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2016年9月定例会 一般質問 本田仁一議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年12月1日更新

本田仁一議員

議員本田仁一
所属会派
(質問日現在)
自由民主党
定例会平成28年9月
質問等一般質問
質問日10月5日(水曜日)

16番(本田仁一君)自由民主党議員会の本田仁一です。


 先日、有効求人倍率が全国平均を下回ったと福島労働局から発表がありました。いずれは来ると考えておりましたが、もう来たのかと、ちょっとざわっとしたところであります。
 これまで県は復興施策として多くの事業を手がけてこられました。この創生期間に復興を実感できるものに仕上げていかなければならないと考えております。先進的な取り組みももっと必要であります。また、地道な積み重ねも必要であります。そして、改革も必要であります。
 県が課題解決のため各種施策を展開するこのときに県民の皆様が関心を持たないということでは、なかなか進捗も図れないと思います。課題を共有し、参加をする、そういう県と県民が一体となり復興に向かって前へ進む姿が必要であると考えます。知事は本県の現状を踏まえ、復興にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 続いて、健康長寿について申し上げます。
 健康上の問題から日常の生活が制限されることなく、元気で生活できる期間をいかに延ばしていくかであります。県は全国に誇れる健康長寿県を実現するとされました。県民の健康づくりへの関心を市町村とともに一層高め、関係指標についても全国で上位を占めるような効果的な健康づくり施策を展開していくべきと考えております。県は全国に誇れる健康長寿県を実現するためどのように健康づくりを推進していくのかお尋ねいたします。
 次に、県職員と県民の協同についてであります。
 県職員の不祥事を受けて、我が会派の代表質問においてその対策が示されました。職員一人一人が県民の目線に立った感覚が重要であります。
 県によれば、消防団とは「みずからの地域はみずからで守る」という高い使命感を持って、地域住民の生命、身体、財産を守るために活動するとともに、地域の祭りなどの催し事を積極的に担うなど、消防団は地域社会の連帯、きずなを象徴する存在であるとのことでありますので、率先して参加すべき団体だと考えます。
 消防団への加入や自治会への参加など、県職員がみずから積極的に地域とかかわる機会をふやすことによって、県民の考え方や感覚を直接感じ取っていく、これがひいては県職員の倫理観の醸成にもつながっていくと考えます。県職員の消防団への加入状況及び入団促進のための取り組みについてお尋ねいたします。
 これから県職員を志す学生などがボランティアとして公共の利益に資するような社会貢献活動に積極的に参画し、住民の考え方や感覚を直接感じ取ることに前向きであることが重要であると考えております。職員採用候補者試験においてボランティアなどの社会貢献活動への取り組み状況を考慮すべきと思いますが、県人事委員会の考えをお尋ねいたします。
 続いて、ワーク・ライフ・バランスについて申し上げます。
 近年、国においては性別による固定的役割分担に関する意識改革や柔軟な働き方の導入、長時間労働の是正などによる働き方改革に取り組むワーク・ライフ・バランスが求められております。まずは県庁がやってみせるべきと思います。県は職員のワーク・ライフ・バランスをどのように推進していくのかお尋ねします。
 また、企業においても男女がともに働きやすい職場づくりを進めることが必要と考えます。県は企業に対するワーク・ライフ・バランスの推進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、2020年に向けた復興の取り組みについて申し上げます。
 2020年には、復興五輪と位置づけられる東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。世界中から多くの人々が日本を訪れることが期待されます。
 本県では、既に4つの市と町がホストタウンとして登録されているほか、先日、野球・ソフトボールの1次リーグ各1試合を本県で開催する方向で調整しているとの報道があり、東京オリンピック・パラリンピックに向けての機運が高まりつつあります。
 このような中、県では知事を筆頭に東京オリンピック・パラリンピックを契機に本県の復興の姿を世界にアピールするとしております。県は2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、復興にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、地域づくりについて申し上げます。
 地域づくりを支援する、いわゆるサポート事業を利用し、みずからの意思で精力的に取り組んでいる住民や集落、民間団体等があります。これらの活動を地域に根づかせていくことが必要で、3年間のサポート事業終了後が重要であります。県はサポート事業終了後も住民主体の地域づくりを支援するためどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、産業の振興について申し上げます。
 県は原子力災害で被害を受けた浜通り復興の起爆剤として、イノベーション・コースト構想に基づく各種施策に取り組んでおります。2年前に発表された構想には、2020年のオリンピック開催の年までを一つの目標として取り組むという方向性が出され、地元からも期待が寄せられております。県は2020年に向けイノベーション・コースト構想をどのように進めるのかお尋ねいたします。
 次に、航空宇宙関連産業についてであります。
 世界の航空機のうちジェット機の需要は、これから20年後には2倍以上になると見込まれるなど、航空宇宙産業は成長が期待されます。また、航空宇宙関連産業は他の産業への技術の波及効果が高い裾野の広い産業であるとともに、技術の高度化を先導する産業であることから、全国の自治体では産学官連携による研究会や共同受注組織を立ち上げ、航空宇宙関連産業の新規参入を目指しております。
 また、中部地方においてはアジアナンバーワン航空宇宙産業クラスター形成特区が指定されております。本県でも福島県航空・宇宙研究会を設立するとともに、東北各県と連携して東北宇宙産業研究会を設立し、さまざまな活動を行っていると伺っております。県は航空宇宙関連産業にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、ヘルスケア産業について申し上げます。
 我が国の国民医療費は現在年間40兆円を超え、2050年には60兆円に達すると予測されていますが、医療費のうち3分の1は予防や健康管理で症状を軽減することができる生活習慣病関連となっております。
 そのため国では医療費を予防や健康管理サービスにシフトさせることにより、国民の健康増進、医療費の適正化及び新産業の創出を目指すとしております。予防、健康管理に関する健康ビジネスにより、現在約4兆円とも言われるヘルスケア産業を2020年には10兆円に拡大する目標を立てております。
 全国に誇れる健康長寿県を目指す本県においても、ヘルスケア産業は重要な産業の一つになるのではないかと考えます。県はヘルスケア産業の推進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 続いて、ロボット関連産業について申し上げます。
 昨年2月に日本経済再生本部が決定したロボット新戦略において、我が国を世界一のロボット利活用社会にするとの目標が掲げられ、今後ドローンを使った荷物配送を初め社会のさまざまな場所でロボットの活用が期待され、ロボット関連産業も飛躍的に発展することが見込まれております。
 本県においても、ことし四月にロボットテストフィールドと国際産学官共同利用施設の立地が南相馬市と浪江町に決定し、ロボット関連産業の集積に向けて県内の期待も高まっております。県はロボット関連産業の育成・集積に向けてどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 続いて、ものづくり企業について申し上げます。
 激変するビジネス環境に適応し、持続的に成長するため、県内のものづくり企業は顧客や取引先に認められる製品開発を進めております。こうした企業の中には、人材や資本に限りがあるため開発した製品の販売に苦慮しているところもあります。
 例えば、地中熱利用システムやロボットスーツなど、県内企業が開発した製品が広く周知、取引されてこそ本県の産業復興がなし遂げられていくと考えます。県は県内ものづくり企業の取引拡大をどのように支援していくのかお尋ねいたします。
 続いて、産業廃棄物について申し上げます。
 本県ではイノベーション・コースト構想を初めとするさまざまな産業振興策が進められ、市町村においても企業誘致に取り組んでおられます。企業が事業活動を行うに当たっては、当然産業廃棄物が発生することから、その適正処理が必要となっています。
 企業からは、産廃処理施設は処理費用等の観点から県内にバランスよく適数配置されることが望まれてもおります。県は産業廃棄物の処理体制を確保するため事業者にどのような支援を行っているのかお尋ねいたします。
 続いて、ASEAN諸国への企業の海外展開について申し上げます。
 ASEANは東南アジア十カ国から構成され、加盟国の人口は6億2千万人であり、EU欧州連合の約5億人、北米自由貿易協定NAFTAの約4億8千万人を超え、また、近年富裕層や上位中間層が増加していることから、今後世界の開かれた成長センターとなる潜在力が世界各国から注目をされております。
 このようなASEAN諸国の経済成長を背景に、県内においてもASEAN諸国への進出や取引拡大に取り組む企業があります。県はASEAN諸国における県内企業の海外展開をどのように支援していくのかお尋ねいたします。
 また、日本政府観光局の発表によれば、ことし1月から8月までの訪日外国人は1,606万人に達し、累計で過去最高を更新しております。とりわけ経済発展が著しいASEAN地域からの観光客数の伸びが目覚ましく、我が国の海外誘客市場として一層重要度を増しております。
 本県への外国人観光客数は厳しい状況が続いておりますが、本県観光の復興のため今後も観光客の増加が見込まれるASEAN諸国からの誘客をさらに進めていく必要があると考えます。県はASEAN諸国からの観光誘客にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 続いて、福島県上海事務所について申し上げます。
 本県発展の新たな道筋を切り開くため平成16年7月に上海事務所を開設し、経済発展の著しい中国との多様な交流を推進してきたところであります。
 東日本大震災以降は、福島空港と上海間の定期便の運休や中国経済の減速感、また、両国の政治的関係など上海事務所を取り巻く環境は変化してきている状況にあります。上海事務所の事業展開について県の考えをお尋ねいたします。
 次に、格差の対策についてであります。
 人口減少社会において、人口の減少は中山間地域からであります。また、そのスピードは深刻であります。そういう中、市町村は生き残りの施策を模索しております。特効薬はなかなかないと考えますが、私としては問い続けたいと思っております。県は過疎・中山間地域の振興にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 続いて、県立高校生の遠距離通学について申し上げます。
 県内どこに住んでいても同じ教育を受けられることがあるべき姿と思っております。その一方で、過疎・中山間地域に住み、遠距離通学をしている生徒は、その生徒の時間の制約だけにとどまらず、通学費用面で保護者の負担ともなっております。また、塾等への通塾も制約され、そのことが過疎を加速させる要因ともなっております。遠距離通学をしている県立高校生の通学費の負担軽減について県教育委員会の考えをお尋ねいたします。
 次に、環境政策について申し上げます。
 イノベーション・コースト構想において、今後成長が見込まれる環境やリサイクル分野で新たな産業基盤を構築するスマート・エコパークが主要プロジェクトの一つとなっております。
 スマート・エコパークのコンセプトは、浜通りを中心に環境・リサイクル関連産業の集積を図っていくことであり、最先端リサイクル事業を生み出し、世界中が注目するような産業復興の姿を示すことが期待されております。
 そこで、県は環境・リサイクル関連産業の集積にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 続いて、一般廃棄物について申し上げます。
 福島県のごみ排出量は、東日本大震災の影響により平成23年、24年度と増加が続き、25年度以降は減少しているものの、いまだ震災前の状況に戻っていない実情があります。市町村によっては一般廃棄物最終処分場の容量が逼迫しているところもあると伺っております。一般廃棄物最終処分の現状と今後の課題について県の考えをお尋ねいたします。
 次に、動物の殺処分について申し上げます。
 東日本大震災以降、動物愛護を推進する声が全国的な広がりを見せている中、国は平成25年に「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」を打ち出しております。殺処分ゼロを既に宣言した都道府県もありますが、去勢や避妊手術などはボランティアの活動に支えられているのが現状であります。県が保護し、収容している犬及び猫の殺処分について、現状と今後の対策をお尋ねいたします。
 次に、携帯電話不通話対策について申し上げます。
 先日、川内村の方々と懇談する機会がありました。その中で、「郡山に行くとき携帯電話がつながんねえとこあるよない。また避難なんていうことになったら不安だよない。県はどう考えてんだべない。」、そういう話をされておりました。中山間地域における携帯電話の通話エリアの拡大について県の考えをお尋ねいたします。
 また、緊急時において避難等の情報を住民へ速やかに伝えることが重要であると考えます。県は原子力災害発生時に住民への避難等の情報提供をどのように行うのかお尋ねいたします。
 次に、教育行政について申し上げます。
 少子高齢化の進行、産業、経済の構造的な変化及び雇用の多様化、流動化が進む中、若者の就職に関する環境は以前とは大きく変化しております。そのため将来の職業を見据えた就業体験を義務教育の早い段階から行い、児童生徒が社会で生きていくため必要となる勤労観、職業観を組織的、系統的に育む必要があり、また、みずから起業できるようなたくましさを備えた若者の育成が必要であると考えます。
 県教育委員会は、児童生徒の勤労観及び職業観を育てるためどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。
 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。


副議長(満山喜一君)執行部の答弁を求めます。

知事(内堀雅雄君)本田議員の御質問にお答えいたします。


 本県の現状と復興の取り組みについてであります。
 大震災から5年半が経過しましたが、本県は今なお厳しい現状や困難な課題に直面しています。一方で、環境創造センターや楢葉遠隔技術開発センターなど復興に大きな役割を果たす拠点施設が本格的に運用を開始したほか、避難指示解除の動きが進展するなど復興の光は明るさを増しております。
 こうした光をさらに大きく確実なものとするため、第3次復興計画に基づき帰還に向けた生活環境の整備やイノベーション・コースト構想の推進など避難地域等の復興をさらに加速させるとともに、避難をされている方々へのきめ細かな相談対応、来月開所する医療機器開発支援センターを核とした医療関連産業の集積等による雇用の創出、根強く残る風評への対応などにしっかりと取り組んでまいります。
 私は、復興をなし遂げるためには県民の皆さんの声をさまざまな施策にきめ細かに反映させることが極めて重要であるとの考えから、チャレンジふくしま訪問等によりみずから直接現場を訪れ、県民の皆さんの声をお聞きしているところであります。
 復興への道のりは長い戦いとなりますが、県民の皆さんと目指す将来の姿を共有し、実績を確実に積み上げながら、県民一人一人が実感できる復興の実現に向け全力を尽くしてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。


総務部長(長谷川哲也君)お答えいたします。


 職員のワーク・ライフ・バランスの推進につきましては、福島県職員男女共同参画推進行動計画等に基づき、朝型勤務「ゆう活」の試行や業務の効率化等で働き方改革を進めるとともに、さらなる職員の意識改革のため、知事を初めとする管理職員が育児休業の取得促進等に向けたイクボス面談を実施するなど、今後とも仕事と生活の調和を図り、職員が持てる力を十分に発揮できるよう積極的に推進してまいる考えであります。


危機管理部長(樵 隆男君)お答えいたします。


 県職員の消防団への加入状況につきましては、平成26年4月1日現在119名となっております。
 また、入団促進につきましては、県職員も地域の一員として消防団活動に参加し、地域に貢献することが重要であることから、新規採用職員研修の際に消防団員募集のチラシを配布し、加入を案内するとともに、庁内イントラネットにおいても入団の呼びかけを行っているところであり、今後とも県職員の入団促進が図られるよう取り組んでまいります。
 次に、原子力災害発生時の避難等の情報提供につきましては、東日本大震災の教訓を踏まえ、原発周辺市町村に光ファイバーによる専用回線や衛星携帯電話を設置するなど、市町村へ確実に情報が伝わるよう通信の多重化を図ったほか、防災行政無線の屋外スピーカーや各世帯の受信機、さらには広報車の巡回により市町村から住民へ直接呼びかけを行うとともに、報道機関の協力を得てラジオ、テレビ等による情報提供を行うこととしております。


企画調整部長(伊藤泰夫君)お答えいたします


 2020年に向けた復興の取り組みにつきましては、東京オリンピック・パラリンピックにおいて、避難地域における生活環境の整備が進み、日常生活を取り戻している様子、サッカー日本代表の合宿や子供たちの笑顔によりにぎわいを取り戻したJヴィレッジの姿、イノベーション・コースト構想による新たな雇用の創出、水素社会のモデル構築等による再生可能エネルギー先駆けの地の実現など、復興が進んだ本県の姿をしっかりと発信できるよう積極的に取り組んでまいります。
 次に、サポート事業につきましては、地域のにぎわいや活力向上につながる住民主体の先駆的、モデル的で継続性の認められる取り組みを優先的に採択し、サポート事業終了後も自立して地域づくり活動が継続できるよう支援しているところであります。
 その結果、事業終了後の追跡調査によると、平成24年度から26年度の事業のうち約6割の事業継続が確認されております。
 今後とも住民主体の取り組みが地域に根づき、他の地域にも波及されるよう、事業終了後も助言や情報提供を行うとともに、積極的に周知、広報に努めるなど、引き続き支援をしてまいります。
 次に、イノベーション・コースト構想につきましては、今年度に入りロボットテストフィールドやアーカイブ拠点施設の建設予定地の決定など、実現に向けた動きが本格化しております。
 今後当面の目標とする2020年に向け、構想の国家プロジェクトとしての位置づけや確実な予算措置などを国に求めながら、各拠点の着実な整備や未着手の拠点の具体化、ロボットやエネルギー関連産業を初めとする新産業創出を通じた産業集積、先端技術を導入した農林水産業の再生等を進め、世界が注目する浜通りの再生を目指して取り組んでまいる考えであります。
 次に、過疎・中山間地域につきましては、高齢化や若者の流出による担い手不足など社会経済的に厳しい状況に直面しております。
 このため、雇用の創出や定住の促進に向け、地方創生の交付金等を活用し、新規就農者の受け入れ態勢の整備や移住者に働く場と住居をまとめて提供するモデル事業の実施、地域おこし協力隊や大学生などの外部の力の活用などを進めてまいりました。
 今後は新たにスキー場などの冬の地域資源を活用し、国内外からの観光誘客による人の流れの創出につなげるなど、過疎・中山間地域のさらなる振興に積極的に取り組んでまいります。
 次に、中山間地域における携帯電話の通話エリアの拡大につきましては、震災以降、緊急時の通信手段としての携帯電話の重要性が改めて認識されたところであり、今年度も補助事業により飯舘村など五地区で基地局の整備を進めるとともに、事業者に対し主体的な整備と補助事業への参画について要望を行い、通話エリアの拡大に努めております。
 引き続き市町村と連携し、未整備地域における通話エリアの拡大を促進してまいります。


生活環境部長(尾形淳一君)お答えいたします。


 産業廃棄物につきましては、社会経済情勢の変化に対応できる安定的な処理体制を確保し、適正処理を推進することが重要であることから、事業者が行う産業廃棄物の排出抑制や再生利用を推進するための施設整備、処理施設の必要性や信頼性等について住民の理解を促進するための見学受け入れなどの経費に対して支援を行っているところであり、引き続き産業廃棄物が適正に処理されるよう取り組んでまいります。
 次に、一般廃棄物最終処分の現状につきましては、平成26年度の年間埋立量をもとに算定すると、県全体としては本年9月末現在で約12年分の残余容量が確保されております。
 今後はごみの発生抑制、再使用及びリサイクルの促進により最終処分量を削減していくことが重要であることから、各家庭においてごみ減量化の意識を高め、そのための工夫を促す取り組みを進めるとともに、焼却灰のリサイクル等の先進事例に関する市町村への情報提供などを通じ、一般廃棄物の適正処理に取り組んでまいります。


保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。


 健康長寿の実現につきましては、県民一人一人が食、運動、社会参加の3本を柱として健康づくりに取り組んでいくことが重要と考えております。
 このため、食育応援企業団による食育活動の推進や健民アプリによる運動の動機づけ、さらには、社会参加を促すため町内会等において高齢者が主体的に行う見守りや交流活動などを支援しているところであります。
 今後とも健康をテーマとする県民運動と連携しながら、健康で元気に暮らせる地域づくりに取り組むことにより、全国に誇れる健康長寿県の実現を目指してまいります。
 次に、県が保護し収容している犬及び猫の殺処分の現状と今後の対策につきましては、犬のしつけ方教室や小学校への獣医師派遣事業等の機会を捉えながら、動物愛護と適正管理について啓発するとともに、積極的に犬や猫の譲り渡しを進めた結果、昨年度の殺処分数は平成18年度と比べて犬では8分の1、猫では3分の2まで減少してまいりました。
 今後も県民の意識向上を図りながら、関係機関等と連携して、収容される犬や猫の数を減らし、あわせて譲渡会をより積極的に行うなど、不必要な殺処分を最大限減らすよう取り組んでまいります。


商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。


 企業に対するワーク・ライフ・バランスの推進につきましては、これまでキャラバン活動による広報を実施するほか、働きやすい職場環境づくりに取り組む企業の認証や表彰、経営者向けセミナーなど、企業に対する普及啓発に努めてまいりました。
 今年度はワーク・ライフ・バランスへの経営者等の理解をより深めるためイクボス出前講座を実施しており、今後は経営アドバイザーの派遣や企業、経済団体等への直接訪問を通して、さらなるワーク・ライフ・バランスの推進を図ってまいる考えであります。
 次に、航空宇宙関連産業につきましては、今後大きな成長が期待される分野であり、今年度より、参入を目指す企業の認証取得の支援や福島大学と連携した人材育成に取り組んでおります。
 また、今月12日から東京都で開催される2016年国際航空宇宙展において県内12社への出展を支援し、本県の高い技術力をアピールしながら国際取引の拡大を図るほか、来月には郡山市において航空宇宙フェスタを開催することとしており、今後ともこれらの取り組みを通じ、航空宇宙関連産業の育成・集積を進めてまいる考えであります。
 次に、ヘルスケア産業につきましては、高齢化や健康意識の高まりを背景に、疾病予防や介護予防、健康増進に関するサービスへのニーズが高まっていることから、将来の成長産業として期待されております。
 このため今年度から関係部局と連携し、健康ビジネスの創出に向け機運の醸成を目的としたシンポジウムの開催や県内中小企業による健康食品等の開発及び販路開拓への支援を実施することとしており、これらの取り組みによりヘルスケア産業の育成に取り組んでまいります。
 次に、ロボット関連産業の育成・集積につきましては、県内企業の技術力向上を図るためこれまで災害対応ロボットの開発や要素技術開発へ27件の助成を行うなど、県内企業の育成に努めてまいりました。
 また、関連産業集積の核となるロボットテストフィールド等の拠点整備についても先月基本設計業者が決定し、着実に整備が進んでいるところであります。
 今後は数多くのメードイン福島のロボット技術や製品が生み出されるよう、実用化に向けた研究開発へ支援を行うとともに、来月開催するロボットフェスタ等を通じて関連産業の育成・集積に取り組んでまいります。
 次に、県内ものづくり企業の取引拡大につきましては、県内企業等から成る研究会などを活用し、企業間ネットワークを構築するとともに、再生可能エネルギーや医療機器に関する展示会の開催、国内外の展示会への出展経費の補助等により取引拡大を支援しているところであります。
 さらに、ハイテクプラザの技術指導や地域産業復興支援アドバイザーによる個別企業の訪問等を実施し、企業が抱える課題の解決を図ることにより、県内ものづくり企業の取引拡大を一層支援してまいる考えであります。
 次に、ASEAN諸国における県内企業の海外展開につきましては、経済成長の著しい地域であり、企業が事業展開を図る上で重要な市場であることから、ASEAN諸国での販路開拓に向けてバンコクの商談会への出展支援等に取り組んでまいりました。
 また、今年度から新たにジェトロのバンコク事務所に職員を派遣するとともに、ベトナムへの経済ミッションの実施などにより、引き続き金融機関等とも連携を図りながら現地情報の提供を行うなど、県内企業の海外展開の支援に積極的に取り組んでまいります。
 次に、上海事務所につきましては、開所以来、中国へ進出した企業の支援を初め県産品の販路拡大、中国人観光客の誘客等に大きな役割を担ってまいりました。
 また、震災後は中国政府による食品等の輸入規制や訪問自粛勧告などが本県に大きな影響を及ぼしていることから、政府機関への働きかけやマスコミ招聘等、本県の正確な情報発信を粘り強く行ってきたところであります。
 今後とも国等と連携しながら風評払拭に向け積極的に情報を発信するとともに、定期路線の早期再開や企業の海外展開支援、観光誘客等に取り組んでまいります。
 次に、環境・リサイクル関連産業につきましては、昨年8月に約160の企業等から成るふくしま環境・リサイクル関連産業研究会を立ち上げ、太陽光パネルのリサイクルなど4つのワーキンググループを設置し、事業化の検討を進めており、現在、県内外企業等によるリサイクル技術の実用化に向けた7つの研究開発事業が始まっているほか、新たにリサイクル企業の県内進出が決まるなど産業集積につながる動きが生まれております。
 今後も産学官のネットワークを活用し、環境・リサイクル関連産業の集積に積極的に取り組んでまいります。

観光交流局長(橋本明良君)お答えいたします。


 ASEAN諸国からの観光誘客につきましては、風評が少なく経済発展が顕著な地域であることから、極めて重要な市場であると認識しております。
 このためタイとベトナムについては、現地窓口によるきめ細かな誘客活動や現地目線での情報発信を展開し、特にタイのフェイスブックでは開設2カ月で2万人の「いいね」を得たところであります。
 今後はこうしたノウハウを生かし、新たな観光資源の発掘や磨き上げ、広域周遊ルートの造成を進め、さらなる誘客に努めてまいる考えであります。


教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。


 遠距離通学をしている県立高校生の通学費の負担軽減につきましては、市町村民税非課税世帯の生徒を対象とした通学費にも利用できる福島県高校生等奨学給付金制度や、原発事故により避難している生徒を対象とした通学費支援制度により支援を行っております。
 さらに、経済的理由により就学困難な生徒に対しては、就学資金を無利子で貸し出す福島県奨学資金制度もあることから、これらの制度について一層の周知を図り、遠距離通学をしている県立高校生の負担を軽減してまいる考えであります。
 次に、児童生徒の勤労観、職業観の育成につきましては、体験的な活動を通して社会の仕組みを理解させるとともに、社会の一員としての自覚を促し、働くことの喜びを実感させることが大切であると考えております。
 このため小中学校においては、地域企業などにおける職場体験等を実施するとともに、県立高等学校においては、企業等と連携したインターンシップや地元特産品を使用した弁当、焼き菓子等の共同商品開発にも取り組んでいるところであり、今後とも児童生徒の勤労観、職業観の育成に積極的に取り組んでまいります。


人事委員会委員長(今野順夫君)お答えいたします。


 職員採用候補者試験における社会貢献活動の取り組み状況につきましては、公共の利益のために職務を遂行する県職員を志す者にとって貴重な経験の一つであり、口述試験におきましてこれまでの経験を具体的に質問し、その資質を見きわめているところであります。
 今後は、打ち込んだ経験を個別面接で質問する旨の周知を徹底するとともに、ヒアリングを充実させるなど、県職員にふさわしい有為な人材の確保に一層努めてまいる考えであります。


16番(本田仁一君)危機管理部長にお伺いをいたします。


 原子力災害発生時に避難をする、こういうときに住民の方々は情報を得る手段として、または情報を出す手段として携帯電話というものが重要視されております。
 今の答弁においては、携帯電話を情報の提供手段として県は捉えていないかのような答弁でありましたが、私は携帯電話というのは非常に重要なものだというふうに、住民の皆さんも思っております。その点について再度答弁をいただきたいと思います。


危機管理部長(樵 隆男君)再質問にお答えいたします。


 原発災害が起きた当時のことを思い起こしますと、当時、携帯電話が通話エリアの中でも通じなかったという状況がございましたので、最悪のケースを想定して、まずは市町村に私どもの持っている情報をお伝えする、それから市町村から住民のほうに的確にその情報をお伝えするというようなルートの御説明をただいまの答弁でいたしました。
 当然携帯電話のさまざまなツールを使って避難情報等についてはお知らせをいたします。エリアメールの配信等も避難情報に含まれておりますので、携帯電話の利活用を全く念頭に置いていないわけではございませんけれども、そういった意味でとにかく情報の提供を多重化していくことが緊急時においては必要であるというふうなことを考えております。


16番(本田仁一君)住民の方々は、携帯電話に対するウエートが非常に高い。であれば、当然全てつながるように対応するということもなかなか難しい部分もあると思いますので、そういった避難のときには、携帯電話だけに頼ることなく、いろいろな形で情報提供を受ける、県は発信するんだぞと、住民の皆さんによく周知をする、そういうことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。


危機管理部長(樵 隆男君)御指摘のとおりであると思います。

  私どもとしましても、携帯電話が通じる場合には、携帯電話を通じてさまざまな情報、連絡がとれるというふうな前提は持ってございますけれども、携帯電話が通じない、それからあと携帯電話のエリアの拡大も山間部におきましては限界もございますので、そうした意味でさまざまなツールを使って情報を伝達するということを県民の皆様に御承知おきいただいて、例えば各家庭にラジオと電池を御用意いただくなどということも含めて、しっかりと皆様にもお知らせをしてまいりたいと思っております。


副議長(満山喜一君)これをもって、本田仁一君の質問を終わります。

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