ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 2016年6月定例会 一般質問 紺野長人議員

2016年6月定例会 一般質問 紺野長人議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年9月21日更新

紺野長人議員

議員

紺野長人議員

所属会派
(質問日現在)

民進党・県民連合

定例会平成28年6月
質問等一般質問
質問日

6月29日(水曜日)

24番(紺野長人君)民進党・県民連合の紺野長人でございます。通告により一般質問を行います。


 最初に、知事に県の中長期的な財政運営についてお尋ねします。
 さて、税制の枠組み変更や県内景気の動向、消費増税の延期といった税収の先行きが不透明な中にあって、県民への行政サービスを持続可能なものとするためには、県の財政を中長期的に確立することが重要です。そうした視点で2016年度当初予算を見ると、震災、原発事故からの復興関連予算が55%を占める一方で、通常予算は震災、原発事故前の2011年度当初予算ベースで564億円も減少しています。
 一方、日本経済はアベノミクスによって国家予算の3年分を上回る大量の資金を市場に投入していますが、勤労者の実質賃金や年金生活者の可処分所得の引き下げ、さらには貧弱な福祉政策による老後不安によって個人消費は伸びず、デフレ経済からの脱却はほど遠い状況となっています。
 また、県内経済は復興需要の減少とともに縮小し、県税収入も中長期的には厳しい環境にあると想定しておかなければなりません。さらに、アベノミクスの失敗による消費増税の見送りによって2017年度以降の歳入見通しは崩れ、県の財政運営は見直しを迫られることになります。
 そうした中で、限られた財源をどのような方針のもとに活用し、県民の生活と福祉の向上を図っていくのかは県政の重要な課題となっています。
 そこで、中長期的な財政運営をどのように行っていくのか、知事の考えをお示しください。
 次に、仮置き場の適正管理について質問します。
 県内の住宅等の除染は市町村の努力などにより着実に進行していますが、一方では、除染による除去土壌などの放射性廃棄物は市町村が管理する仮置き場に運ばれ、中間貯蔵施設への搬出を待っている状況です。
 また、一部の市町村では側溝や道路の除染廃棄物はそれぞれの地域で保管することとしているため、住宅地などでは仮置き場を設置できず苦慮しています。そのため、側溝は堆積物で埋まり、多少の雨でも泥水があふれ、放射性物質を再拡散するという最悪の状況を招いています。
 また、仮置き場の除去土壌などの保管も中間貯蔵施設の用地買収の関係から相当長期化するものと思われます。したがって、住民の不安解消や新たな仮置き場の設置のためには、仮置き場が適正に管理され、安全であることが何よりも重要です。
 そこで、県は市町村除染における仮置き場の適正管理にどのように取り組んでいるのかお示しください。
 次に、地域における医療と介護の総合的な確保を推進するため、関係する法律を整備する目的で制定された、いわゆる医療介護総合確保推進法についてお尋ねします。
 さて、麻生副総理は高齢者が老後を心配することを「わけがわからない。」と言い、さらに、「いつまで生きているつもりだ。」と語ったそうですが、この発言は人間の尊厳を傷つけ、憲法が規定する生存権を否定するだけでなく、医療や介護の厳しい現場で仕事への誇りを頼りに必死に頑張っている人たちの努力を踏みにじるものと言わざるを得ません。
 このような人格者を財務大臣に据える内閣が成立させただけあって、医療介護総合確保推進法は医療や介護における公的責任を切り捨て、個人や家庭に押しつける内容となっています。そうはいっても法律は法律であり、地方自治体はその枠組みの中で最大限に住民の福祉を向上させるための仕組みをつくらなければなりません。
 そこで、県は各地域において医療から介護までの一連のサービス提供体制を総合的に確保していくため、市町村とどのように連携していくのかお示しください。
 次に、医療介護総合確保推進法に取り組むに当たり、消費増税の見送りの影響についてですが、国は推進法で、消費増税分を活用した基金を各都道府県に設置し、病床の機能分化と連携、在宅医療の推進、医療従事者の確保などを進めていくとしています。
 今後はこの基金を活用し、介護部門では市町村が取り組む施設整備と介護従事者の確保を推進し、また、医療部門では都道府県の責任で地域医療構想を推進することになります。
 そうした中で、安倍内閣は2017年4月の消費増税を見送ることを既に決定しており、推進法に取り組むに当たっての財源確保が不透明な状況となっています。
 また、この基金は国が3分の2、残り3分の1を都道府県が負担することとしており、県は拠出割合の実質的な変更などによる新たな財政負担も想定しておく必要があります。
 いずれにせよ、アベノミクスの失敗はこのようなところにまで混乱を招いていますが、既に地域包括ケアシステムはスタートしており、消費増税の見送りを理由に後戻りできる状況にはありません。
 そこで、医療と介護の総合的な確保を推進するに当たり、財源となる消費税増税が見送られる影響についてお示しください。
 次に、医療介護総合確保推進法の施行により策定される地域医療構想についてお尋ねします。
 地域医療構想では、2025年の二次医療圏ごとの人口などを推計し、各構想区域の病床数を調整するとしています。
 昨年度県が開催した地域医療構想調整会議において、国の方針に基づいて示された県内の病床数は1万5,397床で、現在の2万386床からは約5千床を削減しなければならないことになります。
 また、機能ごとに分けられている病床を現在の一般病床と療養病床の2つの区分から、高度急性期から慢性期まで4区分にするとしています。
 しかし、病床数の削減は看護師や医療従事者の配置を大幅に見直すことになり、さらに、病床の機能区分は看護基準との関係などから看護師の雇用問題に発展する可能性を含んでいます。
 また、地域医療構想による病床数の削減は民間病院も対象としていますが、民間病院や公的病院の病床数削減を強制する法的根拠は見当たらず、半ば強制的に公立病院を廃止や統合へと追いやることは十分に考えられます。
 さらに、総務省が新たに示した公立病院改革ガイドラインによると、地域医療構想と各公立病院などが策定する改革プランの間に食い違いがある場合はプランの修正を要請するとしています。
 加えて、総務省はこれまで公立病院の許可病床数に応じて地方交付税を措置してきたものを今後は稼働病床数に応じて交付税を算出するとしており、財政面からも公立病院を機能縮小や統廃合に追い込もうとしています。
 現在、県内にある公立病院は採算性などから民間病院が担うことのできない医療を地域で支えているのが現状です。したがって、何よりも各地域における医療を守る立場で各医療圏の病床数のあり方は慎重に検討する必要があります。
 そこで、地域医療構想の策定に当たっては、医療機関や関係団体等の意見を十分に反映すべきと思いますが、県の考えをお示しください。
 次に、南会津医療圏の充実についてお尋ねします。
 先ごろ医療圏ごとに開催された地域医療構想調整会議では、会津医療圏と南会津医療圏は二つの構想区域を一つの区域に統合、一つの会議として開催されたと聞いていますが、これは二つの構想区域を一つに統合することも含まれているのではないかというふうに懸念されます。そうすれば、医療供給体制が会津医療圏に偏ってしまうことが懸念されます。
 確かに南会津医療圏の現状を見ると、圏域内での入院は3割程度で、7割の住民は会津若松市を中心に他の区域への入院を余儀なくされており、会津医療圏と南会津医療圏の連携は必要不可欠です。しかし、南会津医療圏は神奈川県や佐賀県とほぼ同じ面積を有しており、県の役割は現状を追認することではなく、住む地域によって命の重さにまで格差をつけることになる医療の格差を少しでも解消することです。
 そこで、県は南会津医療圏における医療提供体制の充実に向け、地域医療構想の策定にどのように取り組んでいるのかお示しください。
 次に、地域医療構想における相双医療圏、いわゆる相双構想区域の病床数のあり方についてただしたいと思います。
 地域医療構想調整会議で国の基準により示された相双医療圏の病床数は725床と、震災、原発事故前の人口などをもとに算出した1,149床に比べ約4割も少なくなっています。要するに国は、相双地域の2025年の人口を原発事故を背景に四割も減少すると見ているということになります。
 相双地域は、原発事故から5年を経過した現在も多くの住民が避難を余儀なくされ、ふるさとで暮らしたいという思いを断ち切れず、さまざまな葛藤の中で避難生活を送っています。そして、そうした避難者の思いを受けとめながら、相双地域の復興のために今現在も多くの方々が大変な努力を積み重ねています。
 本来であれば、国はこうした思いや努力を踏みにじるのではなく、原発を推進してきたみずからの責任において、一人でも多くの避難者が帰還できるよう相双地域の医療の充実に真剣に取り組むべきです。
 相双構想区域の病床数の問題は、相双地域の将来がどうあるべきかという福島県の最重要課題と直結しており、ふるさとへの帰還を否定するような大幅な病床数の削減は到底見過ごすわけにはいきません。
 そこで、相双構想区域の必要病床数は福島県の実情を十分に考慮し算定すべきと思いますが、県の考えをお示しください。
 次に、修学資金制度等を活用した医療人材の確保についてお尋ねします。
 原発事故の影響などもあり、人口当たりの医師数が東北、北海道でも最下位にある福島県において、医師の養成と県内定着を図ることは極めて重要な課題となっています。
 特に産科医と小児科医の不足は深刻であり、県民が安心して子供を生み育てられる環境をつくるためには、修学資金制度を初めとするさまざまな医師確保のための制度を活用し、危機感を持って取り組んでいく必要があります。
 そこで、県は人材不足が深刻な産科医や小児科医を確保するため、どのように取り組んでいるのかお示しください。
 次に、県内において枯渇状態にある病理診断医の確保についてお尋ねします。
 病理診断医は、医療機関における診断やその後の治療方針を確立する上で重要な存在であり、高位の病院機能評価を取得する上でも必須条件となっています。したがって、医療機関に病理診断医が存在し、病理検査部門があるか否かは、他の診療科の医師にとっては診療環境を整える上で極めて重要であり、その医療機関の水準を決定的に左右するものであることは言うまでもありません。
 しかし、県内において病理診断医は産科医や小児科医に増して枯渇状態にあり、がん拠点病院でさえも確保が困難な状況にあります。
 さらに、県内の病理診断医の平均年齢は60歳を超えており、このままだと数年後には深刻な状況になることは目に見えています。病理診断医が責任を持って病理診断を下せるようになるには相当な年月を要することからすれば、今すぐにでも対策を講じる必要があります。
 そこで、病理診断医を確保するため、産科医や小児科医と同様の修学資金加算制度を設けるべきと思いますが、県の考えをお示しください。
 最後に、看護職員や理学療法士等の医療技術者を対象とする修学資金制度の周知についてお尋ねします。
 学生や生徒だけでなく、学費を負担する保護者にも県の修学資金制度の周知を図り、医療従事者養成施設への進学などについて、経済的な不安なく子供の将来を考えてもらうことが必要です。
 例えば高校の進路相談などで修学資金制度に関するパンフレットを取り上げてもらうなど、有効と考えられる取り組みは部局の枠にこだわらず制度の周知に努めていくべきです。
 そこで、看護職員や理学療法士等の医療技術者を確保するため、修学資金制度の周知を図るべきと思いますが、県の考えをお示しください。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

議長(杉山純一君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)紺野議員の御質問にお答えいたします。


 中長期的な財政運営についてであります。
 私は、復興再生と地方創生の歩みを着実に進めるとともに、医療や福祉、教育など地域の実情に応じたきめ細かな行政サービスを十分に担っていくためには、安定した財政基盤に支えられた持続可能な財政運営が重要であると考えております。
 このため、長期にわたる十分な復興財源の確保を引き続き国にしっかりと求めていくとともに、地方創生による人口減少対策を初め、基幹産業である農林水産業の振興、企業誘致や雇用確保対策の促進、新たな産業の創出等、地域の活力を取り戻し、地域経済の底上げにつながる取り組みを力強く推し進めることにより税源の涵養に努めるなど、安定的な財源の充実確保を図ってまいります。
 こうした取り組みに加え、歳出においては優先度を踏まえた不断の見直しによる効果的な施策の展開に努めるなど、財政の健全性を確保しながら、引き続き復興の着実な進展と県民の皆さんの福祉の向上にしっかりと取り組み、新生ふくしまの創造に全力を傾けてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部長から答弁をさせます。


生活環境部長(尾形淳一君)お答えいたします。


 仮置き場の適正管理につきましては、国の除染関係ガイドラインなどに基づき市町村が定期的に点検を実施しており、県におきましても市町村と連携して現地調査を実施し、仮置き場の状況確認を行っております。
 また、昨年9月の飯舘村での土のう袋等の流出事案も踏まえ、豪雨などにも備えるべく、市町村に対し除去土壌等の保管について改めて注意を喚起したところであります。
 県といたしましては、引き続き除去土壌等の搬出まで、市町村等と連携して仮置き場の適正管理に取り組んでまいります。


保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。


 医療と介護の総合的な確保につきましては、地域の実情に応じ、高度急性期から在宅医療・介護まで必要なサービスが提供され、高齢者が安心して暮らし続けられる体制を構築していくことが重要であります。
 このため、各保健福祉事務所単位で県、市町村と医療・介護サービス提供者が一堂に会する協議会を開催し、地域の課題や対応策等について議論するほか、県計画の策定に当たり、市町村や関係団体等から事業提案を受けるなど今後も市町村と連携し、医療・介護提供体制の充実に努めてまいります。
 次に、消費税増税の見送りの影響につきましては、地域医療介護総合確保基金が消費税増収分を財源としていることから、来年度以降国の予算が拡充されるのか不透明な状況となっております。
 この基金を活用する事業は、効率的で質の高い医療提供体制と地域包括ケアシステムの構築を進める上で極めて重要であるため、必要な規模で事業を実施できるよう引き続き予算の確保を強く国に求めてまいります。
 次に、地域医療構想につきましては、現在県内の6構想区域ごとに医療機関や関係団体等から成る地域医療構想調整会議を随時開催し、それぞれの地域の実情や課題を共有しながら、必要とされる医療の確保に向け議論を重ねているところであります。
 県といたしましては、地域医療構想の策定に当たり、医療機関の理解や関係団体との連携が不可欠であることから、調整会議における意見を構想にしっかりと反映させていく考えであります。
 次に、南会津医療圏につきましては、昨年10月に開催された医療審議会において、会津医療圏との連携が欠かせないことから、両医療圏を一つの構想区域とすることを念頭に関係者が一堂に会して議論すべきとされたところであります。
 県といたしましては、これを受けて設置した会津・南会津地域医療構想調整会議において、質の高い医療提供体制の確保に向け医療機関が担う機能の分化と連携の推進等について検討を進めてまいる考えであります。
 次に、相双構想区域の必要病床数につきましては、今後想定される避難指示の解除や復興の加速化等の状況を踏まえ、地域医療構想の目標とする平成37年を想定した復興後の医療需要に基づいて算出することとしております。
 現在この考えに基づき、相双地域医療構想調整会議において議論を重ねているところであり、将来のあるべき医療提供体制の構築に向けて地域医療構想の策定に取り組んでまいります。
 次に、産科医や小児科医の確保につきましては、産科医等を志望する学生への修学資金制度の義務要件を緩和し、貸与額の加算制度を導入したほか、研究資金の貸与等による県外医師の招聘や産科医の分娩手当、小児科医の新生児科医手当への支援など処遇改善にも取り組んでおります。
 また、ことし4月に県立医科大学に開設したふくしま子ども・女性医療支援センターでは、全国から招聘した指導医のもと、産科医や小児科医の養成・確保対策を強力に進めており、引き続き安心して子供を生み、育てられる医療提供体制の構築に取り組んでまいります。
 次に、病理診断医につきましては、病理組織・細胞の検査や診断を行うなど治療方針を決める上で重要な役割を担っており、現在1名が修学資金の貸与を受けて病理診断医を目指し、後期研修に取り組んでおります。
 また、平成20年度からの段階的な県立医科大学医学部入学定員増に伴う修学資金被貸与者の増により、今後若手医師の県内定着が見込まれ、必要な医師の確保が期待されるところであり、引き続き修学資金被貸与者の動向を見ながら医師の確保に着実に取り組んでまいります。
 次に、看護職員や理学療法士等の修学資金につきましては、看護職員等の不足が深刻な本県において、養成施設への進学や県内への就業、定着を促進する上で有効であることから、平成27年度末で延べ342名に貸与しているところであります。
 引き続きホームページやパンフレットを活用したPRに努めるほか、県内の養成施設や病院と連携しながら、学生や保護者を対象とした養成施設見学会や病院見学バスツアーなど、さまざまな機会を生かして修学資金制度の周知に努めてまいります。


議長(杉山純一君)これをもって、紺野長人君の質問を終わります。

ご意見お聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?

※1 いただいたご意見は、より分かりやすく役に立つホームページとするために参考にさせていただきますので、ご協力をお願いします。
※2 ブラウザでCookie(クッキー)が使用できる設定になっていない、または、ブラウザがCookie(クッキー)に対応していない場合はご利用頂けません。