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2021年9月定例会 提案理由説明 内堀雅雄知事

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年12月1日更新

内堀雅雄知事の写真

登壇者氏名 内堀雅雄知事
定例会 令和3年9月
提案理由説明

知事提出議案 第1号から第43号
        〃       第44号から第45号  

説明日

9月21日(火曜日)
10月8日(金曜日)

知事(内堀雅雄君)9月県議会定例会が開催されるに当たり、当面する重要な議案を提出いたしました。

   以下、そのあらましについて御説明いたしますが、それに先立ち、県政に関する当面の諸課題について所信の一端を述べさせていただきます。
 初めに、新型コロナウイルス感染症対策について申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症につきましては、首都圏を中心に新規感染者数が減少傾向にあるものの、依然として高い水準の感染者数が確認されております。
 福島県においても、7月下旬以降、これまで経験したことがないスピードで感染が拡大し、通常医療や救急医療を圧迫させる極めて深刻な状況に直面したことから、8月8日に福島県非常事態宣言を発出し、いわき市、郡山市、福島市にまん延防止等重点措置を適用したほか、3市を除く56市町村に県独自の集中対策を実施してまいりました。また、関係の皆さんの御協力をいただきながら、コロナ専用病床や宿泊療養施設の拡充など、医療提供体制を強化してまいりました。
 この間における県民の皆さん、事業者の皆さんの御理解と御協力により、新規感染者数が減少し、医療提供体制への負荷も軽減されるなど、本県はステージ2相当にまで改善したことから、昨日をもって非常事態宣言及び県独自の集中対策期間を終了いたしました。また、まん延防止等重点措置につきましても、本日開催する本部員会議において、いまだ新規感染者数が高い水準にあるいわき市は継続し、郡山市、福島市については二十四日から解除することを決定する予定としております。
しかし、福島県は依然として感染力の強いL452Rデルタ株の影響や相次ぐクラスターの発生など、いつ感染が再拡大してもおかしくない予断を許さない状況にあります。このため、引き続き県民の皆さん、事業者の皆さんの御協力をいただきながら、改めて感染拡大防止のための基本対策を徹底するとともに、国、各都道府県、市町村をはじめ医療関係者、経済界など関係機関と緊密に連携をし、県の総力を挙げて感染症対策に取り組んでまいります。
 次に、避難地域の復興再生についてであります。
 避難地域におきましては、水素の利活用や脱炭素のまちづくりなど、地域の未来を見据えた新たな取組が始められている    一方で、いまだ多くの困難な課題が残されており、復興が進むにつれて新たな課題も生じております。
 こうした中、先月開催された福島復興再生協議会においては、国に対し、避難地域の復興再生、避難者等の生活再建など、第二期復興・創生期間における復興再生を着実に進める上で重要な項目について十分な予算の確保などを求めてまいりました。その結果、国の概算要求において、おおむね本県の要望を踏まえた内容が示されたところであります。
 一方、ALPS処理水の処分への対応、国際教育研究拠点の実現などについては、引き続き地元の意向等に応じた対応を求めていく必要があることから、今後も福島の現状を粘り強く丁寧に訴えながら、令和4年度予算の確保、制度の充実に向けて全庁一丸となって取り組んでまいります。
 先月末に特定復興再生拠点区域外に係る政府方針が示されました。私自身、幾度となく帰還困難区域における避難指示解除のための具体的方針を早急に示すよう求めてまいりました。今回政府方針が示されたことは、拠点区域外の避難指示解除に向けて一歩前進であると受け止めております。
 一方で、帰還される意向のない住民の土地や家屋等の取扱いなど、個別具体的な課題が数多く残されております。引き続き、国に対し、それぞれの市町村の意向を十分に伺いながら、最後まで責任を持って取り組んでいただくよう求めてまいります。
 次に、環境回復について申し上げます。
 福島第一原発、第二原発の廃炉につきましては、これまでの取組により着実に前へと進んでいる一方で、依然としてトラブルも発生しており、県民から厳しい目が向けられております。
 こうした中、7月に廃炉安全確保県民会議を開催し、廃炉に向けた取組の進捗状況などについて様々な御意見等をいただきました。今後とも福島復興の大前提となる廃炉作業が安全かつ着実に実施されるよう、しっかりと確認してまいります。
 ALPS処理水につきましては、先月政府の関係閣僚等会議において、ALPS処理水の処分に伴う当面の対策が取りまとめられ、対策の概要が示されたところであります。また、東京電力においても、処理水の取扱いに関する検討状況を公表し、安全確保のための設備等の概要が具体的に示されました。
 こうした中、先般開催された廃炉・汚染水・処理水対策福島評議会において、処理水の取扱いに関する正確で分かりやすい情報発信や東京電力が示す施設整備計画の関係団体等への十分な説明など四つの事項について、県としての意見を申し上げたところであります。
 処理水の取扱いについては、県民、さらには国民の理解が大変重要であります。政府及び東京電力においては、引き続き関係団体や自治体等の意見を真摯に受け止め、対策や検討状況の具体的内容についてしっかり説明するとともに、県として 今回示された内容を確認しながら、必要な対策が確実に講じられるよう、あらゆる機会を通して求めてまいります。
 次に、風評・風化対策について申し上げます。
 4月のALPS処理水の処分に関する基本方針決定以降、県内においては新たな風評を懸念する声が高まっております。処理水の取扱いについては、これまで国に対し、国内外への正確で分かりやすい情報発信や、直接的な影響を受ける農林漁業者、観光、商工業の皆さんの支援となるよう、早期に具体的な対策を提示するよう繰り返し求めてまいりました。
 今回のALPS処理水の処分に伴う当面の対策には、こうした県や関係団体等からの意見を踏まえ、風評対策や事業者支援の取組などが盛り込まれたところであります。引き続き、政府一丸となって、具体的内容について丁寧に説明しながら、追加対策を含め、着実に対策を実施するよう求めてまいります。
 7月に福島の地から競技がスタートした東京オリンピック・パラリンピックが国民、県民の皆さんに多くの感動を残し、今月幕を閉じました。福島県では、3日間にわたり野球・ソフトボールの試合が行われ、日本代表選手は最後まで粘り強くプレーを続け、福島で勝利をつかみ、その後見事に金メダルを勝ち取りました。
 こうした監督、選手の皆さんが懸命に戦う姿から福島県民は大きな力をいただいたところであります。また、各国の代表監督や選手の皆さんから福島のおいしい食や美しい自然、県民の対応のすばらしさなどがメディアを通じて国内外に発信されたことは、復興五輪の意義深い姿であると感じております。
 一方で、今回の復興五輪は新型感染症の影響により、我々が思い描いていた姿とは異なる形となってしまったのも事実であります。このため、状況が落ち着いた後には、今回活動できなかった都市ボランティアの皆さん等に関わっていただき、国内外から多くの方々に福島に来て、見て、食べて、実感していただく取組を実現してまいります。
 次に、産業政策について申し上げます。
 震災以降、再生可能エネルギーの導入拡大や関連産業の育成・集積に取り組んできた中、2020年度の再エネ導入実績が県が掲げる中間目標の2020年40%を達成するなど、着実に成果が現れてきております。
 一方で、世界的に脱炭素社会を目指す流れが加速し、国においてもカーボンニュートラルを宣言するなど、現在再エネを取り巻く状況が大きく変化し、その期待も一層の高まりを見せております。
 特に水素エネルギーについては、再エネの有効活用をはじめ環境負荷の軽減や産業振興を図る上で極めて重要であり、今年2月に宣言を行った福島県2050年カーボンニュートラルを実現するためにも欠かすことのできないエネルギーであります。
 現在、福島県においては、未来の水素社会を先取りするモデルの構築に向けて、国、自治体、研究機関、企業等と連携しながら、本県の多様な地域特性を生かした取組を進めております。引き続き、こうした取組をさらに前進させ、水素をはじめ再生可能エネルギーの飛躍的な推進と関連産業の育成・集積に力を尽くしてまいります。
 来月8日から10日にかけて、福島ロボットテストフィールドを会場に、国内外から数多くのチームが参加し、ロボット技術やアイデアを競うワールドロボットサミット2020福島大会が開催されます。この機会を捉え、福島の復興や実証拠点としての魅力を国内外に強く発信してまいります。
  新型感染症の影響により、県内の飲食業等サービス産業は大変厳しい状況が続いております。引き続き、感染防止対策認定店を対象としたプレミアム付電子商品券の発行など中小事業者の支援を進め、県内経済の維持再生に全力で取り組んでまいります。
  今定例会において、福島県沖地震により被害を受けた中小企業等の復旧に要する経費を計上いたしました。引き続き、被災事業者の早期復旧や事業継続をしっかりと支援してまいります。
 次に、農林水産業の再生について申し上げます。
 県産農林水産物の安全性や高い品質を積極的に発信しながら国内外への販路拡大を進めてきた中、大手オンラインストアにおける売上額が10億円を超えるとともに、令和2年度の県産品の輸出金額が過去最高を更新するなど、これまでの取組の成果が着実に目に見える形となって現れてきております。
 特に海外への輸出については、今年度も東南アジア諸国において県産桃の販売を行い、消費者の皆さんから好評を得るとともに、福島牛がマレーシア向けに初めて輸出されたほか、県産桃のアラブ首長国連邦向けの震災後初輸出や相馬沖産鮮魚のタイへの定期輸出、販売など、着実に海外展開に向けた取組が拡大しております。
 また、今年度も新型感染症の影響により、リモートを中心としたトップセールスを行い、「ふくしまプライド。」がぎっしりと詰まった自慢の一品をお届けいたしました。リモートではありましたが、お客様お一人お一人と直接お話をした中で、県産農林水産物のおいしさや品質の高さ、関係の皆さんの思いが伝わったものと確信をしております。引き続き、あらゆる手段を活用した取組を継続して進め、販路拡大や新たな販路の開拓に取り組んでまいります。
 一方で、本県農業を取り巻く環境は、担い手の減少や高齢化の進行に加え、頻発する自然災害やコロナ禍の影響により大変厳しい状況が続いております。こうした中、県内農業者の持続可能な経営を支援するため、本県農業を支える六つの機関が連携支援に係る覚書を締結いたしました。この覚書締結を契機とし、農業者の皆さんがさらなる経営発展を実現できるよう、きめ細かな支援を行い、本県の基幹産業である農林水産業を力強く再生してまいります。
 次に、県民の健康増進について申し上げます。
 震災と原発事故からの復興をはじめ、新型感染症の影響が長期化し、県民の皆さんの生活環境が大きく変化する中、復興をさらに前へと進め、福島の新たな未来を切り開いていくためには、悪化が懸念される心身の健康を守る取組が大変重要となります。このため、健康長寿への取組につきましては、身近なところから始めることができる様々な取組を県民運動と一体となって展開してまいりました。
 今年度から第二期チャレンジふくしま県民運動がスタートしたところであります。これまでの取組に加え、健康長寿ふくしま会議への参画により、専門家からの助言を踏まえた健康づくりや新しい生活様式での実践方法等の情報発信を充実強化するなど、引き続き県民の皆さんをはじめ関係の皆さんの御協力をいただきながら、健康増進に向けた取組をしっかりと進めてまいります。
 次に、子ども・若者育成について申し上げます。
 新型感染症の影響により、思うように活動ができない中、文化や芸術、スポーツなど様々な分野で福島の子供や若者が目覚ましい活躍を見せております。東日本大震災と原発事故以降、これまでの困難な経験の中で培われてきた前に向かって進むという思いが大きな力となり、すばらしい結果につながったものと確信しております。
 震災から十年余りが経過をし、震災と原発事故の記憶がない子供や若者が増加していく中、自分自身で震災と原発事故の経験を語れる最後の世代が今高校生活を送っており、今こそ震災の記憶と教訓について継承しなければ、福島の足元から風化が進むことが懸念されます。
 このため、今年度から伝承館等と連携しながら、被災された方々や復興に力を尽くしてこられた方々との交流などを通して、単なる事実の伝承に終わることなく、福島の今と未来を自分の言葉で語り、発信できるよう、高校生を語り部として育成する取組を進めております。引き続き、福島の新たな未来を形づくるため、夢や希望に向かって挑戦し続ける福島ならではの子ども・若者の育成を進めてまいります。
 次に、インフラの復旧等について申し上げます。
 流域治水の取組につきましては、近年激甚化、頻発化する豪雨災害から県民の命と暮らしを守るため、あらゆる関係者が協働して流域全体で対策を行うことが極めて重要となります。
 こうした考え方に基づき、県ではこれまで国や流域の市町村等とともに一級水系四水系の流域治水プロジェクトを策定いたしました。先月末には、これらに加え、二級水系で初めて四水系の策定が完了したところであり、引き続き流域治水プロジェクトの策定を順次進めるとともに、策定したプロジェクトに基づき、総合的な治水対策を一層推進してまいります。
JR只見線につきましては、先月に全線開通から半世紀を迎えました。この間、住民の生活路線としてはもとより、絶景が楽しめ、郷愁を感じさせる路線として、国内外から注目を集めてまいりました。
 こうした只見線をはじめ会津地域の新たな魅力を発信するため、今後とも地元自治体や関係団体と連携を密にしながら、令和4年中の全線運転再開を目指し、利活用促進に取り組んでまいります。
 次に、地方創生、人口減少対策について申し上げます。
 人口減少を見据えた持続可能な行政運営や地方創生を立ち止まらずに進めていくためには、デジタル技術の活用が鍵となります。今月1日にはデジタル庁が発足するなど、デジタル社会の実現に向けた取組は全国的な潮流となっており、地域課題の解決等を図るため、今月福島県デジタル変革(DX)推進基本方針を策定いたしました。同方針に基づき、デジタル技術を活用して、一人でも多くの県民の笑顔につながり、豊かさや幸せを実感できるよう、県政のあらゆる分野でデジタル変革を推進し、新たな価値の創出に積極的に取り組んでまいります。
 令和2年度の本県への移住実績が過去最多となり、震災以降、関係の皆さんが懸命に努力を重ねてこられた成果が目に見える形となって現れてきております。この流れをさらに強く確かなものとするため、引き続き関係人口の創出を図るなど、福島ならではの地方創生にしっかりと取り組んでまいります。
 今定例会において、福島県の新たな総合計画を提案いたしました。令和元年七月に審議会での議論が開始されてから、途中新型感染症の影響を受けて休止もありましたが、この間委員の皆さんには、言葉や文章の一つ一つを深く、きめ細かく、真剣に御議論をいただきました。
 今年3月からは、県議会の皆さんに調査検討委員会を設置していただき、会派を超えて、御自身の日々の活動を通して体感しておられる県民の皆さんの声、地域の実情に基づき、大所高所から様々な御意見をいただきました。また、総合計画の策定過程で初めて小学生から大学生を対象とした対話型ワークショップを行うなど、若い世代や女性など多くの県民の皆さんに計画づくりに参加いただきました。
 私は、こうした対応を重ねるプロセスこそが大切であり、その中で県民の皆さんに県政を自分事として捉えていただくことで、総合計画が真に県民の皆さんのものとなり、福島らしい持続可能で多様性と包摂性のある社会を実現し、次世代につないでいく、そうしたチャレンジの循環が生み出されるものと確信しております。
 そして、この総合計画は策定して終わりではありません。県民の皆さんに伝えること、知っていただくこと、共感していただくことが大変重要であります。このため、引き続き私自身が先頭に立ち、一つ一つ形にし、実現していく中で、県民の皆さんお一人お一人が希望を持てる福島の新たな未来を形づくるための挑戦を続けてまいります。
 次に、令和2年度の決算について申し上げます。
 令和2年度予算につきましては、令和元年東日本台風等災害からの復旧と復興・創生期間の最終年度として、復興と地方創生を両輪で進めるための当初予算に加え、新型コロナウイルス感染症対策、さらには本年二月に発生した福島県沖地震への緊急対応など喫緊の課題に対応するため、13度にわたる補正予算を計上し、年度間を通して適切な執行に努めてまいりました。これにより、一般会計の実質収支は86億4,100万円となったところであります。
 提出議案について御説明を申し上げます。
 令和3年度一般会計補正予算案につきましては、新型コロナウイルス感染症対策として、ワクチン接種の促進、入院医療機関等への設備整備支援、宿泊療養施設の確保運営、地域公共交通機関の運行支援、農業者の収入保険への加入促進、福島県沖地震への対応として、中小企業等の施設復旧等への補助、阿武隈急行の復旧支援、震災、原子力災害からの復興として、被災した農地や農業施設の整備などに要する経費を計上いたしました。これによる一般会計補正予算の総額は290億8,100万円となり、本年度予算の累計は1兆3,628億9,200万円となります。
 特別会計等補正予算案につきましては、福島県港湾整備事業特別会計など3会計につきまして、それぞれ所要の経費を計上いたしました。
 その他の議案といたしましては、条例が福島県新型コロナウイルス対策特別資金基金条例の一部を改正する条例など9件、条例以外の議案が工事請負契約についてなど30件で、いずれも県政執行上重要な案件であります。
 慎重に御審議の上、速やかな御議決をお願い申し上げます。

知事(内堀雅雄君)本日追加提出いたしました議案につきまして御説明申し上げます。

    これは、議員のうちから選任されておりました監査委員の星公正委員及び佐久間俊男委員が辞任いたしましたので、後任委員の選任につきまして、それぞれ同意を求めようとするものであります。
速やかな御議決をお願いいたします。これは、任期満了に伴う公安委員会の委員1名、人事委員会の委員1名及び収用委員会の予備委員1名の後任委員の任命及び選任につきまして、それぞれ同意を求めようとするものであります。
   速やかな御議決をお願いいたします。 

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