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2015年12月定例会 一般質問 鈴木智議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年2月15日更新

鈴木智議員

議員

鈴木智

所属会派
(質問日現在)

自由民主党

定例会平成27年12月
質問等一般質問
質問日12月18日(金曜日)

14番(鈴木 智君)自由民主党議員会の鈴木智です。

 福島県議会議員選挙後初めての12月議会に、一般質問の機会をいただきました。日常の議員活動もそうでありますが、選挙期間中、県民の皆様からさまざまな御意見、お話をお聞きいたしました。今回の一般質問は、その中から幾つか取り上げて伺いたいと存じます。


 1つ目の質問は、本県の人口についてであります。


 平成24年12月策定の福島県総合計画ふくしま新生プランにおいて、本県人口の見通しをシナリオを2つつくって試算をしております。シナリオAは、出生数は減少するものの避難者の帰還が進むと想定をしているものです。シナリオBは、県外避難者が帰還を諦め、人口流出と出生数の減少がとまらないという想定であります。


 総合計画策定からおよそ3年後の平成27年10月1日付のそれぞれの予測値を見ますと、シナリオAが1,931,221人、シナリオBが1,886,067人と予測をしております。


 10月1日付の実際の本県人口は1,925,605人、これはシナリオAに少し欠ける数値でありまして、避難者の帰還や人口社会増を目指す施策が少しずつ功を奏しているのではと感じております。復興は道半ばであり、数年で一喜一憂している場合ではないとは思いますが、地道な施策の積み重ねがさらに求められるものと感じております。


 日本創成会議による人口予測では東日本大震災の影響が大きく、試算できないとされた本県でありますので、策定にもさまざまな指数や考え方、それらが求められたものと思いますが、そこで、県は福島県人口ビジョンの策定に当たり、どのような考えのもとで人口の将来推計を行ったのか伺います。


 2つ目の質問は、本県の復興についてであります。


 我が福島県議会は、県内原発の全基廃炉を決議しているのは県民の皆さんは御承知のことと存じます。その見地から本年8月に行われた福島県議会全員協議会におきまして、改めて第二原発の廃炉についてどのように考えるかという質問がありました。


 東京電力の社長からは、「全く未定であります。」との答弁があり、次の日に行われた同趣旨の質問に対し、資源エネルギー庁の答弁は「事業者の判断に委ねる。」とのことでありました。


 東電においては、県民、県議会の意思を重く受けとめ、第二原発廃炉の決断を速やかに明言していただきたいと考えるところであります。


 しかし、第二原発は廃炉としても、その後の地域産業と雇用をどうするかということを考えていかなければなりません。私は一時、第二原発のタービンと発電機、そして送電網を新たに火力発電所に流用できないかと考えたことがありました。残念ながら、規格等うまく合致しないということでありましたが、当然ながら第二原発は東京電力の持ち物であり、当該エリアの今後の使い道も第一義としては東京電力が責任を持っております。


 まずは廃炉の判断を強く迫ること、そして原子力発電所にかわる新たな地域産業の振興と雇用の創出を求めること、そしてそれを積極的に提示し、東京電力に判断を迫ることを続けることもまた必要なのではと考えるところであります。


 そこで、福島第二原発の廃炉を見据えた地域振興策を国や東京電力に求めるべきと思うが、県の考えを伺います。


 大震災から4年9カ月がたち、県内、県外に避難された皆さんもそれぞれの避難先の地域に適応し、日々の暮らしを積み重ねているものと存じます。御苦労に敬意を表します。


 それぞれのまちで暮らすとき、私が一つ危惧するのは、言葉、方言が失われてしまうのではないかということであります。


 例を挙げますと、浪江町の方言を調べてみましたが、同じ浜通りであるいわき市の方言とやはり少し異なっております。「ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」と詠んだのは岩手県生まれの石川啄木でありますが、こういった方言、お国言葉も、形はなしていませんが大事な文化であり、なくしてはいけないものと思います。この先、簡単に失われることのないようぜひとも研究対象として検討していただくよう要望するところであります。


 文化は、有形、無形さまざまです。文化を継承すべき方が連綿と続けていくことが理想なのでしょうが、その流れを続けていくことに支障が出て難しくなったとき、誰かが何かの形で支えていかなければならないでしょう。


 そこで、避難地域の文化財の保護、継承にどのように取り組んでいるのか伺います。


 先ほど廃炉のお話をいたしましたが、時折「県は廃炉にどのようにかかわっているのですか。」ということを県民の方から聞かれます。私は「福島県原子力発電所の廃炉に関する安全監視協議会という組織があって、県職員も定期的に第一原発に立入調査をして、詳細に現状を把握していますよ。」という説明をしております。


 残念ながら、労働災害、汚染水問題など、東京電力の対策が後手後手に回っている部分もあります。廃炉作業にしても、これが本当に最善の策なのか、議論百出の状況であります。日本において初めて手がける作業であり、マニュアルなどない作業に取り組んでいるところですので、手探りなのは理解をいたしますが、そのような中でもあらゆる手を打ち、あらゆる知恵を出す必要があると思っております。


 そして、県の職員も東京電力に対して対等の、あるいはそれ以上の廃炉知識のプロフェッショナル集団であってほしいというのが私の希望であります。そうであれば、廃炉作業とのかかわりの中で、ミスが出る前に対策も打てるのではと考えるところです。


 そこで、廃炉の取り組みを監視するため、職員等の専門性を高めるべきと思うが、県の考えを伺います。


 次は、政府機関の地方移転についてであります。


 政府が地方創生の一環として打ち出した政府機関の地方移転でありますが、これまでさまざまな会議、ヒアリング等を経て、全国の道府県から69の機関の移転が要望されていると仄聞しているところです。


 本来の目的は、地方の成長活力の強化であるはずですが、国会のある東京との移動が煩雑になり困難であると指摘する声や、一部の機能や研究機関程度の移転で終わるのではないかと懸念する声も聞かれます。本県においても検討し、要望を出しているものと聞いておりますが、そこで、政府関係機関の地方移転について進捗状況を伺います。


 3つ目の質問は、再生可能エネルギーについてであります。


 私は、昨年の7月に本議会海外行政調査団の一員として、フランスのリヨン市と周辺58市町村を含む広域自治体であるグランリヨン共同体のスマートコミュニティー実証実験を調査してまいりました。


 市街地の再開発に合わせたスマートコミュニティー化、そこでは再生可能エネルギーをベース電源とし、カーシェアリングもその一環として組み込まれているヒカリという新しい複合ビルが建設中でありました。この実証実験は、日本のNEDOの技術協力のもと進められており、未来のまちづくりが進む姿というのが見えておりました。


 本県においては、再生可能エネルギーの飛躍的推進を復興の大きな柱と位置づけ、国内外に注目を受けている中、国においてもエネルギー基本計画に明記するなど、県と一体的に導入を推進しております。


 昨年4月には福島再生可能エネルギー研究所が開設され、今年度においては浮体式洋上風力発電実証事業の進展や避難地域における発電事業を支援する仕組みの構築など、国との連携のもと、再エネアクションプランに基づく再生可能エネルギーの導入は着実に進展し、県民の期待もますます高まっているものと感じております。


 そこで、知事は再生可能エネルギー先駆けの地の実現に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。


 4つ目の質問は、本県の漁業についてであります。


 現在の試験操業は11月にマダコが外れたものの、67魚種を対象に行われております。最近は操業自粛で資源がふえ、大型化しているとの調査結果も出ているとのことであります。この状況がどのように推移するのか、安定していくのか、引き続き積極的な調査研究をお願いするところです。


 さて、本項は主に漁場の状況についてであります。本県沖漁場は、津波の影響で瓦れきが大量に堆積している状況にあり、さまざまな事業で撤去に取り組み、一日も早く安定した漁場を取り戻す必要があると考えます。


 そこで、本県沖漁場の瓦れき撤去の状況について伺います。


 単価の高い底魚類の安定した水揚げが今後期待されるところであります。本操業再開には、底魚類への放射性物質の影響がいつまで、そしてどのように続くのかを明らかにしていかなければなりません。継続的な調査を重ねて要望いたします。


 そこで、本県漁場における海水と海底土の放射性物質濃度の現状について伺います。


 東日本大震災で被災した他県については、施設もおおむね復旧の見通しが立っているようです。経営が厳しいところもあるようですが、養殖等も含めた水揚げも震災前を超えるところも見受けられるようです。


 本県においては、漁業はいまだスタートラインにすらついてない部分があると感じており、私自身も国や自民党本部に対し、さまざまな場所でそのことを発言してまいりました。


 国は大震災以来、被災した漁業者や施設に対し各種施策をもって支援してきており、有効活用しているところでありますが、本県においては、施策の期限を延長することや新たに福島型の独自支援策を考えていく必要があります。


 そこで、漁業生産基盤の復旧に向けた本県の取り組み状況と今後の進め方について伺います。


 5つ目の質問は、県内企業の取引支援についてであります。


 先日、いわき市内の工業団地内に立地するある企業を訪問し、課題を伺ったときのことです。製造ラインの中でどうしてもこの加工技術が必要だという場面があり、これまではその製品は浜通り北部で製造していたので、仙台近郊の企業に発注をしていたのですが、かわりにいわき市でその技術を持っている企業がないか探したということでございます。なかなか見つからなかったのですが、引き続き探し、同じ工業団地の中、しかもすぐ近くにその技術を持つ企業があったというお話でありました。


 そういった情報はまさに企業の財産であり、生命線であるのかもしれません。立地企業を発展させ、税収増を期待するならば、そういった情報を集積させ財産として共有することが必要であると思います。


 そこで、県は企業が保有する技術情報をもとにした県内企業の取引支援にどのように取り組んでいるのか伺います。


 6つ目の質問は、身近な土木事業についてであります。


 行政は治山治水から始まったという説もあるくらいでございます。身近な社会基盤を整備する土木行政は重要であることは言うまでもありません。


 東日本大震災以降、県民の皆さんはさまざまなことに不安な気持ちを抱いております。インフラと呼ばれる構築物や整備した社会基盤についてもそれは同様であります。ちなみに、例年発表される今年の世相を表す漢字は「安」、安心・安全の安でありました。この不安感を受けとめるのが政治であり、行政であると再認識をしているところであります。


 これまで余り目につきませんでしたが、川岸がえぐれていたり、中洲に草木が伸び土砂が堆積しているところを見るたびに、ゲリラ豪雨のときに水が上がってこないかと不安を感じる方もいらっしゃいます。


 そこで、県は河川の維持管理にどのように取り組んでいくのか伺います。


 同様に、大震災のときに、地震の大きな揺れで路肩が一気に液状化し、アスファルトの切れ目から水が噴き出すという現象を目撃した方もいらっしゃいます。


 既存の道路の路盤そのものが沈下したり、相対的にマンホールが少し上がり非常に走りづらくなっている状況や、歩道がない道路の路側帯に草木が生い茂って人が歩けない、そういった状況が発生をしております。


 そこで、県は道路の維持管理にどのように取り組んでいくのか伺います。


 いわき市の沿岸部は、急傾斜地を含むさまざまな崖地や山が住居の近くにあります。大震災以降、数名の方から「地震以降、どうも山の形が変わってきたように感じる。不安なので見てもらえないか。」といったお話を受けました。どの案件も異状はないという結論が出まして一安心ではありましたが、やはりその近隣に住む方にとっては少しの異状、違和感も心配するのは当然でありますし、昨今の豪雨により崖崩れに対する不安感が増すのは当然だと感じております。


 そこで、県は急傾斜地崩壊防止施設の安全をどのように確認をしているのか伺います。


 最後の質問は、県営住宅等の整備についてであります。


 私の自宅近くにも復興公営住宅が建設されるということになり、数度の説明会を経て現在建設作業が進んでおります。実際に身近な場所にできるということで、近所の方からもさまざまな意見を伺いました。被災し、避難している方を地域に受け入れるのだという気持ちを新たにしている方もいらっしゃいました。


 復興公営住宅にもその建設のスピードアップなどさまざまな課題がありますが、その中で入居している方の状況についてでありますが、従来の県営住宅と復興公営住宅それぞれの65歳以上の高齢入居者の割合を伺います。


 次に、県は高齢者に配慮した復興公営住宅の整備にどのように取り組んでいるのか伺います。


 復興公営住宅建設に向けた説明会の席上、近隣にお住まいの方から、隣接する市道が老朽化していること、また、この地区は雨水の排水が余りよくない、復興公営住宅の建設によりどういう影響が考えられるのか、そういった意見がありました。


 大規模な住宅でありますので、そういった意見があることは当然考えられることであり、でき得ればそういった課題を復興公営住宅建設時に解消して、地元の皆さんも入居する方も融合し、新たな気持ちで新しい住宅での生活を始めていただきたいと強く感じました。


 そこで、県は復興公営住宅の整備に関連する市町村事業についてどのように支援をしているのか伺います。


 最後に、「スターウォーズ」という人気映画シリーズがございます。本日は、新シリーズの始まりとなる7作目の全国公開日であり、昨日から世界中、日本中の映画ファンがこの日を待望していたようです。この映画シリーズの第1作は38年前に公開されましたが、副題は「A new hope 新たなる希望」というタイトルでありました。


 我が福島県も来年の3月で大震災から丸5年を数えます。集中復興期間から復興・創生期間へ移行します。この福島県で生まれ、育ち、住まいする全ての人たちに新たなる希望を持って前へ前へ進んで行っていただけるような県土づくりに邁進してまいりますことを改めてここでお約束を申し上げ、以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

 

副議長(満山喜一君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)鈴木議員の御質問にお答えいたします。

 再生可能エネルギーについてであります。


 本県は、復興の基本理念である原子力に依存しない社会の実現に向けて、2040年ごろまでに県内で使う全エネルギー相当分以上を再生可能エネルギーにより生み出すという目標を掲げ、地域主導、産業集積、復興牽引という3本の柱のもと、県出資の地域エネルギー会社の設立、住宅用太陽光発電設備の導入支援、福島再生可能エネルギー研究所を核とした世界最先端の研究の促進、原子力発電所の送電線等の活用、さらに発電収入を復興に生かす新たな仕組みづくりなど、国や市町村、事業者等と連携しながら積極的に取り組んでまいりました。


 今後は、年度内に改定を予定している再生可能エネルギーアクションプランにおいて、水素等を活用したエネルギーの貯蔵やスマートコミュニティー等の地産地消の拡大、さらには省エネルギーの推進など新たな視点も盛り込んだ上、再生可能エネルギーの導入拡大と先駆的な取り組みに果敢に挑戦し、再生可能エネルギー先駆けの地実現に向け、引き続き全力で取り組んでまいります。


 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。


危機管理部長(樵 隆男君)お答えいたします。

 廃炉の取り組みの監視につきましては、今年度原子力に関する技術職員の採用試験を行ったほか、廃炉安全監視協議会の専門委員に原子力工学や放射線防護に加え、土木や建築等の専門家を追加で委嘱したところであります。


 今後は、原子力発電所等に関する知見を持つ原子力専門員の配置を継続するほか、職員の専門性を高めるための研修を引き続き実施するなど、さらなる専門性の向上を図ってまいります。


 次に、海水等の放射性物質につきましては、県は沿岸の漁港と漁場において放射性セシウムを毎月測定しており、本年8月の調査では、海水は34地点の全てで不検出、海底土は32地点で不検出から1キログラム当たり最大225ベクレルであり、事故後の最大値と比較して約40分の1まで減少しております。


 また、国が測定している沖合についても、沿岸海域と同レベルの値となっており、本県海域全体として減少傾向が確認されております。


企画調整部長(近藤貴幸君)お答えいたします。

 人口の将来推計につきましては、県の総合計画における人口の試算や国による福島12市町村の将来人口見通しの試算などの手法を踏まえ、避難者のうち戻る意思がある人の100%と判断に迷う人の50%が帰還すると仮定し、県独自の推計を行った結果、2040年に人口約147万人と現在の約8割まで減少することが予測されたところであります。


 総合戦略の各人口減少対策に重点的かつ集中的に取り組み、2040年に人口160万人程度の確保を目指してまいります。


 次に、福島第二原発の廃炉を見据えた地域振興策につきましては、東日本大震災前に東京電力福島第一原発及び福島第二原発の地元雇用が1万人を超えていたことを踏まえ、産業復興と雇用の創出が極めて重要であると考えております。


 県といたしましては、国内外の英知が結集する各研究拠点の整備、ロボット関連産業等の集積、原子力発電所の送電線を活用した再生可能エネルギーの拡大など、国等と連携し、イノベーション・コースト構想の早期具体化を図り、浜通り地方の産業復興に全力で取り組んでまいる考えであります。


 次に、政府関係機関の地方移転につきましては、8月末、国に対して4機関8部門の移転を提案し、その後国と協議を進めてまいりましたが、昨日国の対応方針が示され、イノベーション・コースト構想の拠点となるロボットテストフィールド、国際産学連携拠点、アーカイブ拠点の3部門については、新エネルギー・産業技術総合開発機構関連として今後も具体的な検討を進めることとされました。


 今年度末に政府関係機関の地方移転の基本方針が決定される予定であることから、県といたしましては当該3部門を中心に国と協議を続けてまいります。


商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。

 県内企業の取引支援につきましては、企業の強みや保有する設備等の技術情報をものづくり企業データベースとしてホームページで提供するとともに、福島県産業振興センターと連携した商談会の開催やガイドブックの作成により取引の拡大を支援してきたところであります。


 今後とも受発注企業の動向調査の結果等を踏まえ、きめ細かく企業のニーズを把握するとともに、技術条件に合う企業間の取引をあっせんするなど、取引拡大の支援に取り組んでまいります。


農林水産部長(小野和彦君)お答えいたします。

 本県沖漁場の瓦れき撤去の状況につきましては、漁業者グループが回収する取り組みを支援し、これまでに約3万7千トンが回収され、また、漁業者が回収できない大型の瓦れきについては、県みずから撤去を行っておりますが、工事の特殊性から対応できる事業者が限定されるため約4万4千トンの回収となっております。


 今後とも漁業者グループへの支援の継続と入札条件の緩和等による事業者の確保に努め、漁場環境の回復を進めてまいります。


 次に、漁業生産基盤の復旧に向けた取り組み状況等につきましては、これまで漁場の瓦れき撤去を初め漁船や漁協の荷さばき、製氷施設など共同利用に係る生産基盤の復旧支援や県の水産種苗研究・生産施設の移転整備を進めているところです。


 しかしながら、本県の沿岸漁業は原子力災害の影響により依然として操業自粛の状況にあることから、今後とも試験操業の継続による安全性の周知に努めるとともに、国に対しては生産基盤の復旧に向けた事業の継続と十分な予算の確保についてしっかりと求めてまいる考えであります。


土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。

 河川の維持管理につきましては、河川に堆積した土砂の撤去や護岸の補修などの要望がふえており、現地の状況に十分配慮しつつ、優先度や緊急性を見きわめながら対応しているところであります。


 さらに、今般の関東・東北豪雨のような大規模な豪雨が発生し、緊急の対応を要する箇所が生じた場合には、災害復旧制度も活用し、速やかに必要な工事を実施することとしております。


 今後とも地域の安全・安心の確保に向けて河川の適切な維持管理に取り組んでまいります。


 次に、道路の維持管理につきましては、日常のパトロールや橋梁、トンネル等の定期点検により施設の状況を的確に把握し、県民の安全・安心を最優先に対応しているところであります。


 今後は道路の新設や移管に伴い県が管理する延長が増加することから、引き続き予防保全の考え方に基づく道路施設の長寿命化対策を推進するとともに、舗装補修や除雪作業などの業務委託に新たに点検業務や修繕計画の策定を包括的に加えることなどを検討しながら、効果的かつ効率的な道路の維持管理に取り組んでまいる考えであります。


 次に、急傾斜地崩壊防止施設の安全確認につきましては、県が定めた点検に関する実施要領に基づき、市町村とともに年1回全施設を対象に定期点検を実施しております。さらに、豪雨及び震度4以上の地震が発生した場合には、定期点検の結果から抽出した施設を対象に緊急点検を実施しているほか、斜面の崩壊等により事故が発生した場合には、県内全域の類似の施設に対しても一斉に点検を実施しております。


 今後とも適切な点検に努めながら、地域の安全の確保に取り組んでまいります。


 次に、県営住宅における65歳以上の入居者の割合につきましては、平成27年12月14日の時点で、従来の県営住宅では17.7%、復興公営住宅では53.6%となっております。


 次に、高齢者に配慮した復興公営住宅の整備につきましては、ユニバーサルデザインの考え方に基づき室内の段差解消や手すりの設置等を行うとともに、3階建て以上の建物には全てエレベーターを設置しております。さらに、高齢者等の優先住宅については外部スロープや緊急時警報装置を設置するなど、より安全・安心に配慮しております。


 今後とも高齢者が安心して暮らせる復興公営住宅の整備を進めてまいります。


避難地域復興局長(伊藤泰夫君)お答えいたします。

 復興公営住宅の整備に関連する市町村事業につきましては、避難者の増加への対応や長期にわたる避難生活の安定という観点から、交流施設や道路、交通安全施設などの整備が進められているところであります。


 県といたしましては、入居者と地元住民がともに理解を深めながら安心して暮らすことができるよう、復興公営住宅に関連する施設については必要な財源の確保や技術的な支援などを行い、生活環境の整備を促進してまいります。


教育長(杉 昭重君)お答えいたします。

 避難地域の文化財につきましては地域の宝であり、次世代に継承することが重要であることから、保存環境が悪化した富岡町、大熊町及び双葉町の各歴史資料館から文化財を搬出し、県文化財センター白河館に設置した仮保管施設で保護するとともに、その一部を公開しております。


 また、民俗芸能の発表の機会である「ふるさとの祭り」の開催など伝統文化を継承するための活動支援も行っており、今後とも避難地域の文化財の保護・継承に積極的に取り組んでまいります。

副議長(満山喜一君)これをもって、鈴木智君の質問を終わります。

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