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2021年12月定例会 討論 大橋沙織議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年2月9日更新

大橋沙織議員の写真

議員

大橋沙織

所属会派
(質問日現在)
日本共産党
定例会 令和3年12月
質問等 討論
質問日 12月21日(火曜日)

13番(大橋沙織君)日本共産党の大橋沙織です。県議団を代表して討論を行います。

   まず、知事提出議案第30号、第41号、第42号について反対の立場で意見を述べます。
   議案第30号「県の行う建設事業等に対する市町村の負担の追加及び一部変更について」です。
 県が行う公共事業等の経費の一部を市町村に追加負担させようとするものですが、土地改良法の規定では分担金を徴収することができるとあるだけで、しなければならないものではありません。県が行う建設事業等は全額県が負担すべきです。
 次に、議案第41号、第42号、「民事調停の申立て」についてです。
 議案第41号は、住宅の明渡しと未払い家賃の請求、議案第42号は既に退去した世帯に未払い家賃の請求を行うためとして、合計4世帯の避難区域外からの避難者に対して調停の申立てを行うものです。
 県は既に提訴した4世帯に加え、9月にも4世帯に対し住宅の明渡し等を求めていますが、民事調停が不調に終われば、裁判の提訴につながり、さらに避難者を苦しめることになります。原発事故さえなければ避難の必要のなかった県民に対して、県は2倍家賃の請求や当事者の同意もなく親族に退去と家賃支払いの協力を求めるなど、入居者を追い詰めてきました。法的措置で追い出すようなことはすべきではありません。
 県がやるべきは、避難者一人一人に最後まで寄り添い、丁寧に話合いを継続することではないでしょうか。
 以上2つの議案は、原発事故の特異性に鑑み、民事調停の申立ては行うべきではありません。
 次に、議員提出議案について意見を述べます。
 議案第111号「消費税5%への減税及びインボイス制度の中止等を求める意見書」についてです。
コロナ禍においても命よりも経済を優先させる政治によって、格差はますます拡大しています。今議会の我が党代表質問でも指摘したように、コロナ禍でも大企業は内部留保を133兆円も増やし、大富豪の資産は4倍にも膨れ上がりました。一方で、働く人の実質賃金はこの9年間で年額22万円も減少し、厚労省によると昨年度の生活困窮相談件数は全国で78万件、前年と比べて3倍以上になっており、暮らしが厳しくなっていることは明らかです。
 県民からも「コロナ禍で収入が減り生活が苦しい」、「物価も燃料も高くて冬を越せるか心配」との声が出されています。消費税は低所得者ほど税負担率が高く、消費税5%への減税こそ最も有効な経済対策です。
 2年後10月のインボイス制度実施に向け、今年の10月から登録申請が始まりましたが、インボイス制度はこれまで非課税だった年収1千万円以下の免税業者に新たな負担が求められ、中小事業者をますます苦しめることになり、中止すべきです。
 よって、議案第111号は可決すべきであり、請願92号は採択すべきです。
 議案第112号「憲法第9条を堅持し、憲法審査会での改憲審議は行わないことを求める意見書」についてです。
 そもそも憲法審査会は、一般的に憲法議論をする場ではなく、憲法改定案の発議をする場であり、自民党の改憲案は緊急事態条項創設など改憲4項目を掲げましたが、真の狙いは憲法9条の改悪です。
 歴代政権ですら憲法違反としてきた敵基地攻撃能力の保有について、岸田首相は検討を表明し、改憲に前のめりです。今年度の軍事費は補正予算を合わせると6兆円を超え、さらにGDP2%まで増やす大軍拡路線に突き進んでいます。
 しかし、総選挙後の11月3日に読売新聞が行った世論調査では、岸田政権に優先して取り組んでほしい課題は景気や雇用、年金など社会保障が8-9割、憲法改正は29%であり、国民は憲法改定を望んでいません。東アジア地域の平和と安定のためにも、憲法9条を生かした平和外交こそが求められています。
 よって、議案第112号は可決すべきです。
 新規請願108号「教育予算の増額を求めることについて」です。
 少人数学級の実施は40年間にわたり保護者や教職員から要望されてきたものです。国は、今年度から小学校での35人学級をスタートし、今後5年間で小学校全学年に拡大する計画ですが、コロナ禍だからこそ小学校全学年での前倒し実施や、中学校、高校での少人数学級実現が求められています。
 また、県は普通教室へのエアコン設置をようやく実施したものの、特別教室や体育館にも設置をすべきです。
学校給食費の助成は年々広がり、県内42市町村が実施しています。日本一子育てしやすい県を掲げる本県でこそ、学校給食費を無償化すべきです。日本の教育費の公的支出のGDP比はOECD加盟国で最下位クラスですが、教育環境を改善し、整備することは未来への投資であり、教育予算は増額が必要です。
よって、請願108号は採択すべきです。
 最後に、継続請願42号「令和元年東日本台風により越水、氾濫した郡山市逢瀬川堤防右岸大窪橋から開成山樋門間の早期築堤と堤防を安全な高さとすることを求めることについて」です。
 地元期成会からの強い要望を受け、県も工事を開始していますが、人命や財産に関わることであり、地元住民が早期実施を求めるのは当然であり、この請願は採択すべきです。
 以上で討論を終わります。

13番(大橋沙織君)日本共産党の大橋沙織です。

 共産党県議団を代表し、知事提出継続審査議案第37号「決算の認定について」は、不認定の立場から意見を述べます。
 2020年度は、東日本大震災、原発事故から丸十年となり、台風第19号からの復旧、加えて新型コロナウイルスへの対応など、13度にわたる補正予算を組みましたが、県民の生活苦は今もなお続いており、さらなる支援策が必要です。
 一般会計の歳入決算額は、対前年度比0.1%増の約1兆5,151億円、歳出決算額は約1兆4,722億円となり、特別会計の歳入決算額は約3,024億円、歳出決算額は約2,928億円となりました。
 震災、原発事故、台風第十九号や今年二月の地震など、相次ぐ災害と新型コロナ対応など、県民の命と暮らしを守るべき立場にある県の姿勢は不十分だったと言わなければなりません。
 まず、新型コロナ対応についてです。
 昨年1月に国内で初めての感染者が確認されて以降、全国でも県内でも感染拡大し、県内では医療、介護施設でのクラスターが多数発生するなど、コロナ対応に追われた一年でした。
 昨年2月末、多くの混乱を招いた安倍元首相による突然の学校一斉休業で、保育所や放課後児童クラブは子供たちの受皿となりました。当時の混乱に鑑み、医療、介護、障がい児施設の職員は慰労金の支給対象でしたが、保育所や学童は対象外となり、現場からの強い要望があり、山形県など他県では独自に支給したところもあったように、本県も支給すべきだったのではないでしょうか。
 安倍、菅政権による科学を無視したコロナ対応の不十分さが本県のコロナ対応にも表れました。県は、当初の国基準を上回る確保病床への支援金を支給し、原則入院対応を貫くなど、県民の命を守るため独自に対応したことは評価されますが、コロナ対策費として約30億円を独自財源で支出したものの、検査対象や事業者支援は国の範囲を超えませんでした。
 県は、確保病床数や一日の検査可能数を増やしてきましたが、コロナ感染者の死亡率は全国平均の二倍となりました。根底には、コロナ以前から続く医師や看護師など医療人材の不足が大きな要因となったことは否めません。
 保健所職員の長時間労働も深刻です。一か月で最長188時間、年間では1,400時間以上の超過勤務を強いられた職員もおり、保健所を半分に減らしてきた弊害がコロナ禍によって浮き彫りとなりました。今こそ医療、福祉、公衆衛生体制の強化など、福祉型県政への転換が必要です。
   コロナ対応の事業者支援では、県民から申請手続の煩雑さや基準が厳しいとの声が相次ぎました。昨年度末から県も支給要件を緩和したものの、事業者は依然として厳しい状況が続いており、直接支援など事業者に寄り添った支援が求められます。
   次に、震災、原発事故対応についてです。
   震災と原発事故から十年、復興・創生期間の最終年度となったこの年は、政府は復興の総仕上げと位置づけ、県も一体となって進めているイノベーション・コースト構想には昨年度815億円を費やし、5年間で約3,500億円もの予算がつぎ込まれてきましたが、県民の実感は乏しく、2019年の県民世論調査で、イノベーション・コースト構想を知らないとの回答は83.3%にも上りました。
   イノベの一環として位置づけられた福島ロボットテストフィールドやふくしま医療機器開発支援センター、県立医大TRセンターの事業収益は合計4億2,300万円ですが、総支出は33億4,500万円と、補助金なしでは運営できない状況です。さらに、復興祈念公園の事業費は当初計画44億円だったものを85億円に倍増させ、国の事業費も合わせると総額約135億円と、あまりにも多額の事業費です。
   伝承館については、語り部のマニュアルの中で国や東電への批判を行わないとの記載があり、全国から批判の声が上がりました。
   原発事故による避難者は、今年一月末時点の県発表で約3万6千人となっています。一方、避難市町村の居住率平均は僅か31.6%で、災害公営住宅での孤独死は昨年一年間で過去最多の20人となりました。
   国は、昨年3月末に大熊町、双葉町を除き、原発事故避難者への住宅無償提供を打ち切りました。さらに、県は国家公務員宿舎に避難する4世帯に対し、強制退去を求める裁判を起こすなど、県民を切り捨てる冷たい県の姿勢がますます際立っています。
 昨年度、原発汚染水海洋放出に反対、慎重を求める意見書を出したのは、県内42市町村議会と7割を超え、国が実施したパブリックコメントでも全体の7割を占める2,700件が海洋放出に反対との意見でした。政府は当初、昨年夏までに方針を決めるとしていましたが、こうした世論に押され、延期を余儀なくされました。
   一方、知事はその間も自らの態度を示すことなく、国が決めること、との答弁に終始し、県民世論から背を向け続けてきました。そうして政府は今年4月13日に海洋放出方針を閣議決定しました。知事は今もって反対とは言いません。こうした県の対応が、国と東電の県民世論を無視する行動につながっていることは明らかです。
   昨日、東電は汚染水海洋放出のための海底トンネル建設計画の事前了解願を提出しましたが、海洋放出に対する県民の理解は得られておらず、設備の新設は容認すべきではありません。
   なりわい裁判をはじめとした全国での原発避難者訴訟の判決では、国の責任を求めた18件中10件が国の責任を認めています。しかし、県は原子力損害対策協議会の全体会議も2017年から開催していません。知事は、今年2月議会の我が党の代表質問で、原発事故は人災だと答弁しており、国と東電に中間指針の見直しなど、完全賠償を求めるべきです。
 小名浜港東港には、1994年からの27年間で最終的に1,384億円もの税金がつぎ込まれました。この港は、IGCC型の石炭火発の燃料となる石炭荷揚げのため、国際バルク港として予算を大幅に増やしてきましたが、地球温暖化対策に逆行するものです。
   次に、教育行政についてです。
   県立高校統廃合をめぐっては、今も地元から反対の声が多数寄せられています。県教委が自ら決めた方針を問答無用で推し進めていることは大問題であり、県が進める人口減少対策、地方創生にも逆行するものです。
   学校給食費の補助についても県教委は後ろ向きですが、県内市町村では首長自らが公約として掲げるなど、現在42の市町村に広がっており、県民の要求であることは明らかです。県単独で無償化を行った場合でも80億円あれば十分に可能です。教育予算を増やし、教育環境を守ること、保護者負担軽減のために施策を進めることを求めるものです。
   最後に、職員体制についてです。
   内部統制制度が昨年度から始まりましたが、この制度は民間企業で導入されてきたもので、県民サービス向上にはなじまないものです。日本の公務員数は欧米諸国と比べても少なく、さらに本県の職員は震災、原発事故以降、相次ぐ自然災害や新型コロナ対応で疲弊を極めており、職員の正規化や増員などの対応こそ必要です。
   また、今月明らかになった補助金の不適切な支出については、制度運用の確認不足であり、今後決して繰り返してはならないということを指摘するものです。
   以上、2020年度決算の認定については反対を表明し、討論を終わります。

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