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2016年6月定例会 代表質問 宮川えみ子議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年9月20日更新

宮川えみ子議員 

議員

宮川えみ子

所属会派(質問日現在)

日本共産党

定例会平成28年6月
質問等代表質問
質問日6月23日(木曜日)

26番(宮川えみ子君)宮川えみ子です。日本共産党を代表して質問いたします。


 東日本大震災、原発事故から5年3カ月になりました。いまだに九万人を超える方々が避難をされていますが、一番大変な思いをされた方々に寄り添った支援がますます重要になっております。
 4月14日に起こった熊本地震は、直接死と行方不明者が合わせて50人、多くの災害関連死もあり、建物、宅地、インフラ被害も重大です。今回の大雨の被害も含め、心からのお見舞いを申し上げますとともに、引き続きの支援が重要と思います。
 東京都の舛添知事が政治と金の問題で追い詰められて辞任しました。辞任は当然であり、知事に担ぎ上げて全面支援をしてきた自民、公明の製造者責任が厳しく問われます。さらに、甘利元大臣の口ききも含めて疑惑は解明されておらず、根深い金権体質が問われます。
 安倍政権についてです。
 昨日、参議院選挙が公示されました。今、日本の政治は、立憲主義と民主主義を壊す危険な戦争への道か、これを許さず、憲法を守り、まともな新しい政治を目指す道か、分かれ道に立っています。戦後かつてない新しい市民運動、国民運動が発展し、この運動に背中を押されて野党共闘が大きく進んでいます。
 4野党は、政策面でも、安保法制廃止、集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回、安倍政権下での憲法改悪反対でまとまり、さらにアベノミクスによる暮らし破壊、格差と貧困を是正する政策、保育、介護、教育、労働、被災地支援など15本の議員立法をさきの国会に共同提出しています。その後もTPPや沖縄基地問題など発展しています。
 沖縄で元アメリカ海兵隊員による女性殺害事件は、沖縄県だけの問題にとどまらず、福島県民にも少なくない衝撃を与えました。沖縄県議会では、初めて全会一致で沖縄・米海兵隊の撤退と米軍基地撤去を求めた意見書が採択され、県民の意思は県議選にもはっきり示されました。また、19日の県民大会は6万5千人の限界を超えた怒りと追悼の大集会になりました。沖縄は、きょう23日、さきの戦争で犠牲になった20万人を超える方々に対する慰霊の日でもあります。
 基本的人権の尊重、国民主権、平和主義に基づく立憲主義の立場から安倍政権をどのように認識しているのか、知事の考えを尋ねます。
 憲法改定と緊急事態条項についてです。
 安倍首相は、2013年7月の参議院選挙ではアベノミクス一本で戦いましたが、多数を得て集団的自衛権の閣議決定を、2014年12月の選挙でもアベノミクス一本で戦いましたが、安保法制、戦争法を強行、そして今度もアベノミクスは道半ばとして結局アベノミクスを掲げ、3分の2の議席をとったら憲法改定に踏み出す野望を果たそうとしています。
 私たちは、自民党憲法改憲案のような9条2項の削減、国防軍を明記し、海外への無条件武力行使に道を開くのではなく、平和的対案として憲法九条に立った平和の外交戦略を提案しています。軍事一本やりの対応では何事も解決できません。日本共産党は、中国海軍が歴史的にも国際法上でも我が国固有の領土である尖閣諸島の接続水域に初めて入ったことに対し、中国に厳重に抗議しました。
 安倍首相は、さきに武器輸出を緩和し、自民党国防部会は6月2日、大学や民間企業を軍事研究に動員するために防衛省の資金提供制度を百億円規模に拡充することを求める提言を安倍首相に手渡しました。世界を緊張で覆い、軍事産業を金もうけの対象にする軍・産・学の国家体制への危険な動きです。
 安倍首相は、災害などを理由にした事実上の戒厳令、全権を首相が握ることになる緊急事態条項を盛り込む憲法改定を狙っていますが、共同通信社が被災3県の知事と津波被害や原発事故の避難指示が出た42市町村長を対象に緊急事態条項に関するアンケートを行ったところ、緊急事態条項がなくても人命救助に障害がなかったことを内堀知事を初め全員が回答しています。大規模自然災害への対応のために緊急事態条項は必要ないと思いますが、県の考えを尋ねます。
 消費税増税の中止についてです。
 安倍首相は、消費税10%への引き上げについて、事実と違う世界の経済危機を延期の理由にしていますが、結局8%への消費税増税は家計消費を冷え込ませ、景気を悪化させただけでした。実質賃金5年連続マイナス、国内総生産の6割を占める個人消費も戦後初めて2年連続マイナスになりました。
 消費税増税を行う一方、大企業や大資産家の減税が進められてきました。その結果、大企業の内部留保金は3百兆円を超えるまでになり、貧困と格差を拡大させ、中央と地方の格差も広げてきました。
 日本共産党は、国民の暮らしを悪くし、景気を悪化させる消費税増税ではなく、税金は負担能力に応じた税制改革と国民の所得をふやす経済改革で安定的に税収をふやす道に転換すべきと提案しております。
 具体的には、税金の集め方については、力のある大企業や富裕層に応分の負担を求め、大企業優遇税制の見直しで約4兆円、法人税率を安倍政権以前の水準に戻すことで約2兆円、所得・住民・相続税の最高税率をもとに戻すことで約1.8兆円の財源を確保できることを提案しています。また、タックスへイブンでの税逃れは公表されているだけでも100兆円前後に達していますが、課税逃れにメスを入れることです。
 税金の使い方については、社会保障、若者、子育て支援を優先、社会保険料負担軽減など中小企業を支援し、最低賃金の引き上げなどを提案しています。復興の足かせとなり、復興に影響を与える消費税率10%への増税中止を国に求めるべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
 地域に密着した公共土木工事についてです。
 本県の経済対策、公共事業については、介護、医療、教育支援など県民要望に沿った人への支援、地域循環型で持続可能な方向に転換させることが重要と考えます。
 また、復興需要が落ち込むことを多くの県民が心配しておりますが、小中学校の耐震化や住宅リフォーム支援など、地元業者が元請になれる仕事興しも重要です。
 本県の復興に向け、ふくしま復興再生道路整備は進んでおりますが、歩道の整備や水害対策に有効な河川の土砂撤去、草刈りなど、県民生活の改善に直結する地域に密着した公共土木工事を推進すべきと考えます。
 県は道路や河川の維持管理など地域に密着した公共土木工事にどのように取り組んでいくのか尋ねます。
 原発問題についてです。
 5月18日は議会総務常任委員会で、6月9日は党県議団と科学者、研究者、原発問題住民運動全国連絡センターの皆さんと、二度にわたって福島第一原発を視察してまいりました。
 東電からの説明では、凍土遮水壁工事は終わったが、凍らない部分の対策を講じている、1号機、2号機間の高さ120メートルの排気筒については、共産党県議団はかねてから部材の破断や変形で倒壊の危険性を指摘していましたが、上部の撤去を計画しているとのことでした。
 しかし、排気筒付近はこの日も1,574マイクロシーベルトと高線量のため、工法は検討中、また、原子炉内部の溶け落ちた燃料デブリをどうやって取り出すかは全く見えないという状況に変わりはありませんでした。5年たってもふるさとに帰れない、あるいは永久にふるさとが消えてしまうことをのむしかない方々の無念の中で原発の収束作業は進められています。
 安倍首相は、福島原発事故などなかったかのように全国の原発再稼働と核保有国にまで原発輸出を進めています。熊本地震があっても川内原発をとめない国への批判、南海トラフの危機がより迫っていることへの不安など、原発事故を経験した多くの県民の願いである全国の原発再稼働の中止を国に求めるべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
 全県民が求め、また、帰還への大きな障害になっている福島第二原発の廃炉を早期に実現するよう国及び東京電力に強く求めるべきと思いますが、伺います。
 東電の炉心溶融対応マニュアルについてですが、5年間もその存在を公表しなかったことについて、2月定例議会で我が党の神山議員が県民に対する裏切り行為だとして抗議と情報公開の徹底を求めました。
 東電が設置した第三者検証委員会は、先日の6月16日に、当時の清水社長が炉心溶融という言葉を使うなと指示したとする報告書を東電に提出しましたが、危機管理意識の欠如と隠蔽体質が厳しく問われます。
 まず、東京電力の炉心溶融の公表問題について県が独自に調査すべきと思いますが、考えを尋ねます。
 炉心溶融対応マニュアル問題。4月14日、16日の熊本大地震での川内原発を危ぶむ声、NHKの福島原発事故シリーズでの格納容器が地震の揺れで壊れたのではとの報道、再稼働に当たっての地震動見直し提言、老朽原発の再稼働差しとめ判決と、逆に十分な対策なしでの40年を超える老朽原発を再稼働させることを規制委員会が認めるなど、さまざまな問題が指摘されております。
 福島第一原発の事故について、当初東電は津波の影響による事故と断定した文書で県議会にも報告しましたが、日本共産党県議団は原発の事故の主要因が地震によってなのか津波によってなのか複合的なものなのか原因ははっきりしていないと指摘しました。
 新潟県は独自の技術委員会を立ち上げ、引き続き事故原因の究明を進めています。今後の福島原発の安全対策、廃炉作業はもちろんのこと、全国の原発の安全対策にも重要なものです。
 内堀知事は事故原因の検証について原子力安全規制を担う国の責任で実施されるべきというだけでなく、原発事故そのものについて、東京電力福島第一原発事故について県が独自に検証すべきと思いますが、知事の考えを尋ねます。
 汚染水がほとんど減っていませんが、汚染水の発生状況について県は東京電力からどのような報告を受けているのかお聞きいたします。
 漁業者も強く反対しているトリチウム水の海洋放出を行わないよう国と東京電力に求めるべきですが、県の考えを伺います。
 3・11の際、堤防は津波で破壊され、3カ月後に玉石を積み上げた仮堤防をつくりましたがそのままです。この仮堤防は最も高いところで14..2メートルであり、3・11のとき襲った津波規模に耐え切れないだけでなく、東電自身が2014年に新たに26.3メートルの津波を想定し国に報告しましたが、防潮堤構築は示していません。水密性だけでなく、津波対策として防潮堤を設置するよう国及び東京電力に求めるべきですが、県の考えをお聞きします。
 排気筒の上部撤去や燃料デブリに近づく作業などが開始されることから、原発労働者の被曝低減対策を十分に行うよう国及び東京電力に求めるべきですが、県の考えをお聞きします。
 原発労働者から、伊勢志摩サミットの期間、何の説明もなく休業を求められ補償もないという問い合わせが来ております。説明責任を果たし、原発労働者に対し、伊勢志摩サミットにより作業が休止となった期間の休業補償を行うよう国及び東京電力に求めるべきですが、県の考えをお聞きいたします。
 再生可能エネルギーの推進についてです。
 自民、公明の安倍政権がどんなに原発再稼働を推進しようとしても、3・11の福島原発事故以来、原発再稼働に反対する大きな国民世論は形成されてきました。また、産業界、中小企業、国民、消費者の省エネや再生可能エネルギー推進の努力が行われ、再稼働なしでも余裕を持って夏のピークを乗り越えてきました。
 原発は、中国、インド、ベトナムなどアジア諸国を中心に建設計画が話題になっていますが、世界的には停滞、減少です。流れは既に再生可能エネルギーに移っています。2000年と2013年との比では、風力では中国は261倍、アメリカは23倍、日本は19倍で、太陽光はドイツが470倍、イタリアは930倍、日本は41倍です。
 福島県は、2040年には県内で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで賄うとする野心的エネルギー計画を推進しています。県は県民参加型の再生可能エネルギー推進、大規模開発による災害防止の立場から、森林法や河川法による審査だけでなく、独自の規制措置で災害の危険性を排除し、安全で多くの県民が参加できる再生可能エネルギーの事業化を推進すべきですが、県の考えを伺います。
 被災者の生活再建支援についてです。
 4月14日から連続的に起きた熊本地震は、住宅対策支援が大きな課題になっています。東日本大震災では、住宅再建が困難な状況から、各自治体が独自の支援を行っているところもあります。被災者生活再建支援金を3百万円から5百万円への引き上げと支給対象を一部損壊にも拡大することが求められています。被災者生活再建支援金の限度額の引き上げと支援対象の拡大を国に求めるべきですが、県の考えをお聞きいたします。
 被災市町村の職員の確保についてです。
 熊本地震については、職員派遣を初め本県のノウハウを大いに発揮し、支援に力を尽くすことが求められています。一方、本県の復興を加速するために被災市町村の職員確保が課題になっています。熊本地震など大きな災害が発生している中で、県は被災市町村の職員の確保に向けどのように支援しているのか尋ねます。
 避難指示の解除と被災者支援等についてです。
 避難指示の解除についてですが、昨年6月の福島復興指針の改定により、帰還困難区域を除く避難指示の解除が国主導で進められています。この間、各地で実施された住民説明会では、除染やインフラ整備が不十分、住宅解体除染も進まないという声も多く、避難指示解除は時期尚早との意見も多数を占める状況にあります。避難指示の解除に当たっては住民の理解と納得が必要と思いますが、お聞きします。
 さらに、避難指示解除に当たり避難市町村の生活環境の整備をどのように支援していくのか、県の考えを尋ねます。
 住宅支援についてですが、県は応急仮設住宅について、帰還困難区域及び津波被災地の特定延長を除き来年3月末で提供を終了するとしています。しかし、一律に応急仮設住宅からの退去、帰還を迫ることは無理であることは明らかです。
 県は原発事故による避難生活を想定していない災害救助法による応急仮設住宅の提供はこれ以上困難としていますが、原発事故の異質の危険性を酌み取った対応が求められます。避難区域以外からの自主避難者への住宅無償提供を来年3月で打ち切る県の方針に対し、5月30日は原発事故被害者団体連絡会及び訴訟原告団が県に対し、また、全国各地で「打ち切りやめて」の声が広がっています。
 私ども共産党県議団は、この間、郡山の川内村仮設住宅やいわき市の広野町仮設住宅の皆さん、富岡町、飯館村、南相馬市の各首長さんとの懇談を進めてきました。避難者の皆さんの要望は実にさまざまで、5年の時間の経過を改めて思い知らされました。皆さんは「原発事故で何もかもなくして避難した。せめて帰るときぐらいは自分の意思で帰りたい。」と言います。
 県は1月にアンケートを行い、今約1世帯の戸別訪問を実施中とのことですが、県は戸別訪問を実施する中で避難者から出されているさまざまな声をどのように受けとめているのかお聞きします。
 また、帰還を希望する避難者への移転費用について補助を増額するとともに、移転先にかかわらず補助すべきと思いますが、県の考えを伺います。
 双葉郡等の医療体制についてですが、帰還困難区域内で死亡事故を含め重大な交通事故が相次いで発生しています。避難地域内の救急医療に対応できる二次救急医療機関を早期に整備すべきですが、県の考えを尋ねます。
 看護職員を確保するため給与や勤務環境の改善が必要と思いますが、県の考えをお聞きします。
 看護職員を確保するため国に財政支援を求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。
 原発事故により双葉郡の多くの医療機関が休業を余儀なくされている中、双葉地方では高野病院が唯一の入院機能を持つ医療機関として地域の医療を支えています。双葉地方で唯一入院機能を有する病院について一般病床を増床し、入院に対応できるようにすべきと思いますが、県の考えをお聞きいたします。
 人工透析患者の皆さんが深刻な事態になっています。相馬の病院に患者が集中し、新患者の受け入れができなくなっています。帰還促進のためには、避難地域に人工透析を実施する医療機関の確保が必要と思いますが、県の考えをお聞きします。
 日本一子育てしやすい県、子供の貧困対策についてです。
 政府発表の子供の貧困率は16.3%で、年々増加しています。1996年の労働者派遣法改悪によって非正規雇用がふえ続け、さらにアベノミクスによって格差が拡大し、大きな社会問題になっています。虫歯の治療をしてもらえない、夏休み中に体重が10キロも減った、修学旅行に行くお金がないなど厳しい報告もあります。
 総務省統計局就業構造基本調査によれば、2007年と2012年との比では年収4百万円未満の各所得階級の割合が上昇し、特に貧困状態の年収百万円未満が16.5%で0.8ポイント上昇、百万円から2百万円が18.9%で0.6ポイント上昇しています。その中でも特に女性は百万円未満が全体の28.6%となっています。福島県の場合は、2百万円以下の収入で働く人の割合が全国平均よりも4.7ポイントも高くなっており、暮らしの厳しさが思われます。
 子供の貧困が大きな社会問題になり、その根絶を求める関係者の運動や国民世論によって対策法ができたのは大変重要です。子どもの貧困対策の推進に関する法律は、具体的数値目標がないなどの問題はありますが、各県が法律に基づいて計画をつくることが目標とされました。
 貧困対策の具体的処方箋は、低所得の家庭の子供の食の保障、学習権、進学権の保障に加え、経済的保障と労働条件の保障も必要と考えます。本県は、子ども夢プランの中で子供の貧困対策を盛り込んでいるといいますが、今後一年くらいをめどに貧困の状況等を調査するとしています。子供の貧困の調査について、基本的な考え方をお聞きいたします。
 どういう対策をいつまでにとるのか、子供の貧困対策に関する数値目標が必要と思いますが、県の考えをお聞きいたします。
 この間、県内でも学校給食無料化の取り組みが進んでいます。川俣町では、この4月から小学校、中学校の学校給食費の半額補助をスタートさせました。これで何らかの支援を行っている町村は10自治体になりました。本来、県の制度として取り組むべきと思いますが、公立小中学校の給食費の無料化等に取り組む市町村を支援すべきと思いますが、県教育委員会の考えをお聞きいたします。
 農業問題についてです。
 TPPからの撤退についてですが、安倍首相はさきの国会でTPPの国会承認を最優先課題といたしました。しかし、出された資料は全ページ黒塗りでした。野党の追及で、農産品重要五品目に関税の撤廃、削減が対象から外れた無傷のものが存在しないことや7年後に再協議が盛り込まれていることなどが明らかにされ、今度の国会でも承認できませんでした。
 この間、独自に影響を試算した5県を見ると、米だけでも青森23億円など、各県の独自試算は政府の楽観的過ぎる見通しと異なり、TPPの影響の深刻さを示しています。本県の試算とは大きな違いで、原発の影響も受け続けている福島県の農業への影響が心配されます。
 明確な国会決議違反、国会審議でも大部分の内容が開示されていないなどの情報隠しが明らかになりました。食料主権、経済主権を多国籍企業に売り渡し、県内農業を初め地域経済に重大な影響を及ぼすTPPについて、改めて撤退を国に求めるべきですが、県の考えを伺います。
 会津地方と中通りで4月に発生した凍霜害について、芽が壊死する被害が発生し、会津身不知柿の被害が年間出荷額の約4割、1億円超え、中通りのリンゴや梨などの被害を合わせ、全県で2億円超えの被害となっています。今後の樹勢の維持に必要な農薬や肥料代など、農家負担を極力軽減する支援策が必要です。本年4月の凍霜害により被害を受けた農業者への支援について尋ねます。
 風評解消には、引き続きの検査体制の維持が欠かせません。国は、これらの予算を切り下げるようなことがあってはなりません。米など農産物の検査体制の支援を継続するよう国に求めるべきですが、県の考えをお聞きします。
 最後に、イノシシ・熊対策についてですが、イノシシの管理計画では、5年間で10分の1にして安定生息数にする計画です。昨年度のイノシシの捕獲実績について尋ねます。
 原発事故を受けた本県では、避難区域を中心に人を恐れない異質のイノシシが出現していることから、イノシシの被害対策について予算の増額を国に求めるべきと思いますが、県の考えをお聞きいたします。
 人里に出没する熊による被害について対策を強化すべきと思いますが、県の考えをお聞きいたします。
 以上で終わります


議長(杉山純一君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)宮川議員の御質問にお答えいたします。


 安倍政権に対する認識についてであります。
 我が国における今日の平和と繁栄は、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重というつの基本原則を掲げた日本国憲法が国民の精神的支柱となり、平和を希求する国家として国際社会から信任を得たこと、さらには、豊かで住みよい社会の実現を願う国民のたゆまぬ努力によって築かれてきたものと認識しております。安倍政権におきましては、こうした経緯を踏まえつつ、各種政策について国民の理解が深まるよう、しっかりと取り組むべきであると考えております。
 次に、原発事故の検証につきましては、政府及び国会の事故調査委員会が行い、継続して検証が必要とされた事項等については原子力規制委員会が調査を進めるとされており、原子力安全規制を一元的に担っている国の責任において確実に調査を進め、その結果について丁寧に情報提供すべきであると考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。

総務部長(長谷川哲也君)お答えいたします。


 消費税率10%への増税につきましては、経済情勢等を踏まえ、2年6カ月延期することが表明されたところであり、国において被災地の状況等にも配慮の上、判断されるものと考えております。
 次に、被災市町村の職員の確保につきましては、土木、保健師などの県の一般職員や任期付職員を市町村に派遣しているほか、被災3県合同での全国都道府県への職員派遣の要請、市町村職員採用試験合同説明会の開催などによる支援に取り組んでおります。
 今年度はこれらの取り組みに加え、新たに政令指定都市への職員派遣の要請を実施するなど、引き続き被災市町村の復興再生に必要な職員の確保に取り組んでまいります。


危機管理部長(樵 隆男君)お答えいたします。


 大規模自然災害への対応につきましては、災害対策基本法に土地、建物の一時使用や障害物の除去、道路上の自動車の移動などを可能とする規定があることから、緊急の措置を要する場合についても対応が可能であると考えております。
 次に、炉心溶融の公表につきましては、今月17日に東京電力の第三者検証委員会の検証結果について東京電力から説明を受け、今後の対策を速やかに示すよう求め、昨日、東京電力としての対応策について報告を受けたところであります。
 その際、炉心溶融という重大な情報を隠蔽していたことについて極めて遺憾である旨を改めて伝えるとともに、隠蔽体質を脱却し、廃炉に向けて全力で取り組むよう求めたところであり、東京電力が示した対策について、今後廃炉安全監視協議会においてしっかりと確認してまいります。
 次に、汚染水の発生状況につきましては、これまでサブドレンの運用等により建屋への地下水の流入量は減少しておりますが、海側遮水壁を閉合したことにより上昇した護岸の地下水のうち汚染度の高い地下水を建屋へ移送しているため、発生している汚染水の量はおおむね1日4百トン前後で推移しているとの説明を受けております。
 次に、トリチウム水につきましては、福島第一原発の廃炉に向けた中長期ロードマップにおいて、ことし9月までに長期的な取り扱い方法の決定に向けた検討を開始するとされております。
 県といたしましては、環境や風評に大きな影響を与えかねない問題であることから、トリチウム水の取り扱いについては、県民の理解を得ながら社会的な影響も含めて慎重に議論するよう、引き続き国及び東京電力に求めてまいります。
 次に、津波対策につきましては、東京電力において、東日本大震災と同程度の津波への対策として、仮設防潮堤の設置や建屋の開口部の閉鎖、扉の浸水対策などが進められており、県といたしましては、新規制基準に準じて想定されるさらに大きな津波に対しても燃料デブリや使用済み燃料の冷却などの安全機能が確保されるよう、国及び東京電力に対して求めているところであります。
 次に、被曝低減対策につきましては、今後線量が高い原子炉建屋等での作業が本格化することから、原発労働者が長期にわたり安全に安心して働くことができるよう、被曝低減対策や被曝線量の適切な管理の徹底を県の労働者安全衛生対策部会等において、国及び東京電力に対し引き続き求めてまいる考えであります。
 次に、伊勢志摩サミットによる原発労働者への休業補償につきましては、今月開催した労働者安全衛生対策部会において、東京電力から全国的な警戒態勢に合わせ、異状が発生した際に速やかに対応できるよう作業を休止することとし、ことし3月には元請企業に対し工事調整の依頼を行っていたとの報告を受けたところであり、県といたしましては、賃金の支払いなども含め、原発労働者の不利益とならないよう国及び東京電力に対し求めたところであります。
 次に、被災者生活再建支援金につきましては、これまでも国に対し支援額の増額や全壊及び大規模半壊に加えて半壊にも対象を拡大するよう要望してきたところであり、今後とも被災者の住宅再建が図られるよう求めてまいる考えであります。


企画調整部長(伊藤泰夫君)お答えいたします。


 全国の原発再稼働につきましては、東京電力福島第一原発事故の影響により、いまだ多くの県民が避難を続けている本県の厳しい現状と教訓を踏まえ、何よりも住民の安全・安心の確保を最優先に、国及び事業者の責任において検討されるべきものと考えております。
 次に、東京電力福島第二原発の廃炉につきましては、国及び東京電力に対し、これまでも繰り返し求めてきており、今月9日に実施しました要望活動において、国の責任において廃炉を決定することを知事から官房長官や経済産業省に対し直接要請を行ったところであります。
 引き続き、県民の強い思いである県内原発の全基廃炉の実現に向け、あらゆる機会を捉えて求めてまいる考えであります。
 次に、県民参加型の再生可能エネルギーの導入推進につきましては、地域が主役となった事業を推し進め、地域経済の活性化につなげる観点から重要であり、これまで再生可能エネルギー産業を担う人材の育成、県や県民が出資する地域エネルギー会社の設立、県内企業等を優先した事業化支援などに取り組んできたところであります。
 今後とも県民や県内事業者が参入しやすい環境を整備しながら、地域主導の再生可能エネルギーの推進に取り組んでまいる考えであります。
 次に、TPPにつきましては、ことし2月、知事を本部長とするTPP協定対策本部会議において農林水産業における対策を打ち出すとともに、6月上旬に国に対して具体的な説明及び万全の対応を求める要望を行ったところであります。
 引き続き、具体的な影響、効果について十分かつ丁寧な説明を求めるとともに、国が秋ごろを目途に策定する予定の具体的な政策等において万全の対策を講じるよう国に強く求めてまいる考えであります。


生活環境部長(尾形淳一君)お答えいたします。


 昨年度のイノシシの捕獲実績につきましては、有害捕獲、狩猟捕獲に加え、年度後半から県による直接捕獲を実施した結果、全体の捕獲数は一昨年度より2千頭多い約1万5千頭を見込んでおります。
 今年度は、管理計画の捕獲目標である年間1万7千頭から1万8千頭を達成するため、年度当初から県の直接捕獲を実施しているところであり、引き続き市町村や猟友会等と連携し、さらに捕獲数を上積みできるようしっかりと取り組んでまいります。
 次に、イノシシ被害対策につきましては、県による直接捕獲を確実に実施するため、今年度は予算を増額し、取り組みを進めており、先日の国への提案・要望においても、直接捕獲事業を初めとした総合的な対策がしっかりと講じられるよう必要な予算の確保について強く求めたところであります。
 次に、人里に出没する熊への対策につきましては、福島市の市街地で目撃されたほか、会津若松市では山林で作業中の方が被害に遭われたことから、警察や市町村等と連携して情報の共有とさらなる注意喚起に取り組むとともに、専門家の助言を受けて、熊が人の生活圏に近づかないための予防策として、山から生活圏への侵入ルートと想定される河川敷等のやぶの刈り払いを緊急に実施するなど対策を強化してまいります。


保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。


 避難地域における二次救急医療機関の整備につきましては、双葉郡等避難地域の医療等提供体制検討会において、地元町村、国、関係機関とともに避難地域で先行すべき二次救急医療機関の機能などについて議論を重ねているところであり、一刻も早い避難地域の二次救急医療体制の構築に向け、取り組みを進めてまいります。
 次に、看護職員の給与や勤務環境の改善につきましては、原子力災害の影響が大きく、人材確保が特に困難な地域の病院を対象に、看護職員への一時金支給などに要する経費を補助するほか、県内の病院内保育所の運営に要する経費への補助など、勤務環境改善のための事業にも取り組んでいるところであり、引き続き看護職員の処遇の改善に努めてまいる考えであります。
 次に、看護職員を確保するための財政支援につきましては、今月九日、知事を先頭に国に対して地域医療再生臨時特例交付金にかわる新たな財政支援制度の創設等を要望したところであり、引き続き国に対して予算の確保等を求めてまいる考えであります。
 次に、双葉地方の病院の増床につきましては、現在、双葉郡等避難地域の医療等提供体制検討会において、地元町村、国、関係機関との連携のもと、医療提供体制の再構築に向けた今後の方向性について検討しているところであり、必要とされる医療機能について議論を深めてまいります。
 次に、人工透析を実施する医療機関の確保につきましては、これまで浜通り地方の医療機関に対し人工透析機器の更新を支援してきたところであります。
 今後は、これから本格化する避難指示の解除に伴い、避難地域で透析医療の再開を希望する医療機関に対し人工透析機器の整備等を支援していくことにより、避難地域における透析医療提供体制の確保に努めてまいる考えであります。

農林水産部長(小野和彦君)お答えいたします。


 本年4月の凍霜害により被害を受けた農業者への支援につきましては、農業者が生産意欲を損なうことなく安心して今後の栽培に取り組めるよう、5月27日には柿、日本梨、リンゴを対象とした農薬等の費用に対する支援事業の実施について通知したほか、金融機関を通じた低利の資金貸し付けの取り扱いを5月31日から開始したところです。
 また、今年度の収穫量の確保と来年度以降の安定生産に向けたきめ細かな技術指導に努めているところです。
 次に、米など農産物の検査体制の支援継続につきましては、今月九日に実施した知事による国への提案・要望活動の中で、風評の影響がなくなるまで継続的な取り組みが実施できるよう、必要な予算の確保について強く求めてきたところであります。

土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。


 地域に密着した公共土木工事につきましては、住民の安全を守る歩道の整備や道路舗装の維持管理、水害を防ぐための河川護岸の修繕などに取り組んでいるところであり、引き続き身近な道路や河川等の改善を望む県民からの要望に丁寧に対応するとともに、必要な予算の確保に努めながら着実に進めてまいります。


避難地域復興局長(成田良洋君)お答えいたします。



 避難指示の解除につきましては、県、市町村、住民との十分な協議等を踏まえ、国が判断することとしております。
 県といたしましては、今後も住民説明会等を通して住民の理解が進むよう協議が行われるものと考えております。
 次に、避難市町村の生活環境の整備につきましては、目常生活に必要なインフラ整備はもとより、医療や商業機能など暮らしに密接なサービスの復旧が重要であることから、国が取り組むべき事項がしっかり実施されるよう求めるとともに、市町村が取り組む復興拠点の整備等を支援してまいります。
 次に、戸別訪問につきましては、「直接話を聞くことができてよかった」など好意的なお話をいただいている一方、子供の就学や転居、健康面での不安なども寄せられております。
 このような声をしっかりと受けとめ、一人一人の事情に寄り添いながら、避難者の生活再建や帰還に向け、今後とも避難先自治体等と連携し、きめ細かな対応を図ってまいります。
 次に、移転費用の補助につきましては、市場価格を参考に一定割合を補填する趣旨で補助額を設定しております。
 また、避難世帯の帰還を後押しするために、県内避難世帯については避難元市町村への移転を補助対象としたものであり、制度の見直しは困難であると考えております。


こども未来局長(須藤浩光君)お答えいたします。


 子供の貧困の調査につきましては、今後の施策を検討するために、ひとり親世帯や生活保護世帯の子供たちの生活上の困難について調査するとともに、市町村や民間団体の貧困対策の状況を把握し、その結果について分析を行ってまいります。
 次に、子供の貧困対策に関する数値目標につきましては、本年3月に改定いたしました「ふくしま新生子ども夢プラン」におきまして、生活保護世帯に属する子供の大学等進学率や児童養護施設の子供の進学率及び就職率、児童扶養手当受給者数など、現状をあらわす指標を掲げているところです。


教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。


 公立小中学校における給食費につきましては、学校給食法により保護者が負担することとされており、そのあり方については、学校の設置者である市町村が判断すべきものであります。
 また、いわゆる要保護・準要保護及び被災児童生徒に対しては、保護者が負担する給食費への支援が行われていることから、県教育委員会による支援については困難であると考えております。


26番(宮川えみ子君)再質問させていただきます。


 まず、企画調整部長に、全国の原発再稼働中止を国に求めることについてです。
 2012年当時の民主党政権は、原発の運転期間は40年と決めました。ほとんどの原子炉は非常に高いエネルギーの中性子の照射によって劣化が起こる、心臓部に当たる圧力容器がもろく壊れやすくなるという避けがたい物理の法則ということに基づいたものです。
 しかし、自民党、公明党の安倍政権は2030年までに原発の電気を最大22%までにするというエネルギー基本計画を決め、古い原発の再稼働を次々に進めようとしています。関西電力で運転開始から40年を超える高浜原発1、2号機は、今後20年間延長を規制委員会が認めました。耐震試験なしというずさんな対応で、再稼働ありきです。
 一方、地震学者である原子力規制委員会の委員長代理を務めた島崎邦彦氏が、熊本地震で精度の高いデータが得られて地震の揺れの見直しを求めています。このような状況からも、今こそ福島県から再稼働中止を求めるときではないでしょうか。再度お聞きします。
 同じく企画調整部長に再質問いたします。
 福島第二原発廃炉についてですが、6月2日に行われた公害総行動の中で、「エネルギー計画の原子力依存度は東電福島第二原発も再稼働させないと達成できないのではないか。」とただしたことに対し、電気事業者連合会原子力部副部長浜田誠一氏は「再稼働は計算に入っている。」と答えました。このようなことがまかり通っていいのでしょうか。第二原発廃炉について再度お聞きします。
 危機管理部長に再質問いたします。東電の炉心溶融の公表問題についてです。
 新潟県の技術検証委員会に参加している新潟大学の立石名誉教授は、「社長の関与はなかったと説明を受けていた。東電の姿勢が改めて問われる。東電が原子力を扱うに足る資格があるのか。」と述べております。
 そもそもこの第三者委員会は東電が決めたメンバーで、東京都知事だった舛添氏の問題を担当した弁護士も入っていましたが、同時進行の片手間の検証かと、こういう声が県民や首長の中から上がっております。これで幕引きにすべきではありません。新潟発でなく、県自身が県民の声に答える質問を行うべきと思いますが、再度、検証をするよう伺います。
 それから、知事に再質問いたします。原子力事故を独自で検証することについてです。
 5年が過ぎました。今申し上げましたようなさまざまな問題が出てきております。今後数十年にわたり続く原発事故の安全な収束作業とかかわっていくことになります。避難している県民に思いを寄せ、県民に納得いく説明責任、安心・安全を提供していく責任があると思います。
 原発事故の検証について、東電、国任せではだめだということは、これらの今申し上げたことからもはっきりしたのではないのでしょうか。原発事故を受けた本県みずからやらなければならない責務があると思います。原発事故について、県が独自に検証すべきではないかと思いますが、再度伺います。


知事(内堀雅雄君)宮川議員の再質問にお答えいたします。


 原発事故の検証につきましては、原子力安全規制を一元的に担う国の責任において行うべきものと考えております。
 県といたしましては、これまでも廃炉安全監視協議会、楢葉駐在職員による現地確認など県独自の取り組みを進めるとともに、あわせて、国の廃炉汚染水対策福島評議会現地調整会議、こういったものに県自身も参加するなど、日々、東京電力、そして福島第一原発事故と向き合ってまいりました。今後ともなすべきことをなし、申し上げるべきことを申し上げてまいります。


危機管理部長(樵 隆男君)再質問にお答えいたします。


 昨日、東京電力から東京電力の反省と誓い、それから対策の二つの説明を受けたところであります。
 今後県といたしましては、廃炉安全監視協議会の場で構成の市町村などとともに東京電力の対応を確認してまいりたいと考えております。


企画調整部長(伊藤泰夫君)再質問にお答えいたします。


 全国の原発再稼働につきましては、第一原発の事故の現状と教訓を踏まえ、何よりも住民の安全・安心の確保を最優先に、国及び事業者の責任においてしっかりと検討されるべきものと考えております。
 福島県といたしましては、本県の原子力に依存しない社会の実現とその発信にしっかりと取り組んでまいる考えであります。
 次に、東京電力福島第二原発の廃炉につきましては、引き続き県民の強い思いである県内原発の全基廃炉の実現に向け、あらゆる機会を捉えて引き続き強く求めてまいる考えであります。


26番(宮川えみ子君)再々質問をさせていただきます。


 知事に、原発の県独自の検証についてでございます。
 新潟県のほうの検証委員会は22回になっております。今回の炉心溶融の問題に関しても、この新潟の検証委員会からの問題で明らかになってきたわけです。そして、もともと被害を受けたこの福島県の原発問題に関してなのです。いろいろな意図があるとは言われておりますが、こういうような状況を見て県が独自に動くということが県民の安心・安全と信頼に値するような問題ではないかなと私は思います。
 ですから、やり方とか限界とかいろいろあると思うのですが、ぜひ知事がこの福島県の事故の検証について独自でやるというふうなことについてもう一度お聞きしたいと思います。
 それから、避難地域復興局長にお聞きいたします。
 避難区域以外での住宅の支援問題についてですが、聞き取りの中ではさまざまな声が上がっているというふうなことを言われました。県がさきに行った意向調査でも7割の人が家が決まらないといいます。自主避難といっても勝手に好き好んで避難したわけではないし、放射能とはそういうものだと思うのです。時間をかけた寄り添った支援が求められると思いますが、いかがでしょうか。もう一度お聞きします。
 それから、引っ越し費用の問題です。同じく局長ですが、5年たつと荷物もふえて大変と。県内5万、県外10万と。高齢者の方が多いのですけれども、増額すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 また、子供と妊婦のいる世帯は出ますけれども、例えば郡山の仮設から同じ郡山にいる息子のところに引っ越しするというと費用は出ないわけです。ですから、そういう面においては差をつけるべきではないと思いますが、引っ越し費用に差をつけないで支給すべきと思いますけれども、再度答弁をお願いします。
 それから、保健福祉部長にお聞きします。
 双葉郡等の医療体制、看護職員確保の問題についてですが、本当に深刻です。復興が進んでないどころか、ますます深刻です。五十歳以下の看護師が減っております。放射能の影響が心配で戻ってこないわけです。これはもうお認めになっていらっしゃいます。県も給与そのものの引き上げとかこういうことを考えていかないと獲得できないのではないかと思うのです。国の支援は当然ですけれども、県独自も考えるべきだと思うのですが、もう一度答弁をお願いします。
 それから、こども未来局長ですが、子供の貧困対策の問題なのですけれども、基本的な考えとか数値目標の話がありました。私はいつも疑問というか、不審に思っているのは、例えば子供がいるのに県営住宅からの退去を求める裁判がこの議場の中で提起されるというような議案が上がってくるわけです。何で横のつながりの中でそういう問題を解決できないのかといつも思うわけです。
 それで質問なのですが、各部局の連携について、どういうふうにして子供の貧困対策に取り組むのか、そのことについて再々質問、お願いいたします。


議長(杉山純一君)質問者に申し上げます。最後の質問に関しては、要旨に沿った質問ではありませんので、執行部の答弁は必要ないと思います。


知事(内堀雅雄君)宮川議員の再質問にお答えいたします。


 先ほど御答弁をいたしましたとおり、国は国の責任においてなすべきことをなす、また、県は県として県民の安全・安心確保のために引き続きしっかりとした対応を進めてまいります。


保健福祉部長(井出孝利君)再質問にお答えいたします。


 看護職員の給与や勤務環境の改善ということで、避難地域では特に状況が大変であると、県の独自の支援が必要ではないかというおただしにつきましては、この地域においての看護職員が確かに非常に充足が困難であるということを踏まえまして、国に対しまして個々の特別な支援を要請し、制度を立ち上げております。この制度を活用して看護職員の確保に引き続き努めてまいります。


避難地域復興局長(成田良洋君)再質問にお答えいたします。


 住宅支援についてでございます。今戸別訪問を実施しておりまして、5月16日から来月の1日までということで、1回目の訪問ということで回らせていただいております。
 その中で住宅の確保に関する御心配などもお受けしているところでありまして、それについては、県の新たな支援策の御紹介ですとか、いろんな関係の情報を提供しながら相談、対応に当たっているところでございます。
 1回の訪問で解決しない世帯については、継続して2度3度とお回りしながら、一人一人に寄り添った対応をしてまいりたいと考えております。
 続きまして、引っ越しの補助でございますけれども、県の事業名としては福島県ふるさと住宅移転補助制度でございます。昨年の12月から受け付けを開始しているものでありまして、先ほど答弁いたしましたように、帰還を選択された方の負担の軽減のために、その背中を押すための制度として設けたものでございますので、今の制度で継続させていただきたいというふうに考えております。


議長(杉山純一君)これをもって、宮川えみ子君の質問を終わります。

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