩みなども聞いてあげることによって解決への道に近づくものと考えます。

 そこで、県は復興支援員を活用した県外避難者への支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 3つ目は、自殺者予防における避難者の心のケア対策についてであります。

 避難指示区域の解除が進められる中にあって、帰還に向けた動きや復興公営住宅への転居など被災者を取り巻く環境が大きく変化してきております。高齢の避難者の中には、将来の生活の見通しが立てられず、仮設住宅から移り住む人がいる一方で、取り残されていると感じたり、新たな居住地に移り住んでも、人間関係になれずに孤独感や孤立感を深める人が少なくないと感じております。

 そのような状況が高じて自殺にまで追いこまれるようなケースもあるのではないかと危惧をしております。今後専門家による心のケア対策がより一層重要になってくるものと考えます。

 そこで、県は被災者の心のケア対策にどのように取り組むのかお尋ねをいたします。

 次に、損害賠償について質問いたします。
 1つ目は、原子力損害賠償紛争解決センター和解案の支援についてであります。

 原発事故の被災者の自立に向けて一日でも早く解決すべき問題でありますが、被災者の8割強が既に支払いが完了したとする一方で、和解案が出ているにもかかわらず、東京電力から支払われていないケースもある実態にあります。

 東京電力が紛争解決センターの和解仲介の受け入れを拒否することは、東京電力が総合特別事業計画においてみずから掲げた和解仲介案の尊重に反し、いたずらに被害者の損害の回復をおくらせる行為であります。

 そこで、被害者の早期の生活再建に向け、原子力損害賠償紛争解決センターの和解仲介案を積極的に受け入れるよう東京電力に強く求めるべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 2つ目は、農業関連の営農損害についてであります。

 商工業などの営農損害については、昨年末から県の原子力損害対策協議会や関係団体が一体となり、事業者などの意見を反映した賠償がされることとなりました。避難指示区域と避難指示区域外での一括賠償の考え方に違いはあるが、損害があると認めた場合には賠償が継続するという考え方は評価をするものであります。

 一方、農林業の営業損害については、避難指示区域内において平成28年12月分まで6年分が一括賠償されているが、その後の取り扱いについては、区域外も含め現時点で明らかにされておりません。

 そこで、農林業の営農損害について平成29年1月以降も賠償を確実に継続するよう国及び東京電力に求めるべきと思うが、県の考えをお尋ねいたします。

 3つ目は、避難指示区域外の賠償についてであります。

 6月12日閣議決定された福島復興指針において、旧緊急時避難準備区域の早期復興のため、国が復興施策を積極的に展開していくこととされているところであります。

 避難指示区域外の旧緊急時避難準備区域などの住民は、避難指示区域内の住民と同様の苦労があり、精神的な苦痛を負っている場合が多いと思います。原発事故直後の放射線量の数値は、区域内と区域外との差はつけがたく、20キロメートルの線引きによる賠償の差の開きが多いことなど、一定の損害の賠償もしくは国が既に閣議決定している政策の中で措置を講じるとしている復興施策をぜひとも相応の対応としてやるべきと思います。

 そこで、旧緊急時避難準備区域などにおける住民の生活再建のため、被害の実情を踏まえた賠償はもとより、早期復興に向けた施策を積極的に実施するよう国に求めるべきと思うが、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、健康づくりについて質問いたします。

 健康長寿社会実現に向けた取り組みについてであります。

 少子高齢化の社会を迎えるに当たってさまざまな取り組みがされています。平成20年をピークに子供の出生が低下に転じ、未婚、晩婚、加えて出生率が1.42とあわせて子供たちが減っていく一方で、高齢者の人口は平均寿命が女性で84歳、男性で80歳を超え、団塊の世代の方々が高齢化の年齢に達することから、医療費や介護費用等が増大する一方で、いかに元気に生きがいを持って生活できるかということが大切な課題となってきています。
 この世代の方々が健康で元気に働き、日々の生活で活気を持って社会貢献ができる施策がぜひ必要になってまいります。今後福島県として、元気老人をつくる施策、健康長寿社会をどう進め、取り組んでいくのか、大切な時期と考えます。

 そこで、県はこれまでの健康づくりの取り組みを踏まえ、健康長寿社会の実現に向けてどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。

 次に、教育の充実について質問いたします。

 文部科学省が行った平成27年度全国学力テストは、小学校6年と中学校3年生を対象に実施されました。本県は、国語と算数、数学と理科、学年別で10科目のうち9科目で平均正答率が全国平均を下回り、中学校の数学は依然として全国平均との差が目立ち、厳しい結果となりました。この結果を踏まえ、県教育委員会は今までの取り組みについて検証する必要があります。

 その一つの取り組みとして、今回の全国調査結果を踏まえ、県教育委員会が導入している教師が指導すべき学習内容が身についていることが確認できる定着確認シートを初め県独自で実施している学力調査の結果を詳細に検証し、検証した内容を授業改善につなげていくことが学力向上を図る上で重要であると考えます。

 そこで、県教育委員会は児童生徒の学力の向上を図るため、定着確認シートや県独自の学力調査をどのように活用していくのかお尋ねをいたします。

 結びに、一言述べさせていただきます。

 「国家は人なり、経営も社会づくりも人なり」と言います。あらゆる組織の興亡盛衰はそれを動かす人によって決められます。教育の世界はもちろん、いかなる教育の場面でも教育に当たる教師、指導者の人間性であります。「教育も人なり」の一言に尽きます。つまるところ、人をいかにつくるかということが国家社会の最も重要なテーマと言えます。

 福島の未来をつくるのは、県民みずからがよいもの、本物をつくる努力と高い志が大切です。我が福島県には、酒づくりに見る官民一体で日本一の酒づくり、本物のおいしさで世界にアピールできるものがあるではありませんか。

 本物の人材づくり、自分たちでつくる福島県の未来を見詰め、未来の子供たちとともに福島の本物のよさをつくっていこうではありませんかということを添えさせていただいて代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

議長(斎藤勝利君)執行部の答弁を求めます。

 
知事(内堀雅雄君)髙野議員の御質問にお答えいたします。

 ロボット関連産業の集積についてであります。

 ロボットは、今後本格化する廃炉作業や災害対応、インフラ点検や医療・介護などさまざまな分野において活用が見込まれており、人々の暮らしを豊かにすることに貢献するほか、関連産業も大きな成長が期待されております。

 こうしたことから、私はロボット関連産業を本県産業の復興に向けた新たな柱と位置づけ、医療や介護、災害対応ロボットの開発に加えて、センサー等の要素技術の開発を支援するほか、今月開所した会津大学先端ICTラボにおいてソフトウエア開発を支援するとともに、廃炉関連事業者と地元企業との商談会の開催や、病院、介護施設、農業等の現場へのロボット導入支援により、販路拡大に向けて積極的に取り組んでいくこととしております。

 また、関連産業の集積に当たり、本県の優位性を高めるため電波法などの規制緩和を目指し、国家戦略特区への提案を行うとともに、7月に南相馬市の工業用地を福島浜通りロボット実証区域第1号に指定したところであり、さらにイノベーション・コースト構想に係るロボットテストフィールド等が我が国のロボット関連産業を牽引する拠点となるよう国や市町村と連携をして取り組んでまいります。

 これらにより、ロボット関連産業の集積を積極的に進め、5年後の東京オリンピック・パラリンピックにおいて、復興に向けて力強く進む福島の姿を全世界に示してまいる考えであります。

 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせますので、御了承願います。

危機管理部長(樵 隆男君)お答えいたします。

 危機対応につきましては、迅速に初動対応に当たることが最も重要であることから、危機管理監が全庁を統括し、一元的に指揮監督できる体制が十分機能するよう日々の業務を通して部局間の連携強化を図るとともに、危機管理部への情報の集約化に取り組んでいるところであります。

 さらに、総合防災訓練などの実践的な訓練やさまざまな研修を繰り返し実施することにより、国、市町村、警察、消防、自衛隊等との連携を一層強化するとともに、県民の防災に対する意識の高揚を図るなど、県が先頭に立って県全体の危機への対応力を充実させてまいりたいと考えております。

 次に、県の監視体制の強化につきましては、今後の長い廃炉の取り組みにおいて生ずる使用済み燃料や溶融燃料の取り出しなどに伴うさまざまなリスクに対して、県民の安全確保を最優先に対応していく必要があります。

 このため県といたしましては、本年1月に締結した安全確保協定に廃炉安全監視協議会の立入調査や措置要求の権限を新たに設けたほか、協議会の専門委員を耐震構造、地盤工学、労働安全の3分野から追加委嘱するなど監視体制の強化を図ってきたところであり、今後も職員の専門研修の実施などにより、さらなる専門性の向上を図りながら、県民の安全・安心を守るという観点から国及び東京電力の取り組みを監視してまいります。

企画調整部長(近藤貴幸君)お答えいたします。

 地方創生につきましては、国が最重要課題に掲げる今が現状を変える大きなチャンスであり、国の取り組みを最大限に活用しながら持続可能な「ふくしま」をつくり上げていかなければならないと認識しております。

 このため国の交付金を活用し、若者の創業支援や大学と連携した人材育成、定住促進モデル事業などを先行的に実施しておりますが、今後も引き続き国の交付金に加え、各省庁の地方創生関連予算等を活用しながら、「しごと」の創出や「ひと」の移転などを直接的に支援する事業など実効性のある施策を集中的に実施してまいる考えであります。

生活環境部長(長谷川哲也君)お答えいたします。

 中間貯蔵施設につきましては、国において地権者への説明が進められておりますが、連絡先の把握や物件調査に基づく補償金の算定などに時間を要している状況にあります。

 県といたしましては、引き続き国に対し、用地交渉の経験のある職員の配置や省庁連携による体制の充実強化及び地権者へのわかりやすい丁寧な説明と寄り添った対応を求めるとともに、地権者への説明が円滑に進むよう大熊・双葉両町に新たに駐在させた職員を通じ、町と連携した国との調整を行うなど積極的に対応してまいる考えであります。

 次に、除去土壌の減容化につきましては、国は除去土壌を仮置き場から中間貯蔵施設に搬入後、同施設敷地内において実施する考えを示しております。

 ことし7月には、有識者による除去土壌等の減容・再生利用に係る検討会を設置し、除去土壌の除染率や処理コストなど減容技術に関する課題や利用用途別の品質基準などさまざまな課題等について検討が開始されたところであります。

 県といたしましては、今後国においてこれら解決すべき課題について実証事業を含め検討が進められることから、その取り組み状況等を専門家の意見を伺いながら確認してまいる考えであります。

 次に、仮置き場の適正管理につきましては、国が定めた除染関係ガイドラインや県が作成した仮置場等技術指針に基づき、市町村が定期的に点検を実施しており、また、県におきましても市町村と連携して現地調査を実施し、仮置き場の状況確認を行っているところであります。

 本年度は、保管期間の延長などを踏まえ調査回数をふやすとともに、仮置き場からのパイロット輸送時等に経年変化の状況などを確認し、安全性を確保するための対策等を検討した上で仮置場等技術指針を改定することとしております。

 また、先日の豪雨により飯舘村内で現場保管されていた大型土のう袋が流出した事案については、国に対し、確実な回収とともに再発防止の徹底等を強く申し入れたところであります。

 仮置き場等の管理につきましては、引き続き関係機関と連携し、適正に行われるように努めてまいります。

保健福祉部長(鈴木淳一君)お答えいたします。

 被災者の心のケア対策につきましては、県内5カ所に設置した心のケアセンターにおいて臨床心理士等による訪問活動等を行い、鬱傾向のハイリスク者に対する支援などに重点的に取り組んできたところであります。

 今年度は、困難事例への助言など市町村に対する業務支援を強化するとともに、自殺との関連が指摘され顕在化しつつあるアルコール依存対策等の充実を図るため、新たにかかりつけ医研修会を開催することとしており、今後とも引き続き被災者の生活環境の変化を踏まえながら、市町村や見守り活動を行う生活支援相談員、コミュニティ交流員等と連携してきめ細かな心のケア対策に取り組んでまいる考えであります。

 次に、健康づくりにつきましては、これまでも健康ふくしま21計画に基づき、望ましい食生活や運動習慣の定着などに取り組んでおり、今年度からは健康長寿推進アドバイザーを委嘱し、市町村等に対して専門的な立場から助言を行うなど生活習慣病予防対策に努めているところであります。

 今回新たに一人一人の自発的な健康意識の向上を促すため、市町村や関係団体、企業など多様な主体と連携し、ウオーキング大会や食育教室などへの参加によりポイントが付与され、地域で特典を受けられるモデル事業を実施することとしており、健康長寿の県づくりに積極的に取り組んでまいる考えであります。

商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。

 ふくしま産業復興投資促進特区につきましては、県内全市町村において、製造業では1,348カ所の区域が認定され、本年7月末現在で847事業者が課税の特例を活用し、設備投資や雇用の維持創出に取り組むなど大きな成果を上げております。

 このため県では産業復興の加速化に向け、国に対して来年度以降の課税特例措置の延長を要望し、今般平成28年度税制改正要望項目に盛り込まれたことから、市町村、商工団体と連携しながら、今後も制度の延長の実現を強く働きかけてまいる考えであります。

農林水産部長(小野和彦君)お答えいたします。

 営農再開に向けた農業者への支援につきましては、農林事務所を中心に避難先での定期的な相談活動や帰還後の営農指導を行う中で、復興組合による除染後農地の保全管理の取り組み、さらには浪江町や楢葉町での花卉の出荷再開等につなげてまいりました。

 今後はこれらに加え、官民合同チームの活動で得られた地域や農業者の意向にきめ細かに応えられるよう、既存施策の柔軟な対応はもとより、新たな支援策についても国に提案してまいる考えであります。

 さらに、年度内に開所予定の浜地域農業再生研究センターによる現地に密着した実務的な研究など、再開を目指す農業者に寄り添った支援に全力で取り組んでまいります。

 次に、避難地域等への非食用の工芸農作物の導入につきましては、風評という観点からは他の食用作物よりも市場での受け入れは容易であると想定されますが、需要者が限定されることから、より安定的な供給体制と販路の確保が不可欠であると考えております。

 このため官民合同チームの活動を通じて農業者の意向を十分に把握するとともに、販路についての情報の収集、研究、さらには現地における作付実証等を行い、その生産性や収益性を確認した上で当該作物の本格的な導入に向けた検討を進めてまいります。

 次に、有害鳥獣捕獲の担い手の確保に向けた射撃場施設の整備等への支援につきましては、これまでも銃猟免許の新規取得や狩猟の安全管理研修等に加え、施設の整備や改修についても国の事業を活用し助成を行っているところであります。今後とも地域の要望を踏まえ適切に対応してまいります。

土木部長(大河原聡君)お答えいたします。

 常磐自動車道の4車線化につきましては、全線開通後の交通量の増加や事故等による通行どめが発生している状況を踏まえ、東北自動車道の代替機能強化や緊急時の安全性の向上などの観点から必要であると認識しております。

 高速自動車国道の暫定2車線区間の4車線化については、現在国において整備計画の変更に係る手続の見直しを進めているところであり、県といたしましては、国の動向を見きわめながら4線化の必要性を訴え、早期実現に向け引き続き沿線自治体等とともに国と関係機関に強く働きかけてまいります。

原子力損害対策担当理事(成田良洋君)お答えいたします。

 紛争解決センターにおける和解仲介につきましては、個別の事情による損害に係る紛争について裁判よりも簡易な手続で中立、公正、迅速に解決が図られることから、和解仲介案を積極的に受け入れるよう東京電力に強く求めてまいりました。

 先月末までに手続が終了した案件のうち約84%が和解に至っているところであり、引き続き東京電力に対し、原発事故の原因者としての自覚を持って、被害者それぞれの立場に立った賠償が的確に行われるよう求めてまいります。

 次に、農林業の営業損害につきましては、平成29年1月以降の取り扱いが示されていないところであります。

 県といたしましては、引き続きJA等関係団体と連携した原子力損害対策協議会の活動等を通し、被害の実態に見合った賠償が的確になされるよう取り組むとともに、国に対しては事業者の生活や事業の再建につながる施策の充実を求めてまいります。

 次に、旧緊急時避難準備区域等における住民の生活再建につきましては、これまで原子力損害対策協議会の活動等を通し、個別具体的な事情への対応を含め、被害者の立場に立った賠償がなされるよう求めてまいりました。

 また、6月に改定された福島復興指針において、国は旧緊急時避難準備区域の復興施策を地元自治体と連携しながら積極的に展開することとしているところであり、県といたしましては、引き続き国に対し支援策の充実を求めていくとともに、早期の復興や住民の生活再建に向けた各種施策の取り組みを進めてまいる考えであります。

避難地域復興局長(伊藤泰夫君)お答えいたします。

 避難市町村の生活環境の整備につきましては、帰還に向けた重要な課題であり、これまでも国、市町村と連携し、現場の実情を丁寧に伺いながら一つ一つ解決を図ってまいりました。

 また、国への要望の結果実現した福島再生加速化交付金の対象事業の拡充や一部基金化により、市町村が進める事業の財源を確保し、円滑な事業の推進につなげてきたところであります。

 引き続き日常生活に必須なインフラや生活関連サービスなど環境の整備を図るため、国、市町村とともに取り組んでまいります。

 次に、避難市町村の復興拠点につきましては、帰還に向けた新たなまちづくりとして復興の足がかりとなる重要な取り組みであると考えております。

 復興拠点の整備に当たりましては、国の責務による財源確保を基本として、福島再生加速化交付金を初めとする国の制度を最大限活用してまいりましたが、補助対象とならない部分の財源確保などの課題が生じたため、一日も早く復興拠点の整備を進めるべく、県において避難地域復興拠点推進事業を創設したところであります。本事業を活用し、各市町村の復興拠点整備が円滑に進むよう取り組んでまいります。

 次に、常磐自動車道への追加インターチェンジにつきましては、緊急時の避難路の確保、廃炉作業の進展、復興事業の加速化、新産業集積による地域活性化などの観点から極めて重要な施設であり、楢葉スマートインターチェンジや大熊、双葉インターチェンジが設置に向けて動き出しております。

 県といたしましては、地元から要望がある追加インターチェンジについて、引き続き国に対し、関係市町村とともにあらゆる機会を捉えて要望するなど、実現に向けて取り組んでまいります。

 次に、復興公営住宅につきましては、住民意向調査などをもとに入居希望者数の把握に努めるとともに、入居を決めかねている方が依然として相当数いることから、整備予定地区における居住環境や住宅の間取り、入居可能時期などの具体的な情報提供を丁寧に行い、入居者募集を進めているところであります。

 今後とも住民意向調査や募集に対する申し込み状況などを踏まえて、避難元市町村とも協議しながら入居ニーズを的確に把握し、整備を進めてまいる考えであります。

 次に、復興支援員につきましては、避難生活の長期化により、健康や生活、将来への不安などさまざまな課題を抱える県外避難者を支援するため、現在県外避難者数の多い東京都や埼玉県等8都県に計35名を配置しております。

 今後借り上げ住宅の供与期間終了に向け、帰還や生活再建の動きが出てくることから、県外駐在職員や復興支援員、さらには避難者支援団体等が一体となって戸別訪問や相談対応などの活動を展開し、避難者一人一人の思いに寄り添った見守り、ニーズの把握、日常生活上の相談支援などきめ細かな取り組みに努めてまいります。

観光交流局長(橋本明良君)お答えいたします。

 台湾や東南アジア地域からの観光誘客につきましては、これらの地域は日本への観光客数の伸びが著しいことから、本県の国際観光を進める上で今まで以上に重要な市場になるものと考えております。

 このため副知事による台湾でのトップセールスやタイにおいて60の旅行代理店が参加した観光誘客セミナーを開催するなど、本県の正確な情報と魅力を発信してまいりました。

 今後もこれらの地域からの旅行者のニーズを踏まえ、本県の観光素材を磨き上げ、魅力的なモデルルートを造成し、地域と連携した受け入れ体制を整備するなど、本県へのさらなる誘客に努めてまいります。

教育長(杉 昭重君)お答えいたします。

 定着確認シートや県独自の学力調査の活用につきましては、短期的及び長期的な視点で学力向上策の立案、実践、評価、授業改善という一連の検証と改善のサイクルを繰り返すことが重要であることから、年6回実施する定着確認シートにより短期的な視点での検証改善サイクルに取り組み、明らかになった課題に応じて授業改善を図るとともに、県独自の学力調査においては、長期的な視点で全国との比較により課題の達成状況を把握し、その結果の分析を通して学習指導等の改善を図ることにより児童生徒の学力向上に取り組んでまいります。

警察本部長(石田勝彦君)お答えいたします。

 被災地域における安全・安心の確保につきましては、復興関連事業の進展に伴う交通量の変化、除染や廃炉事業に伴う作業員の増加等の情勢の変化を踏まえ、本県警察官や全国警察からの応援部隊による警戒等の対策を進めております。

 また、復興関連事業等従事者に対しては、法令遵守を徹底するよう管理者等に対する指導も行っております。

 県警察といたしましては、被災地域の住民が安心して生活できるよう、関係機関との連携による警戒のほか、被災地域の治安体制を充実強化するため警察官の増員措置の継続を国に強く要望する等、被災地域の安全・安心の確保に万全を期してまいる考えであります。

議長(斎藤勝利君)これをもって、髙野光二君の質問を終わります。

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