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2015年9月定例会 一般質問 甚野源次郎議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年12月7日更新
甚野源次郎議員 
議員

甚野源次郎

所属会派(質問日現在)

公明党

定例会平成27年9月
質問等一般質問
質問日9月18日(金曜日)

45番(甚野源次郎君)公明党の甚野源次郎です。

 初めに、台風18号に伴う豪雨災害により被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。公明党は今後も各関係機関と連携し、災害復旧に全力を尽くしてまいります。

 さて、今議会は私にとりまして最後の県議会を迎え、5期20年間にわたり県政に携われましたことに議員の皆様、そして県当局並びに御指導いただいた皆様に心から感謝を申し上げる次第であります。

 思えば、初当選した平成7年は戦後50年の節目の年で、1月に阪神・淡路大震災、3月に地下鉄サリン事件が相次いで発生するなど、防災や危機管理が大きく問われた年であります。

 本県では、「友よほんとうの空に飛べ」をスローガンに掲げ、秋に第50回福島国体が開会、兵庫県の選手団が感謝の横断幕を掲げて入場行進する姿に感動したことを思い出します。

 私は、災害や犯罪から県民の命と暮らしを守ることが県政の1丁目1番地であると肝に銘じて、常に「大衆とともに」との立党精神を胸にネットワーク力を生かし、とことん現場第一主義を貫く活動を展開してきました。中でも、東北初のドクターヘリの導入、がん対策条例、文化振興条例の制定などにかかわれましたことは幸甚であります。

 しかし、県政においては、平成9年の公費不適正支出が発覚、平成18年の公共事業による知事の逮捕という県政を揺るがす危機に見舞われ、懸命に県政を立て直す中で、今度は東日本大震災、原発事故災害という未曽有の災害に見舞われました。5年目を迎えて、いまだ原発の廃炉、復興までの道は険しい状況が続いております。

 これまでの国内外からの御支援に深く感謝し、「人生最大の快事は理想の天地を築くにあり」と、かつて朝河貫一博士がふるさとに寄せた熱き思いをかみしめ、オール福島で原発に依存しない世界に誇れる美しい福島の天地の実現を必ずや果たさなければならないと強く思うものであります。

 さて、知事は「継往開来」、「現場主義」、「進取果敢」を基本姿勢にオール福島を掲げてスタートしてから11月12日で就任満1年を迎えます。来年度は復興・創生期間という新たなステージに入ります。「福島の復興なくして日本の再生なし」、「復興・オールジャパン・世界への発信」を掲げる2020年の東京オリンピック・パラリンピックに本県から一人でも多く出場、活躍することを期待するところであります。

 国内外の皆さんには、復興・創生期間の最終年度である2020年に不死鳥のように復興・創生している福島の姿を見ていただく絶好の機会となります。浜通りの希望のシンボルである避難12市町村の将来像の序文にも「2020年東京オリンピック・パラリンピックは、福島の復興を世界にアピールする絶好のチャンスである。このため、将来像の検討に当たっては、目指すべき30から40年後の地域の姿を示すとともに、2020年に向けた具体的な課題と取り組みを示す。」と明確に書かれており、その成否の鍵はイノベーション・コースト構想の実現にかかっております。

 構想の柱である国際廃炉研究開発拠点、ロボット開発・実証拠点、国際産学連携拠点、新たな産業集積、インフラ整備により、世界から注目される復興・再生をなし遂げることであります。

 特に安倍首相は2020年に(仮称)ロボットオリンピックを開催することを表明しました。また、経済産業省は来年度から大規模なロボット開発・実証拠点の整備に乗り出すことを明らかにしました。

 私はロボットオリンピックの本県誘致を積極的に推進すべきと思います。イノベーション・コースト構想は、国の責任において十分な財源が確保されるとともに、国主導のもと、しっかりと推進されることが重要と考えます。

 そこで、東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据え、イノベーション・コースト構想実現への知事の思いをお尋ねいたします。

 また、イノベーション・コースト構想では、廃棄物の再資源化等により新たな産業基盤の構築を目指し、太陽光パネルやリチウムイオン電池等を対象とする最先端リサイクル事業や廃棄物を原料とするリサイクル事業を柱とするスマート・エコパークが主要プロジェクトの一つとして提言されております。

 東京オリンピック・パラリンピックの開催時にスマート・エコパークの取り組みによる復興を世界中にアピールするためには、環境・リサイクル関連産業の集積を図っていくことが何よりも大切であります。

 そこで、県は環境・リサイクル関連産業の集積にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。

 次に、水素社会の実現についてであります。

 10月28、29日に第4回ふくしま復興再生可能エネルギー産業フェアが開催されます。水素元年と言われてスタートした今年、水素は究極のクリーンエネルギーと言われ、夢のエネルギーとも言われております。水素が使用される際に二酸化炭素や排ガスを排出せず、身近に大量にある水を原料として使うことができるからだと言われております。

 また、燃料電池などの水素関連産業は裾野が広く、2030年には1兆円、2050年には8兆円の経済効果が見込まれており、東京オリンピック・パラリンピック開催時には日本の水素社会が拡大・進化する姿を発信すべきではないかと考えております。

 本県において水素エネルギーの普及促進を図るため、その利活用のためのビジョンを策定するとともに、燃料電池車に対する補助制度や水素ステーションの整備計画について、燃料電池自動車製造者を初め水素供給事業者、行政機関等による協議会などを設置して検討すると同時に、技術的な課題も多い水素社会の拡大と進化に向けた産学官によるイノベーションが強く求められております。

 そこで、県は水素社会の実現に向けた技術の開発・活用にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 次に、政労使会議の設置についてであります。

 公明党は、7月31日に安倍首相に「青年政策アクションプラン2015」を提出し、若者の安定的な昇給や子育て世代への重点的な賃金配分など若者の賃金上昇に向けて政労使会議を各都道府県に設置するよう提案しました。

 そこで、県においても政労使会議を設置すべきと思いますが、考えをお尋ねします。

 次に、女性の活躍推進についてであります。

 企業に女性の登用を促す女性の職業生活における活躍の推進に関する法律が今国会で成立しました。この法律は2025年までの10年間の時限立法であり、公明党はネットワーク政党として昨年5月に地方からの声を盛り込んだ女性の元気応援プランを、6月には女性の活躍推進加速化法案を政府に提出して、今回の法案に大きく反映されたものであります。

 そこで、県は女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の制定を受け、働く女性の支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。

 次に、がん対策についてであります。

 今月は「健康が自慢のあなたもがん検診」をスローガンに掲げたがん征圧月間、10月は乳がん検診啓発のピンクリボン月間となっております。厚生労働省は、六月のがんサミットでがん対策の一層の強化を図るために、がん対策加速化プランを年内に策定し、国家戦略として加速することを発表しました。

 がんは日本の死亡率の第1位、2人に1人が何らかのがんになる時代を迎えております。公明党は8月3日にがん対策の充実に向けた提言を厚労大臣に申し入れました。内容は、がん予防の充実、がん検診受診率の向上、がん医療の充実、がん研究の促進、緩和ケアの推進、がん教育の普及、がん相談支援の強化などであります。

 そこで、県はがん対策の充実強化にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。

 次に、高齢者対策についてであります。

 福島県における65歳以上の高齢者人口のピークは2020年に59万6千人と推計されます。効率的な医療提供を行うには、病床の機能分化と連携を進めるとともに、地域の施設や自宅、地域で安心して療養する環境を整備することが重要であります。

 各都道府県では、高齢者の医療需要が増大する2025年を見据え、医療機能別の病床数を算定し、地域医療構想を策定することとなっております。また、地域包括ケアシステムの構築に当たって地域ケア会議が重要な役割を担っております。

 そこで、県は地域医療構想の策定にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。

 また、市町村レベルの地域ケア会議について県はどのように支援していくのかお尋ねをいたします。

 さらに、医療と介護の両方を必要とする状態の高齢者が住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう在宅医療と介護サービスを一体的に提供するためには、医療機関と介護サービス事業所などの関係者が連携してサービスの提供を行っていくことが重要であります。

 そこで、県は在宅医療・介護連携の推進にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。

 介護現場は人材不足が深刻化しています。全産業の中でも高い介護職の離職率を押し上げてきた要因の一つが腰痛で、介助を行う介護職の多くが腰痛を抱えて仕事を続けております。

 その現状を改善すべく、一般社団法人日本ノーリフト協会の提案するノーリフト介護が注目を集めております。ノーリフトとは、「押さない・引かない・持ち上げない・ねじらない・運ばない」をキーワードに、力に頼らない全身を使った介助法と言われております。

 高知県においては、ノーリフティングケア研修を開催し、職場内の総合的なマネジメント支援を実施しております。また、神奈川県は今年6月、人の力のみで抱え上げない介護、看護を推進する「神奈川らくらく介助宣言」を発表し、介護事業者や職員などの研修により人材確保につなげる方針でおります。

 そこで、介護職員の腰痛を防止するためのノーリフト介護の普及について県の考えをお尋ねいたします。

 次に、被災者の心のケアについてであります。

 震災から4年6カ月を迎えて、これからは高齢者など被災者一人一人の心のケアを最優先に支援を展開する必要があります。突然ふるさとを追われ、家族、友人、知人がばらばらになり、避難生活が長引く中、生活再建、就労、育児や介護など多くの不安を抱えながら、その心労ははかり知れません。そうした状況の中、震災関連の自殺者が後を絶たない深刻な状況が続いております。

 仮設住宅や借り上げ住宅の入居者を初め復興公営住宅の入居者、帰還者への対応など、被災者の心のケアの取り組みがますます重要になっていると考えております。

 そこで、被災者の自殺を防止するため心のケア等の対策を充実すべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。

 次に、少年の非行防止についてであります。

 先般、大阪府寝屋川市で少年が殺害されるという痛ましい事件が発生しました。この事件の犯人は福島県内で除染作業に携わっていたとのことで、県内でも大きく報道されたところであります。この事件が社会に与えた衝撃は大きいものがあり、子供を持つ親が抱いた不安感は非常に大きなものがあると思います。

 この事件では、被害に遭われた少年の行動について、深夜に町なかを徘回し、その後被害に遭った内容の報道がされておりますが、このような事件に巻き込まれる前にその少年に注意を与え、帰宅を促したり、警察に連絡することはできなかったのかと思うと非常に残念であります。

 深夜徘回などの行動は少年が非行に走る前兆的な行動であることから、こういった行動が見られる少年に警察による補導を初め地域全体で見守ることにより、少年を非行に走らせないことが重要であると思うのであります。

 そこで、県警察における少年の非行防止の取り組みについてお尋ねします。

 次に、チームとしての学校の取り組みについてであります。

 近年いじめや不登校問題など学校における生徒指導上の課題が複雑化、深刻化しております。また、特別な支援を要する子供たちへのきめ細かな対応も求められております。教員だけでこれらの課題に対応することは限界があるため、校長のリーダーシップのもと、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーなどの専門家の専門性を生かすとともに、学校事務職員の配置の拡充など学校運営体制を強化するため、文部科学省ではチームとしての学校を推進しようとしております。

 また、特別支援の子供たちがインクルーシブ教育の理念のもと、通常学級に在籍するケースがふえており、全ての教員が特別支援教育に理解を深めることやカウンセリング技能を身につけることが必要であると思います。あわせて、学校の事務を初め地域連携や危機管理などを担う学校事務職員の専門性の発揮も必要であると考えます。

 そこで、文部科学省が推進しようとしているチームとしての学校について、県教育委員会の考えをお尋ねします。

 最後に、天文や宇宙に関する教育についてであります。

 日本の宇宙少年団が初めて集う宇宙教育全国大会が今月20日から金沢市で開催され、本県からは白河分団が参加します。「宇宙の日」の12日には福島市において「星空の街・あおぞらの街」全国大会が開かれ、プレイベントの「うつくしま銀河を越えて」には、ウイーンにいる土井隆雄宇宙飛行士からビデオメッセージが届けられました。

 土井さんは福島市立第四小学校に1年生のときに在籍しました。一部紹介しますと、「学校が終わると友人たちと一緒に野山を駆け回り、昆虫採集や魚釣りをいっぱいしました。そのおかげで自然と親しみ、自然を敬う心を学んだかなと思います。子供のときに触れる自然は全て本物です。私が宇宙に興味を持ち、宇宙に飛び出したいと思ったのは、まず自分で宇宙の神秘を解き明かしたいと思ったからです。皆さんが福島の美しい自然と星空に大いに親しむことができるようになることを願っております。」と呼びかけました。

 また、本県では山崎直子宇宙飛行士がふたば未来学園高校の教育復興応援団として支援していただいております。2020年に帰還する小惑星探査機「はやぶさ2号」は本県の企業の技術が生かされております。

 JAXAの的川名誉教授は、子供の夢を育て、科学する心を育てる宇宙教育を素材にした教育活動の重要性を強調しております。

 ちなみに私は10年前の平成17年6月定例会で、JAXA宇宙教育センターの開所を踏まえ、宇宙教育を提案しました。その際、本県出身の日本の物理学研究の権威、東大総長を務めた山川健次郎博士、宇宙物理学、天文学の先駆者で京都帝大の総長を務めた新城新蔵博士を紹介するとともに、天文学者のウイックラマシンゲ博士の「学校でも社会でも天文学を学ぶことで平和を愛する心を培うことができる。ロマンあふれる宇宙への探求は心を大空のごとく広げ、人類に一体感をもたらす。それゆえ天文学は平和学であると位置づけられている。」との言葉を紹介しました。

 和歌山県、鹿児島県、岡山県の教育委員会ではJAXA宇宙教育センターと連携協定を結んで、小中高等学校の授業やイベントなどへの研究者の派遣や宇宙飛行士の講演、国際宇宙ステーションとの交信などが行われております。

 そこで、JAXAと連携協定を結び、公立学校における天文や宇宙に関する教育を推進すべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねをいたします。

 結びに、私の2つの思いを述べさせていただきます。

 1つは、福島県の偉人に学び、顕彰することについてであります。先人たちの偉業に学ぶことは、ふるさとに誇りを持ち、大切にすることでもあります。本県の偉人を一堂に顕彰する施設を提案します。

 中でもノーベル賞候補の世界の野口英世博士の顕彰についてであります。「志を得ざれば再びこの地を踏まず」と家の柱に刻み渡米し、39歳のときに15年ぶりに帰国、1915年、大正4年9月17日のことで、ちょうど百年前のきのうであります。

 当時野口博士は旧福島県議会議事堂において、知事の歓迎の挨拶の後、記念講演をしております。知事公館には野口博士直筆の油絵が飾られております。

 このたび地方自治体施行60周年記念貨幣の来年度発行予定の福島県の千円銀貨幣の図柄に「野口英世と磐梯山と猪苗代湖」が決定しました。

 アフリカはもとより中南米の諸国でも博士の貢献への感謝は今なお深く、野口博士のブロンズ像などが国内外に190カ所近く設置されております。2018年には野口英世アフリカ賞の第3回受賞式が行われます。国内外から訪れる皆さんに広く顕彰・発信するために、県庁や県立医科大学、ふくしま国際科学医療センターの敷地に野口博士のモニュメントを設置してはどうかと提案するものであります。

 「最も厳しい苦難を勝ち超えた天地から最も強靱な人材が躍り出る。」と言われております。本県から将来世界に羽ばたく人材が数多く輩出されることを確信いたします。

 2つは、ことしは戦後70年の節目の年、8月の広島、長崎の平和式典において、核廃絶を誓う平和宣言が全世界に発信されました。特に長崎の平和宣言においては、田上市長が「ピース・フロム・ナガサキ」。平和は長崎から。私たちはこの言葉を大切にしながら、平和の種をまき続けます。

 また、「東日本大震災から四年が過ぎても、原発事故の影響で苦しんでいる福島の皆さんを、長崎はこれからも応援し続けます。」と述べられました。私は福島に寄り添う市長の言葉を聞きながら熱いものがこみ上げてきました。広島、長崎、沖縄とは交流連携をさらに深めるべきと思っております。

 先般、県議会土木委員会県外調査で沖縄の慰霊塔と1,013名が眠るふくしまの塔に献花し、哀悼の誠をささげ、平和への誓いを新たにしてまいりました。知事には、11月の沖縄での慰霊祭にぜひ参加されるとともに、沖縄県知事に表敬されることを望みます。

 内堀雅雄県知事におきましては、世界に誇れる福島の模範の天地を築くため、これからも現場第一主義で県民の心と声を大切に大いにリーダーシップを発揮されることを御期待申し上げます。

 「去って去らず。」私はこれからも一県民として希望ある福島の復興のため微力ながら尽くしてまいります。県民の幸せのため、歴史と伝統のある県議会の限りない発展を願うとともに、長年にわたり御厚誼をいただきました皆様に心から厚く御礼を申し上げます。御清聴まことにありがとうございました。

議長(斎藤勝利君)執行部の答弁を求めます。


 知事(内堀雅雄君)甚野議員の御質問にお答えいたします。

 イノベーション・コースト構想につきましては、原子力災害からの復興に不可欠な廃炉技術の確立を初めロボット関連産業等の新産業の創出などにより、失われた産業基盤や雇用の回復を図り、浜通りの魅力ある再生に向けた力強いエンジンになるものと考えております。

 1年8カ月前、赤羽前経済産業副大臣の私的研究会から始まった本構想でありますが、あらゆる機会を捉え国に実現を訴えた結果、政府の骨太の方針や避難地域の将来像に明確に位置づけられ、ロボットテストフィールド等の具体化が国の来年度予算概算要求にも盛り込まれました。

 私は本構想の実現なくして浜通りの再生はないものと考えております。このため、世界が日本や福島に注目をする東京オリンピック・パラリンピックの開催される2020年をまずは見据え、国内外の英知が結集する各研究拠点を呼び水にロボット関連産業等の集積や新産業の創出を進めるとともに、ロボット研究開発の加速化や県内への導入・普及を促進する観点から、ロボットオリンピックの誘致を積極的に検討してまいります。

 そして、多くの研究者や学生などが集い、世界に誇れるメード・イン・福島の技術や製品、さらにはすぐれた人財が生み出されるという、世界が瞠目する、驚いて目をみはるような浜通り再生の道筋を国内外に力強く発信できるよう全力で取り組んでまいる考えであります。

 その他の御質問につきましては、関係部長から答弁をさせます。

保健福祉部長(鈴木淳一君)お答えいたします。

 がん対策につきましては、推進条例を制定し、予防対策や検診受診率の向上、地域のがん診療連携拠点病院の整備等による医療水準の向上などに取り組んでまいりました。

 今年度は新たに避難者のがん検診の受診機会を拡大するため、医師会や避難元・避難先市町村と調整し、避難者の多い福島市など3市において医療機関で受診できるよう検診録を統一し、共通検診システムを開発するなど体制を整備したところであります。

 今後とも予防から終末期ケアまで総合的ながん対策の推進に積極的に取り組んでまいります。

 次に、地域医療構想の策定につきましては、医療機関の理解や医療関係団体との連携が不可欠であることから、これまで構想について理解を深めるため二次医療圏ごとに意見交換会を開催してきたところであります。

 今後は構想区域ごとに設置する地域医療構想調整会議における地域の実情や将来の医療ニーズ等についての意見を踏まえ、高度急性期から在宅医療・介護までの病状等に応じて、地域において適切な医療が受けられる総合的な医療提供体制の構築を目指してまいる考えであります。

 次に、地域ケア会議につきましては、地域の課題等を反映し、施策や事業に結びつける役割が求められていることから、県では地域包括ケアの専門知識を有する社会福祉士などを広域支援員として市町村に派遣し、学習会での講義や会議の運営に対する助言を行っているところであります。

 今後はさらに、市町村や地域包括支援センターの職員等を対象に地域課題から解決策を見出す政策形成のための研修会を開催するなど、地域ケア会議がその役割を十分に発揮できるよう支援し、地域包括ケアシステムの円滑な構築に向け積極的に取り組んでまいります。

 次に、在宅医療・介護連携の推進につきましては、地域包括ケアシステムを構築する上で極めて重要な課題であります。

 このため、今年度新たに県中地域において、要介護高齢者が退院後切れ目なく介護サービスを受けられるよう、市町村、病院、ケアマネジャーが連携して患者情報の共有に関するルールを策定し、その運用を行うモデル事業に取り組んでいるところであります。

 今後はこの取り組みを他の地域にも拡大し、県内全域において高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるようしっかりと取り組んでまいります。

 次に、人の力だけで持ち上げない介護、いわゆるノーリフト介護につきましては、介護職員の腰痛防止を図る上で有効な方法の一つであると認識しております。

 県といたしましては、これまでも介護職員を対象とした研修においてノーリフトの実技講習を行っており、また、今年度からは新たに介護施設において介護支援ロボットを試験的に導入するモデル事業を実施しているところであります。

 今後とも介護関係団体と情報を共有しながらこれらの普及に努め、職場環境の改善に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、被災者の自殺防止対策につきましては、心のケアセンターにおいて臨床心理士による訪問活動等を行うとともに、住民の悩みに気づき、専門機関につなぐ相談者の養成、いのちの電話等の民間団体や市町村事業への助成などに取り組んできたところであります。

 今後は鬱傾向やアルコール依存等のハイリスク者への対策を強化するため、新たにかかりつけ医研修を開催するほか、専門家が市町村の自殺対策に対する分析や助言を行うアドバイザー派遣事業の拡充を図るなど、自殺防止に向けより一層被災者に寄り添った心のケア対策等の充実に努めてまいる考えであります。

商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。

 環境・リサイクル関連産業につきましては、イノベーション・コースト構想における重要な産業分野の一つに位置づけられており、先月当該分野への進出を促進するため、県内外約130の企業や大学等から成るふくしま環境・リサイクル関連産業研究会を立ち上げたところであります。

 今後は国と連携しながらリサイクルの事業化に関する可能性調査を進めるとともに、太陽光パネル等のワーキンググループを設置し、先進的なリサイクル事業の創出や企業立地の促進を通じて新たな関連産業の集積を図ってまいる考えであります。

 次に、水素社会の実現に向けた技術の開発等につきましては、福島再生可能エネルギー研究所が県内企業と連携して行う水素によるエネルギーの貯蔵や利用に関する技術開発を支援しているところであります。

 今後は再生可能エネルギー関連産業推進研究会に水素関連の分科会を新たに設置し、地元企業への技術支援を進めるとともに、イノベーション・コースト構想を踏まえ、水素社会の実現を目指した具体的な研究開発や実証事業について国と協議しながら進めてまいる考えであります。

 次に、政労使会議につきましては、国において経済の好循環実現に向けた政労使会議が開催され、多くの企業において昨年を上回る賃上げが実現するなどの結果をもたらしております。

 県といたしましては、今後国や他県の動向、中小企業が多数を占める本県の特性を踏まえ、調査研究してまいりたいと考えております。

 次に、働く女性の支援につきましては、現在企業等における女性管理職の養成支援やワーク・ライフ・バランスの普及啓発、出産等を機に離職した女性の再就職支援など女性の活躍促進に取り組んでいるところであります。

 先月女性の職業生活における活躍の推進に関する法律が制定されたことから、今後示される国の基本方針をもとに、女性の活躍を応援する推進計画の策定や協議会等の設置について検討するとともに、引き続き働く女性の支援に取り組んでまいる考えであります。

教育長(杉 昭重君)お答えいたします。

 チームとしての学校につきましては、多様化、複雑化する子供の状況への対応や学校教育の質的充実に対する社会的要請の高まりなどを背景に、教員以外の多様な専門スタッフの配置によるチーム体制の構築や学校のマネジメント機能の強化、教員一人一人が力を発揮できる環境整備の視点から、学校の教育力、組織力の向上を目指す効果的な方策であると考えております。

 現在中央教育審議会において議論が継続されているところであり、今後もその動向を注視してまいります。

 次に、公立学校における天文や宇宙に関する教育につきましては、地球や宇宙に対する関心を高め、科学的な見方や考え方を養うため、これまで小中高等学校において親子星空観察や天体観測、小惑星の研究など発達段階に応じた学習等を行ってまいりました。

 今後はJAXAとの連携協定の締結を検討しながら、引き続き専門的な知識を持つ講師を招聘するなど、天文や宇宙に関する教育の充実に努めてまいる考えであります。

警察本部長(石田勝彦君)お答えいたします。

 少年の非行防止の取り組みにつきましては、深夜に徘回する少年等の補導活動及び警察署等における少年相談への対応とともに、学校等関係機関との緊密な連携を図り、少年の非行防止に取り組んでおります。

 今般大阪府で発生した悲惨な事件を受けまして、少年の被害を防止する観点から、街頭補導活動の強化や少年相談の的確な対応、関係機関との連携強化等を徹底するよう再度指示をしたところであります。

 県警察といたしましては、引き続き関係機関・団体や地域のボランティアと連携をしながら少年の非行防止に取り組んでまいります。

議長(斎藤勝利君)これをもって、甚野源次郎君の質問を終わります。

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