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2018年2月定例会 討論 西山尚利議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年7月3日更新
西山尚利議員 
議員西山尚利
所属会派(質問日現在)自由民主党
定例会平成30年2月
質問等討論
質問日3月20日(火曜日)

32番(西山尚利君)自民党議員会の西山尚利です。会派を代表して、平成30年度福島県一般会計予算に対し、賛成の立場で意見を述べます。


 東日本大震災、そして原発事故から7年。大震災の春に生まれた赤ちゃんは小学生になり、小学校高学年だった子供は家庭を巣立ち、社会の一員になります。我々は、この過ぎ去る月日の重みを感じながら、被災者の方々に寄り添い、徹底した現場主義のもと、国に対し6次にわたる復興加速化のための政策提言を行ってまいりました。
 その結果、帰還困難区域と大熊、双葉両町を除く避難指示区域の避難指示が解除されるなど復興事業が着実に進み、今後さらに被災者支援はもとより、新産業創出や風評・風化対策などを通してなりわいの再開を図り、復興・創生の流れを確実なものにしてまいります。
 そして、帰還困難区域においては、たとえ長い年月を要しても全てを避難指示解除するとの決意のもと、党組織が一丸となってあらゆる知見を総動員し、特定復興再生拠点の整備を本格化させていきます。
 この福島でいつまでも家族が一緒に仲よく暮らし、健康で元気に仕事ができる。震災前の当たり前の日常を取り戻す。子供たちの笑顔は復興の大きな力です。子供たちの笑顔がいつまでもこの地で光輝くよう、我々は全身全霊を傾けて取り組んでまいります。
 知事は年頭の会見において、県民の皆様を初め国や市町村と一体となって挑戦を続ける姿勢を示されました。また、今後の県政運営については、我が党太田幹事長の代表質問に対し、知事みずからが先頭に立ち、チャレンジの機運を高めながら復興を前に進め、福島ならではの地方創生を積極的に展開していくとの強い決意を表明されました。
 そのような中で編成された新年度の予算案は、1兆4,472億円となり、復興・創生チャレンジ予算と位置づけられ、福島の未来を切り開く予算となりました。復興・創生事業に重点的に取り組み、これまでの流れをとめないとの強い意志のあらわれであると認識をいたしております。
 今回の予算を見てまいります。
 まず、歳入です。
 自主財源としての根幹をなす県税収入は、復興需要のピークアウトなどによる懸念もありましたが、雇用や所得環境の改善が進むなど、県内景気は持ち直しの傾向が続き、個人県民税や法人事業税を初めとする多くの税目で本年度当初予算を上回ると見込まれたものであります。
 そのため、前年度比で130億円増の2,341億円が計上されるとともに、地方交付税等については前年度と同規模の3,054億円となりました。
 一般財源総額の確保については、知事を先頭に国へ対する積極的な要望など、必要となる財源を確実なものとし、福島の将来を目に見える形にしていく土台をつくったことは高く評価されるものであります。
 引き続き、我が党は政府・与党の一員として、復興・創生期間の終了を見据え、中長期的に安定的な財源を確実に確保し、一日も早い復興の実現と地方創生を進めていく覚悟であります。
 次に、歳出についてです。
 これまで進めてきた事業の効果をしっかりと見きわめながら、徹底した内部管理経費の節減や事務事業の見直しに努めつつ予算の編成が行われたと認識をいたしております。
 新年度は、復興・創生期間の折り返しとなる重要な年であります。そのため、総合計画の11の重点プロジェクトに重点的、優先的に予算配分がなされるとともに実効性のある施策が並んでおり、これらを積極的に展開していくことで復興・創生が着実に進むことが大きく期待されます。
 ここからは、総合計画に掲げられた重点プロジェクトに従って、それぞれの施策を見てまいります。
 初めに、避難地域等復興加速化プロジェクト、生活再建支援プロジェクトについてです。
 福島復興再生特別措置法に基づき、産業集積促進や未来を担う教育、人材育成などを強化するため、来月から福島イノベーション・コースト構想推進室が庁内に新設され、構想の具体化がさらに進んでいくことが期待されます。今後も国や市町村、関係機関等と連携しながら取り組みを着実に進めていくことを強く求めます。
 本県復興のシンボルであるJヴィレッジは、本年7月28日に一部営業再開することが決まりました。来年4月の全面営業再開に合わせた新駅開業への取り組みや交流人口の拡大につながる全国的なイベントの開催など、福島復興の拠点としてJヴィレッジを積極的に活用した地域振興が期待されます。
 避難地域の生活環境については、4月1日にふたば医療センターが開所されるほか、介護サービス提供体制の再構築に向けた人材確保など、避難地域の復興を加速させるための取り組みが進められます。
 引き続き防犯対策や野生鳥獣被害対策等とあわせ、県民の安全・安心の確保に向けた取り組みを進めるよう求めます。
 次に、環境回復プロジェクトについてです。
 2020年の復興オリンピック・パラリンピックまであと2年余り。県民は、大震災から復興した福島を世界中の皆さんにお届けする絶好の機会と捉え、たゆまぬ努力と挑戦を続けております。
 一方で、我々の身近なところにいまだに多くの除去土壌等を保管している現実もあります。県は、市町村の実情を踏まえた対策を講じていく考えでありますが、引き続き国、市町村と連携し、福島の環境回復に向けた取り組みを加速させるよう強く求めます。
 福島第一原発の廃炉・汚染水対策については、使用済み燃料の取り出しに向けた作業や原子炉格納容器の内部調査が進められております。県は、廃炉安全監視協議会等により監視を続けていく考えでありますが、原子力発電所の日々の安定化こそが県民生活の安全・安心の根幹であり、住民帰還や風評払拭にも大きくつながってまいります。
 引き続き、緊張感を持った取り組みを求めます。
 次に、心身の健康を守るプロジェクトについてです。
 「福島に住んでいるからこそ健康である」、本県を全国に誇れる健康長寿にするための究極の目標ではないかと思います。昨年12月定例会において、県民の健康指標改善や健康増進のため、県政史上初となる健康をテーマにした特別委員会が設置されました。県は、食育活動や健民アプリなど県民一人一人が健康への気づきと理解を深める活動を展開しております。
 新年度は、さらに従業員の健康づくりに積極的に取り組む優良事業所の認定や表彰制度の創設、子供の食環境改善に向けた取り組みなど、県民運動と連携しながら全国に誇れる健康長寿ふくしまの実現に向けた取り組みが浸透するよう、しっかりとその施策に責任を果たしていただきたいと思っております。
 次に、子ども・若者育成プロジェクトについてです。
 県は、小中学生一人一人の学力を着実に伸ばす取り組みや新たな大学入試制度に向けた高校における英語力の向上を図る取り組みなど、頑張る学校応援プランを進める考えであります。
 また、福島イノベーション・コースト構想の実現に貢献する人材の育成においては、浜通りはもとより、中通りや会津地方の高校においても最先端技術に触れる取り組みを行い、さらには大学や企業連携により構想を牽引する志の高い人材の育成が大きく期待されます。
 冒頭子供たちの笑顔が復興の大きな力になると申し上げました。その笑顔をつくるのは我々大人の責任です。子供たちが夢と希望を持って挑戦していく社会をつくってまいります。
 次に、農林水産業再生プロジェクトについてです。
 本県の農林水産業の再生は、今を生きる私たちの歴史的使命だと考えます。知事は、昨年5月「ふくしま。GAPチャレンジ宣言」を行い、本県では認証GAP取得日本一に向けた取り組みが進められております。また、ICTなどの先端技術を導入した新たなビジネスモデルの支援、さらには本県が誇る農産物の輸出拡大に向けた取り組みなど、農業の再生が着実に進むことが期待されます。
 水産業については、本県の海産物が2年11カ月にわたり放射性セシウム濃度の基準値超過がないこと、産地市場で入札が再開されたことなどを踏まえ、次のステップへ移る時期に入ります。
 新年度からは、首都圏等の大手量販店に常設棚の設置や水産エコラベルの取得支援により、水産資源を管理しながら水揚げ金額を拡大していくふくしま型漁業の実現に向けた取り組みが進みます。本県が持つ魅力ある水産業の再生を強く望みます。
 6月に開催される第69回全国植樹祭は、天皇皇后両陛下をお迎えして開催される県民挙げての一大イベントであります。福島の復興と本県のすばらしさを国内外に力強く発信し、心に残るすばらしい植樹祭となるよう、その成功に向けてしっかりとした準備を進めていくよう強く求めるものであります。
 次に、新産業創造プロジェクト、中小企業等復興プロジェクトに関してであります。
 福島ロボットテストフィールドにおいては、ことしの夏までにロボット実証拠点施設が開所いたします。引き続き、新産業創出と成長産業の育成・集積、地元企業の参入支援や技術力向上など、新たな時代にふさわしいプロジェクトに大きく成長するよう期待をするものであります。
 再生可能エネルギーの導入については、浪江町で行われる世界最大級の水素製造実証事業が国における先駆的なプロジェクトとして位置づけられました。
 引き続き、福島新エネ社会構想に沿って、阿武隈地域等における送電線の整備や風力発電等の導入拡大など、再生可能エネルギー先駆けの地の実現に向けた取り組みを積極的に進めていくよう求めます。
 次に、風評・風化対策プロジェクトについてです。
 東日本大震災と原発事故から7年が経過した今も、いまだに風評は払拭し切れていない状況にあります。とにかく粘り強く福島の魅力と復興に向けて歩んでいる姿を積極的に発信することが大切です。
 これから県産品の輸出戦略が強化されます。さらなる販路の拡大、開拓が期待され、県産品の振興を力強く後押しし、福島の復興に大きく寄与するものと確信をいたしております。
 観光の振興においては、ホープツーリズムの実施や教育旅行の回復など、国内外の人たちに福島の今を見て実感してもらう取り組みがさらに強化されます。そして、本年はJヴィレッジの再開、全国植樹祭、太平洋・島サミット、さらには世界水族館会議など、福島を世界中へアピールする絶好の機会があります。
 我が党としても、これまで積み上げてきた県産品ブランドの発信など、福島の確かな情報発信を強化し、風評・風化対策に全力で取り組んでまいります。
 次に、復興まちづくり・交流ネットワーク基盤強化プロジェクトについてです。
 道路は、県民生活に直結する極めて重要なものであります。今月10日には相馬福島道路の相馬玉野-霊山インターチェンジ間が開通をいたしました。県民の安全・安心の確保につながるインフラの整備が、被災地域はもとより県全体の振興を力強く牽引すると確信しており、引き続き復興再生道路を初めとする道路網や物流を支える小名浜港、相馬港の整備を進めていくべきであると考えております。
 また、JR只見線については、我が党としても早期全線復旧に向けた要望を繰り返してまいりましたが、ようやく目に見える形となってまいりました。JR只見線の全線復旧は、定住、交流人口の増加など地方創生の実現にも大きく期待できる事業であり、引き続き平成33年度の全線復旧に向けて全力で取り組んでまいります。
 最後に、人口減少・高齢化対策プロジェクトについてです。
 人口減少対策を進めていくことは、福島の復興を大きく前進させることにつながります。県は、雇用創出や定住・二地域居住推進などを柱とした新年度の重要政策の一つに位置づけて、重点的な予算配分をいたしております。子育て世代包括支援センター設置の推進や保育人材の確保、待機児童の解消など、安心して結婚、出産、子育てができる環境の整備を進め、地域の活力を取り戻す事業として、地方創生の一翼を担う大いに期待できる取り組みであり、その推進を強く望みます。
 結びに申し上げます。
 百花繚乱、それぞれの競技でそれぞれの選手が、それぞれの花を咲かせました。「自分の力だけでなく、チーム全員の力がないとなし遂げることができませんでした。」、平昌オリンピック、スピードスケート女子メダリストたちの言葉です。普段は目に見えないところで努力を積み重ねている一人一人の選手が同じ目標に向かって一致団結し、挑戦する。あの日から7年、県民一人一人が復興をなし遂げようと日々邁進し続けている姿に大きく通じるものがあります。
 県民一人一人が咲かせる復興の花で福島をいっぱいにしたい。今こそ県民が一致団結し、この難局に立ち向かうときです。
 自由民主党議員会は、復興・創生の旗印を掲げた本予算のもと、この議場にいる皆様を初め全ての県民の皆様とともに、福島の復興・創生に全力で取り組んでまいる覚悟であります。
 以上のように、知事提出議案第1号「平成30年度福島県一般会計予算」につきましては、復興の加速化をとめず、地域に活力を取り戻すことのできる予算として大いに評価すべき内容であり、当然に賛成すべきであると考えます。
 全議員の御理解、御賛同をお願い申し上げまして討論を終わります。御清聴ありがとうございました。

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