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2019年6月定例会 討論 宮川えみ子議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年9月4日更新

宮川えみ子議員 

議員

宮川えみ子

所属会派(質問日現在)

日本共産党

定例会令和元年6月
質問等討論
質問日7月4日(木曜日)

26番(宮川えみ子君)宮川えみ子です。日本共産党県議団を代表して、討論を行います。

 最初に、知事提出議案について申し上げます。
 議案第4号から第11号、議案第14号から第16号、議案第25号については、ことし10月からの消費税増税を前提に使用料、手数料を値上げする議案です。
 安倍政権が10月に予定している消費税10%増税については、直近の世論調査でも増税反対が60%に上っております。また、増税によって景気が悪化すると見ている人が昨年より20%近くふえていて、さらに低所得者の負担が重くなる逆進性を挙げる人も30%以上になっております。
 5年前に消費税を8%に引き上げて以降、実質賃金は年間10万円減り、家計支出は25万円も落ち込んでいます。米中貿易摩擦、中国経済の減速やイギリスのEU離脱による懸念など、世界経済の先行き不安も広がっています。
 7月1日に発表した日銀短観は、大企業、製造業の業況判断指数が二期連続悪化し、景気が後退局面であることを裏づけました。自民党の萩生田幹事長代行は崖に向かってみんなを連れていくわけにはいかない。7月の日銀短観をよく見たほうがいいと言ったのですから、増税根拠は総崩れであり、当然増税中止を決断すべきです。
 我が党は、大企業にも中小企業並みの税金負担を求め、証券取引税など大金持ち優遇税制等を是正すれば、財源は7.5兆円確保できる、さらに兵器の爆買いをやめることなどを提案しています。
 県内でも全産業が悪化しています。福島県は、原発事故で避難を余儀なくされ、賠償や支援策が打ち切られており、県民の暮らしやなりわいは深刻さを増しています。
 このまま増税になれば、中小企業や小規模事業者の営業を脅かし、雇用不安を招くなど、地方経済を疲弊させることは必至です。
 また、増税とともに2千万円の老後資金が必要という金融審議会の報告書に国民の怒りと不安が広がっていますが、年金給付を7兆円減らすマクロ経済スライドをやめて減らない年金にすることなど、暮らし応援の政治を行うことです。よって、これらの議案には反対です。あわせて、関連意見書第276号、第277号は可決、請願210号は採択すべきです。
 議案第23号、第24号「県が行う建設事業等に対する市町村の負担を求めることについて」は、大震災と原発事故からの復興の途上にある本県で市町村を財政面からも支援すべきであり、市町村に負担を求めるべきではなく、反対です。
 次に、議案第26号「工事請負契約について」です。
 これは、小名浜人工島東港に大型船で荷揚げした輸入石炭を広野火発に輸送するため、小型船に積みかえるための貯炭場など施設を建設するための工事請負契約です。世界の流れに逆行する石炭火発は中止を求める立場から反対です。
 次に、議案第29号、第30号「訴えの提起について」です。
 これらは、県営住宅家賃滞納者等に対し、住宅の明け渡しと滞納家賃の支払いを求め裁判を起こすものですが、対象者の生活実態を具体的につかまないまま住まいを強制退去させるということは問題です。丁寧な対応が求められることから反対です。
 次に、議員提出議案、意見書について申し上げます。
 最初に、議案第275号「日米地位協定の見直しを求める意見書」についてです。
 全国知事会は2018年7月に日米地位協定の抜本的見直しを日米両政府に提言しました。日米地位協定の見直しは単に米軍基地施設のある自治体にとどまる問題でないことが全国に共有されつつあります。戦後70年以上が経過した今も国内には多くの在日米軍基地があり、米軍人などによる事件や事故が絶えない状況にあります。
 国は、現在の日米地位協定を米軍が他国と締結している協定を参考に、特に米軍や米軍人等への国内法の適用、警察や裁判権の保障等が確保できるように改正する必要があります。早急に取り組むことが求められていることから、本意見書は可決すべきです。請願209号は採択、同趣旨の議案第274号も可決すべきです。
 次に、議案第278号「米空軍輸送機オスプレイの飛行中止を求める意見書」についてです。
 昨年4月以降、オスプレイは日本全国で低空飛行や離発着訓練を実施、韓国や東南アジアにも展開しています。県内でも、昨年10月に横田基地にオスプレイが配備されてからことしの六月までに航空法を無視した低空飛行が目視で確認されたものだけでも42機に及んでいます。中には、窓ガラスがバリバリと音を立てたり、パイロットの顔が見えるほどの低空飛行もあり、恐怖を感じると県民の不安の声が高まっています。
 在日米軍横田基地配備の米空軍特殊作戦機CV-22オスプレイの部隊がこの7月1日に正式に特殊作戦飛行隊として発足したことを見れば、このような事態が一層ひどくなるのではないかと心配されます。飛行中止を求めることは当然であり、関連の新規請願211号は採択、本意見書は可決すべきです。
 次に、議案第280号「憲法九条の改定に反対する意見書」についてです。
 共同通信が7月2日に発表した世論調査では、安倍首相が提案する九条への自衛隊明記に55%が反対、賛成とした30.1%を大きく上回りました。参議院選挙後に優先すべき政策課題は社会保障改革の54.6%であり、憲法改正はわずか7.1%にすぎません。
 憲法違反の安保法制や森友、加計問題から始まって、勤労統計不正、沖縄県辺野古の埋立強行など、信頼が持てない首相のもとでの憲法改正は賛成できないという声が多数です。しかし、安倍首相は今度の参議院選挙の公約に憲法九条改正を挙げています。国民の願いと乖離した憲法九条に自衛隊を明記する改正の中止を求めることは当然であり、本意見書は可決、請願212号は採択すべきです。
 請願について申し上げます。
 請願216号「「ふくしま学力調査」中止を求めることについて」です。
 新学期が始まったばかりの4月11日、県独自の学力調査があり、続いて翌週には全国学力調査が行われ、学校現場は大混乱を来しました。また、学習指導要領改訂による授業時間の増加、小中学校の道徳教育の教科化、外国語活動の導入など、さまざまな施策で教育現場は先生と児童生徒に多大な負担を強いています。
 全国でもテストの弊害が問題になっており、福井県議会では2017年、中学生が学校で自殺するという痛ましい事件を受け、学力を求める余りの業務多忙もしくは教育目的を取り違えることにより、教員が子供たちに適切に対応する精神的なゆとりを失っている状況にあったのではないかとし、過度の学力偏重は避けること、独自の学力テストの取り組みを学校裁量に任せることなどを決議しています。
 財界が求める人材育成至上主義とも言える教育に対して、国連子どもの権利委員会は日本の子供たちが過度な競争にさらされていると4度にわたり日本政府に勧告を行っていますが、4度目は子供だけでなく大人も競争社会になっていると指摘しました。
 過度な点数学力は、真の学力には結びつかず、自分で考え、判断し、行動するゆとりさえ奪っています。来年度以降のふくしま学力調査の中止を求めている請願は採択すべきです。
 継続中の意見書及び請願について申し上げます。
 議案第201号「リアルタイム線量測定システムを一方的に撤去しないことを求める意見書」についてです。
 原子力規制委員会が県内に配置している約3,000台のリアルタイム線量測定システムのうち約2,400台を順次撤去する方針を示したことで県内各地で猛反発が出て、国は当面撤去を見合わせましたが、撤去方針そのものは変えてはいません。県民からは、正確な情報を得る唯一の手段であり、国が一方的に撤去しないよう求めています。よって、本意見書は可決、請願162号は採択すべきです。
 次に、議案第207号「「エネルギー基本計画」見直しに当たり原発ゼロ社会の実現及び再生可能エネルギーの拡大推進を求める意見書」についてと議案第227号「国内全ての原子力発電所の再稼働に反対する意見書」については同趣旨なので、一括して申し上げます。
 安倍政権は、2018年に3年に一度のエネルギー基本計画を見直しましたが、内容は前のものとほぼ同じで、原子力発電を重要なベースロード電源と位置づけ、2030年度時点における総電力量に占める原子力発電の比率を20から22%としています。これは原発30基程度に相当するものです。
 これらの原発電源を確保するには、40年を過ぎた古い原発を60年まで運転することを前提にし、さらに大間原発、島根原発3号機など建設中の原発も稼働させることになります。
 福島第一原発事故は史上最大の公害と言われ、言葉に言い尽くせない、いまだに苦しみ続けている福島県民にとって、原発の比率を2030年度目標20から22%とする計画など許されるものではありません。原発事故から8年3カ月、甚大な被害を受けた福島県の事故の最大の教訓は、原発と県民生活は両立できないということです。
 原発の電気は、再エネなど自然エネルギーの電気より高いことは政府も認めています。原発輸出は破綻し、10万年保管が必要と言われる核のごみの処理方法は決まっていません。政府は、莫大な原発推進予算を地域に根差した再生可能エネルギー、省エネルギーの推進の予算に振り向け、地元経済を活性化させ、未来ある国づくり、地域づくりを推進すべきです。この2つの意見書は当然可決すべきであり、請願174号は採択すべきです。
 議案第208号「介護保険財政における国庫負担割合の引上げを求める意見書」についてです。
 介護保険制度発足から20年が経過しました。この間、介護保険料は2倍以上にはね上がり、負担は限界に来ています。また、劣悪な介護職員の処遇改善も喫緊の課題となっています。
 日本共産党は、国庫負担割合を現行の25%から35%に引き上げる提案をしており、意見書は可決すべきであり、関連の継続請願167号は採択すべきです。
 議案第209号「生活保護基準の引下げに反対する意見書」についてです。
 安倍政権のもとで、母子加算を含め、生活保護相当分の生活扶助分が引き下げられてきました。そして、さらに連続しての引き下げです。これによって、一世帯当たりの減額幅は受給額で合計最大5%、母子加算が平均19%にもなる非情さです。国民の生存権を守る最後のとりでである生活保護基準の引き下げに反対するのは当然です。この意見書は可決すべきです。
 議案第222号「トリチウム水の海洋放出を行わないことを求める意見書」についてです。
 昨年10月、経産省の小委員会で処理水の八割にトリチウム以外の放射性物質が国の基準を超えて残っていたことが明らかとなっています。海洋放出されれば復興に向けた努力が水泡に帰すと、全国漁業協同組合連合会も県漁業協同組合も海洋放出は反対、当面はタンクで長期保管すべきと述べています。この意見書は可決すべきであり、請願173号は採択すべきです。
 議案第231号「給付型奨学金制度の拡充を求める意見書」についてです。
 安倍政権は学費無償化と言いますが、対象者はたった1割です。また、学費値上げを容認しています。日本共産党は、大学の授業料を半額、順次無償化を目指す提案です。給付型奨学金については、70万人、月3万円を提案しています。財源はさきに述べたとおりです。
 子育て中の皆さんの最も大きな負担になっているこの問題について可決し、国に届けることは当然であり、可決すべきです。関連する請願175号、176号は採択すべきです。
 議案第232号「学校給食費の無料化を求める意見書」についてです。
 ことし4月から新地町で初めて小中学校の学校給食費の一部補助が始まるなど、県内では学校給食の完全無償化や一部補助など過半数の32自治体となりました。国と県が責任を持って支援すべきです。関連請願179号、180号は採択すべきです。
 議案第249号「待機児童解消、保育士の処遇改善等を求める意見書」についてです。
 安倍政権は、消費税を財源に保育無償化を実施しようとしていますが、保育士要件を緩和するなど保育の質の保障はなく、待機児童は解消どころか一層増加させることにもなりかねません。
 国が行うべきことは、認可保育所を増設して待機児童を解消すること、劣悪な保育士の処遇を抜本的に改善することです。よって、本意見書は可決、関連する請願百九十九号は採択すべきです。
 議案第270号「福島県の最低賃金の引上げを求める意見書」についてです。
 福島県の最低賃金は東京より時給213円も低く、若者が都会に出ていく大きな要因です。社会保険料の負担軽減など事業主の負担を軽減し、全国一律の最低賃金の引き上げを行うべきです。この意見書は可決、請願208号は採択すべきです。
 継続請願177号「学校教育で労働者の権利を学ぶ機会を作ることを求めることについて」、178号「県内の若者の労働環境改善を求めることについて」は一括して申し上げます。
 この二つの請願は、実態を調査、働くルールなど国と県に支援を求め、労働者の権利を学ぶ機会をと求めています。県もこれらの請願などをきっかけに相談や講座を実施していますが、県独自の調査や賃上げ、長時間労働に関して取り組む事業者支援については行われていません。若者の声を反映させて取り組むべきであり、採択すべきです。
 継続請願181号「県立学校(教室、体育館)への空調(冷房)設置を求めることについて」、182号「公立幼稚園、公立小中学校(教室、体育館)の空調(冷房)設置について市町村へ設置促進のための支援を求めることについて」です。
 地球温暖化による異常気象でことしも5月に猛暑がありました。普通教室はこの夏でほぼ設置の見通しになりましたが、特別教室と体育館は設置の方針がありません。早急なエアコン設置と電気代等維持管理費用に見合う予算を県立学校はもちろん市町村支援も行って実施すべきです。本請願は採択すべきです。
 大震災、原発事故という大困難に見舞われた福島県は、今の自民党安倍政権のもとで一層矛盾が広がっています。多数の切実な県民の願いであるこれらの意見書、請願に応えることが求められていると思います。
 本日公示の参議院選挙の争点は、年金、消費税、憲法、原発と明確になりました。日本共産党を含む5野党・会派は、安倍政権を退陣させ、立憲民主主義を取り戻し、新しい政治を開くために頑張ります。
 以上です。

議長(吉田栄光君)以上をもって、討論を終結いたします。

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