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2015年9月定例会 一般質問 円谷健市議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年12月7日更新
円谷健市議員 
議員

円谷健市議員

所属会派(質問日現在)

民主・県民連合

定例会平成27年9月
質問等一般質問
質問日9月18日(金曜日)

23番(円谷健市君)民主・県民連合議員会の円谷健市でございます。

 東日本大震災から4年6カ月が経過しましたが、県内は浜通り地方、中通り地方、会津地方、それぞれに復興の状況に違いがあり、福島の復興・再生はまだまだ道半ばであると言えます。

 内堀知事におかれましては、あと2カ月余りで知事就任1年を迎えようとしていますが、これまで現場主義をモットーに県内各地に足を運び、県民の声を真摯に受けとめ福島の復興・再生に取り組んでこられたことと思います。

 また、これからの5年間は、残された復興期間が約5年、地方創生も5年間の総合戦略で取り組み、福島の将来の姿を示す大変重要な期間であると思います。これからの5年、復興の芽を大きく育てる5年であり、知事の強いリーダーシップを発揮していただき、福島の復興・再生にこれまで以上に進取果敢に取り組んでいただくことを望み、質問に入ります。

 まず、「ふくしまプライド。」について伺います。

 本議会定例会における知事説明にもありましたが、TOKIOの出演によるコマーシャルが県内外で放映されています。このコマーシャルは、福島を代表する桃「あかつき」やトマト産地をテーマに「ふくしまプライド。」という力強いメッセージとともに生産者が映し出され、より一層風評の払拭につながるものと期待をしています。

 風評被害で苦しめられている生産者にとって「ふくしまプライド。」のキャッチフレーズに込めた風評払拭への期待と福島の思いは大変大きいものがあると考えます。

 そこで、県は「ふくしまプライド。」のキャッチフレーズのもと県産農林水産物の風評払拭にどのように取り組んでいくのか伺います。

 次に、海外への情報発信について伺います。

 海外においては、原発事故後の本県に対するイメージから来る風評が根強く残っており、一部の国々における輸入規制なども続いております。また、近年では震災に関する報道自体も減少しており、福島のことが忘れ去られてしまう風化も問題となってきております。

 こうした状況の中、知事は本年7月に就任後初めてとなる欧州訪問や本県で開催された国際会議、さらには海外在住の本県出身者などのネットワークを生かした情報発信に取り組んでおられます。今後も世界に向けて本県の正確な状況を発信し続けることが重要であると考えます。

 そこで、知事は海外への情報発信について就任以降どのように取り組み、今後どのように進めていくのか伺います。

 次に、地域鉄道事業者の車両更新に対する支援について伺います。

 地域公共交通は、交通の各分野の中でも人々の生活に密接にかかわるものであり、日常生活に必要不可欠な交通手段の確保は重要な課題であります。特に車を運転できない学生、生徒、高齢者や障がい者にとって地域公共交通は必要不可欠な生活の足であります。

 福島交通飯坂線は、福島市の福島駅から飯坂温泉に至る鉄道路線であり、大正13年開業以来、91年を迎えました。最盛期には630万人あった輸送人員も自家用車の普及などにより年々減少しておりますが、今なお年間268万人の利用客があり、飯坂温泉への観光輸送手段であるとともに、通勤通学に地域の足として不可欠な路線であります。

 しかしながら、現在飯坂線で運行している7000系車両は平成3年の導入から24年が経過し、車歴も50年を超えるものがあり、故障が発生するなど、安全、安定輸送への支障も懸念されることから、車両の更新を計画していると伺っております。鉄道は大量輸送機関であり、一たび事故が発生すれば、その被害は甚大となるおそれがあることから、安全性、安定輸送の確保は重要であります。


 そこで、鉄道輸送の安全性、安定輸送を確保するための地域鉄道事業者による車両更新の支援について県の考えを伺います。

 次に、中間貯蔵施設について伺います。

 本県の復興を進めるには、まだまださまざまな課題が山積しておりますが、県民が安心して生活するためには、放射能に汚染された地域の除染作業を進めることが重要であることは言うまでもありません。

 原発の事故から4年6カ月が経過し、除染作業も進み、空間線量も下がってきましたが、除染で生じた大量の除去土壌等は仮置き場など生活の場のすぐ近くに山積みされています。仮置き場への保管は3年間の期限で理解を求めてきたにもかかわらず、搬出が予定よりおくれ、期間が延長され、地域住民の不安も大きいものがあると思います。

 このような中、今後1年間の試験搬入と位置づけ、除去土壌等のパイロット輸送が3月から開始されました。しかしながら、搬入先の中間貯蔵施設の用地取得はなかなか進まない状況にあり、パイロット輸送終了後の本格輸送に向けての課題は山積しております。

 本格輸送にはこのような先の見えない不安、課題を抱えながらも、パイロット輸送は中間貯蔵施設への除去土壌等の輸送に係る基本計画の基本原則のもと安全に確実に実施されることで福島県全体の復興の推進に資するものと考えます。

 そこで、県は中間貯蔵施設への本格輸送の安全・確実な実施に向けどのようにパイロット輸送に取り組んでいるのか伺います。

 次に、再生可能エネルギーについて伺います。

 本県は、復興に向けた施策の柱の一つとして再生可能エネルギーの先駆けの地を目指し、飛躍的推進に取り組み、2040年ごろまでに県内で使用されるエネルギー相当分を再生可能エネルギーで生み出すという目標を掲げて施策を展開されております。

 このような中、昨年の系統接続保留問題の発生や来年四月の電力小売りの完全自由化など、再生可能エネルギーを取り巻く環境は日々変化しています。このような環境変化がある中でも決してぶれることなく、復興のエンジンとして再生可能エネルギーの積極的な導入拡大を図り、その先駆けの地を目指すべきであります。

 先駆けの地実現に向けては、単に再生可能エネルギー発電設備をふやすだけではなく、住宅用太陽光発電のように、県民が主役となり、地域で発電した電気を地域で効率的に利用していくといった再生可能エネルギーの地産地消に取り組むことが今後ますます重要になると考えます。

 また、2016年に予定されている電力小売りの全面自由化を見据え、地方自冶体では自前の地域電力会社を立ち上げ、電力の地産地消の取り組みの動きが出るなど、再生可能エネルギーの地産地消への期待が高まっています。

 そこで、再生可能エネルギーの地産地消について県の考えを伺います。

 また、県は住宅用太陽光発電の導入促進にどのように取り組んでいくのか伺います。

 次に、畜産の振興について伺います。

 本県の肉用牛の飼養頭数は、全国的な畜産農家の高齢化に伴う戸数の減少に加え、震災や原発事故の影響により、震災前に比べ7割にまで減少しております。このため、生産される子牛の数も減少しており、今年8月に本宮市の県家畜市場で開催された和牛子牛競りでは1頭当たりの平均価格が67万円を超える高額な取引となっており、肥育農家が希望する頭数の子牛を導入することができず、さらなる飼養頭数の減少が懸念されます。

 全国的にも子牛不足や価格高騰が問題となっている中、山形県においては繁殖雌牛1頭当たり購入金額の6分の1、最大10万円を助成する県独自の支援策を実施し、繁殖牛増頭日本一になる実績を上げております。本県における状況を改善するためには、肥育農家が安心して子牛を購入できるよう、子牛を生産する繁殖雌牛の頭数を増加させていくことが必要と考えます。

 そこで、繁殖雌牛の頭数を増加させるため、県はどのように取り組んでいくのか伺います。

 また、畜産振興に関するトピックとして、5年に1度開催されるため、和牛のオリンピックと称されている第11回全国和牛共進会が平成29年9月に宮城県仙台市で開催されます。この共進会は、全国各地から多くの和牛が出品される肉用牛の一大イベントであります。

 平成24年に長崎県で開催された前回の共進会では、平成22年に発生した口蹄疫により、多くの牛が処分され、壊滅的な影響を受けた宮崎県が団体賞で1位を獲得し、畜産宮崎の復活を全国へ強烈にアピールすることができました。

 本県においても、本県黒毛和種の改良を効率的に進めるため、黒毛和種交配支援システムを開発し、本システムの普及を図り、育種価の有用性の認知度を高めながら本県黒毛和種の改良を進めているところであります。

 そこで、県は第11回全国和牛能力共進会への出品にどのように取り組んでいくのか伺います。

 次に、少子化対策について伺います。

 人口減少が叫ばれておりますが、国立社会保障・人口問題研究所の日本の将来推計人口によれば、平成22年に1億2千8百万人いた日本の人口は平成62年には1億人を下回る見込みであると推計されております。

 少子化社会は、一人一人にとっては、結婚や出産を希望しても、その実現が困難な社会であるだけでなく、地域社会の担い手の減少、現役世代の負担の増加、経済や市場規模の縮小など、個人のレベルから地域社会、国家に至るまで多大な影響を及ぼします。

 少子化は本県にとって深刻な問題であります。少子化対策は、子育て支援だけでなく、結婚や妊娠、出産にも重点を置いて取り組むべき課題であると考えております。

 そこで、総合的な少子化対策にどのように取り組むのか、県の考えを伺います。

 次に、特別支援教育について伺います。

 県教育委員会では、県中地区南部の児童生徒数の増加への対応や長時間通学の負担軽減を図るため、廃校舎や空き教室を利用して玉川村へ特別支援学校を設置することを明らかにしております。

 この特別支援学校へは水郡線を利用して通学する児童生徒も考えられ、駅から学校までは徒歩での登校となりますが、通学路となる県道は歩道が未整備など交通安全の面で心配される場所があり、通学路の整備など地域の環境整備も必要であると考えます。このようなことから、特別支援学校の設置に当たっては、地域と連携した環境づくりが重要であると考えております。

 そこで、玉川村に設置する県立特別支援学校の整備方針について県教育委員会の考えを伺います。

 次に、郷土に自信と誇りを持てる教育について伺います。

 本県は、東日本大震災と原発の事故により未曽有の被害を受けました。県内各地においては、地域の再生・復興や風評被害の払拭を目指して、郷土に伝わる伝統・文化を大切にし、地域にある宝物を生かしたまちづくりや活性化への取り組みが進められており、地域のつながりや人と人とのきずなの再構築が図られております。地域づくりには、自分たちの住む地域に誇りを持つことが地域づくりの第一歩であります。

 私たちを育んでくれる郷土は、私たちの心のよりどころであり、生きる力の源にもなるものです。次代を担う福島の子供たちに自分の郷土に自信と誇りを持たせ、社会を生き抜く強さや人に対する思いやり、郷土を愛する心を抱かせながら、夢や希望に向かって歩み、未来を築いていくことができる力を養うことが重要であると考えます。

 そこで、県教育委員会は公立小中学校において子供たちの郷土愛を育むため、どのように取り組んでいるのか伺います。

 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

副議長(青木 稔君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)円谷議員の御質問にお答えいたします。

 海外への情報発信についてであります。

 私は震災以来、世界各国からいただいた数多くの御支援に感謝の思いをお伝えするとともに、海外に対して福島県に関する正確な情報を発信することは、風評の払拭と風化の防止を図り、復興を推進するために極めて重要であると考えております。

 このため、本年3月に外務省飯倉公館で開催をしたセミナーやレセプション、5月にいわき市で開催をされた太平洋・島サミット、7月の欧州訪問などさまざまな機会を捉えて、各国の首脳や大使、国際機関の幹部等に福島県の復興の現状や魅力を説明し、御理解いただくよう努めてまいりました。

 今後は10月のミラノ国際博覧会への参加や駐日各国大使による県内視察、来年2月の島サミットフォローアップ事業の開催等を通して本県の復興への取り組みなどを発信していくほか、外務省の在外公館や在外県人会との連携、ホームページの活用などによる情報発信の充実強化を図りながら、風評・風化対策強化戦略に基づき、震災からの復興・再生に取り組む福島県の姿を海外に向け積極的に発信をしてまいる考えであります。

 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。

企画調整部長(近藤貴幸君)お答えいたします。

 再生可能エネルギーの地産地消につきましては、地域資源を活用した新たな産業の創出による地域の活性化や非常時のエネルギー確保等の観点から重要であり、住宅用太陽光発電など自家消費型利用の拡大を推進してまいりました。

 今年度はさらに、地域におけるエネルギーの効率的利用を目指し、スマートコミュニティーの具体化に向け市町村とともに検討を進めているところであります。引き続き再生可能エネルギーの地産地消の向け積極的に取り組んでまいる考えであります。

 次に、住宅用太陽光発電につきましては、県民に身近で導入が比較的容易であり、自家消費型で電力系統への負荷も少ないことから、再生可能エネルギーの導入推進のために重要であると考えております。

 今年度は全国トップクラスにある県補助制度の単価をさらに上乗せし、県民の皆様の積極的な活用を促すとともに、関係機関と連携した省エネ効果等の実態調査を実施し、さらなる普及促進策を検討しております。

 今後とも効果的なPRを行い、県民理解を促進しながら住宅用太陽光発電の普及拡大に取り組んでまいる考えであります。

生活環境部長(長谷川哲也君)お答えいたします。

 地域鉄道事業者の車両更新に対する支援につきましては、住民が安心して利用できる地域鉄道とするため、鉄道施設設備の安全性確保が重要であることから、老朽化した車両の更新について、県では国や市町村と協調して補助をしてきております。

 今後とも鉄道輸送の安全性や安定輸送が確保されるよう、車両更新について地域鉄道事業者の設備整備事業計画等を踏まえながら、国や関係市町村と連携して対応してまいる考えであります。

 次に、パイロット輸送につきましては、県では国、市町村との運行計画等の協議調整を進めるとともに、安全確保協定に基づき、搬出搬入やモニタリングなどの状況確認を実施してきております。

 今後国においては、本格輸送に向け、搬出から輸送、荷おろしに係る各工程のほか、さまざまな項目に関し確認検証を行うことから、県といたしましては、その取り組み状況を確認し、国、市町村等、関係機関と連携協議しながら、必要な道路交通対策や生活環境対策が講じられ、輸送が安全・確実に実施されるようしっかり取り組んでまいります。

農林水産部長(小野和彦君)お答えいたします。

 県産農林水産物の風評払拭につきましては、安全・安心への取り組みや高い品質、おいしさという食べ物本来の魅力に加え、新たにたゆまぬ努力と愛情を注ぎ栽培する生産者の誇りを「ふくしまプライド。」という言葉に凝縮し、全国に情報発信しているところです。

 特に生産者がみずからの商品にかける思いを流通業者や消費者に直接伝える機会を数多く設けるなど、多くの方々の応援と共感の輪を広げることにより、県産農林水産物の販路回復・拡大につなげてまいる考えです。

 次に、繁殖雌牛の頭数の増加につきましては、繁殖農家の畜舎や作業機械の整備への支援、繁殖雌牛の導入経費に対する助成を行うとともに、子牛の生産拠点となる大規模な和牛雌牛農場の整備に対する支援を行っております。

 今後はこれらの支援に加え、地域単位で連携して畜産の収益性の向上と生産基盤の強化を進めるため、国の畜産クラスター関連事業等を積極的に活用し、本県肉用牛の生産基盤の早期回復に全力で取り組んでまいります。

 次に、第11回全国和牛能力共進会への出品につきましては、子牛市場において全国から高い評価を受けている県の雄牛である「高百合」を畜産農家の所有する能力が高い繁殖雌牛へ交配し、これまでで最多となる出品候補牛を生産する取り組みを開始したところです。

 今後は生産された出品候補牛の発育指導や研修会等を通して、上位入賞を果たせる牛づくりを関係団体や畜産農家と一丸となって取り組んでまいります。

こども未来局長(尾形淳一君)お答えいたします。

 少子化対策につきましては、これまで子育て環境の整備や経済的負担の軽減などに取り組んできたところであり、今年度はこれらに加え、若者の結婚や出会いの場づくりを初め妊娠、出産、子育てまで切れ目なく支援できる結婚・子育て応援センターをこの8月に開所し、さまざまな相談に応じるとともに、若者を対象とした結婚講座の開催などにも取り組んでおります。

 今後はより効果的な支援を行えるよう、相談の内容を分析し、センターにおける相談体制を充実させるなど、総合的に少子化対策を推進してまいります。

教育長(杉 昭重君)お答えいたします。

 玉川村に設置する県立特別支援学校につきましては、旧玉川村立川辺小学校を活用し、小学部と中学部を設け、児童生徒数は50名程度を想定して開校に向けた準備を進めております。

 開校後は、触れ合いを通じて児童生徒の豊かな人間性を育むため、近隣の小中学校との交流や地域住民の方々とともに活動する機会を積極的に設けるなど、地域に根差した学校づくりを進めてまいる考えであります。

 次に、郷土愛を育む取り組みにつきましては、震災を経験した本県だからこそ、未来を担う子供たちに郷土への誇りや愛情を醸成することが重要であると考えております。

 このため、郷土をテーマにした本県独自の道徳教育資料集や地元の歴史及び人物などを取り上げた地域教材等を効果的に活用して、伝統・文化のすばらしさや継承の大切さ、郷土の発展に尽くした先人の功績等についての学習を取り入れているところであり、今後とも子供たちの郷土愛を育む教育の充実に取り組んでまいる考えであります。

副議長(青木 稔君)これをもって、円谷健市君の質問を終わります。

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